2009年08月11日

今週の六十余州 その54「44. 隠岐 焚火の社」

44図 焼火山(たくひさん)は隠岐(おき)国(島根県の隠岐諸島)隠岐郡西ノ島の東部にある山で半島形をしている。島前(とうぜん)海の中心に円錐形を成した形勢甚だ雄偉な山で、古来から舟人の目標となった。太古の噴火で出来た山で、山上に延喜式大山神社、波止浦に比奈麻治比売命(ひなまじひめのみこと)神社がある。

 承久年中後鳥羽上皇、暴風に遭い漂流した際、この山の火光により無事波止港に着いた逸話もある。また同上皇はこの山の火光を望み、「なだならば藻汐やくやと思ふべし何を焼火の烟なるらん」の一首を詠んだという。島中の船人やこの附近を航海する人々はこの焼火権現を殊に崇敬し、航路の安全を祈願したもので、現在でも「焼火さん」といわれて多大の信仰を集めている。船の舳先をクローズアップし、そこで御幣左右左に振る船子を描いている。白い波頭を念を入れて描写しているのは、舳先や陸地の描写に対して快い動きのある旋律をこまやかに感じさせるためで、広重のすぐれた波涛描写の一つといえよう。
44図部分
歌川広重「六十余州名所図会」完全復刻版 別冊解説書より
(blogに転載するにあたり、市町村合併などによる地名の変更は極力現在の名称になおすようにしています)

mainichi_art at 10:46│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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