2009年11月10日

今週の六十余州 その67「49. 備後 阿武門観音堂」

49main先月のニュースでポニョの街のモデルとなった鞆の浦(とものうら)に橋を新設する事業について裁判所が許可しないという報道がされていました。
救急車も消防車も入れないエリアで、バイパス設置は住民の悲願でもあると聞くと、外部の者が景観を守れなどと言っていいのかわかりません。
その鞆の浦から海岸沿いに4-5キロ西に行ったところにある阿伏兎(あぶと)岬に今もこの図と同様の威容をのこすのが阿伏兎観音堂こと磐台寺観音堂です。

備後(びんご)の国は現在の広島県東部、磐台寺観音堂は福山市沼隈町に位置します。
磐台寺観音堂の歴史は古く、正暦3(992)年航海の安全を祈願して十一面観音像を本尊として花山法皇が創建。その後源平合戦で被害を受け一時荒廃するが、元亀元(1570)年毛利輝元によって再建され、現在の姿となりました。
(O)

49b月下の海を一望に見渡せる観音堂の描写が心にくいまでに完描されている。水辺に近い岩頭の茶のぼかしが、月夜の海のほの明るさをよく表現して秀逸である。この図会の他本と比較すると、まず左中空の雲がはっきりと雲形をなしている。岩肌が月光に照らされた感を出すために明るくなっている。全体にシャープななかに初摺のういういしさが残っている。

49c
歌川広重「六十余州名所図会」完全復刻版 別冊解説書より)
mainichi_art at 10:09│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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