一人朝早く目が覚めた。Kashafを無事、病気やケガもなく親元に返してあげられる…という安心感にしばし浸るも、次の瞬間には「忘れ物をさせてはいけない!」と家の中や洗濯機を再確認。3日目くらいに、Kashafが洗濯物の袋に間違って一緒に入れてしまい、私が洗濯をして止まってしまったお気に入りのBarbie時計、ダメ元で4日間乾燥機のある部屋に干し続けていたのだけれど、朝見てみたら再び動いていた。仕上がった洗濯物と時計と…それから昨日の夜撮った浴衣の写真をプリントして、彼女の両親に手紙を書いた。
他の両親は国から何度もホストファミリー宅に電話を入れたりメールをしたりして、子どもたちと交流していた様だけれど、Kashafの両親は一度もしなかった。それは「ルールは守る物だから」と。2週間も全く他の国で暮らす娘の事を案じながら過ごすのは、どんなに辛い事だっただろう。でもそのお陰でKashafは一回りも二回りも大きくなったと思う。家族を本物の家族だと慕ってくれた。私にも毎日、嬉しかった事、面白かった事…たくさん話してくれた。友達に悪口言われて嫌だった事は、「パキスタンでもいつもお母さんに話して聞いてもらってるの。今はMommyに話せるから、良かった。Mommyに話してたら怒ってた気持ちが落ち着いて来たよ。ありがとう。」って…私の事も本当の母と信じて慕ってくれていた。
本当に私たちが照れてしまうくらい、全力の愛情で私たちに向き合ってくれた。彼女の周りの良い環境は全て、彼女が自分で作り出しているのだな…と感心する。彼女と彼女の両親のそんな努力のお陰で、私たちは本当の家族になれた。
両親への手紙の中で私はその事にも触れ、本当に素晴らしい事だと讃えた。そしてあなたたち家族もまた、私たちの家族。いつか必ずお会いしましょう。。。と。
淋しさを見せずに、常に人の事ばかり考えて振る舞う彼女の素晴らしさ、そのまっすぐさと純粋さ…いろいろ伝えたい事を記して、彼女に託した。
動き始めた時計を渡すと、信じられない…という表情で「やっぱりMommyはなんでも出来るのね!」滞在中何度も言ってくれた "Mommy, you can do anything!" にどれだけ励まされた事か。

朝11時半の飛行機に乗せるため、9時半には空港入り。長いフライトとバンコクでの待ち時間。その中で食事は一度だと聞き、彼女が出国手続きをしている間に好物のキットカットとポテトのスナックを買っておいた。出て来た彼女に「お腹が空いたら食べなさいね。」と手渡すと、突然我慢しきれなくなったように泣き出した。私にしがみつき、激しく嗚咽する彼女を見ながら、絶対笑顔で見送ると決めていた私も泣いてしまった。Sueも声を出して泣いた。
ゲートを出て行く時、何度も何度も戻って来ては手を振り続け、ゲートを抜けても遠くから小さくなったKashafが手を振っているのが見えた。




「出会いは偶然じゃなくて、必然。」
大切な友人が言ってくれた言葉が心に響く。
地球のあちらとこちらで暮らしていた私たち、今までお互いの事を知る事もなく生きていた。
それが、ある時あるタイミングで出会い、そして生涯忘れられない思い出と絆を作る事になる。

彼女が私たちのアルバムの最後に書いてくれたメッセージ
"I love you. I can't live without you all."
そこまで大きな存在になる事が出来た、絶対これは必然。
これから世界のあちらとこちら、お互いの存在と宝物の思い出に支えられて、また元気に生きていこう。強い味方を得た私たち、今までよりももっともっと強く優しく歩めるね。
Of course we love you, too, Kashaf !!
夢を叶えて素敵なお医者さんになれるよう、いつも応援してるよ。