2008年09月

2008年09月30日

レビュー:パスタがキムチ味になっちゃったような『不良カップル』

*ネタばれ、ご注意下さい。

夫はいらないけど子供は欲しい。モード雑誌の編集長が、最高の遺伝子をゲットするため、あの手この手で大学教授に迫る。『不良カップル』(SBS 2007年)のでだしは、なんだか一昔前のアメリカのドラマみたいです。

ヒロイン、ダンジャは、すごい美人というわけではないけど、お洒落で、愉快で、はじけていて、どこか憎めない。同じ30代の独身でも、サムスンやダルジャやオ・スジョンとは違って、結婚願望はゼロ。いわゆる“欧米風”のキャリア・ウーマンのように見えます。

で、ダンジャさん、頭も顔も性格も家柄も良しと目をつけたウブな植物学教授から子種をもらおうと、写真スタジオに呼び出して色仕掛けをしてみたり、無人島にまで誘い出したり、媚薬(?)を飲ませたり…。

最初の数話は、まさにお色気コメディ。誘惑が成功し、「めでたくご懐妊!」というところまでは、軽快に物語が進行していきます。

ヒロイン像もお色気度も、今までの韓ドラにはないほどポストモダンなテイストで、それもけっこうサマになってて、最初の3分の1ほどまでは楽しく視聴させてもらいました。

が、しかし、残念ながら、この軽やかなノリは長くは続きません。竜頭蛇尾というか、おなじみの韓ドラ定番が出てくると、なんだか重苦しい展開に…。

定番その1は、古風な親と儒教的な親子関係です。

リュ・スヨン氏演じる教授が、初めての女性であるダンジャに本気になってしまい、ダンジャも彼の純情な求愛にほだされ、結婚を考えるようになっていくのですが、結婚というのは二人だけの問題じゃないし、特に家族の絆が強い韓国では日本以上にそうでしょう。

しかも教授は地方の旧家の跡取り。彼の両親は『ランラン18歳』に出てきたような伝統家屋に住み、いまだに韓服を着て暮らし、一人息子を幼なじみと結婚させようとしているのです。

こういう家柄&家風に、シングル・マザー願望の“欧米風”キャリア・ウーマンが相容れるわけもなく、その辺からダンジャの迷走が始まります。

象徴的なのが、教授の実家を訪ねるために、長いウェービー・ヘアをコンサバな髪型に変えちゃったこと。服装まで地味になったダンジャは、“韓国のファッション・リーダー”から、なんか生彩を失った普通のヒトになってしまいました。

私は最初の華やかなダンジャが好きだったので、後半の地味なダンジャはダメでしたね。というか、ダンジャの外見が地味になってから、ドラマがつまらなくなったと感じました。

教授の実家というぶ厚い“儒教の壁”にぶつかったダンジャは、「私はこんな家のヨメにはなれない」と、一度は別れを告げて、幼なじみに教授をゆずります。

そして、次に出てくるのが第2の韓ドラ定番、“病気”です。妊娠中のダンジャに子宮がん見つかり、「ダンジャと赤ちゃんの両方が助かるのは奇跡」というような状況になってしまうのです。

それにしても、なんでこういうドラマに病気を持ちこまなきゃならないんでしょうか?“難病”が苦手な私には、かなり耐え難い展開でした。特に軽やかなコメディ・タッチの前半はけっこう好きだったので、裏切られたような気分。

で、病気をきっかけにダンジャの心境が変化し、幼なじみと婚約した教授を取り戻そうと必死になるのですが、妊娠も病気も隠して彼に再接近する彼女の行動は、理解に苦しみます。

いくら病気だって、自分の気持ちだけで相手を振り回すっていうのは、どうなんでしょう? それに、50パーセントの確率で死んでしまうかもしれない自分が、教授と婚約者の仲を引き裂いていいのかとか、教授とよりを戻したらかえって彼を悲しませる結果になるかもしれないとか、そういうところまで考えが及ばないらしいのです。

教授を取り戻そうとする企ての一つに、婚約者が教授の研究室に飾っていた刺繍入りのクッションや壁掛けを、自分が刺繍したものとこっそり入れ替えるというものがありましたが、そういうことを理知的な大人の女性がやるでしょうか?

そして、婚約者とお弁当作りの競争までしちゃうんですけど、なんかもう見ていられませんでした。

こうしたエピソードは、一応コメディの体裁を保ち続けようという意図なのか、コメディ・タッチ描かれていますが、とても笑えません。そもそも、ヒロインが病気で死ぬかもしれないっていうのに、コメディ・タッチっていうのは、チグハグじゃありませんか。

また、半ば頃からダンジャのストーリーは途切れ途切れになって、10年主婦やったあげくに医者の夫に浮気されたダンジャの後輩ヨンのサイド・ストーリーの比重が増してきます。これもまた、「ヒロインが死ぬかもしれないのに、奥様劇場ばっかりやってていいのか?」って、チグハグな感じがしました。

でもダンジャの迷走よりも、ヨンとウオンビンもどきの若者のラブ・ストーリーを見ている方が、まだマシだったような…。

ダンジャのストーリーとヨンのサイド・ストーリーの対比は、人生の皮肉っていう意味では面白いかもしれません。最後には、シングル・マザーを目指したダンジャが夫を得て、ダンジャに批判的だった専業主婦のヨンがシングル・マザーになったわけですから。

『不良カップル』のチグハグさは、結局のところ、韓国あるいはアジアの文化圏に、“欧米風”の個人主義的ポストモダンを借りてきてもしっくりこないということなんじゃないかと思います。

ダンジャの迷走は、彼女の自立したキャリア・ウーマンという風情が、表面的なものだったことを露呈させてしまいました。スタイルだけ真似ても、結局、中身が伴っていなかったということでしょう。

『恋するハイエナ』を見た時も思ったんですが、“欧米”を真似たような韓ドラって、なんか無理してるみたい。

いくら“欧米風”を装っても、結局は韓国風味付けになってしまう。これは例えて言うなら、カルボナーラかなあと思って食べ始めたら、中からキムチが出てきたような違和感です。それよりは、無理してない普通のキムチ料理の方がいいと思うんですけど。

makiko1 at 23:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)レビュー 

2008年09月09日

泣かない(泣けない)韓ドラ・ファン

『彼女がラブハンター』で、オ・スジョンが第2の男ウタク氏と映画を見に行った時のことです。悲しい映画だったのに涙を流さないスジョンを見て、ウタク氏が意外そうに「泣かないんですね」と聞くと、「悲しいけど、涙が出ない」と答えていました。

このシーン、なんだかデジャブと思ったら、その昔の学生時代に私も似たようなことがあったのを思い出しました。難病ものの映画を見に行ったのに、一粒の涙も流さないんで、一緒に行った男性にがっかりされてしまったのです。

ウン十年経った今でも、私はいまだにドラマや映画で泣くことがほとんどありません。あの号泣ものの『ごめん、愛してる』を見た時でも、すんごく好きだったにもかかわらず、後半で何度か目じりが湿ったくらいでした。

韓国ドラマってけっこう泣かせるような話が多くて、ティッシュの箱をそばに置いて視聴したなんて話も聞くんで、どうも自分は韓ドラ・ファンとしては異端らしいと思うわけです。

悲しい話を見てワーッと泣いたら、すっごいカタルシスで、心が汗を流したような快感なんだろうなあと想像はつくのですが、たぶん私はそういうのとは一生無縁なんじゃないかなあ…。

“泣かせる”タイプのドラマは、“泣かせる”以外の魅力がありそうだと思わないかぎり避けてしまいますし、見てもたぶん泣けないでしょう。

特に韓ドラにも多い“難病もの”は、『ある愛の詩』で泣けなかったティーン・エイジャーの頃から苦手です。

セカチューも、「こんなに流行ってるんだから何かあるんじゃないか」と思って、一応映画(日本版)は見たんですが、「なんかセンチメンタルな話だなあ」と醒めた反応しかできませんでした。

難病を扱った手記やノンフィクションなんかは結構読んでて、感銘も受けるんで、難病というテーマそものが苦手とか興味がないとかいうことじゃないんですが。

たぶん、私にとってドラマや映画は娯楽なんで、難病もので楽しむっていうことにまず抵抗があるんだと思います。

それに、「不治の病で死ぬ」なんて、本人にも、家族にも、恋人にも、友だちにも悲しいことに決まっているわけで、それを脚色して涙を誘うというのはフィクション(小説やドラマや映画)の作り手として安易じゃないかとか、それで儲けるのはどうなんだとか、なんか釈然としないんですねえ。

事故は、ドラマのトリックとしては難病よりちょっとマシだと思いますが、やっぱり苦手。

というように、ある意味かなり気難しい性格なので、ドラマを物色する時も、かなり厳選することになってしまいます。まあ最近の韓ドラでは、難病&事故はあまり流行らなくなってきているみたいで、こういうトレンドは私的には大いに歓迎です。

2008年09月05日

レビュー:意外と奥が深い『彼女がラブハンター』

少年時代からヒロイン、オ・スジョン一筋だった太っちょのコ・マンスは、彼女に言われるままに勉強していい大学に入り、司法試験を受けて、でも面接で落ちてしまった。それを結婚式当日に知ったスジョンが式場から逃げ出して…。

こんなドタバタから始まるラブコメ、『彼女がラブハンター』。ちまたではあまり話題になっているようではありませんが、主演のオ・ジホはいままでになく魅力的だし、けっこう奥が深いし、私はかなり気に入ってます。

8年後、なんとコ・マンスは、アメリカで成功したプロ・ゴルファー、カール・コとなって、韓国に凱旋します。肉襦袢を脱ぎ捨てて再登場したオ・ジホ氏、セレブの香りを漂わせて、なんかカッコいい!

一方、スジョンは34歳の負け犬状態。経済力のない父と弟を抱え、宝石店の店長だけどろくに給料ももらえず、贅肉に悩まされ、モテモテだった若き日の栄光も今は昔。

こうして立場が逆転した二人が再会し、俗物スジョンは「逃がした獲物は大きかった」とばかりにマンスを追いかけ始め、マンスは「スジョン憎し」のはずなのに心が揺らぎ、スジョンの心を確かめようと、ある策略を思いつく…。

予定調和的って言うんでしょうか、韓ドラ・ファンなら「そうなるだろうな」って思えるようなストーリー展開で、あまりサプライズとかはないんですけど、どんなふうに着地するんだろうと最後まで楽しめます。そして見終わった後の気分の良さは、例えて言うなら『フルハウス』に近いけど、『フルハウス』よりしみじみと大人っぽくて良いかも。 

何よりも、オ・ジホとスジョン役のオム・ジョンファの熱演が光ってます。二人共、もうベテランと言ってもいいような役者さんで、さすがに芸達者ですね。見かけの軽さとはうらはらに、二人共けっこう複雑なキャラクターなんで、ヘタな役者さんだったら、こけてた可能性大なんじゃないでしょうか。

それにオ・ジホ氏、なんかセクシーになっちゃって、どうしたんでしょう?前作『ファンタスティック・カップル』のチャン・チョルス役も男気があって良かったんですが、セクシーとは感じなかった。なんというか、私にとって彼は今まで、“美形だけど、セクシーではない”俳優さんだったんですが。

がっちり系のチョルスの時よりすらりとした体に、端正なお顔。プロ・ゴルファー役に元々のビジュアルの良さがマッチして、遠くからホレボレと見ていたいようなクールなカール・コ。でもその実、彼の心の中は、“スジョン命”だった太っちょマンスから抜けきれていない…。

たぶん、このカールとマンスの落差が、セクシーの素なんではと思います。

富も名誉もグッド・ルックスも手に入れたマンスにとって、落ちぶれたスジョンを切り捨てることなど簡単なはずなのに、それができずに苦悩する。そんな気弱さや優しさが、実はマンスの魅力です。スジョンを切り捨てられずに悩む彼の横顔は美しい…。特に彼はよくお風呂で悩むんで、よけいセクシーだったりして。

こういうのを見てると、男らしいチャン・チョルスよりも、ちょっと気弱なマンスの方がジホ氏の地に近いんじゃないかなあって気がしてきます。

で、マンスのキャラっていうのは、実はスジョンのお父さんとかぶっているんですね。スジョンの母親は、家出して他の男と作った男の子を夫に託してまた行方不明ってことで、かなり困った人なんだけど、お父さんはこの男の子を実子同様に育てています。しかも、20年近くの家出生活からふらりと戻ってきたお母さんを受け入れるのです。

経済力もなく不甲斐ないお父さんですが、この底なしの優しさはあっぱれです。「憎しみを乗り越えて一人の女を愛しぬく」ということでは、お父さんはマンスの先輩みたいなもの。娘は父親に似た人を好きになると言いますが、スジョンもそのとおりだったわけです。

マンスもお父さんも、弱いんだけど、実は強い。愛する女にはとことん腑抜けだけど、実は一人の女を愛し抜く強さを持っている。強さの中に弱さがあったり、弱さの中に強さがあったりするんで、人はみかけによらないのです。

スジョンにしても、最初はどうしようもない俗物に描かれていたのに、彼女の金持ちハンターぶりが、必ずしも自分のためではないということが次第に明らかになってきます。

視聴者としては、まるで洗脳されていくようにスジョンを見る目が変わってくるんで、気が付くと「あれれ」って感じです。オム・ジョンファ・マジックって感じで、いつの間にか、俗物女が「足に砂袋をつけて砂漠を歩いて行く」ような家族思いのタフで健気な女に見えてくるのです。

『…ラブハンター』でのオム・ジョンファさんは、『12月の熱帯夜』の可哀想なヨメ役よりも、陽のパワーが弾けていてチャーミングですね。整形顔もわざとらしい微笑みも、パッと花が咲いたようで許せちゃう。ムチムチ・ボディも肉感的で許せる。ヘンな髪形もそれなりに似合ってるから許せる。それに、歌手だけあって声が良いです。

というわけで、私的にはスジョン(あるいはオム・ジョンファ)ぜんぜんOKなんですが、もしかしたら日本では、アクが強すぎてダメっていう人が多いかもしれません。

さらに「人はみかけによらない」例が、もう2つ。

*地味な健気ぶりっ子が実はコワイ
スジョンの家に住み込み、スジョンの店で働いている若い女デスンは、一見弱々しくて、男が守ってやりたいようなタイプです。で、ついついマンスが手を出しちゃったんですね。

しかし彼女は、(私が見た中で)韓ドラ史上最悪の第2の女でした。控え目で健気な外見とはうらはらに、とんでもなくずるい策略家だったんですから。意地悪そうな人が意地悪するよりホント性質が悪いです。

*いい加減な詐欺師が実はマトモ 
それに対して、第2の男ウソクは、なかなか良かった。詐欺師なのに、善悪の一線をわきまえていて、その一線は越えない。いい加減に見えて、実はなかなかしっかりした好人物でありました。後半、どんどん魅力的に見えてきますね。

そんなこんなで、笑いながらも、なんとなく考えさせるドラマだったように思います。

一度、10〜12話目くらいで大きな山場があって、その後ちょっと停滞気味になりますが、最終回がすっごくいいので、「終わりよければすべて良し」と私は満足でした。主題歌が胸キュンでいいんですが、見終わった後もこれがしばらく頭の中でリピート状態。ハッピーな余韻に浸ることができました。


makiko1 at 09:34|PermalinkComments(4)TrackBack(0)レビュー 

2008年09月01日

レビュー:日本のドラマみたいな『恋愛時代』

ソン・イェジンさん主演の『恋愛時代』(2006年 SBS)は、以前数話見てドロップアウトした作品でしたが、ダンナがなぜかテレビから録画して見てるんで、つられて見てしまいました。

「なんだか日本のドラマみたいでかったるい」という最初の印象は、最後まで見ても変わらずでした。日本の小説(作者は脚本家の故・野沢尚さん)が原作なので、日本のドラマみたいななのも当たり前なのかもしれません。

具体的に何が日本のドラマみたいなのかって挙げるのはちょっと難しいんですが、どこか淡々としていてテンションが低いこと、煮え切らないところ、コミュニケーションがあいまいなところなどかなあと思います。

フツーの韓国ドラマの印象が、原色をちりばめたカラフルな色調だとすると、このドラマは中間色って感じです。

2006年の作品で、韓国での視聴率はまあまあだったそうです。これでもかとテンションを上げていく韓ドラに慣れている韓国の視聴者には、逆にこのテンションの低さが新鮮だったのかも。

フツーの韓ドラでは、第2の男や第2の女が出てきて四角関係になるんですが、このドラマでは、第2の男と女が途中であっさりと引いちゃうんで、その後に第3の男と女が出てきます。で、この第3の人たちの引き際もかなりあっさりしている…。

こんなふうに物分りのいい脇役ばかりだと、なんか肩透かしをくらったみたい。フツーの韓ドラでは、第2の男や女が、愛ゆえに、あるいは執着ゆえに、意固地になっていろいろとやってくれるんで話が盛り上がるのだと改めて思いました。

あるいは、このドラマは、“盛り上がり”なんて求めていないのかもしれませんが、こうも盛り上がらない話だと、「えー、まだ12話?」って感じで、16話がとても長く感じられてしまいます。息をつかせぬような展開で、あっという間に見終わっちゃったっていうようなドラマとは時間の感覚がぜんぜん違いますね。

あえてリアリティを出すためなんでしょうか、俳優達もわざとのように普通っぽい。役柄上仕方がないとはいえ、ソン・イェジンさんはブスっとした憂鬱な表情が多くて、全然可愛くないし。

それでもって、何だか変なんですよねえ、この話。正直、全然納得できない…。

イェジンさん演ずるウノと元夫のドンジンは、別れてからもちょくちょく会い続けるとい付かず離れずの関係を続けています。何故か?私に言わせれば、彼らはそもそも別れる必要のないカップルだったからです。

二人の関係は、待望の赤ん坊の死産をきっかけにこじれてしまったんですが、世の中には流産や死産という試練を支え合いながら乗り越えている夫婦がいっぱいいるわけで、離婚の理由としては弱すぎます。

で、終盤に二人が別れた本当の理由っていうのが明かされるんですが、なんか納得できるような話が出てくるのか思いきや、なーんだ、ドンジンがウノに話すべきことをちゃんと話さなかったというだけのことじゃないですか。

この先ネタばれになりますが、ウノが死産した夜、ドンジンはどこかに行ってしまい、ウノを一人にしてしまった。そして、どこに行っていたかも教えてくれなかった。それでウノはドンジンに対する不信感を持ってしまった。

で、ドンジンはどこにいたのか? 後半で、彼が慰霊室で死産した赤ちゃんを抱きながら夜を過ごしたということが友人から明かされるのです。それを知ったウノは、ドンジンが再婚してしまったのにもかかわらず、彼への思いが断ち切れなくなってしまう…。

死産した日、ドンジンがウノに「今晩は俺が子供についていてやるから」って言えばよかっただけなんじゃ?私にはデリケートな心境というのがいまいちわからないんですが、たとえその時言えなかったとしても、あとで「あの時は子供と一緒にいたんだ」って言うこともできたはず。

なんでそんなことを隠していたのか、私にはよーくわかりません。結局、コミュニケーションの悪い夫婦だったとしか思えない。

ちゃんと伝えるべきことを伝えていたら、離婚する必要はなかった2人。まだ相手に気持ちを残しながら離婚しちゃったんで、新しい出会いがあっても、心がついていかないのも当たり前。

結局、ウノもドンジンも、しなくてもいい離婚をしたために、その後の気迷い期間中に、それぞれ2人ずつと付き合い、つまり計4人を巻き込み、振り回したということになります。ドンジンなんて再婚までしちゃって、お相手はきれいで感じのいい女性だったのに、気の毒なことでした。

そうやって他人を巻き込んだことへの反省はなく、やっぱり二人は別れるべきじゃなかったということで、ラストは想定通り。いい気なもんですな。

というわけで見なくてもいいドラマを見ちゃったような気がするんですが、唯一良かったことは、韓ドラとしては異色の中間色ドラマを見たことで、自分が韓ドラに何を求めているのかがはっきりしたことでしょうか。

日本に住む日本人として、中間色はうんざりするくらい見慣れていますから、ドラマくらいは、メリハリのあるカラフルな色調のものに惹かれます。つまり、喜怒哀楽がほとばしって、心のツボをあちこち押されながら、次はどうなるんだろうとハラハラ、ドキドキして、時間を忘れてしまう。やっぱり韓ドラはそういうのがいいですねえ。


makiko1 at 15:36|PermalinkComments(1)TrackBack(0)レビュー 

私の韓国ドラマ・ベスト10

オ・ジホがとってもよかったんで、『彼女がラブハンター』が、トップ10入りしました。

トップ10 (2008年9月)

1.ごめん、愛してる     2004 KBS
 脚本、演技、映像など完成度が高く、別格です。

2.ファンタスティック・カップル 2006 MBC
 傲慢なヒロインが可愛くて、笑えて、ほわっとして、洗練度が高い。

3.フルハウス        2004 KBS
 まぶしいほどに明るくきらきらした雰囲気が気持ちいい。

4.宮(クン)        2006 MBC
 ゴーマン皇太子が変わっていく様子とゴージャスなセットが魅力。

5. ありがとうございます   2007 MBC
 いろいろと大変な話なのに、幸せな余韻を残してくれる良質なドラマ。

6. その女          2005 SBS
 不倫をめぐる複雑な人間関係と心理。納得できる大人の純愛もの。

7. 彼女がラブハンター    2007 SBS
 主演二人の熱演が光る大人のラブコメ。

8.サンドウ、学校へ行こう! 2003 KBS
 軽いタッチと思いきや、切なさは同じ初恋ものの冬ソナをしのぐほど。

9.夏の香り         2003 KBS
 夏のみずみずしい風景と美男・美女。とにかく目の保養になります。

10.バリでの出来事      2004 SBS
 登場人物は好きになれないのに、不思議な魅力があって捨てがたい。

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番外(トップ10には入らないけど、見てよかったドラマ)

* 千年の愛         2003 SBS
 B級的なおもしろさで、ジソブ・ファンは必見。
 
* 二度目のプロポーズ    2004 KBS
 人と人間関係がじっくり描かれたアジェマ・ドラマ

* ランラン18歳       2004 KBS
 検事とコギャルのラブコメ。愛とは育てていくものらしい…。
 
* 怪傑春香         2005 KBS
 高校生が大人になるまでの10年の重みがずっしりのラブコメ

* 私の名前はキム・サムスン 2005 MBC
 軽快なラブコメ。たぶん年下男もののはしりでしょうか。