August 31, 201200:23らくみ通信 2012年 葉月 〜 五臓六腑その3 脾  

Vol.107
2012/08/30
 
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┃\/┃     らくみ通信 2012年 葉月 〜 五臓六腑その3 脾  
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朝も早よからセミはミーーンミーン、ジージージーーと叫び、
相変わらず暑い毎日が続いています。
とはいえ、夕方日が落ちてからはふぅーっと涼しい風が吹き、
かくれんぼしている秋をみつけたような・・・
 
この夏、いかがお過ごしでしたか?
 
こちらは久々に長く実家に帰省し、海に山にたっぷり夏を満喫してきました。
 
誰も教えてないのに、ひぃじいちゃんの畑の赤くなったトマトだけを狙う
1歳児の本能に脱帽したり、
翌日にはあせもをきれいにしてくれる海水の力に感謝したり、
山の中の温泉で森林浴しながらふぅ〜っとひと息ついたり、
平和な夏でした。
 
さて、前々回の 木=肝、火=心 に続き、
今回は「土」に属する臓器「脾」についてお話します。
 
***********************
 
東洋医学の「脾」をお話する前に、
西洋医学の「脾臓」って、どんな臓器で何をしているか、イメージつきますか?
他の五臓「肝・心・肺・腎臓」は分かりやすいですが、脾臓って・・・? 
どこにあるの?どんな形?何をしているの?
 
脾臓はまっすぐ立った時に左肘のある辺り、左わき腹、肋骨の中にあります。
大きさは握りこぶしくらいですが、血液を中にためるので、
大きくなったり小さくなったりします。
 
何をしているのかよく分からない臓器、と言われていましたが、
白い白脾髄はリンパ球を生成するなど免疫上大きな仕事をし、
赤い赤脾髄は胎児期に赤血球を作り、生まれてからは不要な赤血球をこわす、
といったように、循環系や免疫上での役割がちゃんとあります。
取ってしまっても問題ないといわれてはきましたが、
感染症にかかりやすくなるなど、いざという時、体の底力を左右します。
 
血液を貯蔵する役割もしていて、急な運動で血液が足りなくなった時には、
筋肉へびゅーっと送り出してくれます。
食後などに運動して、わき腹がくくく、と痛くなるあの痛み、
あれはまさに脾臓が縮んで血液を送り出している痛みなのです。
 
知らないだけで実は、縁の下の力持ち。
でも・・・
他の4つ、「肝・心・肺・腎」は、どれもなくては生きていけないのに、
摘出しても命に別状はないなんて、
そんな臓器が五臓六腑の仲間に入れてもらえるというのも、なんだかヘン。
そう、東洋医学でいう「脾」は、「脾臓」そのものでなく、「消化」の働きを意味し、
西洋医学では「すい臓」がそれに近いと言われています。
 
すい臓はご存知、血糖値を下げる「インスリン」を分泌する器官ですが、
そのほかにも消化に必要な「消化酵素」を十二指腸に送り込んでいます。
消化酵素をたっぷり含んだこの膵液がないと、食べ物を消化できませんし、
インスリンがないと生きていけません。
「消化」になくてはならない存在の「すい臓」、これこそ「脾」と考えてよいでしょう。
 
では、順に見ていきましょう。
 
木       火      土      金      水
曲直  炎上  稼穑   従革   潤下
肝      心       脾      肺      腎 
春    夏   長夏     秋      冬
生      長      化       収      蔵
風      暑      湿       燥      寒
青      赤      黄       白      黒
東      南    中央      西      北
酸      苦      甘       辛      鹹
目      舌      口       鼻      耳
筋    血脈   肌肉    毛皮   骨髄
怒      喜      思       憂      恐
魂      神    意智    魄気   精志
涙      汗      涎       涕      唾
爪    面色     唇       毛      髪

 
脾の属する「土」の特徴は、「稼穑(かしょく)」。
土を耕して種を播き、作物を収穫する、という意味で、
広くは「生化・継承・受納」という作用を意味します。
人間でいうなら、まさに「消化と吸収」。
食べたもの、飲んだものから土壌である体を作りあげていく。
 
「生」「長」ときて、「化」。
変化の化、消化の化、形を変えて取り込まれやすくします。
 
方角は「中央」。
土から他の4つ、木火金水は生まれるという考え方から、
土はど真ん中にどでん、と構えています。
脾胃も体の真ん中にありますよね。
 
季節は「長夏」。
辞書上では「夏の盛りの日の長い頃/陰暦6月の異名」とあります。
陰暦6月=現代暦の7月。でも夏の盛りは8月。
具体的に何月か、というより
「湿邪」の影響を受けやすい時、と考えるとよいと思います。
「天の気が下降し、地の気が上昇し、二気が燻蒸して湿となる」
夏から秋にかけての湿邪が多い頃、というと、
むんむんした梅雨の後半やまだまだ暑い初秋の長雨の頃、
という感じでしょうか。
 
湿邪は脾を犯しやすいので、湿気の多いこの時節、
暑いからと冷たいものを常食していると、湿邪にやられて消化吸収力が低下、
食欲不振のみならず、下痢や軟便、胃のむかつき、口がねばつく、
などの症状が出てきます。
うんちがべとついたり、ふきとりにくいようなこと、ありませんか?
朝起きたら口がネバネバしてませんか?
夏風邪はお腹にくる、というのも湿と脾胃の関係からです。
 
さらに、湿邪が脾胃だけでなく全身にまわると、
「湿は重く濁って、停滞する」 「湿は水と同じく下に流れやすい」
という性質から、頭や体、手足が重だるい、耳がぼよんと塞がったようになる、
目やに、濁ったおりものが多く出る、おしっこがにごる、手足がむくむ、
などの症状が現れます。
 
しかも、湿邪はねばっこく、停滞しやすいので、なかなか治りません。
治らないとさらに脾胃を傷めて、消化吸収がまた低下、
という負のスパイラルに陥ります。
 
そして、ある晩、ふぅーっと涼しい風が吹いて・・・
あ、やられた!風邪をひいてしまったり、ひどい下痢になったり。
 
そうなる前に予防&改善しましょう。
冷たいビールは最高!・・・でも休肝日をつくる、とか、温かいものをはさむ、とか。
 
食材でいえば、基本的にこの時期に旬を迎えている美味しい食材、
きゅうりやスイカ、冬瓜(とうがん)、ゴーヤーなどウリ科の食物、
とうもろこしなどは利水効果があり、余分な水分を外に出してくれます。
はと麦や小豆も余分な水分を出すので、
夏ははと麦茶、は理にかなっています。
小豆アイスもよいですねー。
 
お手軽なバナナ、アボカドはカリウムたっぷりで水分と同時に塩分も撃退、
ぜひ朝食に。
薬味として欠かせないショウガは体を温めつつ、殺菌消毒作用もあり、
胃腸の働きも刺激してくれますから、どんどん使いましょう。
シソの葉もビタミンたっぷりで、胃液の分泌を促進するなど消化を助けてくれます。
 
結局、旬のものをあれこれ飽きないように色々食べていれば
その時期は乗り切れる、ということですね(^^;
 
そして、暑いですが、時に軽く運動したり、お風呂に入って、
下に溜まりやすい余分な水分を上へ外へ、押し出すことです。
 
こうしてベタベタじとじと湿邪を追い出しましょう!
 
まだまだ脾について続くのですが、長くなるので、また次回に。
その頃にはすっかり暑さも収まり、気持ちよい秋風が吹き抜けていることでしょう。
秋を気持ちよく迎えるためにも、
厳しい残暑を自己管理で乗り切りましょう!
 



July 31, 201200:17 らくみ通信 2012年 文月 〜 五臓六腑その2 心 〜

Vol.106
2012/07/31
 
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┃\/┃     らくみ通信 2012年 文月 〜 五臓六腑その2 心 〜
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始まりましたね!オリンピック!
4年前は現地北京で、奇抜なスタジアムがその全貌を現していくのにワクワク、
プレオープンしたスタジアムへ準備試合のようなものまで見に行き、
開会式当日はパプリックビューイングで大盛り上がり!
だっただけに、今回はあれ、といううちに始まった感がありますが、
始まるとやはり釘付け。
早起きに拍車がかかっています。ネムい・・・
オリンピックって、独特ですよね。
 
さて、今回はお約束どおり、五臓六腑の二つ目、「心」を紹介するわけですが、
オリンピックも五輪で「5」。
ヨーロッパ、アジア、アフリカ、オセアニア、南北アメリカ、の5大陸を表す、
青、黄、黒、緑、赤、と並ぶ五つの輪。
このシンボルマークを考案したクーベルタン男爵によると、
五輪マークの五色に地色の白を加えると、
世界の国旗のほとんどを描くことができる、とか。
五臓六腑の属す五行説は、青、赤、黄、白、黒。
 
ちなみに、中国語で「五輪」と書いても、オリンピック、の意味にはなりません。
オリンピックは完全和製語で、「五輪」という名和訳をつけたのは、
戦前の読売新聞、運動部記者、川本信正氏。
1936年のベルリン大会時に同僚から「いい訳語はないか」と言われて
シンボルマークから「五輪」を考えついたそうです。
元々、「五輪」は、「地、水、火、風、空の五つの元素が世界を構成する」
とするインド哲学の考え方を指していたようですが、
今ではすっかりオリンピックとして定着しています。
 
インド哲学といえば、アーユルヴェーダ。
体質や性格の違いから、ヴァータ(風+空気)、ピッタ(火)、カパ(水+地)
という3タイプに分け、それぞれに応じた食生活指導や治療を行います。
 
5つの要素を3つのタイプに分けるインドのアユルヴェーダに、中国の五行説。
日本古来の音も「5」音階ですし、3や5、という数字自体に深い意味がありますが、
話が大きくそれるので、それはまたいつか。
 
では、まさに試合を見ながらドキドキ・・・五臓六腑の「心」についてお伝えします。
 
*************
 
前回の「肝」。
「春」らしく、「曲直」「生」という特徴の「木」に引き続き、
今度はまさに今真っ盛りの「夏」、「炎上」の性質を持つ「火」の臓「心」。
めらめらと燃える火そのままに、「温熱・上昇」の作用をもっています。
「春・東・青」の肝に対しては、「夏・南・赤」。
これは「炎上」のイメージ通りですから、分かりやすいですね。
 
「肝」の特性「生」に対しては、「長」。
芽吹いた葉が、「炎上」という性質によって、
どんどん成「長」していくさまを表します。
 
そして、なにより、
「君主の官なり、神明これより出づ」。
「心」は全ての頂点に君臨する君主であり、すべての精神活動を支配し、
あらゆる意識的活動と無意識的活動をつかさどります。
 
前回の「将軍」である肝がおつかえする「君主」こそが、「心」であり、
「五臓六腑の大主」。
心が蔵している神がなくなれば死んでしまいますし、
安定していれば、生体機能も精神活動も健全に維持されます。
「心」は現代医学でいえば、「心臓」プラス「大脳」「中枢神経」でしょうか。
知覚・記憶・思考・意識・判断などすべての精神活動を支配して、
その中心となっているのです。
 
ですから、「心」を病んでしまうと、
記憶障害、健忘症、言語障害などの症状や、
煩燥感、不安感、臆病さなどの精神症状、寝つきが悪い、眠りが浅い、
夢をやたらに見る、などの睡眠障害をおこしやすくなります。
さらに重症になると、失神、昏睡・・・という意識喪失状態となり、
ほんとうに神を失する=死に至る、とつながります。
 
そんな「心」の状態を表すのが、「舌」と「顔」。
顔つやがよければ当然元気と分かりますが、
それだけでなく、この「顔」には「表情」も含まれます。
明るい暗いだけでなく、目の色、とでもいいましょうか、
神が安定していれば表情も穏やかです。
 
前回「目は肝の窓」とお伝えしました。
肝は将軍となって「心」を支え、
「心」の下で指揮を執り、気や血の流れを調節しながら
のびのびと全身をめぐらせているんでしたよね。(=そせつ作用)
ちなみに、「心」はそのおおもと、現代医学同様、
規則正しく血を送り出す役目を果たしていますから、
バランスが崩れると、ドキドキドキとやたらに早くなってみたり、不整脈となったりします。
 
話を戻して、ということは、当然「顔」の中の「目」を見れば、
「心」と「肝」という重要な臓器の具合がわかるというわけです。
 
もうひとつ「心」の状態を表す「舌」は「顔」同様に血流豊富。
「心」が病むと味覚異常が起きたり、舌が腫れぼったく感じたり、
プツプツ、イチゴのように舌の縁に赤い点々が出たりします。
脳梗塞や卒中などではろれつが回らなくなりますよね。
東洋医学にあてはめれば、脳=心=神→舌で分かる、となります。
 
ひどく疲れたり、睡眠不測だったり、ストレスがかかると、
なんとなーく舌が分厚く感じたり、あごの辺りがぴりぴりしたりしませんか?
また、ベーッ戸と舌を出すと、舌の縁に赤い点々が出ているのが見えます。
これは大事な「心」が病んでいる証拠。
そんな時はひとまず体を横にして休めてあげましょう。
 
「炎上」の性質を持つ「心」は、夜はきちんと休んで鎮めてあげないと、
めらめらと燃え続け、体をやたら疲弊させることになります。
「肝」が夜になると血を貯蔵することで回復を図ると書きましたが、
「心」もまさに同じく、夜は活動を抑えてこそ、
次の日また規則正しく動くことができるのです。
東洋医学ではなによりも「陰陽のバランス」を最重要視するので、
昼と夜、静と動メリハリをつけることが、体のバランスをとることにつながります。
 
といっても、心や肝が病んでいると、体を休めようといっても
なかなか眠れなかったり、同じように休んでいるつもりでも疲れがとれないから厄介。
そんな時こそ鍼灸の出番!
不思議と眠れるようになったり、ソワソワ落ち着かない不安感が取れますよ。
夏は冬と違い、凝りや痛みによる症状は少ないものの、
夏バテと言われるようになんだか疲れた症状が出やすいもの。
セルフケアではなかなか復調できないときは、鍼灸院をたずねてみてくださいね。
 
最後に、「火」「」「夏」「南」「長」「赤」・・・と並んでこれば、季節の特徴は「暑」。
去年に引き続き、昼間はかなりの暑さが続いています。
いきすぎた暑さは「心」を、「神」を痛めます。
熱中症にはくれぐれも気をつけましょう。
文字通り、「失神」してしまいますよ!
 
「肝」には「酸」でしたが、「心」には「苦」味が効きます。
ゴーヤーなどの苦味はもちろん、スパイスを上手にとりいれて汗をかき、
暑さを芯から追い出しましょう!

テレビでは競泳200平泳ぎ準決勝が始まりました。
北島、200はどうか?!
この夏はしばらくドキドキ ソワソワ、心臓に負担をかけそうです^^
がんばれ、ニッポン!
 



June 30, 201200:12らくみ通信 2012年 水無月 〜 五臓六腑その1 肝 〜
Vol.105
2012/06/30
 
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梅雨とはいえ、昼間は晴れ間もあり、朝晩は涼しく、
昨年に比べれば随分と過ごしやすい気がします。
ですが、気温の乱高下からか、風邪など体調を崩す人が増えているようです。
かくいう私も、くしゃみに始まり、鼻水ジュルジュル、頭はボーっ。
 
「風邪」は音読みすると、ふうじゃ。
「風」の邪気に見事に入り込まれました。
髪を乾かさずに、うっかり子どもに添い寝したのが原因ですね・・・
翌朝、首の痛みに始まり、くしゃみ、鼻水、発熱、と
まさに「風」があちこち吹き抜けて行くように症状が出現。
慌てて葛根湯、吸い玉、置き鍼にお灸、そして何より、睡眠!
今日のテーマ「肝」とも関連が深いのですが、
その前に先月号のテーマ「咀嚼」の成果を発表します!
 
先月から噛み続けること1ヶ月。
ストレッチやおうち筋トレ、時々ランニングを加えて、ひとまず1キロ減!
え、たった1キロ? されど1キロ。
急に減るよりも確実に落ちてくれるほうが嬉しい。
来月号で、さらに1キロ減、と報告できますでしょうか?!
 
では、今度こそ、五臓六腑の「肝」についてお話します。
 
*****************************
 
五行説「木火土金水」の「木」に配置される「肝」と「胆」、
中身の詰まった「臓」が「肝」で、空っぽの「腑」が「胆」でしたね。
今回は臓である「肝」についてのお話です。
 
「木」の性質は「曲直」で、季節は「春」特徴は「生」。
春、万物が芽吹き生まれるように、木々が上へ横へと広がるように、
肝は気と血(けつ)をのびのびと体じゅうに巡らせます。
これを「疏泄(そせつ)作用」といい、肝の特徴的な働きとなります。
とーっても大事ですから、しっかりイメージして覚えていてくださいね。
 
ん?血をめぐらせるのは「心」じゃないの?
「心」は西洋医学の「心臓」と同じく、ポンプのように血を送り出しますが、
送り出された血を体の隅々にまで行き渡らせるのは「肝」の役目なのです。
 
来月「心」のところで詳しく説明しますが、
「心」は「君主の官なり、神明これより出づ」。
全ての頂点に君臨する君主であり、すべての精神活動を支配し、
あらゆる意識的活動と無意識的活動をつかさどります。
これに対し「肝」は「将軍の官、謀慮これより出づ」。
「心」の下で指揮を執りながら、気や血の流れを調節しています。
 
血をめぐらせると言いながら、古典では「肝は血を蔵す」。
確かにレバーは血の塊、「血を蔵」してはいますが・・・
「肝」は単純に送り出された血を全身にめぐらせているわけではなく、
血が帰ってくる場所であり、「将軍の官、謀慮出づ」の通り、
必要なときに必要なだけ必要なところへ分配しながら、めぐらせているのです。
例えば、頭を使っている時は脳へ、運動している時は筋肉へ、
ご飯を食べている時は胃腸へ、という具合です。
で、夜になると、頭の血が肝臓に帰ってくるので眠くなる・・・と。
血をめぐらすというよりは、現代でいうところの自律神経の働き、ですかね。
 
この肝の疏泄(そせつ)作用が何らかの原因で邪魔されると、
上へ横へ上昇・発散する働きにコントロールがつかなくなり暴走、
不眠やめまいなどを引き起こします。
肝臓に帰ってくるべき血液が、頭にいきっぱなしになるので眠れなくなり、
下がるべき気が上がりっぱなしになってめまいを起こす、といった具合です。
 
この、コントロールを効かなくさせる原因のひとつが「風邪(ふうじゃ)」。
 
五行説で 「木」「春」「東」「生」・・・と並んできて、季節の特徴は「風」。
春先には春の嵐というくらい風が強く吹きますよね。
人体は小宇宙ですから、外界と同じく、体の中でも「風」が吹き荒れると、
春先に「めまい」や「なんとなく気分がそわそわ落ち着かない」などの症状が出ます。
逆に「風」がちゃんと通り抜けずに溜まってしまうと、鬱々した気分に。
五月病も春ですものね。
ちなみにこの「風邪(ふうじゃ)」、風がぴゅーっと速く吹き抜けるように、
体の中で悪さをするときも変化が早いのが特徴。
 
今回の私もそうでしたが、「かぜ」として表れる時には、
肩が凝るな、と思っていたらくしゃみが出、
あれ?かぜ?と思ったら、あれよあれよという間に鼻水、咳・・・
お腹にまわって、吐き下し、などとなります。
それだけならまだしも、他の邪気と徒党を組んで体じゅうをめぐったら・・・さぁ大変。
まさに、風邪は万病の元!
 
「風邪」のほかに、もうひとつ代表的な原因が「怒」。
コラッ!と爆発する怒りというより、どちらかというとムカムカ、イライラ、「ストレス」に近い「怒」です。
肝は特に「怒」に敏感で、イライラしていると血の巡りも悪くなり、
ひいては全身そこかしこに不具合が、という羽目に。
 
「木」「春」「東」「生」「風」「怒」・・・ときて
色は「青」、状態がよく表れるのが「目」、液体は「涙」、そして「筋」をつかさどる。
肝臓の悪い人は「目」が血走り、「青」筋立てて「怒」りっぽいイメージ、ではないですか?!
目を酷使すると、肝がやられ、不眠だと目が血走ったりショボショボする。
肝の働きが悪くなると、目が乾いたり(ドライアイ)、逆にやたらに涙が出たりします。
「筋」に関して言えば、最近こむら返りで困る、という方、
睡眠不足や飲みすぎ、フォアグラみたいな食生活、してませんか〜?
 
さらに、味は「酸」。
肝臓疲れてるな、最近怒りっぽいな、という人は、すっぱいものを食べて少し落ち着かせましょう。
でも、過ぎたるは及ばざるが如し、
東洋医学では食べ過ぎても肝をいためます。ほどほどに。
 
最後に、もうひとつ妊娠に関するお話を。
上向き、外向きの力、に関連して、
女性では「排卵」、男性では「射精」が肝気の働きにより起こります。
ストレスで生理が止まる、というのは「肝」の気がストレスという「怒」で滞るため。
生殖をつかさどるのは「腎」なのですが、排卵と射精をつかさどる「肝」の働きは必須。
「肝心」ならぬ「肝腎」。
不妊治療などの漢方薬にも、血流を良くしたり、瘀血(おけつ)を取り除いたり、
肝の気を助けるものが配合されていますし、
つらい不妊治療でなかなか成果が出なかったのに、自然に妊娠できた、という話も
双方の肝気の充実がいかに大事かを物語っている気がします。
赤ちゃんを望むカップルのみなさん、肝を傷める要素を遠ざけ、
できるだけのびのびゆったり過ごしてくださいね。
 
さて、五臓六腑シリーズその1「肝」、盛りだくさんでお届けしましたが、
縦横無尽に部下を動かす将軍「肝」の働き、イメージしてもらえましたか?
 
次回は「夏」と関連する「心」をお伝えします。
その頃にはまた去年に引き続き、猛暑に節電でふぅふぅ言ってるのでしょうか。
 
夏の暑さもへっちゃらで、炎天下に咲く向日葵が好きだったのに、
梅雨の紫陽花の美しさにより心惹かれるということは、
少し年齢を重ねたせい・・・?(^^;
来たる暑さに備えつつ、
もうしばし、色褪せ始めたあじさいを楽しむこととします。

May 31, 201200:24らくみ通信 2012年 皐月 〜カミカミ20!〜

Vol.104
2012/05/31
 
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青空を覆う黒い雲に突然の雷雨・・・
まるで亜熱帯かのようなお天気が続いてますが、
そろそろ入梅なのでしょうか。
 
去年の今頃はまだほにょほにょだった次女も。無事1歳を迎えました。
卒乳を機にもりもり食べるようになり、できることも増え、
日に日に可愛らしく、というよりも逞しくなっています。
そして、それに比例するかのように、
日に日にたくましくなっていく母(^^;
 
授乳中は食べても食べても太らない、いや太れないんですが、
卒乳するやいなや、空気吸っても太る、というほど・・・
おっぱいの出が悪くて、というお母さんが産後体重が戻らない!と
言うのを聞いたことがありませんか?
赤ちゃんの血になり肉になるんですから、おっぱいってとっても高カロリー、
お母さんは毎日授乳で猛烈にカロリー消費しているのです。
 
それがパタリとやむわけですから・・・あぁ恐ろしい。
アウトプットが減るのに食欲はそうは落ちない、
夜中授乳で眠れないから運動も十分してなかった、
となると、子どもと一緒に成長する羽目に。
 
こりゃマズイ、と思っていたら、
参加者の94%が減量に成功したという方法をテレビで発見!
「一口食べる毎に箸を置く」
そのココロは・・・
 
「一口20〜30噛み、ゆっくりよく噛んで食べる」。
 
なーんだそんなこと、と思われるかもしれませんが、
これ、やってみると素晴らしいんです。
 
噛めば食べすぎ防止につながると分かっていても、
忙しい合間にワーッと食べるのがいつの間にか身についてしまい、
ついつい忘れてパクパクゴクリ。
が、この「一口食べる毎に箸を置く」やり方なら
否が応にも意識せざるを得ない。
単純だけれど素晴らしい方法!
 
日常の生活習慣は体にしみついてしまっているので、
それを改善するには、スポーツのように徹底的に反復練習して
体に覚えこませるしかない。
 
3日間きちんと実践できれば、箸を置かなくとも噛む習慣がつく
とのことですが、私は長めに実践中です。
 
さて、前置きが長く長くなりました。
今月は五臓六腑の1回目「肝」の予定だったのですが、
もうすぐ6月4日、ムシ歯の日、
思いっきりそれてしまいますが、
咀嚼の効用と重要性についてお話させてください。
 
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まずは上記、よく噛んで食べるとなぜ痩せられるのか。
 
よく噛むと、満腹中枢が刺激されて食欲を抑える「ヒスタミン」が脳でつくられ、
少ない食事でも満足できるようになります。
それだけでなく、脂肪を燃やして代謝をあげてくれる「褐色脂肪細胞」
の働きを高めるのだそうです。
 
つまり、噛めば噛むほど満腹になるだけでなく、脂肪が燃えやすくなる!
代謝がUpする!
何もしなくても一日3度の食事で消費カロリーを増やせるってありがたい。
 
そもそも、食べる、という行為自体エネルギーを消耗します。
食べると胃腸などの消化器官が働くことで熱を生みます。
熱を生む=消費している
食事は太るきっかけではなく、上手に食べれば体を美しく作るいい時間なのです。
(ちなみに、何度もお伝えしていますが、
病気の時は体力を消耗するので、自然に食欲が落ちます。
体力温存のためにも、あまり無理に食べないようにしましょう。)
 
逆に噛まないとどうなるか。
 
当然ながら、食べ物を「飲む」のと「食べる」のとでは、
同じカロリーであっても満腹感が違います。
飲んだだけではすぐお腹が空きますよね。
 
液体は吸収されやすいため、血糖値が急上昇、
急上昇した血糖値を下げようとインスリンが大量に分泌されて、今度は急降下。
で、お腹が空く。
対して、消化に時間のかかる繊維モノなどを食べると血糖値の上がり下がりが
緩やかになり、満腹感が持続します。
 
血糖値の急上昇&急降下は肥満だけでなく、細胞を傷つけ、
長期にわたると、糖尿をはじめ、心臓発作や脳梗塞などの脳血管障害、
癌などさまざまな病気の引き金になります。
 
大人だけではありません。
こどもも軟らかい食べ物が増えているせいか、咀嚼回数の減少が著しく、
肥満や脳内循環血流量の低下、 記憶・学習能力の低下、
顎骨形態の異常など、様々な影響が出ていることが報告されています。
 
小さいうちの食習慣が大人になっても続きますし、
さらにはその子が親になった時に、さらにその子の食習慣を形作ります。
噛み応えのある食材を食事に取り入れ、
こどもによく噛んで、と言うだけでなく、
自分もしっかり噛んで食べることをクセにして、
家族みんなでよい食習慣を身に着けてしまいましょう。
 
家族みんな、と言えば、年配の方にも効果大。
認知症の患者さんに対し、かみ合わせ治療を行うと症状が改善した、
残っている歯の多い人ほどアルツハイマー型認知症の発症率が低い、
という報告があります。
 
「残っている歯の数が少ない高齢者は、歯科以外の医療費が高い」
というデータも。(以下参照)
 
残存歯数と医療費の平均(平成19年5月)
20本以上 19,750円
10〜14本 23,627円
4本以下  29,350円
19歯以下は20歯以下に深くして医科全体の医療費が約30%高い。
19歯以下は20歯以下に比較して入院日数が約3日長い。
歯周病の程度が重度になるほど、医療費が高くなる。
 
噛むことで脳の血流が増加したり、
太ももの筋力がUpすることも分かっていますから、
やはり自分の歯でしっかり噛む食事を続けることが、健康の基本!
 
ながーくなりましたが、最後にもうひとつだけ。
咀嚼はメンタル面にも好作用を及ぼします。
不足すると感情の波が大きくなったり、うつ傾向を引き起こすセロトニン。
噛めばセロトニンが増えて、感情も穏やかに。
朝の日光を浴びても、ぐぐっと増えるので、
朝、ゆっくり朝ごはんを食べられれば完璧!
 
忙しい中ではなかなか大変ですが、
夏至も近い今、ちょっと早起きするのも手。
 
何を食べるか、はもちろん重要ですが、
いかに食べるか、も同じくらい重要。
 
どんなにいいものを食べていても、
食べ方が悪ければ消化・吸収できません。
よいものを食べているのに、何分の一かはゴミ箱・・・というのじゃもったいない!
 
しっかり噛んで、たくましく、いや、美しくなりましょう。
来月号でどのくらい減量できたか、またご報告しまーす。



April 30, 201200:27 らくみ通信 2012年 おくれましたが卯月号 〜五行説〜

Vol.103
2012/05/02
 
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┃\/┃     らくみ通信 2012年 おくれましたが卯月号 〜五行説〜
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大型連休いかがお過ごしですか?
前半の関東は暑いくらいの陽気でしたね〜
ピクニックにBBQ..と、我が家は近所で外遊びに興じました。
 
ハナミズキの白につつじの赤紫、新緑の若々しい緑の
コントラストが美しく、目に鮮やかで、
からだじゅう浄化されるような気持ちよさ^^
寒くもなく、暑くもなく、いい季節です。
 
頭上には八重桜の木。
子ども達は たんまり摘んできたたんぽぽの花と八重桜の花びらで
レストランを開き、食事中。
黒い布地に黄色とピンクの花びらが並ぶ様はこれまたキレイで、
小さな手で、はいどうぞ、とやりとりする様もかわいくて、
ずーっと眺めていたい光景でした。
 
そうそう、先日覚えた草花あそびをひとつご紹介します。
タンポポを摘み、花をとってしまって、茎だけにします。
ストローのように穴があいている茎に、
形の残っている八重桜の細い茎の部分を差込み、
フーッと息をふきかける。
と・・・八重桜がくるくるくる〜、風車のように回るのです。
最初はうまく回らないだけに、くるくる回ると感激♪
是非やってみてくださいね。
 
もうひとつ、「これ、咲いて3日めのタンポポね」
「これは今日咲いたのね」
と、草花遊びの先生。
皆さん、見分けつきます?!
よーく見ると真ん中の芯の部分がまだ固く開いてないものと
すっかり開ききったものがあるんです。
一日目、二日目、三日目、で開ききり、一旦閉じる。
で、茎もぺったり地面に寝る・・・
再びむくっと起き上がり、茎をぐんぐん上に伸ばし、綿毛をつける。
絵本「たんぽぽ」(平山和子著 かがくのとも傑作集)、大人にもオススメです。
 
さて、そろそろ五臓六腑をひとつひとつご紹介したいところなのですが、
その前に、なぜ五臓六腑に分けるのか、をお話させてください。
 
***********************
 
中国の古代思想に「五行(ごぎょう)説」なるものがあります。
「陰陽説」は太極マークや占いのマークでなんとなく知っていても、
五行説はなじみがないでしょうか。
 
これは、世の中のありとあらゆる事象を5つに分類するという思想で、
季節なら春夏秋冬+αで5つ、感情なら喜怒哀楽+αで5つ、
方角も東西南北+αで5つ・・・と、なんでも5つに分類します。
東に青龍、西に白虎・・なんていうのもこれですね。
当然五臓六腑も5つに分類されるのですが、
それぞれに「木」「火」「土」「金」「水」とグループ名がついています。
 
例えば、「木」は、まさに今の季節にぴったり、性質は「曲直(きょくちょく)」。
木々が曲がったり真っ直ぐになったりしながら
上へ横へ伸びていく、広がりと伸びやかさを表し、
季節なら「春」、方角なら「東」、気候は「風」、色は「青」、
が分類されます。
 
「火」はメラメラ燃える炎の、上へ上へあがる「炎上」という性質で、
季節は「夏」、方角 は「南」、気候は「暑」、色は「赤」。
 
「土」は植物を生み出し育むことから「稼穡(かしょく)」という性質で、
季節は「長夏」、方角は「中央」、気候は「湿」、色は「黄」。
 
「金」は変化を意味する「従革」という性質で、
季節は「秋」、方角は「西」、気候は「燥」、色は「白」。
「土」がドロドロしたイメージなのに対し、
この「金」は澄んだイメージを与えます。
 
「水」は潤し、下流に流れて行く性質の「潤下」で、
季節は「冬」、方角は「北」、気候は「寒」、色は「黒」。
 
これら5つに五臓六腑もあてはめられるわけですが、
さて、どれがどれでしょう?
 
木 →→→ 肝/胆
火 →→→ 心/小腸
土 →→→ 脾/胃
金 →→→ 肺/大腸
水 →→→ 腎/膀胱
 
これだけ見てもさっぱりだと思いますので、
次回以降ひとつひとつ見ていきますね。
 
ちなみに、この木火土金水、助け合ったりいさめ合ったりしています。
 
木が燃えて火となり、そして土ができる、土中から金属が出て、
冷やされて水ができ、水は木を育てる・・・
と木火土金水の順に助け合っているのです。
季節にあてはめてみると、「春夏秋冬」でまわりますし、
方角でみても、東から西へ日の出から日の入り、夜中までの
時間経過を表しています。
 
逆に、これを五角形に配置し、星を描く順に読むと、
木は土に根を張って養分を吸い取り、土は水をせき止め、
水は火を消し、火は金属を溶かし、金属で木を切る・・・
といった具合に、相手をけん制する役割に回ります。
 
5つの要素を5角形に配置することで、
助け合う関係とけん制する関係を作り出すなんて、まぁよく考えましたよね!
 
これを五臓六腑にもあてはめて、例えば腎(水)が弱っているから、
肺(金)に助けてもらおうか、と治療したりする方法もあるのです。
 
まぁ難しいことはさておき、五行説なるものがあることを念頭に、
次回以降五臓六腑をご紹介していきます。
 
それではGW後半、春の気持ちよさを存分に味わいましょう!
たんぽぽ観察&遊びも是非やってみてくださいね。
大人になってからやるのがまた楽しいですから^^



March 31, 201200:30らくみ通信 2012年 弥生 〜五臓六腑〜

Vol.102
2012/03/31
 
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┃\/┃     らくみ通信 2012年 弥生 〜五臓六腑〜
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こんなに寒くてほんとに桜は花開くのかしら・・・と思っていたら、
あっという間に春めきましたね。
娘が♪ずーくぼんじょ ずくぼんじょ 頭巾かぶって出てこらさい♪と
うたいながら、探し回っていたつくしんぼもようやくにょっきり。
つくしって、地面の下でもあのまんまの形だってご存知でした?
恥ずかしながら私はこの年になって初めて、子どもの絵本で知りました。
あのやわらかい土筆が、固い固い地面を突き破って出てくるパワーを思うと、
自然の底力を感じます。
私たちの体も、同じようにぐぐぐっと中から動いているのですから、
この勢いにのって何でもいいから(笑)スタート!
スタートといえば、秋スタートが国際スタンダードではあるものの、
なんとなーく日本人には春スタートがしっくりするのは
自然にのっとった勢いを感じているからかもしれませんね。
 
さて、前回ツボと経絡(けいらく)についてお話しました。
今回は五臓六腑の全体像についてお話します。
 
*************
 
五臓六腑・・・全部言えますか?
ちなみに、夫に聞いてみたところ、
「五臓は心臓、肝臓、すい臓、脾臓、腎臓。
 六腑は胃、十二指腸、小腸、大腸・・・あと二つ、ん〜、そもそも”腑”ってナニ?」
 
そうですよねー。
私も鍼灸を勉強する前は、なんとなくお腹の中という認識でしかなかったです。
 
東洋医学では、五臓六腑は
「肝・心・脾・肺・腎」 と
「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)」
 
簡単に言うと、「臓」は中が詰まった実質器官で、
「腑」は中がからっぽの中空器官=袋や管のようなもの。
六腑は飲食物を受け入れ、消化・運搬し、
五臓はその六腑の働きによって吸収された「精」(栄養)を溜めるところです。
 
飲食物を消化・運搬するからっぽの中空器官と聞けば、
六腑が胃・小腸・大腸・胆・膀胱というのは分かりやすいですね。
三焦(さんしょう)というのはリンパ管のようなもの、と思っていてください。
 
それに対して五臓は、栄養を溜めるところ、と言われてもちょっとピンときません。
ん?肝臓が栄養を溜めるのは分かるけど、心臓や腎臓が栄養溜めてる・・・?
西洋医学では心臓は血を送り出すポンプですし、
腎臓は血液をきれいにするろ過装置ですものね。
 
東洋医学では、
五臓は送られた栄養を「精」という生命活動のエネルギーとして溜めて、
それを活用して健康状態を保っている、と考えるのです。
 
例えば「肝」は溜めた精(栄養・生命エネルギー)をもとに
血液を全身に分配したり、意識的な精神活動を制御したり、眠りをコントロールしたり・・・
「心」は全身に血液を送るだけでなく、精神活動をつかさどり、五臓六腑を統括する・・・
といった具合です。
 
さらには、西洋医学と大きく違って、
五臓が喜怒哀楽の感情をもっているのだから驚き!
 
「肝」は「怒」。
怒り過ぎると「肝」を傷め、また逆に「肝」に問題がある人は怒りっぽい。イライラしやすい。
「肺」は「憂」。
心配ばかりしていたり、悲しいことがあると「肺」を傷める。
なんとなーく、分かるような気がしませんか?
 
お腹の中の臓器が、自らの意思を持ちつつ、
オーケストラのようにみんなで協調して健康を保っているなんて、
脳が指令を出すと考える西洋医学とは大違いです。
 
脳といえば、東洋医学では脳は五臓六腑には分類されず、
奇恒(きこう)の腑と呼ばれています。
これは形は腑に似ていて、つまり空っぽのようなのに、
働きはまるで「臓」のように生命活動の中心を担っているとされるもので、
他に、骨・髄・脳・脈・胆・女子胞(子宮)があります。
「脳」が東洋医学であまり重要視されないのは、
西洋医学での脳の役割を五臓六腑がしていると考えるから。
そのくらい五臓六腑は、重要だとみなされているのです。
 
ひとつひとつ見ていくと、
臓器が意志をもっているというのがウソではない気がしてくるから面白い。
あぁ、最近胃に負担かけてるなぁ、というノリで、
最近腎が疲れてるなぁ、とか、肺がやられ気味だなぁ、という風に
自分の体調を把握できます(笑)
そして、なんとなく対処法がわかってきます。
 
非科学的のように思えても、違う見方で体を見るのも面白いもの。
次回以降五臓六腑をゆるりゆるりとご紹介していきます。
 
春ですからね、春に関係が深い「肝」からスタートしましょうか。
「春」「肝」といえば、お花見での深酒には注意しましょう^^;
満開の桜を思うと、今からなんとも満たされた気持ちになります。
さぁ、4月、よいスタートを切りましょう!
 



February 29, 201200:29 らくみ通信 2012年 如月 〜ツボと経絡(けいらく)〜

Vol.101
2012/02/28
 
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┃\/┃     らくみ通信 2012年 如月 〜ツボと経絡(けいらく)〜
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暖かくなったかな、と思ったらまたぐぐっ〜と冷え込み、またまた都心は雪!
北陸生まれの私でも、もう雪はいいかなぁと思ってしまいますが、
こうしながらも春に一歩一歩近づいているんですよね。
木々を見やると、この寒さにもめげず自然は一足お先に春支度。
中心にぎゅっと固く集中させていたエネルギーがゆるみ、
枝先まで広がっているのが分かります。
あぁ、もう少しであちこちに色と匂いがあふれるなぁと思うと
実際はまだまだ寒くとも、ほっこりした気持ちになります。
縮めていた首を伸ばし、視線を上にやると、なんとなく胸がすぅっとします。
 
さて、前回予告したとおり、今年は五臓六腑を順にご紹介します。
が、その前に、全体像をとらえるべく、
今回はざっくり、「ツボと経絡(けいらく)」についてお伝えします。
 
**********************
 
私達鍼灸師が鍼を刺す目安である「ツボ」。
WHO(世界保健機構)で認められているツボは361。
これらが主に14本の「経絡(けいらく)」の上に並んでいます。
並んでいる、といってもお行儀よく整列しているわけはなく、
集中しているところもあれば、随分間があいているところもあり、
まっすぐ並んで見えるところもあれば、大きく蛇行しているところもあります。
 
ツボは聞いたことがあるけれど、経絡(けいらく)って?
ツボを駅とするなら、経絡は電車の路線。
14路線361駅。
それぞれ行き先が肺、大腸、胃、心臓、肝臓・・・などと決まっており、
肺経、大腸経、胃経・・・と名前がついています。
脇から指先まで9ツボ(駅)しかない、短距離路線(経絡)もあれば、
頭のてっぺんからつま先まで63ツボもある、長〜い路線もあります。
 
銀座線が銀座、半蔵門線が半蔵門を通るように、
肺経、大腸経・・・と名前がついた各経絡は、その名前の臓腑と関連します。
「肺経」という路線のツボ(駅)であれば、肺から遠いところであっても
そこへ通じているので、肺に関連する症状を治すことができます。
また、乗換駅では他の経絡につながることができるので、
「肺経」のツボで他の臓腑の不調を治すこともできます。
 
なんとなくイメージできますでしょうか?
 
経絡には「気」「血」「水」が流れています。
そして、ツボはこれら「気」「血」「水」の出入り口です。
「気」「血」「水」は経絡をぐるぐる流れながら、全身を栄養しているわけですが、
何かのトラブルで滞ると、その滞った場所が不調に陥ります。
例えば・・・この季節なら「寒」(冷え)による風邪。
表面を防衛している「気」が「寒」と戦い、負けてしまうと、
防衛軍を送り出している肺につながる「肺経」がやられ、
その上に並んでいるツボに圧痛(圧すと痛い)やコリなどの症状が出ます。
そこを治療してやれば、滞りは消え、またぐるぐる巡り始め健康に戻る、
と、簡略化するとそんな具合です。
刻々と変化する人の体、実際はこんなに簡単ではありませんが・・・
 
「血」と「水」は「血液」と「リンパ液」、
と西洋医学に置き換えることができるのでイメージしやすいですが、
「気」は東洋医学独特で、得体の知れないものです。
 
が、この得体の知れない「気」こそ東洋医学では重要で、
この「気」がなければ「血」も「水」も動くことはできないのです。
 
今まさに亡くなったという人を想像してみましょう。
確かにそこには「血」も「水」も存在します。
が、動くことはありません。
物質である血や水を動かす「何か」が消えてしまったからです。
この「何か」こそ「気」。
心臓を動かしていたのは前回もお伝えした、宇宙に通じる波動、エネルギー。
中国語で亡くなることを「没気(メイチィ)=気がなくなった」と言いますが、
まさにそうだなぁと思います。
 
鍼灸を科学的に解明するアプローチでは、
当然のことながら「気」は無視されます。
が、現代医学をもってしても、なぜ死ぬのかは解明できないですし、
「気」の存在を今は証明はできなくとも、否定はできないと、私は思います。
「気」の存在を完全に無視しては治療できないと個人的には思います。
 
もちろん、「気」の存在の前に筋肉や血管、神経その他基本的な解剖を理解して、
安全に、正確に、鍼を打つことが前提ですけれどね。
 
話を戻して、
ツボはこのように、「気」「血」「水」が出入りする場所なので、
そこが痛いとか、コリコリする、凹んでいる、とか何かしら反応がある場合は
その部分を圧すなり、暖めるなり、さするなりしてあげると、必ず変化します。
ツボの勉強をしていないからやみくもなことはできない、ではなく、
自分の体なのだから、自分の気持ちいいように、適当にやってみればよいのです。
放っておくよりずっとずっとよいですよ!
 
お医者さんに行って、へぇ〜、そんなことになってます?!の前に、
必ず何かしら自覚症状があるはずなのです。
それに「気」づいてあげられる敏感さを持ち合わせると、
体も気持ちもぐっと健康になれるはず!
 
寒いですが、着替えの際に乾布摩擦する、
おふろであちこち圧してみる、さすってみる、観察してみる、
時間を見つけてストレッチする、
何でもよいのです。
 
「気」分転換に花や緑や外部のよい「気」を取り込むのも手。
雪降りしきる寒さもあと一息!
寒さの奥で出番を待っている花や緑の息吹を感じながら
「気」をめぐらせましょう。
そうすれば「血」も「水」も動き、元気になれます。
逆に「気」乗りしないなぁという場合には、体=血と水を動かして、
気を動かしましょう!
では、転ばない程度に張り切ってp(^^)q
 



January 23, 201200:33らくみ通信 2012年 睦月 〜100号記念号〜

Vol.100
2012/ 1/23
 
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┃\/┃     らくみ通信 2012年 睦月 〜100号記念号〜
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明けましておめでとうございます!
というには随分経ってしまいましたが、旧暦では今日が元日、
しかも123、と数字が揃うなんて出だしがよいわ(^^;
・・・と、年末出しそびれた言い訳にしてみたりして・・・
年末年始合併号として発行するはずが、
すっかり旧正月までずれ込んでしまいました。
新年早々、すいません。
 
99号を出した時点から何を書こう、何にしようと思いをめぐらせていた100号。
原点に返って、自分の東洋医学を選んだ理由?
100にちなんだツボの話?
100歳まで生きる秘訣?
いやいや、ただひたすら、ご愛読感謝のお礼?
 
まずは東洋医学を勉強し始めた頃まで少し時計の針を戻してみます。
 
 *****************
 
約14年前の香港。
薬の副作用で一週間近く続いた熱とひどい頭痛、動かなくなった首を
魔法のようにほどいてくれた1時間の経絡マッサージ。
 
起き上がったときの世界の明るく、まぶしかったこと!
生き返るとはこういうことか!
体じゅうに貼りついてとれない、とてつもなく重い汚いかたまりが
見事どこかへ飛んでいき、バレリーナにでもなった気分でした。
 
こんなことってあるの?!
不思議なこともあるものだ、一体どういうこと?
すっかりハマってしまい、興味津々でその先生の東洋医学入門講座に参加。、
 
「人体は小宇宙、自然の一部。
心臓は何によって動かされているのでしょうか。
全てのものが渾然一体とした無極、やさしく言えば宇宙ですが、
それが生み出す波浪(エネルギー)によって動いているのです。
1分間に寄せて返す波は人間の呼吸する数と同じ18回、
だから海を見ると、波の音を聴くと落ち着くんですね。
 
18の倍36は体温、さらに倍にした72が脈拍、その倍の144は血圧、
288は赤ちゃんが産まれるまでお腹にいる日数。
 
また、女性の月経のサイクルと月の満ち欠けは同じ28日。
月の満ち欠けと潮の満ち干きは月の引力によって決まりますから、
女性を月となぞらえるのもなんとなく納得できますよね。
どうです?数遊びのように思えるかもしれませんが面白いでしょう?
でも偶然じゃないことが沢山あるんですよ。
 
この世に存在するものすべては宇宙の一部。
ですから、人間の体も宇宙の波浪を受けて呼吸し、心臓を動かしているわけです」
 
「私たちの体の7割近くは水。地球の7割も海。
さらに、なんと、血液(血漿)成分と海の水はほとんど同じ。
原始生命は海の中で誕生したことを考えると、
その子孫である私達人間の体も海の成分と同じというのも
わかる気がしませんか?
まさに さんずいに人の母と書いて、海。」
 
こう始まった入門講座。
これ自体はちょっとした導入エピソードですが、それでも
今まで自分の体の一部が他の自然と同じサイクルで動いている、生かされているなど
考えたこともなかった私にとっては衝撃でした。
自分の体は自分のものであって、自分のものでない、
大きな自然の一部であり、その法則にのっとって生かされている、
そう知った途端、
今まで粗末にしていた自分の体をとてつもなくいとしく大切に感じたのです。
 
それは同時に、悪いものは薬でやっつければよい、メスでとってしまえばいい、
という考え方になんとなく違和感を抱き始めていた私にとって、
自然の法則に逆らえば、気持ちいいことはないな、と
なぜかすとん、と腑に落ちるものでした。
 
***************
 
東洋医学と西洋医学を比較した場合、
 
東洋:哲学的/総合的/全機的/内科的/経験的/自覚症状重視/人体実験
西洋:科学的/分析的/局部的/外科的/理論的/他覚症状重視/動物実験
 
となるのですが、上記エピソードから、なんとなくイメージできますでしょうか。
 
具体的にそれがどんなものなのか、今年はきちんと順を追ってお話したいと思います。
今まで、季節ごとのテーマや話題のネタを選んではいるものの、
内容は全くバラバラでしたので(^^; 
 
101号から、肺、大腸、胃、脾・・・と六臓六腑を順にご紹介して
ちょうど12ヶ月、体の中をひとめぐりしてみましょう。
 
とか言いつつ、なんだかんだで蛇行しそうですが、今年こそ系統立ててお話しますので、
今年もどうぞお付き合いのほど宜しくお願いいたします。
一人でも多くの方が読んでくださり、何かしら体を知るヒントや手がかりになれば、
元気になる鍵になれば、という願いとエールをこめて、
自分への叱咤激励をこめて書き続けます!!!
 
では、2012年元気に笑って過ごせる日が、心穏やかな日が、一日でも多くありますよう。
一日一日が、皆さまにとって実り多きものでありますよう(^^)



November 30, 201100:21らくみ通信 2011年 霜月 〜ぐっすり眠ろう 番外編〜

Vol.99
2011/11/30
 
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┃\/┃     らくみ通信 2011年 霜月 〜ぐっすり眠ろう 番外編〜
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なんだかぼーんやり温かく、締まらない感じがしますが、明日から師走なんですよねー。
先月号で首を痛めたと書きましたが、この暖かさのおかげで、かなり改善しています。
痛い痛いと思っていたら、結局、首のヘルニアでした。
痛いはずです。
この話も書きたいのですが、今回はぐっすり眠ろう番外編。
ハリとは全く関係ないですが、寝るための環境づくりの話です。
ネタ切れ?との突っ込まれそうですが、読んでみてください。
 
******************
 
私の実家は80余年続く寝具屋(ふとんや)、ぐっすり眠る環境づくりのエキスパート。
 
ふとんやに生まれ育ったゆえに、皆がどんな布団で寝ているのか気にしたこともなかったですが、
確かに、いざ買おうとすると、布団って大きくて重くてかさばるし、意外に高いし、
種類も多いんだか少ないんだかすら分からない・・・
なんとも厄介な買い物のひとつですね。
 
「人生の1/3は寝て過ごすんやから、安いもんで寝とったらあかんちゃ!」
は、セールストークにあらず。
快適に眠るためのコツを トップセールスウーマンである母に伝授してもらいました。
 
布団が欲しい、といらしたお客様にまず聞くのは以下3つ。
 
|が使うのか
△匹海濃箸Δ里
アレルギーや持病などはないか
 
これらによって選ぶ寝具が全く違ってくるからです。
 
まず 崔が使うのか」。

若者は少々安い布団だってぐっすり眠れてしまう(笑)
(かといってお粗末な布団では長い目で見ていいわけはありませんが)
中高年期に入ると寒くて目覚めてしまったり、疲れが抜けなかったり・・・
女性と男性で体の重さや体格も違いますし、
素材や堅さ、手入れのしやすさなども考えて年齢性別体格にあったものを
選ぶ必要があります。
 
次に◆屬匹海濃箸Δ里」=ベッドか畳の上か。

ベッドの上ならどんなマットレスを使っているのか。
‘瑛諭△修譴砲茲辰徳ぶ素材や布団も変わります。
 
ちなみに
「フローリングに敷布団一枚で寝るのだけは絶対にやめて!」 とのこと。
 
人間は夜寝ている間にコップ1杯もの汗をかくと言われていますが、
この大量の汗を吸い込んだ布団が、体温で温かくなった状態で冷たいフローリングに触れると、
その部分だけ結露したようになります。
そして、恐ろしいことにカビが生えるのです!
え、生えてないけど?というアナタ。
目に見えずとも繊維の中でカビは発生するのです。
寝ている間、つまり一日の1/4〜1/3もの時間カビの胞子を吸い込み続けていると、
アレルギーや呼吸器の疾患を引き起こすことに・・・
 
というわけで、「フローリングに直接ふとんを一枚引いて寝る」のだけはやめて下さい!
布団の下に一枚専用のマットを敷くか、畳を敷きましょう。
 
ついでにもうひとつ、これだけはやめて、というのが「せんべい布団」。
腰の痛い人は固い布団がいい、なんていいますが、
せんべい布団は体を支えてくれないので、寝ている間に血行を阻害、
却って痛みが増すことになります。
また、窒息防止のため、赤ちゃんも硬めの布団がいい、といいますが、
「硬め」と「硬い」は違います。
弾力の無くなった硬い布団は骨の発達によくないそうです。
 
せんべい布団をお持ちの方は、
おふとんやさんに「打ち直し(後述)」を依頼するか、新しいものを購入してください。
 
フローリングの上に一枚せんべい布団、という方!
そんな訳で、キケンです。
年明けてから・・・なんて言わないで早く新しいものにしましょう。
 
次に、「アレルギーや持病はないか」。

羊毛や羽毛など動物性の繊維に反応する人がいるため、
単純に「羽毛布団あったかくていいですよ〜」と薦められないのです。
そういう方には植物性である綿や絹、
はたまた化学繊維ではありますが発熱素材などをお勧めしたりもします。
 
また、ダニをはじめとするハウスダストアレルギーのある方には
防ダニ加工やホコリのたちにくいお布団もあります。
一般的に化学繊維はよくないと思われていますが、
最近ではこれら防ダニ、防ニオイ、発熱や冷感といった
様々な加工を施したスグレものが多くありますから、
好みや生活スタイルによって使い分けるのがよいでしょう。
 
ちなみに同じ防ダニをうたっている布団でも、
安いものは薬品をたっぷり使っていて、その薬品にかぶれる場合もあるので、
注意したほうがよいとのこと。
値段の安いのには訳がありますから、値段の差の理由を確認したほうがよいですね。
 
長くなりますが、素材の話が出たついでに、少し素材別の特徴をみていきましょう。
 
綿(わた)
最もポピュラーな綿の布団。
吸湿性はありますが、放湿性はないため、こまめに干さねばなりません。
ぺったんこになっても、お日様にあててあげればふっくらするのは、
寝ている間の汗などの不要な湿気が飛んでいったから。
体のためにもまめに干しましょう。
綿(わた)のいいところはリサイクル可能なところ。
「打ち直し」と呼ばれる綿を再生する加工をお願いすれば見事ふっくら復活!します。
敷布団なら 3年に1回、掛け布団でも5年に1回が目安です。
 
真わた)
勘違いされる方も多いですが、「真わた」は「綿(わた)」ではなく「絹(きぬ)」です。
綿より吸湿性にすぐれ、保温性も高く、静電気が起こらないのでほこりもたちにくい利点があります。
なによりツルツルすべすべの肌触りは、お姫様にでもなった気分。
上品な包み込むような温かさはたまりません。
その分、お値段も一流ですが・・・
 
羊毛)
セーターだけではないのです。
羊毛は綿の2.3倍もの吸湿性を有し、しかも干さずとも自分から吸った水分を放出してくれるという
なんともありがたい繊維。
独特のにおいが多少ありますが、軽いのにしっかり支えてくれる感覚と温かさは一度使うと手放せません。
ですが、今のところ、リサイクルは不可。
何年か使ってへたったら廃棄して買い替えねばなりません。
よいものですと10年ほどは持ちます。
 
羽毛)
寒い地方で冷たい水と寒さに耐える水鳥の胸の部分の羽ですから、
人間が着ても温かいはずですよね。
ですが、これぞピンキリ!
いいダウンはたっぷり空気を含んでほわほわふわふわ、手を入れているだけでもあったかですが、
安い羽毛布団はダウンでなく、フェザーという羽の軸の部分ばかりでちっともあたたかくなかったり、
ダウンはダウンでも十分洗浄されていなかったりします。
いい羽毛はお値段も張りますが、体にぴったりとまとわりつき、
軽いからといって、寝返りをうった時にずり落ちるようなことはありません。
こちらも安いにはワケがある。
しっかり中身を見極めましょう。
 
その他)
敷き布団の最近の流行は 凹凸のあるウレタン性の硬いもの。
凹凸が体の圧力を分散させて支えてくれるので、腰痛もちの方などに最適です。
とはいえ、好みもありますから、
やっぱり綿や羊毛のやわらかい感触や天然素材の感触が好き、という方は
もちろんそちらでかまいません。
 
さて、いかがでしょう?
なんとなく違いとポイントが分かりましたでしょうか?

最後に母からもう一言。
「眠りは、体のみならず、心の休息・整理、脳の疲労回復のためにも必要。
 自分に合った寝具を使えば必ずぐっすり眠れます。
 そのためにも分からないことは何でも聞いて、しっかり相談して、納得のいくものを選びましょう」
 
と言うわけで、何か質問がある方は、なんなりと。
母につなぎます(笑)
 
さぁ!次回はいよいよ100号!
何を書いたらいいのか、今からちょっとプレッシャーです(^^;
リクエストがあればお知らせください。



October 30, 201100:12らくみ通信 2011年 神無月 〜ぐっすり眠ろう その2〜
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┃\/┃     らくみ通信 2011年 神無月 〜ぐっすり眠ろう その2〜
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朝晩は冷え込んできたものの、日中は暑いくらいのなんとも爽やかな秋空と風。
お肌の乾燥が気になる以外は、この季節、最高ですね〜
・・・タイの洪水が気になるところではありますが・・・
 
こちらはお肌がカサカサでどうしようもないというのに、
当たり前かもしれませんが2歳児と0歳児はぷるんぷるん。
取り戻したい、この保水力・・・
と思っていたら、先日お会いした、子ども番組で体操指導をしているという女性の先生、
細いのにすごい筋肉、パワーと笑顔、そして肌のハリ!
軽く40代には入っているはずなのに、鍼を打ったら跳ね返りそうなほどのプリプリさ。
皮膚は体の中を表すと言うものの、
体を使っていると、鍛えていると、こうも美しいかとほれぼれ。
若さ保持の秘訣はやはり適切な運動にアリ、としみじみ思わせられました。
 
さて振り返ってわが身。
ジョギングやなつかしのビリー隊長&韓国のカリスマ主婦(?)の力を借りて動いているのに(^^;、
情けないことに先日から首がどうにもこうにも動きません。
上も向けない、下も向けない、振り返れない。
最初は寝違え〜と思って自分でハリしても治らず、
毎日の抱っこや睡眠不足もあってか日に日に悪化。
近くの鍼灸院やら整骨院に飛び込むもなかなかよくならず・・・
夜も眠れず、今回ばかりはさすがの私も参りました。
こんなに効きました!とメルマガに書くネタが増えるぞ〜なんて
思っていたのに、そうこううまい話ばかりはないもので・・・
どんな先生なんだろう・・・ドキドキしながら扉を開く患者さんの気分をたっぷり味わっています。
 
飛び込んだ鍼灸院のひとつは、聞けば本業はお医者様。
お父様もお兄さんも産婦人科医で、その昔ハリによる無痛分娩が流行った時分に
お父様が陣痛・分娩時にハリをされていたという、個性的な鍼灸師さん一家。
 
ベッド脇に超音波の器械(いわゆるエコー)が置いてあり、
「深く刺し込む時にはこれで肺など臓器を傷つけないか見ながら刺すんです」
へぇ〜 
さすがお医者さん。
 
チビ2人を連れて駆け込んだので、ゆっくりベッドに寝て治療してもらうことができず、
座ったまま頚肩に刺してもらうだけでしたが、それでも終わった後、あくびがとまらない。
受けなれているはずの私でもこんなですから、
やはり鍼の刺激って強いものですね。
その場よりも時間が経ってから効果を自覚したりしますから、
初めての人はもうちょっとやってほしい、というくらいで止めておくのが無難でしょう。
 
さて、前回前々回に引き続き、今回もぐっすり眠ろうがテーマ、ようやく鍼灸です。
 
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不眠のツボで有名なのが、かかとのど真ん中にある「失眠」。
ここにお灸、いうのが、定番中の定番。
 
そのほかには・・・
実は不眠の質によってまちまちで、こうすれば確実!というツボはご紹介できないのです。
眠るのに時間がかかるタイプ、入眠はスムーズだけれど早朝に目覚めてしまうタイプ、
夜中に何度も目を覚ますタイプ、疲れすぎている人、カッカする人、めまいや動悸のある人・・・
など不眠の種類と全身症状によって使うツボが違ってくるからです。
 
が!何かないかと探していたら、こんなのを見つけました。
 
2007年1月28日付の福島民報より一部抜粋
「福島大学教授が、背骨の下端の仙骨を鍼で刺激すると、
深い眠りが得られることをラットの実験で突き止めた。
体内の覚醒を抑制する物質GABAの分泌が刺激によって促進され、
深い眠りを誘発すると見られる。
薬を使わず、東洋医学の手法で眠りを作り出す手法を立証したのは初めて。
実験を重ねた結果、鍼が仙骨に達したとき、80%の確立で
ラットの脳波が数分〜20分間、眠りの深いノンレム状態に入ることを突き止めた。
小山教授によると、睡眠薬が誘発する眠りは浅くなりがちで疲れが取れず、
目覚めが悪いなどの副作用が出ることもある。
医師による処方を守らないと、逆に不眠が強まる可能性も指摘されている。
ハリによる療法は深い睡眠を作り出すため、脳や体に効果的な休息をもたらす。
薬による副作用の心配もない」
 
おおお〜! ありました!確実な(?)方法。
仙骨には体を休息させる副交感神経が集まっており、
ここを刺激すると眠くなる、というのは分かる気はします。
かと言って、一般の方が自分で針を打つわけにはいきませんから、
また?と言われそうですが、ここに湯たんぽ、が手っ取り早いでしょうか。
あるいは鍼灸院で、こういうのを聞いたことがあるので、とリクエストしてみましょう。
 
前述のとおり、普通に鍼を受けるだけでも眠くなります。
鍼の本数を増やしたり、刺す時間を長くして刺激を強くすると倦怠感や眠気を感じる、
という鍼灸治療の副作用を逆手にとって、強制的に眠くさせる、という荒療治もありますし・・・
 
〇時間眠らなければ、というより、自分が少しでもすっきり起きられれば睡眠としては十分。
そして、重要なのは陰陽バランス(陰=睡眠、陽=昼間の活動)。
メリハリをつけて、心地よい眠りを少しでも味わえますように・・・
私もこの痛みをなんとかして、眠れるようにしたい!(>_<)