April 2010

April 30, 201015:34らくみ通信10年卯月 〜鍼灸入門4〜
4月としては観測史上最も雨が多く、日照時間の短かった東京も、
ここにきてようやくおひさまが活動を開始したようです。
幸いGWはお天気に恵まれるようですから、
初夏の爽やかさをたっぷり堪能しましょう!
遠出される予定のない方はゆっくり身体を休ませて
家を片付けて・・・心身環境ともにメンテナンスするのもよいですね。
私たちは帰国してここに越してきてからちょうど一年、
去年の今頃はひたすら引越しダンボールと格闘していました。
 
さて、鍼灸入門も4回目、今回は、鍼灸ってナゼ効くの?
をお届けします。
 
**********
 
「私、はりきゅう師なんです」 と言うと、
「鍼って痛い?」 とまず聞かれます。
確かに、人の身体に鍼刺すんですもの、痛そうですよね。
明らかに痛そうな行為を人に施して治そうとするんですから、
考えてみればおかしな話です。
お灸にしたって、今でこそ痕にならないやさしいお灸が主流(?)ですが、
一昔前までは 大きな痕の残るお灸をこぞってやってましたし、
身体を傷つけてまで、熱さに耐えてまでする鍼灸ってなんだ?
と思われても仕方ありません。
ましてや「痛い?」と聞かれるのも無理ありません。
 
鍼を作る技術も進化して、細い痛くない鍼の恩恵にあずかる私達、
その昔は今では使うのをためらうほどの太さの鍼を使っていましたし、
2000年、3000年前は動物の骨を磨いて、或いは石を削ったものを
使っていたのです。
そうまでして鍼治療するからにはよほどの効果があるはず?!
 
効果については前々回、鍼灸って何に効くの?でお伝えしたので、
今回は痛い思いをして刺した鍼がナゼ痛みに効くのか考えてみます。
 
そもそも痛いって、痛みってなんでしょう?
簡単に分けると、
?皮膚や粘膜が傷つけられて痛い
?身体の中、筋肉や関節、内臓が傷つけられて痛い
?脳または痛みの通り道である神経が傷つけられて痛い
?心因性。身体的には問題ないのに、痛いと感じる
 
傷つけられた場所自体で、発痛物質という痛みを感じる物質
(セロトニンやヒスタミンなど。聞いたことありますよね?)が
作られて出てくるから痛むのですが、
それを脳がキャッチして初めて痛いと感じることができます。
 
全身に分布している、痛みを感じる「受容器」とよばれるものが興奮
→傷つけられた信号を脳に送信
→脳でキャッチ
→どこが痛いのか認識
→痛くないように血管を収縮させて血流を悪くする
→さらに痛みを感じる物質増加
 
・・・と、どこかで断ち切らないと、痛みの悪循環が起こります。
そこで、鍼を打ったりお灸をすえると、
 
?反射的に(こまかい機序は割愛)血管が広がり血流が促進される
 →発痛物質や疲労物質が流される
 →痛み消失
 
?脳が痛み信号を受け取る前に、鍼灸刺激の信号が通ることで
 脊髄で痛みをブロック
 →痛みがブロックされれば血流回復
 
?自律神経が反応、やはり血管拡張、血流回復
 
?(お灸のみ)白血球の一種である好中球・マクロファージ増加、活性化
 =免疫力UP!
 
?身体の平衡を保つ免疫ホルモン(?)であるステロイドの分泌
 を促進するなど、内分泌系を刺激
 
?脳内モルヒネを分泌、痛みを感じなくする、または緩和する
 
などなど・・・
 
ややこしくて読むのが面倒な方のために別の言い方をすると、
基本的に身体はどんな状況にあっても、治ろう、元に戻ろう、
身体の平衡を保とうとしています。
生物で習った恒常性=ホメオスタシス、です。覚えてましたか?
 
病気になったり痛みが出るのはこの平衡が崩れるからで、
平衡が崩れると免疫システムが働いてまた元に戻そうとします。
大きな病気でなければ安静に寝ていれば治っていくのは
この恒常性・免疫システムによるものです。
そうはいえども、なかなか手ごわい相手の場合、
病気の身体は病気なりの平衡が出来上がっていきます。
慢性病・慢性痛の状態ですね。
ここに鍼灸によって適度な適当な刺激を加えてあげることで、
身体をリセット、恒常性を保とうとする働きを活性化させることができるのです。
 
これは現代医学の薬剤にはなかなかできぬこと。
鍼灸が副作用がなく、身体にやさしいといわれるゆえんです。
 
なんとなーく理解していただけましたでしょうか?
ナゾの多いと思われる東洋医学も、
少しずつながら現代医学の手法で解明されてきているのです。
これからどんなナゾ解きがあるか乞うご期待!
 
ちなみに、
お母さんの魔法の手「痛いの痛いのとんでいけ〜」も同じからくり。
手当ては手を当てるから手当て。
全ての人にその魔法の力がありますから、
自信を持って手を当ててあげてください。
 
さて!連休です。
ホメオスタシス維持機能を活性化させるような
気持ちのよい、楽しい過ごし方、しましょうね。
怪我や事故だけはありませんように・・・