2007年01月19日

20ドル




残業を終えて、男は疲れ果ていらいらしながら家にたどり着いた。

すると5歳の息子が玄関で彼の帰りを待っていた。


「お父さん、ひとつ聞いてもいい?」

「ああ、なんだ?」

「お父さんは一時間働いていくらもらえるの?」


父親は怒って言った。

「そんなことお前に関係ないだろう!どうしてそんなこと聞くんだ?!」

「ただ知りたいだけだよ。ねえ、教えてよ、一時間でいくらもらえるの?」

息子はどうしても知りたいようだ。


「そんなに言うんなら教えよう。一時間20ドルだ。」

「そうかぁ・・・」と言って息子はがっかりとうなだれた。そして顔を上げるとこう言った。

「お父さん、10ドル貸してもらえないかな。」

父親は怒って、「くだらないおもちゃやつまらないものを買うお金が欲しくて

俺が一時間いくら稼ぐか聞いたのか?!だめだだめだ。さっさと部屋に行って寝なさい。

自分がどんなにわがままか考えて見るんだ。父さんは毎日遅くまでくたくたになるまで

働いてるんだぞ。子供の遊びに付き合ってる暇はないんだ。」と息子に言った。

息子は静かにドアを閉めて部屋へ入って行った。

 

いすに座ると、父親は息子の質問のことで余計に腹が立ってきた。

小遣いが欲しいからといってあんな質問をするなんて・・・

しかし一時間ほどたつとだんだんと落ち着いてきて、少し言い過ぎたかもしれないと考えた。

もしかしたらその10ドルでどうしても買いたいものがあったのかもしれないし、

それにそんなにしょっちゅうお金をねだる子でもないんだし。



父親は息子の部屋に行きドアを開けて尋ねた。

「もう寝たかい?」

「ううん、まだ起きてるよ」息子は答えた。

「考えていたんだが、さっきはちょっと怒りすぎたよ。

疲れててお前に当たってしまったようだ。ほら、さっき言ってた10ドル。」

父親がそう言うと息子は喜んで起き上がった。

息子は、「わあ!お父さんありがとう!」と叫ぶと、枕の下に手を入れて

しわくちゃのお金を何枚か取り出した。

父親は、息子がすでにお金を持っていたことを知って、また怒りを感じはじめた。



息子はゆっくりとお金を数えると、父親のほうをみた。

父親はむっとして言った。

「お前、お金持ってるじゃないか。なんでもっと欲しいんだ。」

「だって足りなかったんだもの。でもこれでだいじょうぶ。」



息子は答えた。


「お父さん、ここに20ドルあるから、一時間だけ一緒にいてくれない?」



*************************************************



この話の中の男の子は、私に、

何か忘れていたものを思い出させてくれた気がする。



本当に大切なことは、

形にはないから、目には見えないものだから、

時々自分に問いかけて、思い出す必要がある。



大切なことをしっかりと胸に留めて


明日もがんばろう。

makopekopoko at 21:58│Comments(4)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by ばん   2007年01月20日 01:28
泣いちゃった…(:_;)
2. Posted by mapiko   2007年01月21日 01:46
ね・・じーんとくるよね(>_<。)
3. Posted by 若松   2007年01月22日 01:21
いい話やね!
ホンマ忘れかけてた何かを思い出させてくれる話ですね。
オレもこういう気持ちを忘れずにいたいです。
4. Posted by mapiko   2007年01月22日 22:58
ですよね。

話変わりますけど、子どものあの真っ直ぐさが好きだなって今日仕事中に思いました☆
見習わなきゃです(*^^*)

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