藤崎竜先生の代表作、
「封神演義」を再アニメ化した『覇穹 封神演義』の放送が開始されましたが、
残念なことに、ファン評判は芳しくないようですね。

ほうしん

私自身は原作マンガを読んだことがなく、
殷王朝の末期が舞台で、
太公望が主人公でムーミンのようなキャラに乗っていて、妲己がラスボス、
程度のことしか知らなかったのですが、
それにしても、ずいぶんサクサクと話が進むなぁという印象。
ファンの欲求不満も理解できますわ。
「神は細部に宿る」という言葉がありますが、
テーマ性よりもキャラクターの個性が魅力になっている作品で
ディテールを省略してしまうと、本当に味気なくなってしまうんですよね。

「銀英伝」の再アニメ化の方は大丈夫かしら。
『Die Neue These 邂逅』の放送、4月に迫っているのですが。
シリーズ構成を担当される高木登さんが、公式HPのインタビューで、
「田中先生の文章が素晴らしいので、台詞も地の文も可能な限り残したいと思いました」
と仰っているので、期待できそうな気もするのですが、
楽しみ半分、不安半分ですわ。

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では、藤崎版「銀英伝」、ヤンジャン連載の感想です。
例のごとく粗筋から。

・第93話 
戴冠式で露見した異常性。エルウィン・ヨーゼフは皇帝に相応しくない。ブラウンシュヴァ
イクとリッテンハイムはそれぞれの娘、エリザベートとアマーリエを、幼帝に代えて帝位に
就けるべく動き出す。その背後には、フェザーン自治領主ルビンスキーの策謀があった。
一方、支持するものの殆どいない幼帝を担ぐリヒテンラーデは、ラインハルトに接近する。

・第94話
リヒテンラーデとラインハルトは手を結ぶ。幼帝の名の下に、各々公爵・宰相、侯爵・宇宙
艦隊司令長官となるが、これに反発したブラウンシュヴァイクらは、リップシュタットの森に
多数の貴族を糾合し、盟約を結ぶ。ライの部下以外の軍部も加わり、貴族連合側の兵力
は圧倒的となったが、ライは彼らとの戦いを、帝国から貴族を一掃する好機と捉えていた。

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こちらも、『覇穹 封神演義』に負けず劣らず、
サクサクと話が進んでますね。
こんなに早い流れで、
メルカッツの苦悩やら、フェルナーの剽悍ぶりを描ける余地があるのかと。
つか、フェルナー大佐って藤崎版には出てきてませんよね。
彼がチラと登場する、クロプシュトック事件も省略されてしまいましたし。

そもそも、フェルナーがブラウンシュヴァイクの配下でありながら、
独断専行でラインハルトを暗殺しようとして失敗、
そうした騒動があってはじめて、逮捕から逃れるために、
ブラウンシュヴァイクらは急遽オーディンから脱出せざるを得なくなったわけで、
もし、フェルナーが居なかったら、
リヒテンラーデ=ラインハルト枢軸陣営と、貴族連合陣営は、
宇宙で全面戦争を繰り広げるのではなく、
宮廷の周辺で睨み合ったままだった可能性もあった、と。
そういうわけで、私はフェルナーを、
リップシュタット戦役の開戦の口火を切った張本人、
また結果として、帝国の貴族支配を終わらせた影の功労者w 
として高く評価しているのですが、
藤崎先生の琴線には引っ掛からなかったのかしら。
オーベルシュタインの部下になって以降も、いい味出してるんですけどね。

そういえば、ヒルダも、次回くらいしか登場する機会がなさそうなのですが、
大丈夫なのでしょうか。
ヒルダが元帥府を訪ねる前に、ラインハルトが宇宙に行ってしまうとか、
そんな超展開だけは勘弁して欲しいです。

あと、幼帝エルウィン・ヨーゼフ。
いくらなんでも、異常性が分かりやす過ぎるのでは。
リヒテンラーデのように老練な陰謀家ならば、
戴冠式のように表舞台に立たせる際は、精神安定剤を使ったりして、
その間だけでも大人しくさせておこうとするはず。
大体、ブラウンシュヴァイクのように、
身内に皇位継承権者を抱える大貴族の外戚ともなれば、日頃から、
宮中の女官を間者に仕立てて、ライバルの情報収集に余念がないのが普通。
だから、もしエルウィン・ヨーゼフの精神なり人格なりに異常があるとしても、
それは一見しただけでは分からない性質のもの、とした方が、
現実味があるんですよね。
ラップの上官のムーア中将などもそうでしたが、
あんな露骨にイカレタ人間が、果たしてその地位に就けるのか、甚だ疑問というか。
分かりやすく暴れさせたりするのが、青年誌のお約束なのかも知れませんが、
私としては、知的に刺激されるものがなく、かえって退屈なのでした。

べるりん

ついでに、もう一つツッコミ。
ブラウンシュヴァイクとリッテンハイムの巨大な乗艦。
“盾艦”という言葉、初めて知りましたよ。
まさに威容を誇っていますが、
帝国の艦船は地上発射なのに、あんなに重そうな機体で宙に上がるんでしょうか。
それに、いくら左右に頑丈な盾艦を配しても、宇宙の戦いは3次元、
上下からの攻撃は防げないと思うのですが。
謎に満ちた設計思想だ・・・・
もしかして、単なるファッション、貴族の間で流行しているデザインだとかw
(その昔、トリプルネックのベースギターなんてものがありましたが、
ふとそれを思い出したw)