イゼルローン要塞奪取後の同盟側の情勢。
ヤンの期待とは反対の方向に転げ落ちていく同盟の人々。
同盟側のこれまでのエピソードと比べても、
今回はかなり良く纏まっていたのではないでしょうか。
それにしても、同盟側は尺に余裕があっていいな~と感じる場面が随所に・・・・

ともあれ、冒頭から見ていきます。
OPはジェシカが音楽学校の教師を辞める場面。
ジェシカはたぶん、その件で挨拶しようとヤンの家を訪ねるが、会えず。
にしても、ユリアンから、留守中に古い友人と称する若い女性が訪ねてきた、と聞いて、
すぐにジェシカだと分からなかったんですかね、ヤンは。

9話31
この音楽学校は、たぶん女子校。

9話32
ジェシカの定期入?にも、お馴染みの3人で撮った写真が。
しかし、この写真、ライキルアンネの写真より登場回数が多いのは、いかがなものか。


本編は、自由惑星同盟の最高評議会から。
この場面は、原作のまんまですかね。
戦争による財政の破綻、国力の消耗を危惧するレベロ、ルイと、
専制政治を打倒するまで戦争を継続すべしという他の委員の意見が対立。
中でも、唯一の女性委員でもあるウィンザー夫人は、
どれほど犠牲を払っても、帝国の圧政と脅威から全人類を救うという崇高な義務がある、
と主張する強硬派だった。
やがて、最高評議会議長のサンフォードが、
次ぎの選挙に勝つためには、画期的な軍事上の勝利が必要だとの指標を示したため、
軍から提案のあった帝国領への出兵案について採決が行われることになり、
賛成8、反対3の賛成多数で可決。
レベロ、ルイとならんで反対票を投じたもう一人は、意外にもトリューニヒトだったと。
国防委員長という役目柄もあり、
トリューニヒトは、「若い作戦部の士官が、国防委員会に直々に提出した作戦案」を見て、
これでは失敗する、と判断したものと思われますが、
他の委員は、果たしてこの作戦案をしっかり見ていたのか、甚だ疑問だったり。

この場面では他に、
サンフォード議長が突然持ち出した、“ある指標”にも引っ掛かりを感じますよね。
「ここ100日以内に帝国に対して画期的な軍事上の勝利を収めれば、
支持率は最低でも15%上昇する」
というものですが、
画期的な軍事上の勝利ならば、イゼルローンの奪取で、既に達成しているんですよね。
にも係わらず、支持率が一向に上昇していないとなれば、
これはもう、軍事上の勝利と支持率は無関係ということになりそうですが、
なぜか委員長連中は、“ある指標”を鵜呑みにしていたりする。
“ある指標”は、原作では「コンピューターに計測させたところ」となってましたが、
そもそも元になるデータが間違っているのではないかとか、
入力ミスがあったのではないかとか、
特定の意図のもとに作られたのではないかとか、
そういったことを疑ったりする頭が、彼らにはなかったんですかね。

9話02
中央行政府庁舎。両翼があるところなど、若干国会議事堂風だったり。

9話03
日本でいえば閣議にあたる最高評議会ですが、円卓で行われるらしい。
ちなみに、同盟には閣議の場面はあっても、国会の場面はない。トリビアです。

9話06
ハイネセン像。旧作では、巨大な石像が、同盟の場面の冒頭に必ずといって良いほど出てきましたが、
新作では初登場、しかも屋内って。


9話09
財政委員長ジョアン・レベロ、人的資源委員長ホワン・ルイは、イメージ通りですね。
レベロはヤン同様、イゼルローンを奪われた帝国が和平交渉に応じると考えているようですが、
やはりそういった甘さが後々・・・・


同日、ヤンは辞表を懐に統合作戦本部に出向いたものの、
「君が辞めたら第13艦隊はどうなる」と、
またしても、シトレに痛いところを突かれてしまう。
シェーンコップにも、「あなたの下にいれば、生き残れる可能性が高そうだ」などと頼られ、
ますます辞めづらい雰囲気に。

ところで、この場面でヤンは、
29歳という若さで退職しても、すぐにでも年金が貰えるようなことを言っていますが、
同盟の年金制度は、いったいどうなってるんでしょう。
功績のあった軍人に対しては、特例があったりするんですかね。
同盟の人間の寿命などは、現代の先進国並に設定されているようですし、
歴史の浅い国とはいっても、
女性が社会進出していることから、出生率だって、現代の先進国と大差ないでしょう。
ということは、高齢化も徐々に進んでいくことになるし、
となると、年金はやはり、60、70歳にならないと支給されないと考えた方が、
合理的なのではないでしょうか。
(単に原作者が、年金制度というものを分かってなかった、ともいえるw)

9話04
ヤンのサインはこんな感じ。

9話12
シェーンコップは偶然を装っていますが、実は待ち伏せしていたんじゃないかと。

多少前後しますが、フェザーンの場面。
自治領主ルビンスキーが、補佐官のボルテックから報告を受けています。
場所はどうやら、ドミニクの自宅マンションらしい。
愛人が大勢いる設定のルビンスキーですが、登場するのが彼女1人なのはご愛敬。
同盟の企業の株を密かに買い占め、
帝国の開発計画にはダミーを使って資本参加。
両国の戦時国債の半分近くはフェザーンが買っているそうで、
宇宙はフェザーンが経済的に統治しているのだと、愛人相手に豪語しています。
そんな、両国の対立の狭間で稼ぐフェザーンにとっての潜在的脅威は、
第2のルドルフが現れ、
新銀河帝国=新たな人類統一国家が出現することだったと。
なお、新銀河帝国の下り、原作はルビンスキーのモノローグですが、
今作では、ドミニクが最初に口にしたことになってますね。

9話17
フェザーンの百万ドルの夜景。綺麗です。

9話18
原作設定では、この頃のドミニクは店や商船のオーナーになり、芸能活動からは引退していたはずですが、
今作では、まだステージに立っているみたいですね。


次いで、レストラン「三月兎邸」の場面。
満席のため、ヤンとユリアンが店を出ようとすると、フレデリカに声を掛けられる。
彼女も偶然、父親のグリーンヒル大将と食事に来ていたのだ。
グリーンヒルにも「来週には中将になる」と言われ、更に辞めづらくなるヤン。
にしても、ユリアンがフライングボールで活躍しているとか、
ヤンの結婚の予定がどうかとか、
ほとんど世間話のようなエピソードでも、同盟側は削られなくて羨ましい。

9話14
ヤンとユリアンが来ることを予知していたかのような、テーブルセッティングw

9話16
グリーンヒル大将のキャラデザ、なかなか良い案配だと思います。
後々の行動や結末を考えると、藤崎版は気さくな良い人すぎて辛い。


そこからタクシーで帰宅途中、
都市交通制御センターの管制コンピューターの不具合によって車がストップ。
データ入力時の人為的ミスがそもそもの原因だそうで、
戦争のせいで、どの職場でもベテラン技術者が不足しているからな~、
という話になってますが、
そういう共通認識が同盟市民の間にあるのなら、
“ある指標”とやらについても、データ入力時に人為的ミスがあったのかも知れないと、
疑ってかかって欲しかったですよね。

9話22
この前後、車窓の風景の流れ方がとても自然で、感動しました。

9話24
車のデザインは、21世紀初頭風。ピックアップトラックなどもまだあるみたいですね。

9話23
「歩いて行く」というヤンに対し、「こちらでヘリをご用意いたします」という警官。
忖度されるようになにれば、英雄も一人前w


9話26
ほぼ、パリのセーヌ河畔を歩く、ヤンとユリアン。美しい場面です。
ヤンに憧れるユリアンは、同じ星を見ていたことを喜ぶ。
しかしヤンは、たとえどのような凶星であっても、自分だけの星を掴むべきなのだと思う。


最後はジェシカの就任演説。
テルヌーゼン市の補欠選挙で、当選を果たしたジェシカ・エドワーズ議員。
反戦派の急先鋒といっても、旧アニメでは、
ジェシカの所属する反戦グループの若い衆が、ホテルに滞在するヤンを襲撃したりして、
反戦どころかどんだけ好戦的なのかと思わずツッコミましたが、
今作にはそんなトンデモ要素はなく、
ほぼオリジナルの演説の内容も、大変良く書けていて、感心いたしました。

以前、私はこう思っていました。
歴史とは、埃を被った過去のものだと。
でも違うのです。
歴史とは、今生きている私たちが作っていくものなのです・・・・


原作では、演説といっても、ほぼ「あなたたちは何処にいます?」のリフレインのみで、
じゃあ、前線に居さえすればいいのか、
トリューニヒトがヒューベリオンの艦橋にいたりしたら、かえって迷惑だろう、
などと反発されがちでしたが、
今作では、万人に受け入れられやすい、説得力のあるものになってました。

9話27
演説を中継する街頭テレビ。どこの渋谷かと。

9話25
ジェシカのビフォー&アフター、良く描けていると思いました。
ビフォー。ユリアンから見ても、なんだか心許ない雰囲気だったものが・・・・


9話29
アフター。決めた女。ヤンから見ても、近寄りがたいオーラを纏っていたり。

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次回は、早いもので第10話。
「幕間狂言」ということで、またまた同盟中心の話になりそうですが、
銀英伝最大の嫌われキャラ、フォークの登場が楽しみです。
そういえば、最初に「銀英伝」を読んだ時、
同じ士官学校主席卒業の秀才キャラならば、ワイドボーン=フォークということにして、
士官学校時代からのヤンとの因縁を絡めた方が、話として面白かったのに、
などと考えたことがありましたね。
新アニメでは、第6次イゼルローン攻防戦は省略されているので、
ワイドボーンは死んでいないかも、などとふと思いましたが、
さすがにそれは無いか。