4月からアニメの放送が始まっている『日本三國』、好評のようですね。

実は、私は昨年夏、原作未読の状態で、舞台版の『日本三國』を見ているんですよね。
詳しい内容は分からなくとも、「三国志」の世界観を、遠い未来の宇宙に移植したのが『銀河英雄伝説』ならば、たぶん、近未来の日本に移植したのが『日本三國』。つまらないはずはないとの希望的観測のもとに観劇したわけです。「三国志」好きの性ですね。
アニメが放送されて作品の認知度が上がり、それなりの人気が出るより前に、2.5次元舞台化されるのは珍しいケースだと思われますが、原作ファンなのか役者目当てなのかは不明ながら、会場のシアターHは、若い女性客を中心に、なかなかの賑わいを見せていました。
個人的には、舞台で主人公サイドが関西弁を話すことを知って、かなりの衝撃を受けました。
政治色の強い話と関西弁の組み合わせは、想像できませんでしたよ。
なお、舞台版の範囲は、原作の4巻まで。たぶんアニメの第1期も、そこまでになるでしょう。

で、アニメも始まったことだし、そろそろ原作を読もうと単行本を購入したわけですが、その第1巻の最初のコマを見て、この作者とは気が合うと確信しました。そこには、こう書かれています。
「令和末期。データ×AIの第4次産業革命時代。
この時代において日本は、米国や中国、インドなどの諸外国に圧倒的大敗を喫した」
『日本三國』の連載が開始されたのは2021年11月ですが、その少し前の2018年、19年に、まさに、この記述を裏付けるようなニュースがあったことを、覚えているでしょうか。
◆全国民唖然…経団連会長「初めてメール問題」で本当に心配なこと
◆セブンペイ、2段階認証知らず社長しどろもどろ
前者は、日立出身の中西宏明氏が会長に就任するまで、経団連の会長執務室にはパソコンがなく、歴代の会長はメールを使うことも出来ず、全て紙ベースで仕事をしていた件。
後者は、セブンイレブンのスマホ決済サービス「7pay」が、深刻な不正利用によって開始4日で停止に追い込まれたが、不正利用対策となる2段階認証を、社長が知らなかった件。
つまり、日本では概ね、意思決定をするのは老人で、そして、彼らは概ね、ITに疎い――という、実に頭の痛い問題を日本は抱えており、それが国の発展を阻害する大きな要因になるだろうとの認識を、私同様、作者の松木いっか先生も持っていた、ということ。

作中の世界では、この件を端緒に、いろいろとあって日本は衰退、事実上の滅亡を迎える頃には、人口は10分の1まで減少し、文明レベルは明治初期まで後退しているとされるわけですが、巻末の年表に記された、そこに至るまでの設定も、良く考えられているなと。
例えば、日本がそんなグダグダな状態であっても、他国からの侵略を受けずに独立を保っていられたのは、世界では核戦争が勃発し、米国に勝利した中国にしても、国力が疲弊し、内戦状態に陥ってしまったから――そう説明が付きます。
海底ケーブルの破壊工作の件なども、数年前はまだ、一般には問題視されていなかったはずで、時事問題についても、作者はマメに情報収集しているのでしょう。
また、寒冷化の理由については年表に記載されていませんが、時系列からして、核戦争による“核の冬”と考えて良いでしょう。戦争に直接係わらなくとも、日本も地球規模の気温の低下を免れることはできないので、農産物の収穫が大幅に減少し、食糧危機に陥っていた可能性が大だと考えられます。
なので、その後、戦国時代を迎えた日本の中で、比較的温暖な地域から台頭してきた「大和」の勢力が、三国の中で最大となるのも、そういった点で説得力があります。
原作同様、アニメの『日本三國』でも、場面転換の際は、年時、季節、時刻に加えて、摂氏○○度と必ず気温が表記されるのですが、これも、“核の冬”と無関係ではないと考えています。


ところで、暴力大革命によって日本が事実上滅亡し、群雄割拠の戦国時代に突入するのは、年表によると、今からわずか32年後の、2058年なんですよね。
それより後、2086年を舞台にした『呪術廻戦≡-モジュロ-』が、現代を投影した世界だったため、あまり未来という気がしなかったのと比べると、変化の激しさに、空恐ろしくなります。
果たして、主人公は、こんな状況の日本を統一し、泰平の世を築くことが出来るのでしょうか。
本編の感想は、またの機会にしますが、それにしても、マンガの単行本の巻末に、参考文献がずらりと記載されているのも珍しい。
「三国志」ならば、陳寿の『正史 三国志』はマストですが、范曄の『全譯 後漢書』って、全19巻あるんですよね。これを読破するとか、松木先生、筋金入りのマニアですね。

実は、私は昨年夏、原作未読の状態で、舞台版の『日本三國』を見ているんですよね。
詳しい内容は分からなくとも、「三国志」の世界観を、遠い未来の宇宙に移植したのが『銀河英雄伝説』ならば、たぶん、近未来の日本に移植したのが『日本三國』。つまらないはずはないとの希望的観測のもとに観劇したわけです。「三国志」好きの性ですね。
アニメが放送されて作品の認知度が上がり、それなりの人気が出るより前に、2.5次元舞台化されるのは珍しいケースだと思われますが、原作ファンなのか役者目当てなのかは不明ながら、会場のシアターHは、若い女性客を中心に、なかなかの賑わいを見せていました。
個人的には、舞台で主人公サイドが関西弁を話すことを知って、かなりの衝撃を受けました。
政治色の強い話と関西弁の組み合わせは、想像できませんでしたよ。
なお、舞台版の範囲は、原作の4巻まで。たぶんアニメの第1期も、そこまでになるでしょう。

で、アニメも始まったことだし、そろそろ原作を読もうと単行本を購入したわけですが、その第1巻の最初のコマを見て、この作者とは気が合うと確信しました。そこには、こう書かれています。
「令和末期。データ×AIの第4次産業革命時代。
この時代において日本は、米国や中国、インドなどの諸外国に圧倒的大敗を喫した」
『日本三國』の連載が開始されたのは2021年11月ですが、その少し前の2018年、19年に、まさに、この記述を裏付けるようなニュースがあったことを、覚えているでしょうか。
◆全国民唖然…経団連会長「初めてメール問題」で本当に心配なこと
◆セブンペイ、2段階認証知らず社長しどろもどろ
前者は、日立出身の中西宏明氏が会長に就任するまで、経団連の会長執務室にはパソコンがなく、歴代の会長はメールを使うことも出来ず、全て紙ベースで仕事をしていた件。
後者は、セブンイレブンのスマホ決済サービス「7pay」が、深刻な不正利用によって開始4日で停止に追い込まれたが、不正利用対策となる2段階認証を、社長が知らなかった件。
つまり、日本では概ね、意思決定をするのは老人で、そして、彼らは概ね、ITに疎い――という、実に頭の痛い問題を日本は抱えており、それが国の発展を阻害する大きな要因になるだろうとの認識を、私同様、作者の松木いっか先生も持っていた、ということ。

作中の世界では、この件を端緒に、いろいろとあって日本は衰退、事実上の滅亡を迎える頃には、人口は10分の1まで減少し、文明レベルは明治初期まで後退しているとされるわけですが、巻末の年表に記された、そこに至るまでの設定も、良く考えられているなと。
例えば、日本がそんなグダグダな状態であっても、他国からの侵略を受けずに独立を保っていられたのは、世界では核戦争が勃発し、米国に勝利した中国にしても、国力が疲弊し、内戦状態に陥ってしまったから――そう説明が付きます。
海底ケーブルの破壊工作の件なども、数年前はまだ、一般には問題視されていなかったはずで、時事問題についても、作者はマメに情報収集しているのでしょう。
また、寒冷化の理由については年表に記載されていませんが、時系列からして、核戦争による“核の冬”と考えて良いでしょう。戦争に直接係わらなくとも、日本も地球規模の気温の低下を免れることはできないので、農産物の収穫が大幅に減少し、食糧危機に陥っていた可能性が大だと考えられます。
なので、その後、戦国時代を迎えた日本の中で、比較的温暖な地域から台頭してきた「大和」の勢力が、三国の中で最大となるのも、そういった点で説得力があります。
原作同様、アニメの『日本三國』でも、場面転換の際は、年時、季節、時刻に加えて、摂氏○○度と必ず気温が表記されるのですが、これも、“核の冬”と無関係ではないと考えています。


ところで、暴力大革命によって日本が事実上滅亡し、群雄割拠の戦国時代に突入するのは、年表によると、今からわずか32年後の、2058年なんですよね。
それより後、2086年を舞台にした『呪術廻戦≡-モジュロ-』が、現代を投影した世界だったため、あまり未来という気がしなかったのと比べると、変化の激しさに、空恐ろしくなります。
果たして、主人公は、こんな状況の日本を統一し、泰平の世を築くことが出来るのでしょうか。
本編の感想は、またの機会にしますが、それにしても、マンガの単行本の巻末に、参考文献がずらりと記載されているのも珍しい。
「三国志」ならば、陳寿の『正史 三国志』はマストですが、范曄の『全譯 後漢書』って、全19巻あるんですよね。これを読破するとか、松木先生、筋金入りのマニアですね。








