2008年10月13日

アイドルマスター 『樹海の糸』 春香ソロ



coccoの「樹海の糸」を使った作品があがってました。
ものすごいマイリス率で伸びてるので
もうみんな知ってるよね!


全編にやわらかな光の表現、心休まる色彩で作られており、
映像的にとても素晴らしいものになっている。
見るだけで素晴らしい。

だが、coccoという歌手を知れば、
やわらかな綺麗な映像の中に、とても秘めたる思いが脈打っていることは用意に想像できる。
そもそもcoccoのこの時期の歌というは、
綺麗な声、やわらかい歌詞を使いつつも
非常に重い内容を歌っている。
じゃんPも「樹海の糸」の制作にあたり、coccoの歌の世界に深く潜っていったと思われる。


さて、斜め読み全開で作品を追いかけよう。




0:12
このカットには美希、真、雪歩、千早などが街並みの風景の中に出てくる。
しかし、誰の目にも飛び込んでくるのは
モニターで動く美希の姿だ。
このカットからは美希の存在が大きなものであることを感じる。







0:17
春香とプラットホーム
プラットホームという場所は駅の一部なのだから「出発地点」「人との別れ」などさまざまな場面がある場所なのだが、
なにせcoccoの歌詞でプラットホームというと悪い予感しかしない。
なにかに操られるように自分の命を絶ってしまう場所・・・・。

そう考えると場面チェンジの間に一瞬挟まれる赤い花のカット。
挟まれるのはほんの一瞬。
だが、それだけにフラッシュ効果として刺激の強い美しき赤も、
嫌な方向へのイメージを感じてしまう。


0:31
ここで一瞬入っているカットは「水たまり」と冒頭と同じ画像処理で濁った感じの「空」
歌詞に雨が入っているからであろう。

しばらく樹海のイメージで歌う場面が続く。
樹海に春香がいるわけではなく、
春香の心が樹海に引き込まれているというイメージだろう。




0:57
背景にフェンスのある高い場所。
ビルの屋上。
やはり、その場所も死のイメージが漂う。

その直後にコンサート風景のカット2つ

0:59
日が暮れる
ここで夕日の中で歌う色使いとか良く作れるものだと、
技術的に関心してしまう。

1:09
日が昇る




1:30
しばらくフェンスの影の場所で歌っていたのが、
ここではついにフェンスのない屋上へと出る






1:38
「さかさまになった春香」と「赤い花」のカット。
さかさまになるという状況が日常にあるはずはない。
あるとすれば頭から落っこちる時だ。
そしてプラットホームと同じく赤い花のフラッシュ。
赤の色は血と同じ色。

1:43
屋上のふちへと踏み出す。




1:54
下半身から沈んでいくことからもわかるように、
水のようなところに入っていくイメージ。
直接水ではなく、光の表現とはなっているが、
水の中に入るのも死のイメージでしかない。




1:58
ここで何点もの春香のカットが挟まれる。
レッスンスタジオで顔を赤らめる春香、
公園で微笑む春香、
そして暗闇の中で悲痛な表情の春香。
他にもカットはある。
楽しげな表情の後の悲痛な顔。
いったい春香に何があったのか。
そして直後に出る「赤い花」。


2:17
ついに春香は屋上の一番ふち、
一歩踏み出せば命を立てる場所まで来る。




2:20
手首と赤いしぶき。
リストカットのイメージである。

2:22
高いビルを見あげたカット

そして再びビルの屋上




2:35
全体がグレーの色調の中に
赤い斑点が散らばる地面。
今までの赤は、一つの赤い花であらわされていた。
それが今回は命がくだけたように散らばる赤。血の赤。

2:44
冒頭の街のカット、
やはり美希が一番目に入る。
そして天に昇る。




3:07
海の中に沈んでいくカット




3:24
最後のカット、
いや最期のカットと表現してもいいかもしれん。
ビルの屋上のふちで春香が見上げたところでカメラは空へ上る。





というわけで、全体の流れをざっと見てみた。
時間軸が一定しないのと、イメージ的な場面が多いので、
「確実にこうなった」というものはないのだが、
ありとあらゆる自殺のオンパレードである。
プラットホーム、ビルの屋上、入水、リストカット。
全体が美しく彩られているものの
すべては自殺である。
これはもう、画面が美しいだのどうのこうので喜んでいる場合ではない。
とてもスキャンダラスな動画だ!

ちなみに、まこT的にはアイドルが死ぬようなPV(ギャグ的な意味でなく、シリアスな意味で)は
とてもアイマス的ではないと思っている。
かって友Pが「翼をください」でそれをやったことがある。
物語的な面白さがあり、
ファンの多い作品ではあるが、
まこTはアイマスとしてはとても受け入れることはできない。

樹海の糸も、イメージは自殺だ。
自殺は決して美しいものではない。
自殺にあこがれてはいけない。


さて、まこTの気落ちどうのこうのは別として、
物語的になぜ春香は死のイメージを思い浮かべたのか。
それを考えるのが「斜め読み的動画の楽しみ方」だ。
この動画は3:39で終わる。
一度見て、映像的にすごい、雰囲気が出ていてすごいと楽しむのもOK。
だが、わざわざ動画の意図を無理にでも読み取って書き出す。
これこそが「斜め読み的動画の楽しみ方」だ。


さぁ、その意図をアイマス側から考えるか?
それとも樹海の糸側から考えるか?


そもそも、アイドルマスターに自殺を感じさせる世界はない。
春香だけは他のアイドルと違うEDがTRUE ENDとして書かれているので、
これを自殺の要因として考えることはできないことはない。
それでも、春香の気持ち、TRUE ENDのアフターストーリーとしては、
MA01の「悲しみよこんにちは」で描かれており、
春香がそんな弱い女ではないことは示唆されていると思う。
それが王道のアイマス感。


となれば樹海の糸側から物語を構成しなおすというのが「斜め読み的動画の楽しみ方」である。
樹海の糸側からアプローチをとろうと思うのだが、
じゃんPは動画には歌詞を表示させていない。
歌詞の世界に完全に引き込まれてしまうのを恐れたのかもしれない。
完全に樹海の糸であってはならない。
樹海の糸をベースにして構築されなおしたパラレルワールド的アイマス感、
これを読み取るのだ。


樹海の糸の歌詞には物語の視点である「わたし」と「あなた」が存在する。
サビの部分「わたしさえいなければ」「あなたさへいなければ」
だいたい同じ歌詞ではあるが、二人の視点が歌詞に織り込まれる。
違うのは、「あなた」は夢を守る=生き続けるイメージに対して、
「わたし」は死んでしまうイメージというところか。
それゆえ、樹海の糸的アイマス感でも春香は死のイメージがつきまとう。
では、「あなた」は誰を指し示すのか?
これを考えるのがさらに「斜め読み的動画の楽しみ方」だ。


coccoというのはいろいろ逸話が多い。
「子供の頃におちんちんが欲しかった」という発言があったそうだ。
となれば、この物語が男女の愛で語られているのではないかもしれない。
女と女の世界。
とてもアブノーマルだが、それも考えていいかもしれない。

動画の中で春香以外では美希の存在が大きく描かれている。
街のカットでは美希以外にも雪歩、千早、真の看板が存在しているが、
なによりセンターに位置して、なおかつ動画として動いているのは美希だけだ。
美希の存在を「あなた」として考えてみる。

しかし、美希というのはアイマス世界では愛の権化である。
Pと完全に結ばれる存在。
他のアイドルがめでたしめでたしで終わるのに対して、
美希だけは生々しく愛を描かれる。
その美希という存在を春香が愛してしまったというif。
これでどうだ。

もちろん美希には「ハニーと結ばれる」という大きな夢がある。
それは春香にも分っているはず。
ここに大きな春香の悩みが発生し、もやもやと生き続ける。
その深い愛憎がうんたらかんたらでどうのこうので、
最後は春香に自決をイメージさせる。
途中のうんたらかんたらどうのこうのは具体的なものはないのだが、
恋愛のもつれからそこまでいたるってのは考えられることだ。


かくして「異常な恋愛の終結劇」としての一つの結論を出してみた。
しかし、それらをすべて包み込むcoccoの歌声、やさしく紡がれた歌詞、じゅんPのやわらかな光の表現。
実に「考えさせられる」面白さをもった動画である。



しかし、途中でも書いたがまこTはアイドルが自殺するようなアイマス感は好きではない。
自殺は決して美しくなかった。
心の闇との戦いの果てに疲れた気持ちが、
一瞬緩んだ瞬間に引き起こす魔物である。

日本の年間の自殺者数3万人。
交通事故の6倍の数字である。
自殺は決して、縁遠い話ではない。
人に話したくない内容だけに伝わらないが、身の回りにいるのだ。

私だって・・・

といったところで、今回の「斜め読み的動画の楽しみ方」の終わるとしましょう。

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1. 切なさを映像と曲で表現するということ  [ 爽快・楽しくなる動画 ]   2008年10月14日 10:15
切なさを映像と曲で表現するということ  【ニコニコ動画】アイドルマスター 『樹海の糸』 春香ソロ ◆じゃんP 持っている背景・知識によっの..

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