2012年8月13日。
この日は、二度と来ない。
そんなことは当たり前だが、乃木坂46にとっても、そしてもちろん、彼女たちのファンである我々にとっても、この日は二度と来ない……「初めてのライブが行われた日」なのだ……。
初回申込時の抽選に漏れ、キャンセル待ちの抽選にも漏れたボクは、半ば参加を諦めかけていた。
しかし、ボクがオススメしてファンになってくれた友人たちが次々と当選したのを知って、「ボクが行かないわけにはいかない!」と思い、オークションで定価の7倍近い金額を払ってギリギリでチケットを入手。無事、参加することができた。

今回のライブの内容、セットリスト(曲目)等については、他にも素晴らしいレポートが上がっているので、多くを語るつもりはない。
ここでは、自分自身の記録と記憶のために、「涙」という点に絞って語りたい。

ボクは今回のライブで、少なくとも4回は泣いた……実際に涙を流した。

まず最初。
1曲目の『走れ!Bicycle』のイントロが始まった時。

これまで、開催を望む声は多かったのに、一向に開催される気配がなかったライブ……。
ミニ、個別、全国、ミニ個別……握手会ばかりで「握手会アイドル」と揶揄されることもあった。
サッカーの試合のハーフタイムショーに出演し、罵声を浴びたことも……。
「AKB48公式ライバル」を標榜していながら、ライブを開催しないことによって、AKBはおろか、姉妹グループのSKE48、NMB48、そしてまだCDデビューすらしていないHKT48にすら、ライブ経験値で差が開く一方……。
いわゆる「運営」の、ファンの期待に応えようとしない姿勢に不満は爆発。
それらが元となって、ファン同士の結束も危うい状態となるなど、正直、「このグループの寿命は、決して長くないんじゃないか」と思わせる状況が続いていた……。 

今後、たとえどれだけ繰り返し開催されようとも、絶対に1度しかあり得ない「初ライブ」が始まった瞬間 、それらの想いが一気に噴き出してきて、自然と涙が流れていた。
正直、かなり無理をして参加したライブだっただけに、個人的にも「来てよかった」と思った瞬間だった。

2回目。
キャプテン桜井玲香が最初の挨拶を行った時。

ボクが『乃木坂って、どこ?』を観始めたのは、「特技披露」の回。
この回の前半、生田絵梨花によるピアノ演奏と、後半にお披露目された『ぐるぐるカーテン』のMVでハートを射貫かれて、ボクは乃木坂ファンになった。
玲香が「暫定キャプテン」に指名されたのは、その次の週、「手相診断」の回。
それ以後は、キャプテンとしての進化をずっと観てきた。
なかなか「暫定」の二文字が取れない不安の中にあっても、強い責任感を持って、彼女はその重責を果たしてきた。
決して「推しメン」ではなかった。
にもかかわらず、3rdシングル選抜メンバー発表の時、彼女が正式キャプテンに任命された瞬間、それまでで一番、鳥肌が立った。
その時ボクは桜井玲香に対して、「推し」とは違う感情を抱き始めていることに気付いた。
そして昨日、初ライブの挨拶に立った玲香は、もはや1人の少女ではなかった。
33人のメンバー、その頂点に君臨するキャプテン以外の何者でもなかった。
ライブにかける想い……その本気度はハンパじゃない。
みんなを楽しませるんだ! 私たちの想いを届けるんだという凄まじいばかりの意気込みが波のように押し寄せてきた。
キャプテンとしての重責を果たすことで、大きく大きく進化していると実感した瞬間。
ボクは「この人を好きになってよかった」と心から感じたのだった……。

3回目。
AKB48の『会いたかった』、『Beginner』、NMB48の『オーマイガー!』を歌うと発表した時。

これには賛否両論あったようだが、ボクは素直に嬉しかった。
「AKB48公式ライバル」を標榜する以上、決して避けて通れない道。
48グループの楽曲を、本家以上に魅せることができて初めて、「公式ライバル」と認められると思っている。
結果……。
『会いたかった』、『オーマイガー!』は別として、『Beginner』については、ハッキリ言って足下にも及ばない。
タイトルに反して、「ビギナー」には非常に難易度の高い曲……つまり、「経験値」を要求される曲だと思う。
その点で、毎日公演を行っている48グループとの差は歴然としていた。
だが、いわゆる「ファンサービス」や、楽曲不足による「穴埋め」では決してなく、これは文字通りの「挑戦」なんだという、メンバーの想いはちゃんと伝わってきた。
それはそれで歓迎すべきだと思うし、今後のライブでも、48グループの色んな曲にチャレンジしてもらいたい。

そして4回目。
デビュー曲『ぐるぐるカーテン』を披露した時。

前述の通り、ボクは『ぐるぐるカーテン』のMVを観てファンになった。
3rdシングル発売間近の現時点でも、乃木坂46全ての楽曲中、最も好きな曲だ。
だが、彼女たちがこの曲を観客の前で初披露した時、目の前にいたのは乃木坂ファンではなかった……。
その時の想いを綴ったVTRが流れ、本当のファンの前で歌いたいという彼女たちの願いに応える形での披露。
『AKB48 リクエストアワー セットリストベスト100 2012』の時と同じタイトルがスクリーンに表示される。
しかしそこには、「圏外」の文字はない。
正真正銘、2000数百人の乃木坂ファミリーの前での「初披露」。
惜しむらくは、「ぐるカー選抜」全員が本ライブに出演しているにもかかわらず、なぜかメンバーが一部入れ替わっていたこと……。
全く同じメンバーでのパフォーマンスだったら、満点だったのに、実に残念……。

以上……とりあえず今回は「涙」に絞って感想を述べてみた。
正直、今回のライブではイロイロと問題点も浮き彫りになったし、別の意味で「語るべきこと」はたくさんあるが、また次回にでも……。

とにかく、もし今回、キャンセル待ちに落選した時点で諦めて行かなかったとしたら、間違いなく一生後悔したと思う。
それほどまでに素直に感動したし、行って良かったと心から思った。
一度きりの「初ライブ」。
これからも乃木坂46を応援していきたいと、心に誓った1日だった。