2008年04月26日

世紀のラブレター50通(川村エッセイ)

737eff3a.jpg私の母は文藝春秋を毎月読んでおり、読み終わると必ず私の元へとまとめて置いて行く。

今回も何の気なしに置いて行かれた春秋を流し読みしていたのだが、
「世紀のラブレター50通」

というタイトルに気持ちをそそられ読み進めて行く内に、思わず私まで胸に詰まる物を感じたので、読んだ感想を紹介させて頂こうと思う。


まずは最初に、美空ひばりと小林旭である。
この二人の芸能人カップルは、当初歌をお互いに詠みあっていた。

相聞歌のやりとりをしていたなんて、春秋を読むまでは予想だにしなかったし、意外であった。


「我が胸に
人に知らざる泉あり
つぶてを投げて流したる君」(ひばり)

「石を持ち
投げてみつめん水の面音たかき波立つやたたずや」(旭)

作品としては、きっと必ずしも上手いとはいえないかもしれない。

しかし非常に切なく、リアルな感じがし、素晴らしい恋文だなぁ、美空ひばりも小林旭も、こんなに奥行かしい恋心のやりとりをしていたなんて…と、改めて実感した作品である。

芥川龍之介も、普段の作品からは考えられない様な甘く優しい恋文を後に妻となった塚本文に宛てていた様である。

今、まさに時空を越えて当時の有名人の恋文を拝見していると、

すぐ逢える
すぐ連絡取れる

という便利さに、現代人は当たり前の様に慣れっこになってしまっていて、昔の恋人同士は、待たなければいけないからこそ、その逢えない時間をゆっくり筆にしたためたり、相手の事を考えたり出来たのかもしれない、としみじみ比較してみたりしてしまう。

そんな事を考えている内に、外の雨の音が今一層大きくなって来ている。

桜も大部散ってしまったが、いよいよこの雨で明日はきっと、綺麗に散ってしまうのだろう。


Posted by makotoroom at 22:18