2008年08月19日

〜なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日〜を読んで(川村エッセイ)

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〜本村洋氏〜

光市母子殺害事件の被害者の遺族である本村洋氏を、幾度かテレビで拝見する機会があった。

その真っ直ぐに宙を見つめる、奥底に闘志を燃やしている炎のような瞳、物腰に私は強く心打たれた。

まさに自分の中の「信念」を信じ抜き、貫き通した方であろう。

今回、この事件の全容が本になり出版されたと聞き、真っ先に本を購入した。

そのタイトルが

なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日

角田高将署

である。

この本も、私に取っては涙なしでは読めない本であった。


自分自身も被害者の夫、そして父親の立場であり、心に深い傷をおったにも関わらず、夫として妻と娘を守りきれなかったと言いようのない罪悪感に襲われながらも、自分が体験した事を元に最後には山のように動かなかった司法の世界そのものを動かす事になるのである。

何度も、現在の遺族の気持ちを汲み取らない日本の司法制度に愕然とし、自殺さえ考えた事もある本村洋氏は、幾多の苦難を乗り越え、発信し続けたメッセージがやがて日本全国の人々の胸に染み入り、共感を呼んでいった。

この件から故小渕恵三総理も犯罪被害者問題に言及し、
「犯罪被害者保護法」
「改正刑事訴訟法」
「改正検察審査会法」
が新しく法律に付け加えられ、更に小泉純一郎元総理も犯罪被害者を保護、救済するための
「犯罪被害者等基本法」を2004年12月に議員立法として成立し、翌年には「犯罪被害者等基本計画」が策定されたのである。

司法の世界を最初は良くわからなかった1人の若い青年が、メディアさえも大きく揺り動かし、実直な信念で世の中を突き動かして行く様は、きっと誰もが予測し得ぬ事であったろう。

中学時代よりネフローゼを患い、命の重み、大切さを人一倍痛感し、更に愛する家族の命を心より尊く思えたからこそ、本村洋氏は昔ながらの司法の世界を新たに改革していけたのだろう。

一つの事を信じ切り、突き進む姿は凜として荘厳で、とても美しい。

最後に、本村弥生さん、夕夏ちゃんに、追悼の意を送らせて下さい。

合掌


Posted by makotoroom at 00:02