68年9月発売のシングル「山谷ブルース」から数えて、レコードデビュー45周年コンサート。「日比谷野音ではなく公会堂です」と公式が何度も念をおしちゃう日比谷公会堂公演。個人的にはあがた森魚40周年以来の二回目。

開演。最初の三曲は一人での弾き語り。
「あまり何周年というのには興味がなくて、35周年とか40周年というコンサートはやっていないんです。実のところは誰も気付かなかっただけなのですが。「今年で45周年ですよ」といわれて、考えると50周年ができるか分からない……平均寿命は延びてますから……存命ではあることは間違えないと思うけど、声がちゃんと出るかと思うと分からない。なので45周年はちゃんとやっておこうと、そうすればみなさんこれで見納めになるのではと思って来くれるに違いない。という目論見が見事にあたりまして、御陰様で今日は満員御礼です」(会場拍手)
11月に同志社大でやったというところから大学時代の山谷体験の話を経ての「山谷ブルース」。なんと、デビュー当時なアレンジの弾き語り。「だけど〜」は例によって省いてるけど、この時点でかなりインパクトあり。

平野さんを呼び、「実はこれで海外でもやってたりするんですが」とシアトル桜祭りや中国ツアーなどの話。今回DVD化された『今夜は朝まで踊りましょ』(1993)に中国、モンゴルあたりの公演の映像が入ったので、多分その辺の繋がり。マレーシアでもやったというのは初めて知った。「特に内モンゴル自治区に行ったときは、遊牧民のテントの前で歌ったりして、印象に残るコンサートの一つになっています」からの「モンゴル草原」

六曲目からエレキバンド演奏。「今日をこえて」をやって、メンバー紹介。いつも通り徳武さんのベンチャーズ(「ダイアモンド・ヘッド」)付き。その間に平野さんがアコギを置きピアノの方に行くのを「彼が今ピアノに移りましたね。彼は今日も色んな楽器を操ります。今年ポール・マッカートニーが来日しましたが、彼はステージ上でギター、ベース、ピアノにドラムと色んな楽器をやるんですね。そんなわけで最近ぼくらの中では平野くんのことをポール・マッカートニーと呼んでいます(笑)」ちなみにアンコールの再紹介では「トール・マッカートニー」に進化。※同行者から「最初からトールって言ってた気がー」とツッコミが。

「霧のハイウェイ」からの三曲は間を置かずノンストップで演奏。平野さんがピアノで、加藤さんはキーボード(多分新譜のレコーディングでも使ってるフェンダーローズってやつ)。ポップス時代やエンヤトット初期など、かつてはよく使っていたようですが、新鮮でした。岡林さんが前、間、後奏以外ギターを弾かなかったのも印象的。
以前よりアレンジに黒さが増した印象の「黒いカモシカ」、以前のレポに書いた「シャネルのバックに玉ねぎ詰め込んで」は今回もそうだったので、意図的な歌詞変更で間違えないよう。
しかし白眉は「山辺に向いて」で、個人的には今回のベストにあげたいところ。岡林さんも最後のフレーズで感極まって声がつまる場面も(後奏ではずっと後ろを向いてギターを弾いておられました)

二部は平野さんアコギ、加藤さんピアノを入れての弾き語り四曲から。「レクイエム」を歌っての美空ひばりとの話から始まり、ひばりのお母さんが病気の時、「ミュージックフェア」で岡林さんがこれを歌ったのを見て「私の気持ちを歌にしてくれた」と(勝手に)感激したというエピソードから「君に捧げるラブソング」、そこから吉岡治に繋げての新譜二曲。ここ数年の総集編ぎっしり凝縮といった感じで良い構成。

以降はエンヤトット、このパートは最近順番含め同じセトリばっかなのがちょっと気がかり。
「あらえっさっさ」では平野さんがキーボード、吉田さんはいつもスルドのはずなのに、今回はジャンベで、スチャラカ!なリズム、成る駒さんも鳴り物で色を加える場面が多いと、普段とは大きく変えてきた感じ。そのせいなのか、頭のカウントで何度もミスし、急遽打ち合わせしなおす(ように見受けられる)一幕も。
エレキと御歌囃子合同の「乱の舟唄」で盛り上がり終了。

アンコールはまず一人で登場し、マイク前につくや間も置かず「チューリップのアップリケ」、そのままエレキバンドで「自由への長い旅」
「私は歌を歌っていなければ、間違えなく鉄格子の中に入るような人間になっていたと思う。そんな私が今日までこうしてなんとかやってこられたのは、今日来てくださっているお客さん!そして今まで出会ったすべてのミュージシャン、スタッフのおかげ!であることもさることながら、やはり最大の要員は!(以下略)」

最後は全員登場の「今夜は朝まで踊りましょ」でいつもの観客総立ち。今回は1番エレキ中心、2番御歌囃子中心、3番合同というアレンジ。「黒いカモシカ」など長尺曲で歌詞を間違えることなく(うろ覚え的な箇所はそこそこありましたけど)ここまで順調だった今日の神様、ここの二番でまさかの歌詞抜け。やっぱ岡林コンサートには「これがなきゃ」なのか……!?
大盛り上がりの内に完奏。改めてのメンバー紹介の後「そして……猪瀬直樹でした!」でオチ。

その後は同志社と同様、45周年記念手ぬぐいの撒布会(物販購入者に先着で配ってもいたみたい)今回はゲットできました。良かった。並んでの一礼のとき、ステージ上に小さいお子さんが来て岡林さんに寄り添っていましたが。もしかしなくてもお孫さんでしょうね。
記念公演に相応しい充実の内容でした。来年も期待してます!


 岡林信康 vo、ag

 平野 融 ag、p、key、マンドリン、チャンゴ

 吉田 豊 スルド、ジャンベ、鉦
 高橋希脩 三味線、cho
 佐藤錦水 尺八、笛
 美鵬成る駒 和太鼓、鳴り物、cho

 徳武弘文 eg
 六川正彦 b
 高杉 昇 dr
 加藤 実 p、key


 一部
 01 あの娘と遠くまで
 02 山谷ブルース
 03 26ばんめの秋
 04 モンゴル草原
 05 オリビアに
 06 今日をこえて
 07 霧のハイウェイ
 08 黒いカモシカ
 09 山辺に向いて

 二部
 10 レクイエム〜麦畑のひばり
 11 君に捧げるラブソング
 12 北酒場
 13 京の覚え唄
 14 お祭りマンボ
 15 江州音頭物語
 16 あらえっさっさ
 17 乱の舟唄

 アンコール
 18 チューリップのアップリケ
 19 自由への長い旅
 20 今夜は朝まで踊りましょ









そんなこんなで、わたくし石丸まく人と申しますが、岡林信康狂信者を勝手に名乗り、日々黙々と岡林信康botの中の人をやってみたりしている次第です。そんでもって今度のいわゆる冬コミケに岡林さんの本を出すことにしました(当然非公認です)

実は以前『岡林信康の本』というアルバムレビューや、著作、未CD化音源などをまとめたデータ本を出したことがあるのですが(現在は品切れ)、今回はその『別冊1』となります。
詳細は以下の通りです。もしかしたら都内某ミニコミとか委託できる場所に持ち込むかもしれませんが、持ち込まないかもしれないので、もしコミケに来る用事があるよって方は是非覗いて頂けると幸甚でございます。


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岡林信康の本 別冊1
頒布予価300円 A5版本文32ページ
12/31日東京ビックサイト「コミックマーケット85」
西ホール ほ31b「石丸まく人」にて頒布予定。


内容

■大ダイジェスト版自由への長い旅
岡林信康の現在CDで買うことのできる主要ディスコグラフィを、
某SNSにあやかった約140字でざっくり紹介。

嗚呼、麗しの珠玉音源集(べすとばん)
『岡林信康の世界』(1970)から『岡林四十五景』(2013)まで、
今までに発売された編集・ベスト盤を詳細特集。
珍しいカセットオンリー?ものも二つほど取り上げています。

レア音源小特集
「おんがくぐーん」「エンヤトットでDANCING!」
「御歌囃子ソーラン(シングル)」

岡林信康ソングブック
フォークの神様の歌を別の歌手がカバーした音源、46組52曲を大紹介。

岡林信康×吉岡治1975〜2013
「アナザー・サイド・オブ・オカバヤシ」の歌たち

このブログの前エントリに若干の加筆修正を加えました。

みんなで歌おう楽譜本の世界
特集雑誌や、70年代に書店や楽器店に並んでいたと
思われるギターコード本など今回は11冊とりあげています。

最新ライブレポート
11月の同志社大学公演と、12月の日比谷公会堂公演(上のやつ)


同人誌即売会で買って頂いた方には、
9月の「名古屋をどり」のレポートなどを含む「追加ペーパー」を無料進呈。