2014年02月

2014年02月27日

谷崎潤一郎 痴人の愛

お久しぶりです。

ここしばらく、吉川英治の三国志を読んでいました。
細かい感想はかけませんが、やっぱり面白いですね。

痴人の愛は、図書館でタイトルに惹かれて読んだ本です。
谷崎潤一郎は、以前に読んだ卍に続いて二作目ですね。

真面目で実直な主人公が、理想の妻にするため、15歳の少女を育て上げるために引き取るところから物語は始まります。
光源氏計画をやろうとするのですが、計画通り彼女はとても魅力的に育ちます。
しかし、その反面に性格は魔性の女へとなっていきます。

自分を振り回す魔性の女の為、生活も荒廃していくのですが、それでも尽くさずにはいられない。
しかし、序盤に撒かれた不安の種は物語終盤で一気に萌芽します。
裏切られた主人公は彼女との別れを決意するのですが…。

結末はこれから読まれる方のために伏せておきますが、なんでそうなるんだよ!という感想と、まぁそうだよなぁという二つの感想が思い上がりました。
それより特筆するべきは、谷崎潤一郎のこの女性の描写です。
肉体の描写はすばらしく、みずみずしい肉体から豊満な肉体への成長の過程などは読んでいて想像を掻き立てられます。

魔性の女に取り憑かれて、それから離れられない男、その男こそ谷崎潤一郎その本人だと私は思っております。
女性に振り回される男、そんな男は決まって純情なくせに拘りがつよく、自分で女をどうこうすることもできるなどといった幻想を抱いています。
そしてその高いプライドは、へし折られるのですが、それすらも嫌じゃなく思えてしまう、そんな魔性の女。

さて、久々の更新ですが、これくらいにしたいと思います。
それでは

makurainesuke at 17:29|PermalinkComments(0)読んだ本