モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2006年01月

お恥ずかしい限りである。

昨日のコメント欄を読んでたまげてしまった。度肝を抜かれるとはまさにこんなことを言うのであろうか。いや、単に間の抜けた話なのであろうか。

**************************
侍殿、
避けたと思われている2本の手裏剣、そのうちの1本は侍の背中にささっております。Cの解答として侍殿が選択したのは実はマクダフ、インチガワーではございませぬ。

手負いの者をさらに切りつけることは本意ではありませぬが、チームJ's BARでは鶴様の他、○野様が侍殿の得点を上回り6点、せっかくのヒントを見ずに解答を出してしまった刺客が7点、全参加者のうち計12名が侍殿を上回りました。

ハラキリ・モルトの件、近日中に密書にて。
忍者
**************************

忍者より以上のようなコメントが入っていたのだ。

ジェイズ・バーでこのブラインド・テイスティングに参加していただいた方はご存知と思うが、各問題の答えはプリントされた解答用紙にボールペンで記入し刺客に渡すことになっている。字の汚い侍はメモ用紙に下書きをしてから解答用紙に書き写すことを常としている。その時に写し間違えたのだろう。

忍者よりコメントをいただく前は問題「C」と「D」は正解と思っていた。何とも情けない。
侍の正解は「D」ひとつだけ。

背中の傷が疼く。

刺客、お主もハラキリ・モルトを1杯飲んでくれ。

まぁ、皆様。見捨てずに。
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拝啓、忍者殿。

日頃よりあなたの仕事ぶりには甚だ感服することの多い侍でございます。
この度はブラインド・テイスティングに関わるすべての責を、一身に受けていらっしゃると刺客より伺いました。我々がこのような至福の快楽を享受できるのも、まさに忍者殿のおかげと感謝の限りです。

さてこの度、あなたは4本の手裏剣を侍に向けて繰り出しました。侍はそのうちの2本の手裏剣を見事に我の刀で打ち返すこととなりましたが、残りの2本は未だ我が身に突き刺さったまま。負け戦には慣れた侍ではありますが、この傷は相当に我が身に堪えます。
お察しの通り、侍は潔く腹を切る所存でございます。忍者殿を男と見込んでお願いを申し上げる。何卒、この侍に介錯のほどを。
武士の情けとお思いになるのなら、ここはひとつ侍の願いを受けてもらえぬものでしょうか。
そちらより、忍者殿ご指定のシングル・モルトをお送りください。謹んでお受けいたします。

なお、ひとつ伺いたい。
今回のブラインド・テイスティングにて、この侍よりも高得点を出した猛者は「鶴さま」お一人だけでしょうか?他にもいらっしゃるようでしたら、「鶴さま」を含め侍よりも高得点を出した猛者には、忍者殿ご指定のシングル・モルトを無料で(1杯だけ)飲んでいただこうかと思っております。
また、今回は刺客も参加をしたとの噂を耳にしました。その結果は如何に。

よろしくお願いいたします。

皆様にはお伝えしたい。
また腹を切ることとなった侍であるが、先方よりシングル・モルトが届き次第「ハラキリ・モルト」として今回も¥1,200にてご提供の予定である。

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ひと言申し上げる。

やはりひと言申し上げておきたい。

何が口惜しいかと言うと、忍者にまんまと嵌められたのも情けないが、
鶴ちゃんに負けたのが口惜しい。

足軽!越後屋!なみへい殿!
何故、お前らも鶴ちゃんなんかに負けたんだ!

昨日のコメントを見ろ!
いい気になりおって。言いたい放題じゃ。
明日から侍は「愛」とも闘うこととなった。
傷だらけの侍である。
忍者の手裏剣はことの外、痛かった。

できれば侍も愛して欲しい。
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ブラインド・テイスティング(問題B,C)

さて、正解発表の前に記事を上げておかねばなるまい。とは言え、既に解答用紙は提出してあるので変更はできないのであるが。
予めお断りしておくが、本日は一度に問題「C」と「D」ふたつの解答について記事にしなければならないし、体調不良でもあるので簡単に話を進める。

問題「C」の選択肢は以下の6つ。
1.バンフ
2.スプリングバンク
3.タリスカー
4.ハイランド・パーク
5.インチガワー
6.マクダフ
*ヒント・・・・・・ボトラーズ商品、加水タイプ

まずはテイスティング・ノートから、
非常に値段の高そうな味わいである。
以上が侍の感想である。

以前にも申し上げたが、この6つの選択肢はすべてが「侍の地域区分」で言うところの「B」に属するシングル・モルトである。一様にダシっぽい味わいがあっておかしくない。もちろんこの問題「C」にもそれは存在する。

残念ながら直感は舞い降りなかった。合理的に推論を重ねていくしかないと思うが、5.インチガワーと6.マクダフについてはほとんど飲んだことがないし、その記憶も曖昧であった。そしてある意味最悪なことにどう考えても、1.バンフ、2.スプリングバンク、3.タリスカー、4.ハイランド・パークであるとは思えないのだ。
侍は解答を5.インチガワーとした。根拠はない。

続いて問題「D」の選択肢は以下の6つ。こちらは地域名を当てる問題。
1.ハイランド
2.スペイサイド
3.アイレイ(アイラ)
4.アイランド
5.キャンベルタウン
6.ローランド

まずはテイスティング・ノートから、
非常に値段の高そうな味わいである。
以上が侍の感想である。

前回のブラインド・テイスティングでこの問題に引っ掛かった。地域を当てるこの問題に忍者(出題者)はジュラのヘビーピートを出して来たのだ。侍はまんまとやられた。ダシの要素を背景にピートが利いているジュラ。侍は前回解答を「アイラ」としてしまった。思えば忍者が素直な問題を出してくる訳はなかろう。

今回も非常に悩んだ。悩んだ末に解答は「アイラ」とした。もちろん忍者が改心をして素直になったとは思えない。侍は裏の裏をかいた。

皆様のご声援を
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イチローズ・モルト・カード・シリーズ(2)

クラブ・ジャック早速だが、イチローさんのシングル・モルトを仕入させていただいた。いろいろ悩んだが、今回は昨日紹介した中からクラブ・ジャックを選んだ。

皆様には是非ともお願いをしたい。
まずは1杯飲んでみて欲しい。そしてあなたの「好き、嫌い」を聴きたい。
ジェイズ・バーでは¥1,200でのご提供。安い。

またふらりとイチローさんが来てくれることがあると思います。その時にはあなたの素直な感想をぶつけてみてください。


イチローさんのシングル・モルトはこちらでも買えます。

目白田中屋。(店頭でお買い求め下さい)
〒171-0031 豊島区目白3-4-14 TEL:03-3950-1101

リカーズ・ハセガワ
東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街 中4号 ローズロードTEL:03-3271-8747

信濃屋(楽天)

イチローさんはこちら

侍はこちら。
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イチローズ・モルト・カード・シリーズ

イチローさんのモルトイチローさんに、スペード・エース、ダイヤ・キング、ハート・クイーン、クラブ・ジャックの4本のシングル・モルトを持ってきて頂いた。それらについて素直な感想を述べさせていただきたいと思う。そのすべては埼玉県の羽生蒸留所のヴィンテージ違いのシングル・モルトである。ファースト・カスクをホッグスヘッドで、その後の数ヶ月を様々な樽でフィニッシュ。それぞれの個性の違いは少なからずフィニッシュの樽の影響を受けていることだろう。しかし、僕はこの羽生蒸留所のハウス・スタイルらしきものとして心地良い酒質の固さとスパイシーな味わいを感じた。
その4本ともすべてが、ノンチルフィルター、ノンカラー、カスク・ストレングス。

1985−スペード・エース
蒸留:1985年、瓶詰:2005年、ボトル総数:122本、度数:55%。
1stカスク:ホッグスヘッド、2ndカスク:スパニッシュオーク・シェリーバット
シロップ感のある濃厚な甘味、奥行きのある味わい。しかしハウス・スタイル由来のものだろうか、力強くパワフル。4本の中で僕がもっとも気に入ったシングル・モルト。素直に「これが一番好き」と言える。池袋の有名ラーメン店「生粋」の店長岩井さんは「これは値段の高いシングル・モルトの味がする」とコメント。そのコメントは正解である。

1988−ダイヤ・キング
蒸留:1988年、瓶詰:2005年、ボトル総数:124本、度数:56%。
1stカスク:ホッグスヘッド、2ndカスク:アメリカンオーク・シェリーバット
この4本のシングル・モルトの中で一番異彩を放つ不思議な味わい。そのどれもが当たり前なのではあるが、「これが一番スコッチ・ウィスキーらしくない」。どうしても飲み手はこれらの4本のシングル・モルトについて、スコッチ・ウィスキーを飲むつもりで飲んでしまうと思うが、そんな思い込みを排除しないと不思議な感覚に陥る。僕自身はその不思議さを十分に楽しめた。
ピートを絡めた複雑さはどこかアイラ・モルトを彷彿とさせるが、「ダシっぽさがアイラと違う」、そんな気分にさせるシングル・モルトだ。

1990−ハート・クイーン
蒸留:1990年、瓶詰:2005年、ボトル総数:125本、度数:54%。
1stカスク:ホッグスヘッド、2ndカスク:フレンチオーク・コニャックカスク
多くの人にほど良い飲み応えと丁寧さを感じさせると思われるシングル・モルト。万人受けすることは「没個性」ではない。華やかな香りと穏やかな苦味。バランスに優れ、繊細にして力強い。

1991−クラブ・ジャック
蒸留:1991年、瓶詰:2005年、ボトル総数:124本、度数:56%。
1stカスク:ホッグスヘッド、2ndカスク:アメリカンオーク・シェリーバット
この適切な力強さが心地良い。痛くなく、辛過ぎず、パワフル。穏やかな香りとほど良い甘味。力強いマッカランのよう。シェリー由来のものだろうか、独特のエグ味を感じるがどことなく「青臭い」。若木を折って口に含んだような感覚。力強さを背景にそれは決してネガティブな要素ではない。


すべてをいただいて僕はイチローさんに聴いてみた。
「何故、トランプのカードのデザインのシングル・モルトを作ろうと思ったのですか?」。
イチローさんは答える。
「それぞれに個性的なシングル・モルトを瓶詰したいと思ったのです。キャラクターの違うシングル・モルトを用意して好きなものを選んで欲しい」。
確かにシングル・モルトは嗜好品である。嗜好品である以上、「良し、悪し」は重要ではない。僕らはシングル・モルト評論家ではないのだから。自分にとっての「好き、嫌い」がすべてだ。であるなら、好きな酒を覚えておくことは大切だ。酒は思い出の中にもある。トランプのカードの中の1枚と好きなシングル・モルトのキャラクターが符合することは、僕らにとってありがたいことかもしれない。
イチローさんは続けて言う。
「トランプには53枚のカードがあります。そのすべて、53種類のシングル・モルトを瓶詰できたら嬉しいなと思うのです」。

そう、イチローさんは「53枚」とおっしゃった。52+1の53枚である。
イチローさんはジョーカーにどんなシングル・モルトを選ぶのだろう。

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すまぬ。

どうやら体調を崩したらしい。仕事中に悪寒がした。
風邪など引きませんように。

荒木君に店を任せて早退をさせてもらった。少し早いがこれから寝ようと思う。
早起きができて体調が良ければ夕方に記事を書こうと思うが、約束はできない。

早期快復のためにもお願いしたい。
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イチロー選手現る。(つづき)

イチローさんのモルト
向かい合い少しづつ間合いを詰める。
イチローさんのような人とはカウンターを挟んでのそんなひと時が、実は僕にとっても楽しい。「僕はこう思うが、あなたはどう思うだろう」。簡単に言えば僕らの会話の大半はそのようなことだ。そしてそんな会話は時間とともに消えて無くならない。少しづつ確実に積み重なる。
実はそれはイチローさんのように習熟した飲み手でなくとも、誰にでもできることなのだ。ひとつだけコツがある。「知っていることはさて置いて、自分が思ったことを口にする」。ただそれだけだ。もちろんそれは人と話をするコツでもある。お勉強をして知識を集めないと人と話ができないなんてことは絶対にない。「知ってる」、「知らない」にボーダーがあるなら「知らない」のなら話せない。でも、「感想」なら誰にでもあるはずだ。「感想」は話をする前にあなたの中に存在するのだから。そして「感想」に正解はない。「感想」とは「自分が思ったこと」である。

イチローさんも酒が入り、少しづつリラックスして来たようだ。話は少し広がりを持ち始める。昨年末のブラインド・コンテストの話に発展する。
「いやいや、あれには参りました」。
お互いの無様を笑い合った。ウィリアム・ケーデン・ヘッド社の熟成庫の所在に話は及んだ。恥ずかしながら、幾たび負けても侍は闘い続けるとの決意も新たにさせていただいた。「裾野を広げて、頂点を高くする」、侍の素直な心情も吐露させていただいた(結局、喋っているのは侍だけか!)。

さて、実はこの日、イチローさんはご自分のシングル・モルトのサンプルを持参して来て下さった。冒頭の写真がそれだ。ご紹介させていただこう。
それぞれにトランプのカードのデザインのラベルが印象的だ。「イチローズ・モルト・カード・シリーズ」として販売されている。昨年、スペード・エース、ダイヤ・キング、ハート・クイーン、クラブ・ジャックの4本のシングル・モルトをリリースしたようだ。もちろんその4本ともを試飲させていただいた。その感想は後に述べるが、まずはイチローさんからもらった資料から。

このシングル・モルトの裏ラベルの英文和訳として、
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このシングル・モルト・ウィスキーは利根川のほとりの町にあった羽生蒸留所で造られた。かつて麦畑と水田に囲まれていたこの蒸留所では、スコットランドの方法を踏襲してモルト・ウィスキー造りをしていた。しかし、2000年に最後の蒸留を行い、2004年には所有者が替わりポットスティルを含むすべてのウィスキー設備が取り外されてしまった。幸いにも蒸留所設立者の孫がウィスキーのストックと設備を確保した。彼は新しい蒸留所の設立を計画している。
******************************

僕がまず皆さんに知っていただきたいのは、イチローさんは新しい蒸留所の設立を計画していること。そのために彼は働いている。公の場での彼の所作のすべてはそこに向けて収斂していくのだろう。彼の仕事振りの一面はこちらに詳しい。

つくづく思うが、ウィスキー造りというのはやはり元来素朴なものなのだろう。少しづつその消費に合わせ生産量を増やし、近代化した設備を整えるようになったのだろうが、シングル・モルトには良い意味での手作り感がある。「ビールを造るのよりはちょっと大変と思いますが」、とはイチローさんの言葉だ。「このくらいの規模であればその設備をコンパクトにまとめ、先人の知恵を踏襲し伝統を守ることはむしろ合理的である」とさえおっしゃる。

どうだろう皆さん。素敵な話だと思わないだろうか?
僕は素直にそう思うのだ。
どうにかして、この人の思いがより多くの人に伝わらないだろうか。

しかし、イチローさん。拙者も侍。
あなたがロクでもないシングル・モルトを下流に立つこの侍に向けて流してきたなら、
容赦なく斬る。

相変わらず前置きの長い侍であるが、明日こそはお持ちいただいたシングル・モルトの感想をひと言申し上げる。

さらに皆様に申し上げる。これは開き直りではない。
この前置きの長さこそ、侍の芸のうちである。
芸達者な侍にご支援を、
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イチロー選手現る。

イチローさんのモルト昨日、イチローさんに来ていただいた。もちろんシアトル・マリナーズのイチロー選手ではない。昨年末に一緒にブラインド・コンテストに参加したベンチャーウィスキーのイチローさんだ。

昨日、僕が出勤したのが午後9時頃。イチローさんは既に来店していた。今回のハラキリ・モルトを飲んでいるご様子。
「ブログを読んで来店していただいたお客さんです」。荒木君からひと言。
「ありがとうございます。ちょっと着替えて参りますので」。僕はそう言ってカウンターの裏に身支度のために入った。

準備を整えカウンターに入る。実はこの時まで目の前にいらっしゃるのがイチローさんとは気付かずにいた。イチローさんが声を掛けて下さった。
「先日はメールをどうもありがとうございました」。

???。
「えっ?」。

本当に驚いた。最近メールをやり取りした方のうちお会いしたことのない方はイチローさんくらい。となればこの目の前の方はイチローさんに間違いあるまい。改めてお互いに自己紹介をすることとなった。
失礼を承知で言わせていただこう。正直なところもっとお若い方だと思っていたのだ。イチローさんの奮闘振りはこちらに詳しいが、ここにある彼の思いは若さに溢れている。しかし、実際のイチローさんは落ち着きのある職人然とした佇まいである。

その後シングル・モルトを中心にいろんな話をさせていただいた。つくづく思ったが、この人は飲み手としてもなかなかの器量の持ち主と見た。
「年頭の誓い」でも申し上げた。いつもの話で恐縮だが、ことシングル・モルトの知識に関して僕はお客さんに何かを「教えたり、教えられたり」ということをあまり重要視していない。もちろんそれを瑣末なこととして扱おうとは思わないが、そんなことより同じものを巡って「あなたがどう思い」、「僕がどう思ったか」、そのことの方がよっぽど気になる。

イチローさんとお話をして感じたのは、やはりこの人には僕と違う切り口があるということ。同じものを巡って僕と違う切り口でものを切る。ものは一緒だが切り口を替えれば、同じものが違うように見えることがあるのだ。同じものを違うように表現することは可能なのだ。僕とは違う視点、視座、切り口を持つ人との出会いは非常にスリリングだ。

さて、こんな時に僕は思ってしまうのである。この人は何故、僕と違う視点を持つのだろう、と。

もちろんお互いの仕事柄ということはあるだろう。先日の記事の中でも申し上げたが、僕は川下に立ち川上から流れるシングル・モルトを受け取る立場で仕事をしている。イチローさんは川上からシングル・モルトを流す場所に立っている。その立ち位置の違いは僕とイチローさんの視点の違いに少なからず影響を及ぼしているとは思う。でも恐らくそれだけではあるまい。その違いはこの人の人柄によるところが大きい。イチローさんは職業人として情熱を持ち職人として働くのと同時に、飲み手としても習熟している。

その習熟とは何であろう。
それはこちら側に向けられたごく当たり前の敬意である。僕がこんなことを言うのは口幅ったいことこの上ないが、飲み手としてイチローさんは気持ち良く飲みたいだけなのだ。
「楽しく飲みたい」。
この人の思いはまずそこから始まる。自分の中に大切にして欲しい思いがある。それを他人に大事に扱って欲しいなら、相手の大切にしていると思われるものも大事に扱おう。イチローさんはそれを実践しているのだろう。

続きは明日。
今日はこちらを。
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ハラキリ・モルト

昨日ご紹介したハラキリ・モルト、バルブレアであるが、非常にうまい。
是非とも飲んでいただきたい。
1杯¥1,200は期間限定、3週間。それ以降は値上り必須。

先日、久々に「池ブクログ」に記事を書いた。生粋の新作ラーメンの記事。

よろしくです。
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本日より、ハラキリ。

バルブレアこんな時のあの男の手際の良さには誠に恐れ入る次第である。
昨日出勤をしたら荷物が届いていた。刺客の用意した「ハラキリ・モルト」である。梱包を解いて中身を確認。実のところ何が届くものか侍も知らず終いで刺客は先日去ったのだ。ハラキリ・モルトの仕入に関しては、その全権を刺客に委ねている。何が来ても文句は言うまいと思っているが、やはりこちらも期待するものはある。

刺客が今回送り付けて来たのは写真のシングル・モルト。ウイスキー・エクスチェンジのバルブレア、1965年蒸留、40年熟成。かなりの長期熟成である。昨年オフィシャルのバルブレア、38年が非常に高評価を受けていて、以来この蒸留所のことがとても気になっていた。

期待に沿うものが来た。とても満足である。
実はまだ飲んでいない。
だから、まだその味わいについて堪能していない。

しかし、皆様、刺客の選ぶシングル・モルトに間違いなどあるはずがなかろう。
ご安心を。絶対にうまい、はずである。
目利きに関して、侍は刺客を信じているのだ。

であるので、クレームは直接刺客へ。

皆様には本日よりご提供。1杯¥1,200。
刺客に難癖を付けたいだけの方も、是非飲んでいただきたい。

落ち着いてきました。
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ヤスが行っちゃってます。お前は侍を超えたな。
凄いことになってます。

恵比寿詣で、結果報告。

ブラインド・コンテスト忘れた方は思い出していただきたい。昨年末、侍は悪代官に会いに恵比寿に詣でた。その席で、悪代官の投げた球を直接「しかと」打ち返してきたつもりであったのだが、どうやら侍のバットは空を切ってしまったらしい。空振りである。不甲斐ない。無念である。

詳しくは先方の記事を読んでいただきたいが、正解はアベラワー。そして何と、情け容赦ないことに今回は正解者ゼロなのだそうだ。読者の皆様にはお伝えしたい。これは由々しき事態である。この結果はまさに悪代官の謀の悪辣ぶりを露呈している。まさに極悪非道の悪代官である。
負けといて相手を責める侍も侍であるが。
それはそれで、情けない。

悪代官の屋敷にて、どんなシングル・モルトが今回のブラインド・コンテストの問題になったのかはこちらを読んでいただきたいが、侍の解答は「アイル・オブ・ジュラ」。記事にも書いた通り、侍の地域区分からすれば「B」にカテゴライズされるシングル・モルトである。もちろんアベラワーはスペイサイド・モルト。侍の地域区分からすればアベラワーは「C」である。

誤解のなきよう申し上げておきたい。往々にしてこのようなことはシングル・モルトにはあるのだ。アイランズ・モルトのような特徴を持ったスペイサイド・モルト。侍の地域区分で言えば「B」のような特徴を持った「C」のシングル・モルト。
さて、はっきりと言わせていただこう。今回のこの問題、悪代官の引っかけ問題である。A,B,C,Dの侍の地域区分をしっかりと把握したその上で、侍が間違い易いシングル・モルトをわざと選んできたのだ。まんまと悪代官に嵌められた。これこそを極悪非道非と言わず何と呼ぶ。いやしかし、実に腹黒い男である。それほどまでにこの侍に恥をかかせたいか!

ん?悪代官の相手は侍だけではないと?
そうか、確かに・・・。
少々興奮してしまった。
反省である。

いや、確かに、悪代官の相手は侍だけではない。しかし正解者ゼロということは参加者全員が不正解ということである。つまりそれがどういうことなのかというと、あの人も間違えたということなのである。あの人とはこの人、日本のシングル・モルト界のイチロー選手である。
実はまだ一度もお会いしたことはないが、侍が敬愛してやまない方だ。侍は確かに侍であるが、街の素浪人のようなもの。侍は川下に佇む。そこに立ち川上から流れるたくさんのシングル・モルトをすくい取っては皆様に試していただくことを生業としている。イチローさんは川上に立つ。川下に棲む侍と川上に立つイチローさんの距離は遠い。だからまだ一度もお会いしたことはない。この世界に生きていればいずれお会いすることになるだろう。

そのイチローさんも間違えたのだ。無断ではあるがコメントによれば彼もこのシングル・モルトに「潮風のニュアンス」を感じている。また、「ケイデンヘッズの熟成庫はどこにあるんでしょうね」とも。

皆様どう思われるだろう。彼の解答はクライネリッシュ。スペイサイド・モルトであるが侍の地域区分では「B」にカテゴライズされるシングル・モルトだ。彼も侍と同様にこのシングル・モルトに存在する海の影響を感じていたはず。

しかし、そんなことが言い訳にならぬのは承知の上。
悪代官よ!侍は負けて悔いなし。

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2006年1月、闘いの行方。

新春の闘い挑戦者を交え、本年初の闘いを昨日終えた。足軽モトムと対戦することとなった。
まず何より、潔く手を挙げてくれたモトム君に感謝をしたい。侍も楽しい闘いができた。しかし、負ければ面目丸潰れの対決である。真剣に遊ぶことができた。ありがとう。

昨日は9時過ぎにジェイズ・バーに到着した足軽である。どうにもソワソワしている。勝負を前にやはり落ち着きがない。プレッシャーに弱く、相変わらずのビビリ症ぶりを発揮している。しかし、この足軽、ビビることならお手のもの。ビビればこそ発揮できる実力というものもあるのだ。あなどってはいけない。
一方、刺客はまだ現れない。刺客が現れないとなれば勝負は成り立たない。それはそれで侍の面目が潰れる。正直、侍も少し焦った。

11時前に刺客登場。ホッと胸をなで下ろす。侍と足軽は店を出た。その間、刺客はこの日の正解である「グレンファークラス」について講釈を垂れている。
刺客から声を掛けられ店に戻った。侍と刺客はそれぞれ席に着き、それぞれのグラスに用意されたシングル・モルトを注いだ。

正確に言えばまだグラスを口に運ぶ前、ボトルのキャップを空けた瞬間、もしかしたらというひらめきが舞い降りて来た。その時侍がひらめいたのは「グレンエルギン」。もちろんそれは正解ではない。

まずはその味わいであるが、シェリー・カスクの影響を強く受けたシングル・モルトである。間違いなく長期熟成のシェリー・カスク。強烈に濃厚とは言えないが上質で丁寧なコクを感じる。甘味には奥行きがありどこかハチミツの様だ。苦味と渋味も適切。ブラインド・テイスティングという状況でなければ素直に「うまい」と言ってしまうシングル・モルトだ。

結果から先にお伝えしておこう。この勝負、侍は足軽に勝利した。しかし、なかなかの混戦であった。正解にたどり着くまでに8回も解答を重ねなければならなかった。侍にとってそれは由々しき事態である。反省をしておこう。

正解にたどり着くまでの侍の答えの変遷をお伝えしておこう。
1回目 グレンエルギン
2回目 グレン・ギリー
3回目 ティーニニック
4回目 ロングモーン
5回目 グレンロセス
6回目 グレン・グラント
7回目 グレンリベット
8回目 グレンファークラス(正解)

一方、挑戦者足軽の答えの推移は以下の通り。
1回目 マッカラン
2回目 ストラスアイラ
3回目 バルベニー
4回目 ストラスミル
5回目 ダルユーイン
6回目 ピティバイク
7回目 ミルトンダフ
8回目 カーデュ

先ほども申し上げたが、正解は「グレンファークラス」、つまりスペイサイド・モルトである。さらに長期熟成のシェリー・カスク。これには少し参った。シェリー・カスクの影響が強ければ蒸留所の特徴はその下に隠されてしまう。判断が付きにくい。しかもスペイサイド・モルト、なおさらその差は出にくいのだ。「長期熟成」「シェリー・カスク」「スペイサイド・モルト」。その3つの条件が重なったとすると、例えばマッカランとグレンファークラスとモートラックとリンクウッドとグレンリベットなどの差を見分けることは非常に難しくなる。
侍の解答の変遷を記してあるのでお分かりいただけると思うが、侍はこのシングル・モルトを侍の地域区分でいうところの「C」、つまり、ハイランド・スペイサイドの内陸部の蒸留所と読んでいた。「2回目 グレン・ギリー」、「3回目 ティーニニック」のふたつこそハイランド・モルトであるが、ハチミツのような華やかさを持つことから恐らくはスペイサイド・モルトと判断した。

1回目の答えは直感を信じて「グレンエルギン」。2回目は結果として勘違いに近いが、どこかに化粧香を感じて「グレン・ギリー」。3回目は、今まで飲んだことのあるシングル・モルトで似ているものはないかと考え「ティーニニック」。
4回目以降、そこまで外せば後はより近いと思うスペイサイド・モルトを順に解答としていこうと開き直り、8回目に正解を手繰り寄せた。実際のところ「グレンファークラス」という解答は何度も侍の頭を過ぎったが、「グレンファークラス」は麦芽系のシングル・モルトという思い込みを排除できず、ロングモーン、グレンロセス、グレン・グラント、グレンリベットを解答として優先させてしまった。

非常に口惜しさは尽きないが、足軽との闘いには勝ちを収めた。まずはこれをもって納得しよう。しかし、刺客との闘いには負けた。勝負の前に「3回目までに正解を出せなければ腹を切る」と約束したのだ。皆様には喜んでいただけると思うが、今回もまた侍は腹を切る。お楽しみのハラキリ・モルトは後日ご報告する。

試合に勝って勝負に負けた。
そんな気分の侍である。

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さて、足軽。
お主の話を伺おうか。

新春の闘い。師弟対決。

昨日刺客よりコメントと電話をもらった。今年初の闘いの為に刺客は今日やって来る。

毎月恒例の刺客との闘い。今年から闘いの方法を変更したい旨は既に皆さんにお伝えしてあるが、もう一度確認をさせていただきたい。

一番の変更点は今年から挑戦者を受け付けるということ。
刺客が問題を出す。もちろんそこに変更はない。しかしそこから先が勝負。侍と挑戦者のどちらが早く正解にたどり着くのかを競うのだ。
侍と挑戦者はそれぞれのグラスに刺客の用意したシングル・モルトを注ぎ、それをテイスティングする。侍と挑戦者は解答用紙に蒸留所名を記入し、対戦相手に見えないように刺客に渡す。渡されたそれぞれの解答用紙を確認し正解が書かれていた場合、刺客は「正解者あり。正解は○○○○蒸留所。正解者は侍」とコールする。もちろん侍が勝利をしないことは想定外である。

もちろん1回目で両者が正解をしない場合も考えられるので、正解が出るまで同様のことを10回まで繰り返す。10回までに正解が出ない場合は侍と挑戦者の闘いはドロー。刺客の完全勝利。なお、3回目、5回目、7回目、9回目の解答の後、正解が出なかった場合には、どんなに小さなものでも構わないので刺客はヒントを出さなければならない。
また、侍は3回目までに正解を出せない場合は腹を切らなくてはならない。

さて、本日は今年初の対決となるのだが、記念すべき初の挑戦者は「足軽モトム」に決定した。
何の因果か、いきなりの師弟対決である。
足軽よ、容赦はしない。心してかかれ。

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ブラインド・テイスティング(問題B)

B楽天のスコッチショップのブラインド・テイスティング。本日は問題Bである。





問題Bの選択肢は以下の6つ。
1. トミントール
2. グレングラント
3. グレンリベット
4. マッカラン
5. クラガンモア
6. アベラワー
*ヒント・・・・・・オフィシャル商品

まずはテイスティング・ノートから。
穏やかにシェリー香。ゆっくりとより華やかに、またさらに甘味を増す。キャンディーのよう。
特徴的な柔らか味の中にアクセントのある苦味。少々腰砕けな印象のある酒質にインパクトを与えている。微かではあるが辛い。赤サビのような酸味。芯の固さと対照的な全体の柔らかさがおもしろい。甘味の少なさを背景にドライな印象。

恐らくはシェリー・カスクのシングル・モルトだろう。シェリーとはいえ、その影響を大きく残してはいない。飲み易さと飲み応えのバランスを考え程よく調整された感のある、いかにもオフィシャルといった風のシングル・モルトだ。今回侍は、この問題を解くための切り口をそこに求めた。

まずはそれぞれの選択肢について個別にその可能性を探りたい。
トミントールという選択肢を見つけてしばし戸惑った。ここ最近飲んでいない蒸留所だ。しかし記憶の中のトミントールはもっと甘い。もっとベタに甘いと言ってもいい。またその甘味はよりフルーティだ。さらにトミントールにシェリーの影響を感じたことはほとんどないはずだ。

グレングラントは少々悩ましかった。ドライな印象と控え目な甘味。その点においては「問題B」に通じるものがある。しかしグレングラントもまたシェリーの影響を感じないシングル・モルトではないだろうか。

控え目な甘味と程よいシェリーの影響。その点においてグレンリベットに近い。しかし侍が多くのグレンリベットに感じるハチミツ系の香りはついに現れなかった。またオフィシャルの21年、アーカイブなどにはバター・クッキーのような香りを感じることもあるがそれも存在しない。

実はぎりぎりマッカランを侍の解答としていた。他に妥当と思える選択肢がなかったからだ。この「問題B」は非常にクセ球だ。先日も申し上げたが6つの選択肢のすべてが侍の地域区分で言うところの「C」に属するシングル・モルトなのだ。
マッカランであるなら程よくシェリーの影響を受けているであろうし、数多くのオフィシャルものも排出している。結果としてついに「マッカランでない理由」を見つけることはできなかった。

オフィシャルのクラガンモアであるなら、ダブル・マチャードである可能性を否定できないが、この「問題B」はオレンジやチェリーのようなフルーティを感じない。

正直に言えば、今はアベラワーではないかと思っている。シェリーとバーボンのマリッジ。15年の商品。それに似ている。
この「問題B」に、今回ひらめきは舞い降りなかった。しかし、合理的に推論を組み立てていくとどうしてもアベラワーになってしまう。侍の中で「問題B」がアベラワーでない理由はたったひとつ。スパイシーさが足りない気がするのだ。何度考えても「アベラワーはもっとよりスパイシーではないのか?」というところで立ち止まってしまう。「問題B」にも確かにスパイシーは存在する。しかしアベラワーならもっとスパイシーではないだろうかと思ってしまうのだ。

「問題B」、侍の答えはアベラワー。

この機会に是非とも順位のご確認を。
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酒を飲み、大いに語る。

金曜の夜にヤスが来てくれたことは、もう皆様ご存知のことと思う。
楽しい夜を過ごすことができた。

終電の時間を境にお客さんが入れ替わることが多いジェイズ・バーだが、その日もそんな深夜12時過ぎであった。ポツポツと帰る人は帰るのだが、どういう訳か来る人が来ない。これも神の思し召しと思いヤスに声をかけた。
「メシでも食いに行くか?」。

どこに連れて行こうかとしばし悩んだが、やはりこんな時はあそこしかないだろう。
越路吹雪とアース・ウィンド&ファイアーがBGMの寿司屋。蒔田寿司である。ヤスの来店の報を聞いて駆けつけてくれたうめさんと3人でカウンターに並んだ。エビスの生ビールをオーダーしスズキの昆布〆、タコ、白子ポン酢、なまこ、銀ダラの西京焼きなどをつまんだ。ビールに飽きて日本酒を飲んだ。最後に握りを食べようと思っていたが、忘れて話し込んだ。

仕事の話、旅の話、それからここでは書けない話。いつもながら、僕はいい気になり良く喋った。

蒔田寿司を出てジェイズ・バーに戻る。僕は着替え、後のことは荒木君に頼んでヤスを連れて再び店を出た。僕たちが蒔田寿司に行っている間に来店した常連客2名を引き連れ近くのバーへ。

カウンターの隣でヤスは眠り始めた。揺れているその寝顔を見て僕は微笑んだ。
ヤスをタクシーに乗せた。


言い足りなかったことを少しだけ言わせて貰おう。
手短に話す。心配するな、長居はさせない。

欲しい物を手に入れることを成功というのだ。だけどそれは幸せとは違う。
幸福とは、欲しいと思って手に入れたものを、手に入った後でも欲しいと思い続けられることをいうのだ。子供が買って貰ったおもちゃに飽きて、また新しいおもちゃを欲しがることとは違う。次のおもちゃを欲しがり続けなければならないことは幸せではない。もちろん楽しみのない人生はつまらない。欲しいものが手に入ることは楽しいことであるが、楽しみがたくさんある人生は必ずしも幸せではない。

ヤス、お前は自分が幸せになるために必要なものを欲しがれ。
欲しいものは欲しいと口に出せ。
いらないものには手を出すな。
作為があれば、報いを受ける。
それが人の営みだ。
お前が正しいと思うことをしろ。
人生には敗者復活戦が必ずやって来る。

作為を起こし、報われろ。

若きバーテンダーに捧ぐ

本来なら昨日の続きを書かねばならないところだが、本日はタイムリーで緊急を要する事態が発生しているかもしれないと思うので特別な話題をご提供させていただきたい。

僕は若者が好きだ。若者には未来がある。もちろん僕に未来がない訳ではない。僕もまだ41歳。僕には僕なりの未来があり、夢も希望も持っている。何も大袈裟にその老人性を訴えたいのではない。しかし、僕の未来は若者に比べより限定的であることは明白だ。ただし、そこに悲嘆はない。41歳の僕の進むべき方向、そしてその視野は若者に比べ狭い。だけど、だからこそ、若者に比べもう惑うことはない。叶わぬものに諦めもつく。身の程を知ることは不幸なことではない。それは幸せの始まりですらある。

実は若者の未来は切なく儚い。無限の可能性を持つことと引き替えに、その不確実性を背負わねばならぬ。不確定な未来を抱えて生きることは不安だ。しかしその未来の予測不能なことは老人とて同じこと。なれば若者の優位はひとつだけ。それこそは可能性である。より確実な未来を無様に求め、無駄にその可能性を切り捨てて生きて来たかもしれない年長者からすれば、それは何より羨ましい。

「モルト侍」というこのブログでインターネットの世界を通じ、ひとりの若いバーテンダーと知り合った。彼も同じようにブログを立ち上げている。その名をヤスという。その顔はまだ知らない。ヤスは今、旅の途中だ。岐阜に寄り北海道に飛び、今池袋に向かっている。

実はこの原稿を1月12日のジェイズ・バーで書いている。店ではネットに繋げることができないので、すでに新たに連絡が来ていることを確認できないのだが、先日「週末に池袋に行く」とヤスからコメントが入っていた。本日(金曜)に来るのか?それとも明日(土曜日)なのか?果たして日曜というのは週末というのか?そんなことをここ2日ほどヤキモキしながら考えていた。

失礼を承知で言わせていただこう。僕は彼の悪戦苦闘振りが好きだ。傍目にそれは不細工に映るかもしれないが、そのスタンスに間違いはない。彼のブログを良く読んでいただきたい。彼の目は常に客に向かう。バーテンダーとしてそれは正解である。

立場はどうあれ、僕らはお客様の方を向かねばならない。その店の上司の方だけを向いてはならない。先輩だけを見つめてはならない。「常にお客様の方を向く」、その仕事のあり方は、どの街のどの店にでも通じる働き方だ。その店の上司の方だけを見据えた仕事の仕方は、その店の中において非常に有効だが他の場所では通用しない。
「その店の上司の方だけを向いてはならない」とは言ったが、たまには見なければならない。ヤス、お前はその立場まで生き残ったのだ。お前は損をするべきではない。

僕のバーテンダーとしての仕事は池袋一筋だ。かれこれもう20年近くになる。僕がこの仕事を始めた当時から今でも生き残って働くバーテンダーはもう少ない。少しづつみんな消えて行った。実は僕にも良く分からない。だけど結果として僕は今のところ生き残っている。明日のことならもっと良く分からない。果たして生き残って行けるのだろうか?ただひとつだけ分かるのは、今日はまだ行き止まりにぶつかった訳ではないということ。だからまた明日歩いて行けるということ。
そして、僕はこの街に同業で同世代の友人が少ない。
実はそのことがとても辛い。

ヤス、お前は生き残れ。そして歩け。お客さんの楽しそうな顔を見てお前は嬉しくなるはずだ。大丈夫。それがあればお前は先に進める。もちろん未来は不確実なまま。だけど大丈夫。人間、好きなことなら続けられる。

今日の記事の締めくくりに、最後にひと言だけ言っておこう。
人は未来を予測する。そしてそれを正確に予測できたものが幸福を掴むと思い込んでいる。しかしそれはほんの少し真実とは違う。何故なら、人は未来を正確に当てる方法をひとつだけ持っている。絶対に当てられる未来。それは自分が「不幸になる」という予測だ。自分が不幸になるという未来は確実に手に入れることが可能だ。人はそうして合理的に不幸になる。未来を当てることは重要ではない。ヤス、お前は幸せになれ。

さて、ご近所の皆様にはお願いをしたい。お暇な方は本日是非ともジェイズ・バーにご来店いただきたい。ヤス君が来てもお客さんがいないと格好がつかない。体面を重んじてこその侍である。

すべての読者の方にお願いをしたい。
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体面を重んじてこその侍である。

ブラインド・テイスティング(問題A)

A皆様お忘れになっていないだろうか?
楽天のスコッチショップのブラインド・テイスティングである。

昨年末のことであるが、刺客の送り込んだ忍者と対決をすることになった。さすがは忍びの者。なかなか手強い相手であった。知恵と謀略の限りを尽くしこの侍に挑んで来た。今回も苦しい闘いになったがもちろん十分な手応えは感じている。

先方はもう解答を締め切ったはず。ならばと思い、侍の答えを含めその闘いの顛末を記しておこう。本日は問題Aである。

問題Aの選択肢は以下の6つ。
1. グレンタレット
2. オーヘントッシャン
3. グレンゴイン
4. トマーチン
5. グレンギリー
6. マッカラン
*ヒント・・・・・・オフィシャル商品

まずはテイスティング・ノートから、
加工してワックスを施した革製品のよう。微かにピート。さらに微かに隠れて化粧香。セメダインのようでもある。ゆっくりと甘くなる香り。カラメルのよう。
程よい刺激を伴った辛味。インパクトとして好印象。緑茶を思わせる苦味が心地よい。若干のオイリーを感じさせつつどこか儚げ。芯のしっかりした印象を持たない。樽の影響に支配されたシングル・モルト。

以上が侍の感想である。
正直に申し上げよう。このシングル・モルトに実は少しピンと来た。直観が舞い降りたのである。ポイントは微かに存在する化粧香だ。侍の解答は最後にしてそれぞれの選択肢について個別にその可能性を探りたい。

まず、グレンタレットであるなら甘味に麦芽系のニュアンスが足りないと思われる。また、問題のシングル・モルトはピートから由来する「痛さ」が特徴でもある。恐らくグレンタレットではないだろう。
オーヘントッシャンは論外である。ローランド・モルトではないだろう。
麦芽の味わいが強くピートを感じないのがグレンゴインであるなら、この問題はグレンゴインではない。
オフィシャルものというヒントを採用するなら、恐らくマッカランではない。適切で飲み易さと飲み心地の良さを提供する目的のためにマッカランはシェリー・カスクなのだ。このシングル・モルトは樽の影響を受け過ぎている。しかし、樽の影響を受け過ぎたマッカランという可能性は否定できない。

侍は解答をグレンギリーとした。
気になるのがトマーチン。問題のシングル・モルトに存在する軽快さはどこか軽薄さにつながる。その軽薄な感じはどこかトマーチンに通じる。また、フルーティといえば聞こえがいいが、この酸味に有機溶剤のニュアンスを感じることも可能だ。有機溶剤系の酸味は侍の中でどこかトマーチンとつながっている。

とはいえ、解答はグレンギリー。
この化粧香が頼りである。

皆様のご声援を
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年頭の誓い

本日は1月11日、奇しくも1並びの日である。「何をそんなに改まって」、と思わなくもないが、まだまだ今年の抱負を語るのに遅い時期ではないはずだ。

知っていることはさて置いて、思ったことを語っていこう。

何よりその思いを強くしている。
僕は飲み屋のオヤジであってシングル・モルト評論家ではない。毎日たくさんの文章を書いているがジャーナリストではない。それは恐らくこれからもブレることのない僕の基本的なスタンスだ。
事実を丹念に調べ上げ、正確な情報に加工し、誤解のないように文章に仕上げ伝える。自らの器量のなさを嘆く他ないが、それは僕の仕事ではないと思っている。

僕がしたいと思うのは、僕が感じたこと思ったことをできる限り素直に文章にして、それについてあなたがどう思うかを知りたいということ。あなたはそれに共感するかもしれないし、違和を感じるかもしれない。もちろん僕はあなたとの間にあるひとつのものを巡って、それを共有し楽しみを分ち合いたいと思っているが、あなたに共感の態度を強制しない。僕はあなたの素直な気持ちが聴きたい。それは必ずしも共感であるはずがないから。人はひとりづつ違うのだ。違和を受け止めることは落胆ではない。違いを理解することは共感へのひとつのプロセスである。

僕はこう思うが、あなたはどう思うだろう?
僕はそれが知りたい。

僕はあなたと違う。
あなたは僕と違う。
そして、僕とあなたは他の誰かとも違う。
違いはなくならない。飲み込もうとすれば苦しくなる。
違いは受け止めるものなのだ。
個性として尊重すべきことなのだ。

同じシングル・モルトを飲んで、僕とあなたは違う感想を持つ。
それはすべての前提である。
しかし、その違いを受け止め個性を尊重すれば理解は容易い。
「違ったところ」以外に「同じ思い」があるかもしれない。
あるいは「同じ思い」を「違う言葉」で表しているのかもしれない。

僕があなたに語りかけ、
あなたが言葉を返してくれたなら、
そこには始まりの予感が溢れているだろう。


僕はこれからも続けて行こうと思う。
あなたの目の前にふたつのグラスを出す。
それぞれに違うシングル・モルトを注ぐ。
そして問いかける。
「このふたつは違う味がしますか?」。

心配はいらない。そのふたつを同じものだと思った人はいない。

また問いかける。
「どちらが好きでしょう?」。

大丈夫。正解はないから。

さらに問いかける。
「何に似てますか?」。

僕はあなたの話が聴きたい。


今年もこちらで頑張りたい。
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皆様のご支持を。

一筆啓上、ダン・イーダン(23)

ブルイックラディ(ダンイーダン)さて、年も改まり久々に不人気連載の復活である。
今月のニュー・リリースについてはすでにご紹介をさせていただいた。その中の1本がダン・イーダンのブルイックラディ。非常に気に入った。やはりダン・イーダンは素晴らしいぞ。納得の1本である。

まず何より、このブルイックラディはちゃんと甘い。適切なダシを背景に存在するこの甘味は飲み手を十分に納得させる。そしてこの甘味はどこかにフルーティを感じさせる。瑞々しさと相まって洋ナシのようでもあり、非常に大袈裟ではあるがパッションフルーツのようでもある。
きっちりとピーティでスモーキーであり、そのことはこのシングル・モルトに存在する辛味を際立たせている。とても好印象だ。
もちろん好き嫌いの分かれるシングル・モルトであることは間違いないが、現行のオフィシャルのブルイックラディが気になる存在である方には、十分にその面白味の伝わることだろう。

以上が僕のテイスティング・ノートであるが、ダン・イーダンの中のブルイックラディということについてもひと言申し上げねばなるまい。

ブルイックラディ3本前回、「一筆啓上、ダン・イーダン(番外編)」で僕はこんなことを申し上げた。
********************************
かつてのブルイックラディはインパクト勝負のシングル・モルトではない。ダシの旨味のほど良く利いたライトでクリーンなシングル・モルトだ。もちろん濃過ぎるということはない。塩味も同様に強烈ではない。薄目に引いたダシにほんの少し塩味を加えた丁寧で上品なお吸い物。僕のイメージの中でかつて(古い方) のブルイックラディはそんな風だ。そして、現行のブルイックラディになってよりピーティに、つまりきちんと薬味を足して来たのだ。インパクトのある飲み応えを兼ね備えたシングル・モルトへと変化したのだ。
非常に大雑把だが5段階評価であらわそう。
旧ブルイックラディ : ダシ→「2」、塩→「2」、薬味→「1」。
新ブルイックラディ : ダシ→「2」、塩→「3」、薬味→「2」。
僕はそう感じた。
********************************

また、ダン・イーダンというブランドについて、かねてから僕はこう申し上げている。彼らの側から見て「これこそがオフィシャルのハウス・スタイルではないだろうか」というものを、ひとつの樽(シングル・カスク)で実現できたシングル・モルトを彼らは選び瓶詰しているのではないかと。

それらを踏まえ、それでは彼ら(ダン・イーダン)はどんな樽を選び瓶詰することで「これこそが我々の思うブルイックラディである」、と言って来るのか?それが気になるところであった。

誤解を恐れず言わせていただこう。新旧オフィシャルのブルイックラディの一番の大きな違いはピートである。アイラ・モルトであることを背景に、どちらもダシっぽい(ヨードを感じる)ことと塩味が存在することに大差はない。しかし適切にピーティである新ブルイックラディ。ピートが足りない分、どうにもぼんやりしていると思われがちな旧ブルイックラディ。大きな違いはそこにある。
それでは現行(新)ブルイックラディとダン・イーダンのブルイックラディの違いはどこにあるのか?ひと言で申し上げるなら甘味だ。アイラ・モルトらしいダシの要素を背景にこの甘味は十分にコクを感じさせてくれる。そのコクはこのシングル・モルトにより一層複雑さと奥行きを与える。このシングル・モルトのうまさそのものである。

つくづく素晴らしいと言っておきたい。


本日はちょいとお詫びを、
先週の「対戦者募集」の記事で最後に「ちなみにメールはこちらから」、としながらメールアドレスを貼っておくのを忘れた。対戦希望の方はもちろんこのブログのコメント欄に書き込んでいただいて構わないが、メールはこちらから。
info@jsbar.sppd.ne.jp

もちろんこちらもお願いしたい。
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ちょいと下降気味。

対戦者募集

まだ刺客から今月の闘いに関わる連絡は来ないのだが、今年から毎月1人ゲストを呼んで、侍と一緒に刺客と闘ってくれる方を募集している。「我こそは」と思う方は手を挙げていただきたいが、何もそんな大袈裟なことではない。気楽に遊んでいただけないか、というのが趣旨である。

実のところ、どのように闘うのかもまだ決めていない。ただひとつ決めているのは、今年からおにぎりは食べないことにしようと思っていること。また、昨年までのように一発解答はやめる。対戦者と交互に答えを発表して行き、先に当った方が勝ちということにしたい。とは思うものの、年が明けてまだ刺客と会っていないので決定ではない。

闘いの当日まで刺客と会うことがなければその日に決めようと思う。
まぁ、とりあえずはそんな程度のお気楽な闘いということでどうでしょう。

興味のある方はメールなどいただけるとありがたい。もちろん、このブログのコメント欄に書き込んでいただいても構わないし、直接ジェイズ・バーに来て参戦希望の旨伝えていただいても構わない。

ちなみにメールはこちらから。

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今月のニューリリース

2006年1月ニューリリース年も改まったことでもあるので、今年から毎月のニューリリースも若干仕様を改めたい。
詳細は来月までに固めるが、今月のリリースは4本。お年賀代わりに¥600モルトを2本揃えてのご提供である。楽しんでいただければありがたい。

まずはウィリアム・マックスウェルのダン・ビーガン。蒸留所不明のシングル・モルトである。蒸留所は表記されていないが、「ISLAY 8YEARS OLD」とある。聞いてびっくり、飲んでみて納得。噂どおり中身はラガヴァリンだろう。いづれにしても、アイラ・モルトであることは間違いない。
しかし、このシングル・モルトはうまい。「クラシック・モルト・シリーズ」のラガヴァリン16年が高値の今日、この安さは衝撃的だ。ベタな甘味が気に入らないという方もあるかとは思うが、この価格を考えれば十分にリーズナブル、いやそれ以上である。十分なコクを感じてこそラガヴァリン。この甘味もコクのうちと思っていただきたい。もちろん価格は今月限り¥600。

次はご存知ダン・イーダンのブルイックラディ。昨年末に侍が「一筆啓上、ダン・イーダン(番外編)」で取り上げたシングル・モルトだ。
はっきり言ってしまおう。非常に気に入った。ここでまたこのシングル・モルトについて喋り過ぎると次回のネタに困るので多くは語らないが、どこかにフルーツを感じ、ぼんやりしたシングル・モルトではないということだけはお伝えしておこう。今月限り¥600。

次もまたブルイックラディ。こちらはヴィンテージ・モルト社のクーパーズ・チョイスから。11年の熟成期間のうち2年間ポート・ウッドで熟成させた商品だが、良い意味でブルイックラディの「ぼんやり」が表れている。ポート樽由来の独特の風味からしっかりしたニュアンスは感じるが、しっとりとした柔らか味に「ダシ」を感じるシングル・モルトだ。ダン・イーダンのブルイックラディとの飲み比べがおもしろい。今月限り¥1,200。

モルト侍のモルト最後に今月のゲストにご登場いただこう。
こちらも皆様ご存知のグレン・グラント。「モルト侍」ラベルの商品である。封を切って2週間ほど経つがますますうまい。こちらはハーフ・ショット限定、今月限り¥1,500にてご奉仕。迷わず飲んでいただきたい。

皆様にひとつお断りをしておこう。
今月からニュー・リリースの商品についてはお一人様、1日1杯づつまでとさせていただく。
ご了承を。

年も改まったことであるので、まずは順位のご確認を
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あけまして、おめでとうございます

昨日までお休みをいただいた。ジェイズ・バーは本日より営業。

ゆっくり休ませていただいたので、ぼちぼちやりますか。

今年もよろしくお願いします。

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