モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2006年04月

1ヶ月

気付いたら荒木君が退職して1ヶ月経った。休むことなく1ヶ月間1人で仕事をしたのも久しぶりだが、何だかぼんやりと懐かしくもある。僕が店を始めたのは今から12年前。まだギリギリ20代だった。あの頃は今よりも確実に元気で勇ましく、そしてやっぱり恥ずかしい生き物だったのだろうと思う。今ではその多くを許せるようになってしまったけれど。

「若気の至り」というのは誰にでもあるだろう。40も超えたのだから、あまり間違いのないようにやって行きたいとは思うが、僕はこれからも愚かなことを繰り返すのかもしれない。そんな自分が偉そうなことを言えたものではないのだが、どうやら「若気の至り」を見守る側の年齢になってしまっているのだ。

年を取るとなかなか恥ずかしいこともできない。頓珍漢は若者の特権だろう。迷惑を掛けたなら謝れば良い。もちろん、取り返しのつかない不幸を起こさなければ、ということではあるが。
生きることはトライ・アンド・エラーの繰り返しである。それは40を過ぎても変わらない。若者は「若気の至り」に気付けば良いのだ。気付いたら謝れ。僕は許そうと思う。しかし、自ら決めたことは変えられない。責任は持ちなさい。逃げられもしない。前へと進みなさい。

恥ずかしいことというのは、若い頃にしかできない。ならば、若い頃にしておけば良いのだ。しかし、開き直るな。そして、ふて腐れるな。
うまくやって来たようなつもりの30代も、実は危うい。間違わなかったのかもしれないが、正しくもない。大事なのは「選ぶこと」ではない。「作ること」なのだ。たくさんの選択肢を持つことが豊かだと勘違いをしてはいけない。選ぶことを間違わないことは確かに賢いのかもしれない。だけど、もっと面白いことがある。自分で作れ。たとえそれがどんなに不細工でも、自分で作ればいとおしくなる。若い頃に恥ずかしいことができなかった不幸というのはあるのだ。

40を過ぎた料理人が楽しそうに料理の話をするようになったことが嬉しい火曜深夜。
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すごいぜ、イチロー

スクエア15昨日はちょっと調子の上がった感のあるシアトル・マリナーズのイチロー選手であるが、チームはやはりどうにもギクシャクしている様子だ。シーズン当初、絶好調であった城島選手もバッティングは不調なようだ。確かにぼちぼち城島攻略法を組み立てられてもおかしくはない頃だと思うが、城島選手が調子を落とすのと、イチロー選手が帳尻を合わせて来るだろうことは僕の中では了解済み。城島選手にとってはここからが正念場。この重圧を撥ね退けてこそのメジャー・リーガーである。今後の活躍に期待したい。

さて、そんな話がしたい訳ではない。
シングル・モルト業界のイチローさんのウィスキーである。

先日、営業終了間際に来店し、最後にイチローさんのシングル・モルトを飲んで帰ったお客様がいた。その方が帰った後、看板をしまって後片付けをして店を出たのだが、ふと思い付いてイチローさんのシングル・モルトを飲み干したグラスを洗わずに翌日まで取って置こうと思ったのだ。

僕は時々こういうことをするのだが、およそ12時間後の驚くほどの変化にびっくりすることがある。何も特別なことをする訳ではない。飲み干したとは言ってもグラスの底に一滴ほどウィスキーが残っていることがある。それをそのままにしてカウンターの上に置いて帰るだけ。そして翌日出勤したらすぐにグラスの中に鼻を突っ込む。実際は期待外れに終わることがほとんどだが、ごく稀にそのグラスの中の世界の変化に驚く。

イチローさんのシングル・モルトをカウンターの上に残して帰った翌日、早速グラスに鼻を突っ込んだのだが、これにはびっくり、「チョコレート(カカオ)」である。

マッカランなどシェリー樽のシングル・モルトにはみられる傾向であるが、この「Ichiro’s Malt 15年 スクエアボトル」はコニャック樽で後熟されたウィスキー。ふーむ、と首を捻りながら「考え中」の侍である。

ジェイズ・バーで販売中の「Ichiro’s Malt 15年 スクエアボトル」。封を切ってぼちぼち1週間ほどになる。残りは3分の1程度。前回の記事で「有機溶剤」のように感じる人もいるだろう。ということを書いたが、現在はより一層フルーティな香りだ。グラスに注いでゆっくり飲めば微かにチョコレートっぽいと思うが、12時間後ほどのびっくりするほどの変化ではない。

それにしても、12時間後までも愉しめるシングル・モルトというところが何より驚きだ。

この記事は更新日の前日の営業中に書いているが、営業終了間際にイチローさんのシングル・モルトをグラスに少し注いでそのまま帰ろうと思う。本日ご来店の皆様に愉しんでいただきたい。待ってます。

有名ラーメン店の店主と何も語らず煙草を吸い続けた月曜深夜。
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「ブログ進化論」

ブログ進化論皆様にお知らせしたいことがある。
このブログ「モルト侍」が4月20日に出版された本に紹介された。タイトルは「ブログ進化論」(講談社プラスアルファ新書)、著者は岡部敬史さん。毎年年末に出る「このブログがすごい!」という本を作っていらっしゃる方でもある。



前書きで、
「なぜ人は日記を晒(さら)すのか?」
これに対して、わかりやすい答えを提示することから始めてみよう。

と、その答えを提示するところから始まり、
ブログというツールの「解説」ではなく、そこで起こっている出来事の「ルポルタージュ」として、ブログの本質、魅力をご紹介していきたいと考えている。と、その動機を語っている。

「序章:なぜブログは流行ったのか?」、「第一章:日記としてのブログ」、「第二章:メディアとしてのブログ」、「第三章:ビジネスとしてのブログ」、という章立てで進んでいく。
「モルト侍」は「第三章:ビジネスとしてのブログ」の「従来のサイトにはない小売店ブログの特性とは?」というところで扱われている。ほんの数行だが僕の言葉も引用されており、その使われ方も非常に適切でとても嬉しく思った。

人は人と何かを「共感」して生きるものだという思いが僕の中には強くある。大袈裟だが、そのことがひいては人々の暮らしに安全保障を提供するのだと僕は思っている。以前何度も言ったことがあるけれど、「僕が大切にしているものを、あなたも大切にしてくれませんか?」。それは僕がいつでも思うことである。

読みながら一番にうなづいてしまったのが、「第一章:日記としてのブログ」の「なぜ総務省は、ブログの使用を促すのか?」。ネット上での安全性とマナーについて言及されている。僕がブログを始める前に危惧していたことでもある。
ネット上での人格とソサエティとコミュニティ。僕は良く、そのことに思いをめぐらせるが未だ答えは出ない。

モルト侍ページ各章ごとにいくつかのブログが紹介されているが、「モルト侍」はPCの画面を1ページに貼り付けて紹介されている。読み進むうち、このページを開いた時にはやっぱり嬉しかった。

より多くの方にこの「モルト侍」を紹介していただいた岡部さんに感謝したい。しかし、それは今まで(そしてこれからも)支持をしてくれた皆様のおかげです。読者の皆様には一層の感謝をしたい。本当にありがとうございます。

裾野を広げて、頂点を高くする。
それはこれからも侍の変わらぬポリシーである。侍の振る舞いのすべてがそこへと収斂して行くことを願ってやまない。より多くの人にシングル・モルトを愉しんでもらうために、侍は裾野に留まる。


ふと思い出してしまったのだが、昨年暮れに刺客と話をしていた。ヤツは言ったのだ。
「呼びましょうよ。ブログの女王、眞鍋かをり。ジェイズ・バーで特別対談なんてどうですか?」。
「うん?あぁ、「モルト侍」もあれくらい有名になれれば嬉しいね」。
「そんなぁ、何を言ってるんですか。何かを成し遂げるなら、そのくらい目標を持たないとダメですよ」。
「まぁ、そうだな。ブログの女王と互角に勝負したいからな。俺もがんばるよ」。
「わかりました!呼んで来ますよ。眞鍋かをり」。

刺客殿。
オレはがんばった。ちょっとだけ有名になったぞ。
呼んで来い。眞鍋かをり。
まだがんばりが足りぬか?


さて、先週土曜日、ヤスが来てくれた。
早速、侍の紹介された本を自慢させていただいたのだが、
ヤス、お前、良い顔して飲んでたぞ。
もちろん、お前はお前の都合で良い顔してたんだけどな。


これからも皆様のご支持を。
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ちょっとしたお知らせ、3つ。

ネイティブ ロスシャー瓶詰15周年を記念して、昨日早速開封させていただいたグレンモーレンジのザ・ネイティブ・ロスシャーであるが、非常にうまい。常々グレンモーレンジに関しては「きれい」であることを、その最大の特徴と申し上げてきたのであるが、ネイティブ・ロスシャーは複雑で濃く豊かだ。アルコール度数の高さから来る切れ上がりの良さは十分に感じることは可能だが、この味わいの波状攻撃にしびれた。奥行き感が違う。

その始まりの辛さに注目。明らかに麦芽風味の味わい。次第に甘みを増し、最後にはバターのようだ。ぼんやりとバター・クッキーを連想してしまった。抜栓してしばらくしてからが飲み頃の予感。

実は昨日、このシングル・モルトの値段をお知らせしていなかった。
1杯(今回は20ml)¥1,800にて販売させていただく。お一人様1日1杯限り。

スクエア15一昨日のイチローさんのシングル・モルトであるが、こちらは大好評。売り切れ間近とは言わないが、早めにお試しを。こちらは1杯(30ml)¥1,000。





ロセス87,92グレンロセス、‘87と’92の飲み比べ企画。その味わいの違いは試してみていただいた方には理解していただけているようだ。納得感のある飲み比べである。違いを理解した上で「どちらが好きか?」との問いに多くの方は‘87を選ぶようだ。実はこの’87ヴィンテージにはちょっとした秘密が隠されている。ご来店の方にはご説明をさせていただきたい。それは確かに「うまさの秘密」かもしれない。


爪切り気になるプレゼントの行方であるが、ご心配なく。
残りの爪切りはあとふたつ。
たくさんの方にはずれを引いていただいたが、他の人がはずれを引けば引くほど、あなたがあたりを引く確立は高くなる。
こちらはお急ぎを。


さて、とっくにお気づきの方も多いと思うが、今週は「一筆啓上、山崎蒸留所」の連載の続きを記事にしていない。実は筆が進まないのだ。正直なところ侍も辛い。何せこんなことは初めてである。
明日は何とか。

若き絵描きの奮闘振りに痛く感心の火曜深夜。
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15周年

ネイティブ ロスシャージェイズ・バーがオープン15周年というわけではない。
もうすぐ、オープン記念日を迎えるジェイズ・バーであるが、それでもまだ12周年である。

本日は紹介したいシングル・モルトがある。グレンモーレンジのザ・ネイティブ・ロスシャー(Glenmorangie The Native Ross-Shire)である。

ロスシャーは地名。ネイティブ・ロスシャーというのだから、ロスシャー生え抜きのシングル・モルトということだろう。

実はこのシングル・モルト、越後屋の手配によるもの。街をぶらぶら歩いていた時、たまたまふらりと入った昔ながらの小さな酒屋に置いてあるのを見つけたという。この侍に「引き取れ」との話があり、思わず「買った!」と手を上げてしまった。

シングル・カスクちょっぴり懐かしのシングル・モルトなのである。
現在は独立瓶詰業者のものを含め、多品種小ロット、百花繚乱の様相を示すシングル・モルト業界であるが、15年前、カスク・ストレングスであること自体が珍しかった。シングル・モルトといってもオフィシャルのアルコール度数が40%、43%、46%に加水されたものがほとんどの時代に、59.6%というこの少数店以下の表示があることがカッコ良かった。

当時は独立瓶詰業者の存在すらあまり有名ではなく、加水されたオフィシャルもののシングル・モルトを飲むというのが一般的なスタイルであった。アルコール度数の高いウィスキーを好む人が飲むのは「マッカラン・10年・100プルーフ」、あるいは「グレンファークラス・105プルーフ」。そんな程度にしか選択肢はなかった。

独立瓶詰業者の中でその実績から考えて先駆者といえるのは、やはり、ケイデンヘッド社であろうか。彼らはかなり早い時期から「ノン・チルフィルタリング」と「カスク・ストレングス」の商品を市場に送り出している。確かにその先見性は正解なのだろう。「チルフィルタリング(冷却濾過)をしないこと」と「樽出しのアルコール度数」にこだわることは現在ではごく一般的ですらある。

グレンモーレンジ・ザ・ネイティブ・ロスシャーの初めての出荷は1990年。彼らはカスク・ストレングスという分野で先陣を切ったと言っても良いだろう。

非常に記憶が曖昧なのだが、それでは実際にこのシングル・モルトをかつて飲んだことがあるのかというと、はっきりと言えない。強烈にカッコ良いと思い、飲んでみたいと思ったことは記憶に刻まれているのだが、飲んだかどうかといわれると曖昧なのだ。

ラベル裏さらに記憶に定かでないことを言わねばならないのは非常に気が引けるのだが、このネイティブ・ロスシャー。シングル・カスクではなくグレンモーレンジ蒸留所のいくつかの樽を混ぜ合わせて作られたシングル・モルトだと思っていたのだが、どうやら違うようだ。シングル・モルト、シングル・カスク、カスク・ストレングスのウィスキー。ラベルにはカスク・Noとボトル・No、さらには蒸留年月日と瓶詰年月日の記載がある。このあたりも当時としては非常に珍しい。

さて、最後になるが「15周年」の意味である。
ラベルに瓶詰年月日が記載されていることは先ほどお伝えした。越後屋の手配で手に入れたこのボトル。瓶詰が1991年の4月18日なのである。15年間ボトルの中に閉じ込められていたシングル・モルトは、本日15年ぶりに外の空気に触れることになる。

日付15年前、あなたはいくつで何処にいて、そして何を思っていただろうか?

刺客と久しぶりにしみじみと語らい、良い話を聞いた後の月曜深夜。
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イチロー選手現る。

先週、久しぶりにイチロー選手が現れた。
もちろん、シアトル・マリナーズのイチロー選手のことではない。日本のシングル・モルト界のイチロー選手である。

イチローはがき来ていただく前に、実は葉書をいただいていた。ふたつの新製品のご案内である。それぞれにアルコール度数を46度に整えられ瓶詰されたウィスキー。最後の10ヶ月をシェリー樽で寝かされた20年熟成のものと、最後の10ヶ月をブランデー樽で寝かされた15年熟成のウィスキー。羽生蒸留所のウィスキーだ。

気になっていたし、当然仕入れるつもりでいた。良く行く酒屋さん、目白田中屋にも置いてあるだろうと思っていた。しかし今回は先を越されてしまった。作った本人のご登場である。

イチローサンプルありがたいのはありがたい。何せサンプルを持ってきていただいたのだから。
15年と20年。それぞれに飲ませていただいた。

葉書に掲載されていた説明分を引用させていただく。
Ichiro’s Malt 20年 スクエアボトル
馥郁たるトップノート。長期熟成によるまろやかさと複雑な奥深さがあります。加水によってもボディが失われず、しっかりとした飲み応えを感じます。

Ichiro’s Malt 15年 スクエアボトル
フローラルでやわらかいトップノート。おだやかだが複雑でハニーのような甘味があります。ボディはしっかりとしていて、加水した時のバランスを愉しむのも良いでしょう。

この説明文は当然「宣伝文句」としての側面を持ち合わせていることは前提であるが、それを理解した上でも妥当な表現であると思う。むしろ「宣伝文句」であるなら、もっと思い入れたっぷりでも良いのではないかと思ってしまう。いや、それは僕が普段から軽薄な思い上がりを多く含んだ「宣伝文句」、に慣らされてしまっている結果なのだろうか。

サンプルをテイスティングさせてもらってつくづく感じた。そのことはその場でイチローさんにもお伝えしたが、この2本のシングル・モルトはある意味「Ichiro’s Standard Malt」なのではないだろうか。僕の思うイチローさんのシングル・モルトの中で、非常にスタンダード感のある製品なのだ。

僕はイチローさんのシングル・モルトをスコッチで言えばスペイサイド的と捉えている。フローラルな傾向を持ち、どちらかといえばフルーティ。そしてその甘味はハチミツのようであることが多い。ただ「芯のしっかりした感じ」は特徴的だ。その「芯のしっかりした感じ」と僕の感じるフルーティな酸味は、ある人にはセメダインのように感じることはある。有機溶剤系の「痛み」と感じてしまうのだ。ただ、ゆっくりと時間をかければ華やかさと甘味は引き立って来るのだが、待てない人は待てない。待った上でそれでも「嫌い」という人もいるだろうが、そういう人はその上で初めてあきらめるしかない。どんな人からも100点を付けられるシングル・モルトというものは存在しないのだから。

スクエア15そんなことを前提に今回のIchiro’s Malt スクエアボトルをいただいたのだが、そのふたつともに僕の思うその特徴が感じられた。そして、さらにその上で素直さや優しさをも感じたのだ。シングル・モルトを売ることを生業としている僕の立場から言わせていただくなら、イチローさんが僕ら消費者に一歩近づいた感じとでも言ったら良いだろうか。万人受けする「商品」であるとの思いが僕の中にはある。

どうしても僕はどこでウィスキーを飲んでいても、ジェイズ・バーのお客さんの顔を思い浮かべてしまう。この酒はこの人に合う。あの人には合わない。好みの傾向の変化しつつあるあの人の先回りをして、今度はこんな酒を出してみようか。この酒はあの人の本来の志向の範疇から完璧に外れているが、最近軸がブレがちのあの人のためにあえて選んでみようか。僕はどうしてもそんな風に酒を飲んでしまう。

このイチローさんのウィスキーを飲んだ時もそうだったのであるが、これを「嫌い」という人はまずいないだろう。というのが僕の下した判断であった。3割の人に90点をもらうよりも、9割の人に70点を付けてもらおう。このシングル・モルトにはそんな意図があるのではないだろうか。

失礼を省みずあえて言わせていただくなら、イチローさんは自らのシングル・モルトの個性をしっかりと把握し直したのではないだろうか。確かに僕も思う、どんなシングル・モルトであっても過剰なまでに個性的である必要はない。ごく普通に、ありのままに、しみじみとうまい。そんな酒はやはり素敵だ。そしてご紹介していただいた2本はそんなシングル・モルトである。

実はこの2本、アルコール度数を46度に加水して調整されたシングル・モルトである。「万人受け」の背景にその要因は少なからずあると思う。故に僕はイチローさんに、「スタンダード感あり」と言わせていただいた。僕のその言葉を受けてイチローさんは「裾野を広げて行きたい」と答えてくれた。その思いもあり今回の瓶詰を行ったとのこと。

常々申し上げているが、「裾野を広げて、頂点を高くする」、それこそはモルト侍の仕事との自負は僕の中にも大いにある。スタンダード感のあるIchiro’s Malt スクエアボトル。イチローさんのシングル・モルトに触れる最初の一杯としても最適な逸品なのではないだろうか。やはり、イチローさんは自らのシングル・モルトを深く理解している。

さて、実はこの日、遠く鹿児島からお客様に来ていただいた。「Bar 魔の巣」の店主。東京に遊びに来たついでに寄っていただいた。店主のブログはこちら

その日は早い時間に関わらず、「酔狂夢私」のYUJIさんもいらっしゃったり、足軽・弟も顔を出したり、何だかバタバタとしてしまった。イチローさんのサンプルを「Bar 魔の巣」の店主にも飲んでいただいたが、その感想を聞き損ねた。10時からお食事に行かれるとのことでゆっくりとお話もできなかった。残念でならない。是非また再会をと思っております。

さらに、他の皆さんがお帰りになった後、イチローさんとふたりきりで小1時間ほど話ができたのだが、すごい話をうかがった。誰にも言えない。ただし、お土産をいただいたのでそちらはお裾分けができる。こちらは来てのお楽しみ。

イチローお土産

やっぱりあえて、言わせていただこう。
イチローさん、裾野を広げるためにも、何とかお値段の方も…。

イチロー選手応援価格。ジェイズ・バーでは¥1,000です。


足軽・兄と「愛とセックス」について語り合った月曜の夜明け。
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プレゼント

爪切り本日は皆様にお知らせをしたい。
一応このブログは池袋にあるジェイズ・バーのオーナー・バーテンダーがやっているブログであるので、たまにはお店からのお知らせなどさせていただきたい。

グレンロセスというシングル・モルトをご存知だと思う。そちらを扱っているイー・エス・ジャパンさんのご協力でこの度、(唐突な印象はあるが)「爪切り」をいただいた。ちょっとかっこいいぞ。と思っている。その爪切りを皆様にプレゼントしたい。もちろん全員ではない。抽選ではある。そして当然条件はある。グレンロセスを飲んでいただきたい。しかも、ただ飲めばいいというものでもない。

ロセス87,92実は、飲み比べていただきたい。
1992年蒸留のグレンロセスと1987年蒸留のグレンロセス。

驚くなかれ。この2本、はっきりと味わいが違う。
同じ蒸留所の同様のオフィシャルもの。蒸留年度は5年違うが、これほどまでに味わいが違うのかというくらいその味わいは違う。「シングル・モルトなんてみんな同じ味がするんじゃないの」なんて思っている方、是非とも飲んでいただきたい

現行(現在一般的に流通している)のグレンロセスは1992ヴィンテージ。2004年から流通し始めた。今回1987ヴィンテージのグレンロセスを数本手に入れた。比べて飲めば誰にでもこの味わいの差は理解できる。

基本的にはフルーティな味わいに軸足を置くグレンロセスとの認識が僕の中にあるが、蒸留が近年のものになればなるほど、その軸足をよりドライな麦芽風味に置き換えているのではないかとの思いが僕の中にある。1987(フルーティ)→1992(麦芽)。そんな変化を理解していただきやすい2本だ。

この件に関しては言いたいことはたくさんあるが、とりあえず今は黙っておく。聴きたい方は是非ご来店を。しみじみうまいシングル・モルトである。

もちろん飲み比べを前提としているので、2杯で1セット。20mlづつ、2杯で¥1,800でのご提供。お試しいただいた方のみ、抽選をしていただく。当たれば「爪切り」である。当ててくれ。

侍にプレゼントをしたい方は、
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ごめんなさい

どうにも体調が優れず、本日は記事をお休みさせていただく。
大袈裟なことではないのだが、非常に眠い。
寝違えた首もまだ少し痛い。

早起きができて、記事を書く気があれば夕方に更新の予定。

申し訳ありません。

とはいえ、こちらはお願いしたい。
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ニュー・リリース

バンク本日は新入荷商品のご紹介である。
山崎蒸留所の続きは明日。

お気づきの方も多いかと思うが、実は最近このブログに写真を載せて来なかった。デジカメを壊してしまったのだ。先週末やっと修理が完了し撮影ができるようにはなったので、何か新しい写真をと思い、カメラを使ってみたがピンボケしてしまった。

桜の写真を撮っておこうと思ったが、昨日は雨。今日は風が強い。
ちょっと気になる。

しかし、今年の桜は何だか色が薄いような気がするのだが、皆さんはどう思うだろう。

さて、今回のニュー・リリースはゴールデン・カスクのスプリングバンク。
日頃、スプリングバンクは長期熟成に限ると申し上げている僕だが、コイツは非常に気に入っている。酒質の硬さが心地良い。切れ上がりのよいスプリングバンクだ。キリッとピーティ。飲み応えあり。

今週金曜日まで¥1,200です。

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特別寄稿(5)

新グロモントさて、本日にて最終回となる特別寄稿。
前回こちらの続き。
どうなる侍。

**********************

「町外れの決闘 その5 (最終回)」

( 侍 ) ・・・アンドゥートロワ♪ アンドゥートロワ♪ アンドゥートロワ♪・・・

一心不乱につぶやく「侍」

さて「侍」の思惑といえば、
「抜刀の勢いで半回転し、踵(かかと)で地面を蹴ると同時に後ろっ飛びして敵との間合いを一気にとる」という恐ろしく難易度の高い技であった。しかし「侍」に躊躇はなかった、鍛え上げられた筋肉はムチのようにしなり一連の動作はよどみなく一気に行われた。その跳躍力はフェンスぎわのイチロー選手を思わせ「伊賀の吉○」の一の太刀はわずか「侍」の袖をかすめたにすぎなかった。

が、しかーしっ!!

「侍」 飛びすぎ!!
先ほど「鶴」さんが投げた手裏剣を
なんと眉間(みけん)でキャッチ!!

( 侍 ) ぐぅわっ

着地と同時にのけぞる「侍」に「伊賀の吉○」の二の太刀が襲う! 
「浅い!」と思ったのもつかのま、無数の手裏剣が「侍」めがけて飛来!
よけきれる数じゃない!
思わず土にもぐる↓「伊賀の吉○」!!
立ち尽くす 「侍」!
刺さった手裏剣 なんと三十と二枚!
大の字に倒れる 「侍」 

しーんと静まり返る見物人の中から一人の娘が「侍」のもとへ駆け寄る、
「侍」の幼なじみの「沙代(さよ)」であった

(沙代) 元ちゃん、大丈夫?
( 侍 ) ぐふーっ (多分)
(沙代) 傷は浅いわよ、しっかりしてっ!!

「沙代」は立ち上がると、腰に手を当て見物人を端から端まで見渡した
スッと息を吸いこむと大音声で

(沙代) あんたたちねー 寄ってたかって弱いものいじめするんじゃないわよ わかったのっ(怒)
( 侍 ) ぐっぐふーっ (ちっ違う 弱くはないのね)
(沙代) あとぉ そこの忍者! 手裏剣 配りすぎっでしょ フン!(怒)
( 侍 ) ぐふ (うん)

そんなやりとりを遠くで見つめる黒い一組の影
(悪代官) 今回も死なぬな・・・・・
(大黒屋) ハッ いかんせん丈夫でして、
       勝負以前の問題で、なんというか斬られ強いと申しますか。
       斬っても刺しても急所だけはうまくかわす奴でして
       しかも戦うたびに強くなっているような・・・・
(悪代官) 次の者は用意出来てるんであろうな。
(大黒屋) それはもう最強の刺客を用意しております。
(悪代官) うむ 今日のところはひとまず引き上げるとするか。


のちに花のお江戸の庶民に愛された「侍小唄」の一節
「額の傷は伊達じゃない♪オイラは不死身さ♪斬っても死なぬ♪」
とはこの闘いをもとに作られたということを知る者は少ない。
(完)

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