モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2006年06月

ブラインド・テイスティング−A

Aさて、本日よりスコッチショップの恒例企画「第9回 ブラインド・テイスティング」全4問を、1問づつじっくりと愉しんでみたい。

順序通りまずは「問題A」から、選択肢は以下の6つ。
1. クラガンモア
2. マノックモア
3. キャパドニック
4. コールバーン
5. インペリアル
6. タムナブーリン

この問題の出題者が忍者殿であることは皆様ご存知のことと思う。闇に潜み、物陰から手裏剣を繰り出す忍者。その1つ目がこの「問題A」である。この選択肢を見て素直に感想を言わせていただけるなら、「相変わらずの曲者め」といった風だろうか。ジェイズ・バーのお客さんには「クラガンモアしか飲んだことがない」、という方もいる。そのくらい知名度の低い蒸留所が目白押しの「問題A」である。ちなみにすべてスペイサイドだ。

封を切る前に、この侍がそれぞれの蒸留所にどんなイメージを持っているのかを、非常に簡単にお伝えしておこう。もちろんそれらは侍の感じるイメージである。

1. クラガンモア
麦芽風味の強いシングル・モルト。味わいは複雑。上質なものであれば甘味は蜂蜜のよう。

2. マノックモア
どちらかといえばフルーティ。複雑とは言えない。ドライであるとは言える。フレッシュでクリーン。

3. キャパドニック
基本的には麦芽風味。噛み応えを感じる。生姜のニュアンスがネガティブに感じることがある。とはいえ、実はあまり記憶にない。

4. コールバーン
しっかりした味を複雑にさせる辛味を感じる。丁寧にオイリー。1983年閉鎖を考えると若い熟成のボトルはほとんど入手不可能であろう。

5. インペリアル
味・香りともに酸味が強い。どちらかといえばフルーティ。粒状感。薄く固い。直線的。長期熟成のものは飲んだことがない。

6. タムナブーリン
ほとんど記憶にない。レモンをかけた根菜(例えばゴボウ)のよう。爽やかとは言える。

さて、それでは「問題A」を飲んでみよう。
酸味の強い香り。アルコール臭。微かにピート。どこか薬品のよう。シュークリームの皮(?)。どちらかといえば早めに変化し、甘くなる香り。
苦味と渋味が目立つ味わい。独特の辛味。
シャープ。薄く固い。粉っぽい。軽いパンチ。迫力に欠ける。

まず最初に、「これは違う!」から言わせていただこう。
クラガンモアとコールバーンは正解ではない。つまり1と6ではない。
クラガンモアであるならもっと甘い気がするし、ここまでピリッと辛くはないだろう。コールバーンであるならよりねっとりとオイリーで、しかもより複雑であろう。

さらに、起伏のない平べったい味わいという訳ではないので、恐らくマノックモアではない。

残るは、キャパドニック、インペリアル、タムナブーリン。
フルーティとは言いづらいことを考えるとインペリアルは外したいところだ。

であるなら、キャパドニックかタムナブーリン。
どちらもあまり記憶にない。なのでここから先は保留。
とりあえず来週に続く。

来週は「問題B」。
今日は「人気ブログランキング」

申し訳ないが、最後に一言。
本日屈指の好カード。ドイツ対アルゼンチン。
迷いを捨て強さを身に付けたドイツ。
ポテンシャルの高いタレントと連携で美しさをみせるアルゼンチン。
応援することを強いられないサッカー観戦も実に楽しい。
おひまな方は是非お集まりいただきたい。
観ましょう。午前0時から。

ブラインド・テイスティング

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BLT-9諸事情もあり、ここのところ久しく闘いのない侍であった。
のんびりとワールドカップ観戦モードの侍に、またしても4本の手裏剣を放つ忍者の登場である。この侍も重い腰を上げ闘いに臨まねばならぬ。

詳しくご存知のない方もいらっしゃると思うので、簡単に説明をさせていただこう。「ブラインド・テイスティング」とは利き酒のこと。銘柄の隠されたウィスキーを飲んで、それを当てるゲームである。今回、侍が対峙せねばならぬのは、楽天のスコッチショップの恒例企画「第9回 ブラインド・テイスティング」である。こちらの企画に便乗させていただいている。

詳しくはリンク先をご覧いただきたいが、簡単に説明をすると、問題は全部でA,B,C,Dの4問。そのうちA,B,Cについてはその蒸留所名と熟成年数を、Dについてはその蒸留所の地域名と熟成年数を解答する。それほど難しく考えてもらう必要はない。解答はそれぞれ選択式になっており、鉛筆を転がしただけで当たってしまう可能性もある。いや、実はそれほど簡単でもないが。

およそ半年に一度の期間をおいて行われる企画である。実は今回、楽天のスコッチショップでは完売の様子。ジェイズ・バーにはまだ若干ながら残りはある。興味のある方は是非ご来店を。今回の機会を逃してもまた半年後にはやるだろう。チャレンジしてみて欲しい。

何しろ4杯飲めて¥1260は安い。「当たる」、「当たらない」はさて置いて、1度に4つのシングル・モルトの味わいを比べながら飲むということも、そうそう経験することもなかろう。実はそれこそが一番に大切なことだと思う。

常々申し上げていることだが、比べて飲めばその味わいの違いは誰にでも分かる。どの蒸留所のシングル・モルトかということまで当てることはできなくとも、「違う」ということは誰にでも分かる。「違い」が分かれば、「好き嫌い」ができる。「好き嫌い」ができれば愉しみは広がる。それこそが嗜好品としてのシングル・モルトの愉しみの醍醐味ではないだろうか。うまさに正解などないのがシングル・モルトの世界だ。何を好きになるかが大事なのだ。そしてそれはいろいろ飲まなければ成り立たない。そして好きなシングル・モルトを軸にどのように視野を広げていくか。それこそが「自分が愉しむ」シングル・モルトである。誰かが推奨するシングル・モルトをなぞるだけではつまらない。

いろいろ飲み比べ、その違いに気付いた上で、よりどちらが好きか?ということを試してみる機会というのは、皆さんにもそんなにないのではないだろうか?だとすると、この企画は非常に初心者向けでもあるのだ。確かに、聞いたこともないような蒸留所の名が出てくるが、まずはそんなことは気にしなくて良い。目の前のシングル・モルトがあなたの好きなシングル・モルトであるかどうか?大切なのはそこだ。そして、もしもそれが好きであるならば(あるいは嫌いであるならば)、そこには何かしら理由があるはずである。そして、その理由こそが(あなたにとっての)その蒸留所の特徴である。

さて、明日よりしばらくの間、この侍もブラインド・テイスティングに取り組もうと思う。1日1本づつ飲みながら、侍が何を感じたのかを綴っていきたい。もちろんそれは正解ではないかもしれないけれど、侍が感じたことには変わりはない。

忍者殿。
侍の生き様、しかと受け止めよ。

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ジム・クライル、グレンリベットを語る。(16)

1ヶ月以上も前のことをだらだらと書いていても仕方がないので、ぼちぼちこの連載もフィニッシュに向かわねばならない。そもそも「グレンリベット ブランド・アンバサダー 研修セミナー」に参加したことがこの連載の始まりであった。スコットランドからグレンリベット蒸留所の責任者、ジム・クライル氏を招いて話を聴く機会に恵まれたこともあり、彼の話の内容をまとめ僕なりに肉付けをしてこれまで連載を続けて来た。

セミナーでのジム・クライル氏の話は終了した。その後は「ご歓談スペース」に移動して一杯飲んで帰ってくれということであったのだが、その前にジム・クライル氏と直接やり取りのできる質疑応答の時間が用意されていた。

僕にも聴きたいと思っていたことがあったので、手を挙げるべく準備をしていた。僕とジム・クライル氏のやり取りは後回しにするとして、ふたつほど僕が面白いと思った質問を取り上げさせていただきたい。

Q.グレンリベット蒸留所にはどのくらいのスタッフがいるのか?

A.ウィスキー作りに関わるスタッフの数は8名。午前6時〜午後2時、午後2時〜午後10時、午後10時〜翌日午前6時。3交替勤務で蒸留所は24時間稼動している。1年のうち45週間稼動しそれ以外の日はメンテナンスに当てるのだという。

なかなか表に出ない話でご存じない方も多いことだと思う。知っているだろうと思われる方に聴いても教えてくれないことも多く、素直に語ってくれたジム・クライル氏に感謝したい。もちろん質問者にも。

Q.グレンリベット以外に硬水を仕込み水とする蒸留所はあるか?

A.わからない。

非常に素直なジム・クライル氏であった。「だって、そんなこと興味ないもん」といった風な顔に見えたと僕が言えば失礼に当たるだろうか。思わず笑ってしまったが、「そりゃそうだよな」と妙に納得をさせるジム・クライル氏の面持ちであったことは伝えておきたい。しかし、「さて、次の質問は?」という会場の流れを遮って通訳担当の方がちょっと面白い話を挟んでくれた。グレンリベットの仕込み水が硬水であることは明らかであるが、でき上がったウィスキーに加水をする水は軟水であるのだという。ちょっとびっくりであった。

さて、グレンリベット蒸留所の責任者、ジム・クライル氏に真っ向勝負を挑んだ侍の質問である。侍がグレンリベット蒸留所を思う時、一番に気になるのが仕込み水が「硬水か?軟水か?」ということと、ポット・スティルのネックの長さが「長いか?短いか?」ということの相関関係。そのあたりのことはこの連載の(5)(6)でも書いた。

Q.グレンリベット蒸留所のネックの長さはスコットランドのすべての蒸留所の中でいったい何番目くらいなのでしょうか?

A.わからない。

非常に素直なジム・クライル氏であった。「だって、そんなこと考えたことないもん」といった風な顔に見えたと僕が言えば失礼に当たるだろうか。とはいえここで黙って引き下がれる侍ではない。確かに向こうはグレンリベット蒸留所を代表する責任者だろうが、何せこちらは日本代表。空振りに終わった刀を持ち替えて、さらに一太刀。

Q.上位25%くらいの中にはあるのでしょうか?

A.そうそう、それは間違いがない。上から数えて10番目の中には入っている。


うーむ。

この連載、これにて終了。

ジム・クライル、グレンリベットを語る。(15)

昨日の予告通り、本日より少し真面目な侍に戻るつもりである。予選リーグ日本敗退が決まった途端、世の中はワールドカップ閉幕ムードである。それはそれで非常に残念であるが、そもそもこのブログはシングル・モルトについて書き綴るのが使命。文句を言っても始まらない。ワールドカップのことは別の場所で書かせてもらっている。

マッカランのザさて、本日は前回の続き。話は「ザ・マッカラン」についてである。
裁判の結果、唯一定冠詞「THE」を付けることを許された「ザ・グレンリベット」である。「マッカラン」に「THE」がついているのはおかしいのではないかとの疑問を持ったジェイズ・バーのお客さん。その疑問に、「マッカランのラベルにTHEがついているのは、それが商品名であるから」と答えた侍であった。シングルトンなどを取り上げ、「商品名にTHEが付いているものは他にもたくさんある」と説明をした。

一度は納得をして帰ってくれたそのお客さんであるが、早速翌日にシングル・モルトの父、マイケル・ジャクソンの「モルト・ウィスキー・コンパニオン」を持って颯爽と登場。

ウィスキーコンパニオン彼はこの侍に言い放った。
「昨日あなたはザ・マッカランを商品名だと思えと言ったが、これを見てくれ、ここにザ・マッカランとある。ここにザ・マッカランとあるということは、これはつまり正式な蒸留所名がザ・マッカランであるということではないのか!」。

その通り、である。動かぬ証拠を突き付けられぐうの音も出ない。毎度毎度の瀕死の重傷である。あまり人にイヂワルをするものではない。返り討ちであった。反省。

実は僕もこの疑問に上手に答えることはできない。ただ、実は「マッカラン」の蒸留所名の表記がマイケル・ジャクソンの「モルト・ウィスキー・コンパニオン」のように、「ザ・マッカラン」となっていることは珍しい。他の多くのシングル・モルト解説本を見ても、「THE」を付けずに単に「マッカラン」と表記することの方が一般的なのだ。まさか、シングル・モルトの父、マイケル・ジャクソンが間違いを犯しているとも考えづらいのだが。

ただ、このマッカラン蒸留所は歴史の古い蒸留所である。政府公認第一号として名高いザ・グレンリベット蒸留所と同じ1824年に、このマッカラン蒸留所も合法的な形で生産をしている。それを思えば「THE」を付けて良いほどに風格はあるとは言えるのかもしれない。とはいえ、マッカランはグレンリベットの名を模倣したことがあるが、グレンリベットはマッカランの名を模倣したことはない。

今日の記事の最後になるが、この連載のタイトル「ジム・クライル、グレンリベットを語る」に恥じぬよう、ここはグレンリベット蒸留所の責任者であるジム・クライル氏にご登場願おう。

セミナーの席上、ジム・クライル氏の講演の最後に参加者からの質疑応答の時間が用意された。参加者の方からこの連載の現在の話題と同じ内容の質問がなされた。つまり、「マッカランなどにTHEが付いているがどう思うか?」ということである。

ジム・クライル氏は答えた。
「そもそも我々のグレンリベットにTHEが付いているのは、グレンリベットの品質の高さ、その名声にあやかってその名を模倣する者が後を絶たなかったことによるものです。そのために我々こそが正真正銘のグレンリベットであるということを、我々は手を挙げて言わねばならなかったのです。それ故に我々はTHEを付けることを許された蒸留所なのです。マッカランにTHEが付いていることに私は関知しませんが、正真正銘のマッカランであることを訴えねばならないほどにマッカランの名を模倣する者がいたのでしょうか?」

ジム・クライル氏の話は僕の胸にそのように届いた。
適切であると思う。
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軽く痛飲

実は昨日、1ヶ月と1週間ぶりにお休みをいただいた。朝から運転免許の更新があり、ちょうどいい機会と思いお休みをいただくことにした。お店はゲスト・バーテンダーを呼んで営業。僕もサッカーが観たいのもあって店にはお客さんとして顔を出すつもりでいた。

昨日は朝からずっと寝てないこともあって、夜中に眠くなるのは十分に予測できた。とはいえ普段と違う時間に寝て、翌日の朝に目が覚めてはその日の営業がつらい。何としても、少しでも頑張って就寝時間を遅めにずらし、昼過ぎくらいに起きるようにしたいと思いつつイングランド対エクアドル戦を観戦。

オーウェンの戦線離脱を受けて4-5-1のトップにルーニーを置く布陣で戦いに臨むイングランド。ジェラードとランパードの動きがカギになると思いゲームを見詰める。中盤での膠着状態を観ていると、どうやら新しいシステムはうまく機能していないようだ。確かにルーニーはゲームを動かそうと良く走った。しかし結果として彼の走りは無駄に終わったようだ。エクアドルのセンターバック二人の動きもルーニーを阻んだ。オーウェンの怪我は確かに不幸だが、イングランドのFW不足は明らか。エリクソン監督はFW選びにサプライズを持ち込んだが裏目に出てしまっただろうか。前半の早い時間のピンチをA・コールの好判断で逃れたのはラッキー。この時間にゲームが動いていたらどんな結末が待っていたかわからない。

前半終了間際、スコアは0-0。後半クラウチの投入で慣れた4-4-2にシステムを修正するか、あるいは17才のウォルコットをルーニーと交代させ「まさかの大活躍」に期待を寄せるか、やっぱり予定通りのベッカムのフリーキックの1点か。イングランドが勝つとしたらその当たりだろうと展開を予測。とはいえ、素早いパス回しと手堅い守備が小気味良いエクアドルもあなどれない。予選リーグがほぼ予定通りに終わったことを考えれば「ちょっとした意外な勝利」をここで観たい気もする。

しかし、何とも眠くなって来た。僕自身の久し振りの休日にもフィニッシュが必要だろう。

さて、ジェイズ・バーのカウンターの僕の隣にはネイティブ落合君。彼の今日のお目当てはポルトガル対オランダ戦。彼の家のTVでこの試合が観れないことを思えば予定通りの来店である。彼のお目当ての試合が始まる前にと思い声をかけた。

「メシ、食いに行く?」。

ふたりで連れだって近くのホルモン焼き屋に。鶴ちゃんはついさっき帰った。小一時間ほど良く飲み、良く食べ、良く喋った。お目当ての試合の前にジェイズ・バーに戻る。イングランド対エクアドル戦は予想通りのベッカムのFKの1点をイングランドが守った。

肝心のポルトガル対オランダ戦であるが、眠気と酔いで朦朧とした頭に試合はうまく入ってこない。パウレタが落としたボールを受けマニシェのシュート。DFの間を抜けて枠に入った。

試合前からマニシェの存在に怯えていたネイティブ落合君。最悪のシナリオが的中し頭を抱えた。2年前、ユーロ2004でも1-1の均衡を破りゴールポスト直撃のミドル・シュートを決めオランダにとどめを刺したのがマニシェだ。

限界を迎えた僕もオランダの健闘を祈り家路につこう。
実はまだその結果を知らない。ビデオ観戦して今日は働きます。

明日からは真面目な侍に戻る予定。
不真面目な侍から、
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本当のワールドカップ

日本代表メンバーにとってのワールドカップが終わった。
初出場のフランス大会。自国開催の前回。そして今回のドイツ。それはある意味本当のワールドカップといって良かったのではないだろうか。

出られただけで満足のフランス大会。
出ることが前提の自国開催。
自力で出場権を勝ち取り、「ご挨拶」では済まされないはずのドイツ。

日本代表にはリアルが足りなかった気がしてならない。

とはいえ、お疲れ様でした。
ここまでの楽しみをこんなにも与えてくれたことに、心から感謝です。

今日はもう寝ます。

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闘う侍。

日付が変わって金曜日、早朝4時より日本代表の侍が遠くドイツの地でブラジル代表と闘う。その戦いが始まるまで、心静かに見守りたいと思う。言いたいことはある。しかしあえて何も言うまい。切に願うは楽しいゲームを見せてくれること。結果が出て幸運が重なれば、その先へと駒を進めることは不可能ではない。望みがあるなら信じて期待しようではないか。信じて「裏切られた」として、いったい僕らは何を失うというのだ。

さて、すっかり戦犯扱いの柳沢選手である。個人的には気の毒だとの思いもあるが、致し方あるまい。結果が出せなければ責められて当然の場所で彼は働いているのだ。他の誰にもまして最大限のチャンスを手にしてそれをモノにできなかったのは事実であろう。彼は甘んじてその批判を受けねばなるまい。

しかしどうだろう。僕らが4年に1度のこのワールドカップをこんなにも楽しめるのは、長い道のりを遠くドイツの地までたどり着いた代表メンバーのおかげではないだろうか。数多くの参加国の中で彼の地まで進んだのは32国。我々日本の代表はそのうちの1国である。皆様の怒りも理解しよう。憤懣やるかたないという思いもごもっともである。しかし、僕らはまず彼らに感謝をするべきではないだろうか。彼らに文句を言えるのも、彼らがあそこに行ったからである。

本日深夜。悶々と眠れぬ夜をお過ごしの方。一緒に観ませぬか。
同じ時間、同じ空間を、穏やかに、そして時に熱く語り合えればと願っております。
奇跡が起これば、なお愉し。

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ジム・クライル、グレンリベットを語る。(14)

「グレンリベット」とは地名であり、蒸留所名であり、そして商品名でもある。その当時「グレンリベット」という名のウィスキーがとてもうまかったせいもあり、多くの者がその名を模倣しウィスキーを売った。前述した通り、現在確認できるだけでその数は25に上る。

グレンリベット蒸留所は困ったことになる。彼らが「うちが元祖グレンリベットである!」と机を叩いて大きな声で叫びたくなるのも無理はない。そこで彼らは裁判所に訴える。彼らの訴えは認められジョージ・スミスのグレンリベットだけが「ザ・グレンリベット」と定冠詞付きで名乗ることを許され、他のグレンリベットの名を模倣したウィスキーは「−」(ハイフン)を付け「グレンリベット」と表記せねばならなくなる。

つまり、
 峺義帖廖◆嵋棆函廖◆崟疑神橘叩廚離哀譽鵐螢戰奪箸世韻「ザ・グレンリベット」と表記できる。
¬亙鐚圓燭舛蓮屐檗廚鯢佞韻覆韻譴个覆蕕覆ぁ
ということである。

もちろん私見だが、「グレンリベット」が地名でもあったことも、模倣者たちに気軽にその名をパクらせた原因のひとつではないかと僕は思っている。

マッカランのザさて、ラベルに「THE」と付いた「マッカラン」を見て、
「このマッカラン間違ってます」、と問いかけたお客さんがいた。
彼の言い分もわからなくはない。定冠詞「THE」を付けていいのは「ザ・グレンリベット」だけであると彼はどこかで聞いたことがあったのだ。彼は続けて言った。
「だって、裁判をしてまで勝ち取った「ザ・グレンリベット」なのではないですか?」、と。

そして、「そのボトルに書いてある“THE MACALLAN”は商品名です」。
と答えた侍である。

前回の記事でも例を挙げたが、「商品名」に「THE」を付けたウィスキーならいくらでもある。現在でも多くの商品に「THE」が付けられていることを考えれば問題はないはずだ。だとすればこのマッカランに付けられた「ザ・マッカラン」を商品名だと思えば問題はないはずである。というのが侍の趣旨である。

なるほど、と言ってその日は帰ったそのお客さん。十分に納得をしてくれたのはありがたいが、実は侍の物言いにはちょっとした仕掛けがあったのだ。次回来た時には「タネ明かし」をせねばならぬと思っていた。

思っていたのであるが、早速次の日も来店したそのお客さん。見れば右手に何やら本を持っている。さすがに「やばい」と思った侍。シングル・モルトの父、マイケル・ジャクソンの「モルト・ウィスキー・コンパニオン」ではないか。満面の笑みを浮かべ彼はカウンターに座った。今一度その手を見れば、人差し指があるページに「しおり」のように挟まっている。父のその著作の後半の方である。飲み物のオーダーもする前にそのお客さんは手に持った本を開いた。開いたのはマッカランのページ。

「ちょっと、見て欲しいんですよ」。(ニヤリ)
侍は斬られたのか?
後出しじゃんけんに失敗した侍であった。
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ウィスキーコンパニオン

届いた。

ブラインド・テイスティングワールドカップ期間中であるが、皆様には是非ともご参加願いたい。
半年ぶりのお楽しみ。楽天のスコッチショップ名物企画、「第9回ブラインド・テイスティング」である。あえてこの侍より説明はしないブラインド・テイスティング」の何たるかについてはこちらをご覧いただきたい。

今回も忍者殿より密書をいただき10セット分手配をさせていただいた。侍のせいかどうかは分からぬが、この度の「第9回ブラインド・テイスティング」、初日にして完売のようだ。ジェイズ・バーには既に予約済みの方、あるいは可哀想にも強制的に参加させられる方も何名かいるが、若干の残りがある。定数完売「〆切」の一報を口惜しく思っていた方がいるなら是非ともジェイズ・バーでお試しください。

価格はスコッチショップと同じ¥1,260である。ご来店いただいた方のみが対象となるので当たり前だが送料は無料。ジェイズ・バーの〆切も間近。早目にご来店を。電話でのお問い合わせにはお答えできるが、取り置きは不可。申し訳ないが早い者勝ちである。

心の底から切実にお願いでござる。人気ブログランキング

心静かに。

今日は多くを語る気になれないのでお休みにさせて下さい。
心静かにブラジル戦を迎えられますように。

本日お集まりいただいた多くの皆様。
ありがとうございました。
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ジム・クライル、グレンリベットを語る。(13)

さて、「ジム・クライル、グレンリベットを語る」と題して進めて来たこの連載であるが、例のごとくまた話が横に逸れて来はじめた。一昨日久し振りに営業に来たペルノ・リカール・ジャパンの担当さんの顔を見てハッとした。ぼちぼち話を戻そうと思う。このままでは「ジム・クライル、グレンリベットを語る」ではなく、「モルト侍、ジム・クライルを騙る」になってしまう。

ラベルに「THE」と付いた「マッカラン」を見て、
「このマッカラン間違ってます」。
と問いかけたお客さんに、
「そのボトルに書いてある“THE MACALLAN”は商品名です」。
と答えた侍である。

リベット何度も申し上げたが、
「グレンリベット」とは地名であり、蒸留所名であり、そして商品名でもある。
この写真のボトルのグレンリベットは、リベット谷(つまりグレンリベット)に存在する、グレンリベット蒸留所で作られた、グレンリベット12年という商品名のウィスキーである。つまりこのボトルに限って言えば地名と蒸留所名と商品名が完全に一致するのである。

エルギン−リベットこちらは先日ご紹介した「グレン・エルギン−グレンリベット」。蒸留所の所在地はロッシー川のほとりエルギンの町の近く、グレン・エルギン蒸留所で作られた、グレン・エルギン−グレンリベットという商品名のウィスキーである。つまりこちらは地名と蒸留所名と商品名が完璧には一致しない。

多くの場合このグレン・エルギンのように、その所在地の名と蒸留所名と商品名が一致しないことが多い。グレンリベットのようにそれらが完全に一致することは珍しい。

シングルトンさて、こちらは先日も少し記事に取り上げさせていただいたシングルトン。シングルトンとは商品の名前であり、オスロスク蒸留所で作られている。オスロスクもシングルトンも蒸留所の所在地を表す地名ではないので、地名と蒸留所名と商品名はすべて一致しない。

お気づきだろうか?商品名である「シングルトン」に定冠詞「THE」が付いている。そう、このウィスキーの商品名は「ザ・シングルトン」なのである。オスロスク蒸留所で作られた、「ザ・シングルトン」という商品名のウィスキーである。「ザ・オスロスク蒸留所」で作られた、「シングルトン」という商品名のウィスキーではない。蒸留所の名前の前に定冠詞「THE」を付けるのはちょっと問題かもしれないが、商品名の前に「THE」を付けるのであれば問題はなかろう。

ついでにこちらも紹介しておこう。商品名に定冠詞「THE」が付いているアイリークである。ちょっぴり遠慮がちな大きさではあるが。アイリーク


どうやら今日は1日雨のようだ。日曜の「日本VSクロアチア」を思いそわそわしている。先日見事に腹を切った侍である。ハラキリ・モルト1杯無料はご好評に付き終了させていただいた。しかし、本日再び、明日は三度、皆様にただ酒をふるまう。必勝祈願である。日本の勝利を願う方のみに1杯ご馳走をさせていただく。本日(金曜)と明日(土曜)まで。「ふるまい酒をください」とお気軽に遠慮せず声を掛けて頂きたい。雨も降ってるし。

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ジム・クライル、グレンリベットを語る。(12)

この連載の前々回の記事で、
**************************
押さえて置いていただきたい。
「グレンリベット」とは地名であり、蒸留所名であり、そして商品名でもある。
**************************
と申し上げた。

会社の名前をその所在地の地名にちなんで付けることは珍しいことではないだろう。電器メーカーである「東芝」という社名が、「東京」と「芝浦」を合体させた社名であることはご存知の方も多いと思う。今でこそ少なくなったようだが、銀行も地名に由来する名が多い。「巣鴨信用金庫」、「横浜信用金庫」、「飯能信用金庫」など、信金にいたっては枚挙にいとまがない。

「リベット谷」にあるグレンリベット蒸留所。ごく普通に考えれば名前を決める権利というのは創業者にある。グレンリベット蒸留所の創業者、ジョージ・スミスは考えたのであろう。自らの蒸留所の名をどうするか。そして、リベット谷にあるので「グレンリベット」にしよう、ということになったのだろう。巣鴨にあるから「巣鴨信金」。リベット谷の「グレンリベット蒸留所」。安直と言うなかれ。シンプルこそすばらしい。

しかし、地名を冠した蒸留所名であったことが災いの元だったのかもしれない。グレンリベットの名をパクった25の蒸留所については既にお伝えしたが、地名であったことがパクり易さを助長したとは考えられないだろうか。ジョージ・スミスが自らの蒸留所の名を「ジョージ・スミス蒸留所」としたならどうだったであろう。
「ロングモーン・ジョージ・スミス蒸留所」
「マッカラン・ジョージ・スミス蒸留所」
「ミルトンダフ・ジョージ・スミス蒸留所」
どれだけジョージ・スミスのウィスキーが売れていようとも、パクる方もさすがに悔しいのではないだろうか。

先日紹介した25の蒸留所。例えばその中でもトミントール蒸留所などは、その所在地は「リベット谷」である。それを思えば「トミントール・グレンリベット」は「リベット谷のトミントール」という意味でズルイけど間違ってない。しかし、もちろんごく普通に考えれば、「トミントール・グレンリベット」とラベルに記載されているボトルが酒屋に売っていたら、グレンリベット蒸留所が「トミントール」という商品名のウィスキーを出したのかと勘違いされてもおかしくない。

「リベット谷のトミントール」だから「トミントール・グレンリベット」。そのくらいなら仕方がないが我慢しようかという気にもなったかもしれない。しかしさすがにそれが先日紹介したように25にもなると、許せなかったのだろうか。

最後の最後、ロスタイムで失点したポーランドが切ない木曜早朝。
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ジム・クライル、グレンリベットを語る。(11)

本日は久しぶりにシングル・モルトの話を。
こちらの記事の続きです。

多くの蒸留所が「グレンリベット」の名を騙るのにうんざりした本家グレンリベット蒸留所。そこでグレンリベット蒸留所は裁判所に提訴し、
.哀譽鵐螢戰奪半留所は蒸留所名に定冠詞である「THE」を付けることを許される。
他の蒸留所が「グレンリベット」の名を使用する場合は「−」(ハイフン)を付けねばならぬ。
という判決を勝ち取った。

前回の記事の最後に書いたが、ジェイズ・バーにも時々こんなお客さんが現れる。

たまたま目の前にあった「マッカラン」を手に取り、ふと、そこに「THE」と書いてあることに気付くのだ。
「えっ!?マスター!このマッカラン間違ってます」。

もちろん、マッカランは間違っていない。
とはいえ、それを間違いだと思うお客さんの気持ちも分からなくはない。「THE」を付けて良いのはグレンリベットだけだと聞いていたのに。というのがそのお客さんの素直な疑問だろう。

今まで仕事をする中で何度か繰り返されたやり取りである。実はその疑問に対する僕の答えも正確に正解なのかどうか、自信がない部分もある。グレンリベット蒸留所以外(つまりこの場合マッカラン)のボトルに何故「THE」が付いているのか?その疑問に対して僕はこう答える。

「そのボトルに書いてある“THE MACALLAN”は商品名です」。

シングル・モルトとは不思議なものである。蒸留所というのはウィスキーを製造する工場である。だとすると蒸留所名というのは工場名である。そして多くの場合その工場名がそのまま商品の名前になるのである。かつて「シングルトン」という商品名のシングル・モルトがあった。その「シングルトン」という商品名のシングル・モルトを製造していたのは「オスロスク」という名の蒸留所であった。シングル・モルト以外の製造物であれば、その工場の名と商品の名を違うものにすることは不思議なことでもなんでもない。しかし、シングル・モルトの場合、工場の名と商品の名が違えばどこか不思議な気がしてしまう。そのくらい蒸留所名と商品名は一緒、という感覚があるのだ。
蒸留所名が「オスロスク」、商品名は「シングルトン」。
たったそれだけのことに「へぇ〜」と思ってしまう我々がおかしいのかもしれない。

たぶん明日に続く。
寿司屋の親方とブラジルVSクロアチア戦を観ながら日本敗戦の責任について深く考えた水曜早朝。
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侍、腹を切る。

オーストラリアに完敗である。
言い訳はするまい。拙者の落ち度によるものだ。その責はこの侍にある。
故に、本日モルト侍は腹を切る。ちんけなこたぁ言わぬ。本日ご来店の方、「ハラキリ・モルトをください」。と仰ってくだされ。1杯無料にする。タダである。金は要らぬ。何にするかは今のところ未定。いつものハラキリ・モルトと同様、銘柄はこの侍が決める。
よろしいか、タダである。

本日は刺客も集金に参るとのこと。
飲んで行け、刺客。1杯付き合え。
皆様もお付き合いくだされ。

やはり、ちょっとだけ言わせてくれ。
ひと言だけだから。

結果を見ればあきらか。オーストラリアは強かったのだ。
敗因は「リアル」にある。
我々よりもオーストラリアは「リアル」なサッカーをしたのだ。
ヒディンク率いるオーストラリアに、日本は「リアル」で負けたのだ。

タダ酒を飲みたい方、是非ともこちらを。人気ブログランキング

いよいよ決戦の日。

さて、本日はいよいよ決戦初日である。
日本を代表する11人の侍はオーストラリアのカンガルーと戦うこととなった。向こうは良く飛び、良く跳ねるだろう。しかも身体がデカイ。ぶつかるとちょっと痛い。確かに注意が必要だ。しかし、何せ相手はカンガルー。足元のボール、しかも早いパス回しにはついて来れまい。気を抜くことなどできないが、全力で戦えば必ず勝てる。あの戦いの場でこちらの経験が有利に働く相手もそうそういない。相手は32年ぶりの出場。今回の代表チームはまさにワールドカップ初心者のようなもの。98年フランス大会の時の日本と同じ。本大会出場で既に目標を果たしているのである。そして、こちらが想像する以上にナーバスなはず。老獪に選手を操るヒディング監督は手強いが戦うのは選手。ゲームが始まればなお更。この相手と戦うのにこちらの経験は大きく有利だ。上手に揺さぶりをかけたい。

皆様には是非ともお集まりいただきたい。
日本の勝利をイメージして観戦に臨みたい。

一言申し上げておこう。
ジーコは負けん気が強い。
勝利のために、「お願いでござる。人気ブログランキング

お詫び

悩んだ末に、ここはやはり素直に謝っておいた方が良いのではないかと思い、お話をさせていただく。

私事を仕事に持ち込むような側面があることを自分でも否定しきれない。心苦しいこと甚だしい。そのことを思えばどこかに罪責感を覚えるのも事実だ。

本日より皆様もご存知の通りワールドカップが始まる。

思い起こせば98年のフランス大会。
信じられないほどに暇なジェイズ・バーであった。今思えば、当時の僕は少しぼんやりしていたかもしれない。ビデオの録画をセットして店に出て営業をした。「世の中そんなにサッカー好きがいる訳でもないだろう」、「興味のない人は飲みに来る」、そう思っていた。サッカーを観た人は来ないのだろうし、家に帰ってゆっくりビール片手にビデオで観戦をすれば良い。そう思っていた。その時点で僕が一番恐れていたのは、家に帰ってテレビを付けた時にたまたまやっていたスポーツニュースで結果を知ってしまうこと。あるいは、帰り道で寄ったコンビニでたまたま新聞の見出しを見てしまうこと。それさえ対策を施しておけば至福のビデオ観戦である。

ついに98年フランス大会は始まった。度肝を抜かれるとはこのことだった。本当にびっくりした。お客さんが誰も来ない。家に帰ろうかと思った。いや、そんな訳には行かない。誰か来るから。

でも、放送時間中は誰も来なかった。試合が終わると続々と人が集まる。お客さんは皆「さっきまで観ていた」サッカーの話に夢中。「黙っとけ!お前ら何様のつもりじゃ!」。いや失礼、お客様である。心の中だけで叫んだ。録画されているビデオは台無しであった。

「ライブで観る」。スポーツ観戦の王道をはずれた僕の負けであった。

2002年、日韓共催。
つまり、時差ゼロである。手は打ってある。何しろ当時はスタッフがいた。観戦後、悠々の出勤。

さて、今回のドイツ。
スタッフはいない。時差を考えるとバッチリ営業時間にかぶる。悔いの残らぬよう、今回は先手を打ちました。営業時間中に店内で観ます。2002年、自国での開催を経た後サッカーの人気は確実に高まっています。98年のフランス大会の比ではないほどに暇になることも目に見えております。なのでお客様のためを思い店内で観戦が可能になりました。興味のないお客様には甚だ失礼とは思いますが、何卒お許しくださいませ。1ヶ月ほどの間、少しばかり騒がしくなるかと思います。ご了承ください。

追記、
全試合やります。

こんな日に申し訳ありません。恥をしのんで、人気ブログランキング

ジム・クライル、グレンリベットを語る。(10)

マッカランのザ一昨日、25のグレンリベットの名を模倣した蒸留所を列挙させていただいた。それらは当然、売れてるウィスキーであるグレンリベットにあやかってその名を使っているということもあるのだが、「グレンリベット」とはそもそも地名でもある。スペイ川に流れ込むリベット川の谷。「グレンリベット」とはつまり地名としての「リベット谷」ということでもある。リベットに限らず「ダフタウン」、「エルギン」など地名を冠した蒸留所は少なくない。

だとすると同じ「リベット谷」に存在するトミントール蒸留所が「TOMINTOUL GLENLIVET」(トミントール・グレンリベット)という商品名でウィスキーを売っていても、「しょうがねぇかな」って気になるのかもしれないが、グレンドロナックやトマーチンなどの、いくらなんでも「リベット谷」とさえ言えないような場所に存在する蒸留所に、「グレンリベット」の名を騙られてもたまらない。そんな経緯があり裁判所に提訴ということになったのだろう。

だから、「ザ・グレンリベット」とは、「正真正銘、まさにリベット谷の中のグレンリベット」という意味でもある。他のグレンリベットの名の付いたウィスキーと混同されないように定冠詞を付けることを許されたのである。「正真正銘のグレンリベット」ではあるが、「正真正銘のウィスキー」という意味ではない。「ザ・グレンリベット」は正真正銘の「グレンリベット」とされたが、正真正銘のウィスキーは他に(グレンリベットを含め)いくらでももある。

押さえて置いていただきたい。「グレンリベット」とは地名であり、蒸留所名であり、そして商品名でもある。

事情にお詳しい方は何の違和感も覚えないかもしれないが、
〆枷十蠅膨鸛覆靴突0貭蟯Щ譴任△襦THE」を付けることを許された蒸留所、グレンリベット。
多くのシングル・モルトに関わる書籍に唯一「THE」を付けられ紹介されている、グレンリベット。
,鉢△了実に間違いはない。

確かに出版物に紹介される時には、グレンリベットのみが「THE」を付けられてその蒸留所名が記載され、その他の蒸留所は「THE」付けられずにその名を記載されている。そしてそれらの出版物にはグレンリベットだけが何故特別に「ザ・グレンリベット」であるのかという薀蓄が説明されていることが多い。

「THE」と付けていいウィスキーは「ザ・グレンリベット」だけなのであろう。と思う人がいてもおかしくない。そんな人がバーのカウンターに座って、たまたま目の前にあった「マッカラン」を手に取り、ふと、そこに「THE」と書いてあることに気付くのだ。

そう、かつてジェイズ・バーでそのお客さんも同じ反応であった。
「えっ!?マスター!このマッカラン間違ってます」。

マッカランは間違ってない。

明日は違う記事を書く予定である。昨日の疑問に今日答えるつもりであったが、今日もまた回り道をしてしまった。続きは来週。

金曜からのことを考えどきどきの水曜深夜。
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ジム・クライル、グレンリベットを語る。(9)

グレンリベットが政府公認第1号の蒸留所であることは既にお伝えした。その後、ゆっくりと公認の蒸留所は増えていく。密造酒の時代は終わりを告げようとしていた。そんな中、グレンリベット蒸留所は新たな困難を抱えることになる。売れるウィスキーであるグレンリベットにあやかろうと、数多くの蒸留所がグレンリベットの名を使い始めたのだ。今日確認できる限りの25の蒸留所については昨日記事にさせていただいた。それにしても恥ずかしげもなくやったものだと思うが、当時は密造酒の時代に幕を引いたばかり。「何でもあり」の時代だったのだろう。

そんな状況をグレンリベット側も黙って見ている訳はない。彼らは自らのウィスキーを守るため、裁判所に提訴することを決意する。1884年、彼らの訴えは判決という形で実を結ぶ。グレンリベット蒸留所は定冠詞を付けることを許され「THE GLENLIVET」となり、それ以外の「GLENLIVET」の名称を使用したウィスキーは「−」(ハイフン)を付けねばならないということになったのである。

その時代の名残は今も見かけることができる。
「LONGMORN−GLENLIVET」(ロングモーン−グレンリベット)。
ロングモーン-リベット







「GLEN ELGIN−GLENLIVET」(グレン・エルギン−グレンリベット)。
エルギン−リベット







さて、グレンリベットが裁判所に提訴してまで勝ち得た「THE」である。唯一定冠詞を付けることを許された蒸留所、「THE GLENLIVET」である。シングル・モルトの父、マイケル・ジャクソン氏の著作「モルト・ウィスキー・コンパニオン」にはアルファベット順に蒸留所が紹介されているが、グレンリベット蒸留所の欄には唯一定冠詞が付けられ「THE GLENLIVET」となっている。

マッカランとリベットここでまた話は少しズレるのだが、写真を見ていただきたい。
左がマッカラン、右がグレンリベット。
見慣れているものに違和感を覚えた方もいるかもしれない。お気づきだろうか?
「THE GLENLIVET」
もちろんこれは不思議ではない。
「THE MACALLAN」
ザ・マッカラン?
定冠詞を付けていいのはグレンリベットだけではないのか?

その疑問に明日答えよう。

ことのほか写真を多く使った本日の記事。
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ジム・クライル、グレンリベットを語る。(8)

「ジム・クライル、グレンリベットを語る」と題して連載を続けているが、実はこのタイトルにはちょっとした間違いがある。グレンリベットを語る時に良く出てくる話であるのだが、グレンリベットは唯一定冠詞である“THE”を付けることの許された「ザ・グレンリベット蒸留所」なのである。なので、本来なら「ジム・クライル、ザ・グレンリベットを語る」とするべきところなのだ。

さて、それでは何故「ザ・グレンリベット蒸留所」なのかというと、売れる商品であるグレンリベットにあやかろうとする蒸留所が後を絶たなかったからなのである。たくさんの蒸留所がグレンリベットの名をパクった。たくさんとはいったいどのくらいなのか?現在確認できる限りのすべて(25)の蒸留所をお伝えしておこう。

ABERLOUR GLENLIVET アベラワー・グレンリベット
AULTMORE GLENLIVET オルトモーア・グレンリベット
BENRIACH GLENLIVET ベンリアック・グレンリベット
BENROMACH GLENLIVET ベンローマック・グレンリベット
COLEBURN GLENLIVET コールバーン・グレンリベット
CRAIGELLACHIE GLENLIVET クレイゲラキ・グレンリベット
DAILUAINE GLENLIVET ダルユーイン・グレンリベット
DUFFTOWN GLENLIVET ダフタウン・グレンリベット
GLENBURGIE GLENLIVET グレンバーギ・グレンリベット
GLENDRONACH GLENLIVET グレンドロナック・グレンリベット
GLENDULLAN GLENLIVET グレンダラン・グレンリベット
GLEN ELGIN GLENLIVET グレンエルギン・グレンリベット
GLEN GRANT GLENLIVET グレングラント・グレンリベット
GLENISLA GLENLIVET グレンアイラ・グレンリベット
GRLEN KEITH GLENLIVET グレンキース・グレンリベット
GLENLOSSIE GLENLIVET グレンロッシー・グレンリベット
GLENMORAY GLENLIVET グレンマレイ・グレンリベット
GLEN ROTHES GLENLIVET グレンロセス・グレンリベット
LONGMORN GLENLIVET ロングモーン・グレンリベット
MACALLAN GLENLIVET マッカラン・グレンリベット
MILTONDUFF GLENLIVET ミルトンダフ・グレンリベット
MORTLACH GLENLIVET モートラック・グレンリベット
STRATHISLA GLENLIVET ストラスイアラ・グレンリベット
TOMATIN GLENLIVET トマーチン・グレンリベット
TOMINTOUL GLENLIVET トミントール・グレンリベット

パクられ放題のグレンリベットもたまらなかっただろう。彼らも黙ってはいなかった。法廷で争うことになったのである。その結果勝ち取った「ザ・グレンリベット」なのである。

明日に続く。人気ブログランキング

ジム・クライル、グレンリベットを語る。(7)

グレンリベットとグレンモーレンジは共に
.優奪が細長い構造を持つポット・スチルを使用すること。
▲潺優薀襪遼富な硬水を仕込み水とすること。
というふたつの点で似たところを持つ蒸留所だ。

そしてもちろん、それは僕の感想の域を出ないが、両者は共に「どちらかと言えば冷たくてきりりとした印象を持つきれいなシングル・モルト」という認識を持っている。ネックが長いことがどんな影響を及ぼすのかについては昨日も書いた。とても簡単に言ってしまえば「ピュアでクリーンな味わい」(グレンリベットの資料より)のシングル・モルトが出来上がるということになる。

ウィスキー作りの前提となる大きなふたつの条件,鉢△同様で、結果として出来上がったウィスキーに僕は似たような感想を持つことができる。だとすればそこには因果関係が存在すのではないだろうか。そのことに改めて納得することのできたジム・クライル氏の話であった。

ただ、グレンモーレンジに関してひと言申し上げておくなら、グレンリベットに比べてグレンモーレンジは「海の影響」を受けている可能性が十分にあるシングル・モルトであるということだ。共に「ミネラルの豊富な硬水を仕込み水とすること」は一緒かもしれないが、グレンリベットのミネラルとグレンモーレンジのそれは内容がまるで同じということはないだろう。それでもなおグレンリベットとグレンモーレンジに「きれい」を感じるのは、「ネックが細長い構造を持つポット・スチルを使用すること」をひとつの大きな要因としているのではないだろうか。

話が少しそれるが、グレンモーレンジのセラー13というシングル・モルトをご存知だろうか?
「セラー13」、つまり13番目の熟成庫という意味なのであるが、グレンモーレンジ蒸留所の中にあって13番目の熟成庫は一番海に近いところにあるのだ。それだけのことでこのシングル・モルトにはミネラルを感じる。具体的に言うなら全般的に「きれい」を感じるグレンモーレンジの中にあって、このセラー13には「じっとり」を感じるのだ。全般的に「滑らか」なグレンモーレンジの中にあって、大袈裟だが「ねっとり」なのである。さらに、因果関係までは判断しようがないのだが、先日開けたグレンモーレンジのネイティブ・ロスシャー、こちらも非常にコクのあるシングル・モルトだ。決して「きれい」なシングル・モルトとは言い難い。

話を戻そう。グレンリベット蒸留所のシングル・モルトはただぼんやりしているだけで「きれい」な訳ではない。本人が意図を持って「きれい」になろうとしているのだ。首が長いことだけが原因でもないようだ。ジム・クライル氏の話によれば極力ピートの影響を受けない様に気を使っているということだ。「ピートを尊重しないようにウィスキーを作る」、とのこと。最近、ピートの煙臭さの濃度をフェノール値で表すことが多くなってきたが、グレンリベットのそれは2ppmだそうだ。恐らく最強と言われるアードベックが50ppm以上であるのに比べると確かに極端に少ない。

それぞれに向きの違う40過ぎの男が4人そろってエロ話に花を咲かせた木曜深夜。
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国際親善試合 日本 VS マルタ

本日、大画面にて放送予定。

・3点以上取る。
・失点を0点にする。

最低条件である。

私が悪い訳ではない。

昨日の記事が更新できなかったのは私が悪い訳ではない。
ライブドアさんに障害が発生しメンテナンスを行っていたため、ブログの投稿ができなかったのだ。私が悪い訳ではない。私は記事を書いて用意していたのだ。用意した記事を投稿しようとしたら、「システムの混雑、またはエラーが発生しております」とメッセージ。

何が原因かはわからない。サーバーも強制捜査されていたのだろうか?

月曜は続きを書きます。
明日も少し書きます。

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ジム・クライル、グレンリベットを語る。(6)

ジム・クライル、グレンリベットを語る。(6)
少し間が空いてしまったが前回の続きである。

.薀鵐織鵐轡Дぅ廚妊優奪が細長い構造を持つポット・スチルを使用すること。
▲好撻ぅ汽ぅ秒楼茲妊潺優薀襪遼富な硬水を仕込み水とすること。
ジム・クライル氏がこの2点を取り上げて、グレンリベット蒸留所の大きな特徴であると語ったことは既に申し上げた。実はもう1点として、年間を通じて一定の気温と湿度の保たれるこの地域の気候が、ウィスキーの熟成に理想的であることを彼は付け加えた。

やはり僕としては,鉢△非常に気になるところであった。仕込み水に軟水を使う蒸留所と硬水を使う蒸留所については僕の知り得る限り前々回リストアップした。それでは,離優奪が「細長い構造を持つポット・スチル」とはいったいどのくらいの長さなのだろう。

ジム・クライル氏が言うには、「マッカランが3m、アベラワーが4m、グレンリベットが6m程度」とのことだ。

会場で僕は少し疑問を持つ。それまで僕は「スコットランドで一番ネックの長い蒸留所はグレンモーレンジ」で、「その長さは5mちょっと」であると記憶していたのだ。そのあたりは非常に気になるところなので、ジム・クライル氏の話の後に質疑応答の時間があることを想定し、質問事項をメモして話の続きを聞いた。ただ、今思えば、ジム・クライル氏は、「マッカランが3m、アベラワーが4m、グレンリベットが6m程度」と語りながら、それぞれのその長さの対象を「ポット・スチルのネック」の長さから「ポット・スチル全体の背丈」の高さにすり替えた気がしてならない。だとすると、「ポット・スチルのネック」の長さだけを調べればグレンモーレンジの方が長いということになるのだろうか?

いづれにしても、グレンリベットとグレンモーレンジはそれぞれに、ポット・スチルのネックが他の蒸留所に比べて長いことに特徴があることに変わりはない。前回の繰り返しになるが、ネックが長いことで、
〇味のある比重の重い蒸気はポット・スチルの最上部まで上昇することができない。
▲團絅△波羹鼎侶擇ぞ気だけが上昇し抽出される。
という結果を生む。

確かに僕はグレンリベットとグレンモーレンジそれぞれに、「きれい」を感じる。言葉を変えれば「冷たくてきりりとした印象」と言ってもいいと思う。

ジム・クライル氏が「3m」と言ったマッカラン。確かにマッカランは「きれい」とは対照的なシングル・モルトだ。もちろん僕もマッカランを「汚い」とは思わない。その重厚なコクこそがマッカランの身上であり個性だ。しかし、素直にマッカランを飲んだ人が、「何だかちょっと泥臭い感じがします」。とそこにネガティブなイメージを持つことは十分に想像できる。

さて、実はグレンリベット同様、グレンモーレンジもネックの長いポット・スチルであり、仕込みの水に硬水を使用する蒸留所なのだ。その意味で本日の記事の冒頭のジム・クライル氏の語るグレンリベットの特徴である,鉢△蓮▲哀譽鵐螢戰奪箸肇哀譽鵐癲璽譽鵐犬剖δ未垢詁団Г任△襦3里に共に「きれいを感じるが、薄っぺらい味わいではない」というシングル・モルトだ。しかし、グレンリベットとグレンモーレンジの持つネガティブな側面に過敏に反応してしまう人が「何だかちょっと赤サビのような気がします」。という感想を持つことは僕にとって不思議ではない。

雨にやられた5月を振り返り反省しきりの月末水曜。
ここはひとつ、お願いをしたい。
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