モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2006年11月

どうやら

どうにもだるいと思っていたら、風邪のようです。
申し訳ないですが、今日は眠らせていただきます。

もちろん、ジェイズ・バーは通常通り営業します。
あなたがお店に来れば、僕は店にいる訳です。
お店で待ってますので、今日は眠らせてください。

すんません。
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だから私は嫌われる(5)

「バーテンダーはモルト「だけ」に頼るべきではない」。
もしもあなたがそう仰ったのなら、僕もその意見に全面的に同意する。僕自身、当たり前のようにカクテルを作る毎日であるし、自分が作ったものが少しでもおいしくなるよう努力をしている。お客さんを不愉快にさせたくはないし、愉しい時間を過ごしてもらいたい。だから、人としても真っ当でありたいと願って止まない。僕だって、シングル・モルト「だけ」に頼って働いている訳ではない。

人と酒の間に立つのがバーテンダーだ。僕らの職業意識の中で恥かしくないと思う方法で、お客さんを愉しませるのが僕らの仕事ではないだろうか。確かにシングル・モルトだけに頼る必要もないだろう。だけど、「モルトに頼るべきではない」。そう仰ったあなたは、それでは何に頼っているのだろう。

あなたの言い方を使うなら、僕は「モルトに頼る」バーテンダーだ。僕なりに言い換えさせていただくなら、「シングル・モルトを得意とする」あるいは「シングル・モルトを提供することを軸に仕事をする」バーテンダーだ。あなたは何に頼り、何を得意とし、何を軸に仕事をしているのだろう。

例えばそれはカクテルなのだろうか。
では、伺いたい。モルトに頼るバーテンダーに否定的なあなたは、
「バーテンダーはカクテル「だけ」に頼るべきではない」。
そう言えるのだろうか?

バランス良く、様々なことに精通してこそバーテンダーであると、もしもあなたが、そういう主旨のことが言いたくて「モルトに頼るべきではない」と仰ったのであれば、バーテンダーはラムにも、ワインにも、テキーラにも、そして当然カクテルにも、つまり、何かひとつのことに頼るべきではないのだろうか。

もしもあなたが、僕に向かって「バーテンダーはモルト「だけ」に頼るべきではない」、と仰りたいのであれば、あなたもまた「カクテル「だけ」に頼るべきではない」のではないだろうか。僕にもあなたにも、お互いにバーテンダーとして仕事の軸となるものがあるだろう。それはつまり、それぞれが得意とすることである。僕にとってのそれはシングル・モルトであり、あなたにとってのそれはカクテルなのだろう。

どうだろう。僕らはそれぞれが違う種類のバーテンダーだという認識を前提に、お互いをリスペクトし合うことはできないだろうか?

「モルトに頼る」バーテンダーに否定的なあなたのことだ。さぞかしカクテルがお得意なのだろう。そういう自負があるからこそ、「バーテンダーはモルトに頼るべきではない」と発言なさったのだろう。だけど、あなたは恐らく知らないはずだ。シングル・モルトを提供することの意味を。

この連載の初回に僕はこんなことを書かせていただいた。
*********************
「買って来たものを量って売るだけなのがシングル・モルト」、ということが言いたいのだろう。
「ラクで良いよね」って。
*********************

あなたはきっとこんな気持ちで「バーテンダーはモルトに頼るべきではない」、と言ったのではないだろうかと僕は思っている。もちろんそれは僕の憶測の域を出ない。だけど、もしもそうだとするなら、あなたの僕に対する認識は間違っている。

あなたは恐らく、知らない。

毎度のことですが、長くなってすみません。人気ブログランキング

だから私は嫌われる(4)

僕らは後ろの棚から酒瓶を取り出し、おいしいと思うような形であなたの前に運ぶ。それがバーテンダーの仕事だと思っている。バーテンダーとは酒と人の間に立つ者のことである。それが僕の基本的なポリシーだ。もちろんカクテルが得意であるに越したことはない。僕よりもカクテルが上手なバーテンダーは世の中に存在するし、そのようなバーテンダーの作るカクテルに感激をすることも多い。それらの人たちの努力と才能に僕は心の底から敬意を表す。素晴らしいと思うのと同時に、我が身の非力を恥じ入るばかりだ。

しかし、バーテンダーとは酒と人の間に立つ者のことである。もちろん、当たり前のものが当たり前に作れるということは最低条件になるだろうが、カクテルを作ることだけが僕らの仕事ではないはず。酒と人の間に自らの居場所を求めたのだ。人に向かい愉しみを提供するのがその役割と心得る。恥かしがってばかりもいられない。

酒と人の間に立ち、人に向かい愉しみを提供するのが僕らの仕事だ。その方法としてカクテルを作ることの重要性を僕は認識しない訳ではない。しかし、カクテルを作ることだけが僕らの仕事ではない。当たり前だが、僕だってカクテルを作るのだ。しかし、僕らの仕事の範疇でお客さんを愉しませるのが僕の仕事だ。

さて、ここまでお付き合いいただいた皆様にはご面倒でも最初に戻っていただこう。

件のバーテンダー氏の台詞である。
「バーテンダーはモルトに頼るべきではない」。

そのバーテンダー氏はモルトに頼るバーテンダーに否定的なのである。彼の目から見て「モルトに頼るバーテンダー」というのは僕のような者を指すのだろう。話が進まないのでここではあえて「頼る」という言い方に難癖を付けるのは止めておこう。僕にはシングル・モルトを「得意」とするバーテンダーだという自負はあるのだから。

売られた喧嘩は買わねばなるまい。シングル・モルトに携わるすべての人のためにも。

まずはひと言、申し上げよう。
この侍、シングル・モルトを得意とすることを恥かしいと思ったことはない。
あなたは言い方を間違っている。
「バーテンダーはモルト「だけ」に頼るべきではない」。
そう言っていただけないだろうか。

続けても宜しいか?皆様。人気ブログランキング

だから私は嫌われる(3)

確かに多くの人に「カクテルが得意なバーテンダー」、というのをイメージするのは容易いかもしれない。「シングル・モルトが得意なバーテンダー」は分かりづらいかもしれない。多くの人にとってバーテンダーとは、カクテルを作る人のことを指すのだろう。

もちろん僕の解釈は少し違う。バーテンダーとは酒と人の間に立つ者のことである。
カウンターに座るあなたからは見れば、目の前に僕たちバーテンダーがいて、その後ろに酒瓶の並ぶ棚があるはずだ。僕らは後ろの棚から酒瓶を取り出し、おいしいと思うような形であなたの前に運ぶ。それがバーテンダーの仕事だと思っている。

だから当然、カクテルを作ることも僕らの仕事のひとつだ。もちろん僕もそのことに異存はない。カンパリをおいしく飲みたい人に、例えばカンパリ・ソーダを作るのは僕らの仕事だから。
飲みたいものがある人にはオーダーの通りに作るし、それが決まってない人には提案をする。少しばかり話を聴いて、好きなものと嫌いなものを知れば大きく間違えることはない。

お客様からお金をいただいて僕らはカンパリ・ソーダを作る訳である。もちろんそれが僕らの仕事なのであるが、だったら一体僕らが作るカンパリ・ソーダはどのくらいおいしくある「べき」なのだろう。カンパリ・ソーダの材料はあなたでも手に入れることができる。あなたは自分の家でカンパリ・ソーダを自分で作って飲むことも可能なのである。だけど、そんなあなたに僕はジェイズ・バーに来て欲しい訳だ。

それを前提に考えるなら、僕の中で正解は実に簡単だ。
僕のカンパリ・ソーダはあなたが家で作るカンパリ・ソーダよりおいしくあるべきである。

実に簡単な正解を前に僕は日々精進をしていきたい。その努力を怠らず続けていくことは、それこそが仕事であることの所以である。自分で作れるものよりまずいカンパリ・ソーダが出てきたら、そりゃ誰だって嫌なはずだ。

ところが話はそんなに簡単ではない。実に簡単なその正解を前に僕は途方に暮れることになる。冷静に我が身を振り返って考えてみるなら、僕は僕の作るカンパリ・ソーダが日本で一番においしいカンパリ・ソーダである自信がない。僕のカンパリ・ソーダが一番ではないということは、ジェイズ・バーに僕よりおいしいカンパリ・ソーダを作る人が、お客さんとして来る可能性があるということである。

駄目じゃないか。

ではどうすれば良いのだろう。僕は店を辞めるべきなのだろうか。いやいや、冷静になろう。確かに僕は日本一ではないだろうが、多くのお客さんよりはカンパリ・ソーダをおいしく作れるはずである。カンパリ・ソーダに限らずカクテル全般に対してもそうだろう。僕はカンパリ・ソーダを決しておろそかにしていないが、より手の込んだカクテルを突き詰めていけばオリジナリティは増す。ジェイズ・バーでしか飲めないカクテルとなれば、僕は胸を張って仕事ができるしお客さんも喜んで来てくれるのだろうけど。

いやいや、何事も大袈裟に考え過ぎな侍である。
大袈裟な侍に1票。人気ブログランキング

ジェイズ・バー、冬の定番

コーヒーちょうど良いくらいに寒くなって来た。昨日は雨も降るはっきりしない天気。雲の向こうに隠されたお日様は、街を十分に温めてはくれなかったようだ。そろそろ、冬の名物、アイリッシュ・コーヒーを始めようかと思う。本日より・・・。

昨日は祝日でブログの記事を書くのをお休みさせていただいた。一昨日の続きを楽しみにしていた方には申し訳ありません。来週になります。

話は変わるが、12月9日(土)に秘密の会合を開く予定。
残念だが、ここでは詳しく語れない。詳細はジェイズ・バーで直接問い合わせていただきたい。
未だ誰も見たことのない。そして、この機会を見逃したらもう2度と見ることのできない映像をご覧いただける秘密の会合である。
興味のある方は人気ブログランキングで順位を確認した後、蓮村までお問い合わせを。
もちろん、観た人は誰にもしゃべってはいけない。

週末を前に、人気ブログランキング

だから私は嫌われる(2)

一昨日の記事の続きです)
さて、僕はちょっとばかりややこしい立場に立っているのかもしれない。僕が反論を試みようと考えるバーテンダー氏はひとつの固有の人格を持たない。そもそも僕という特定の個人を相手に、「バーテンダーはモルトに頼るべきではない」という台詞が放たれた訳でもないのだ。

会ったこともない人に向かって物申そうとする僕は愚かであるのだろう。しかし、確信犯として少しばかり開き直らせていただこう。だって、話が進まないではないか。いたずらに人を傷つけることを僕はもちろん好まないが、相手はまだ見ぬバーテンダー氏。虚像を相手に徒手空拳の侍である。幸いなことに人に笑われるのは慣れている。いづれにしたって、僕は考えるのを止められない。

もちろん人生にはシングル・モルトよりも大切なものはいくらでもある。そして、僕はバーテンダーを職業として選んだ人間である。そのふたつのことが本日の話題の前提であることを、まず皆様にお伝えしておきたい。

まだ見ぬバーテンダー氏への反論
「バーテンダーはモルトに頼るべきではない」と語るバーテンダー氏に僕は問い掛けたい。「反論をするなら、対案を出していただけないだろうか?」。あなたの眼から見て「シングル・モルトに頼るバーテンダー」をあなたは否定したのだから。僕はあなたに聞きたいのだ。つまり、「あなたがバーテンダーとして頼るものは何ですか?」と。確かにあなたから見れば僕はシングル・モルトに頼って仕事をしているのだろう。あなたのその認識について、僕はあえて否定しない。詳細について語りたいとは思うが、その通りで結構だ。ならば、あなたは何に頼っているのだろう。つまりあなたは何が得意なのだろう。ひと言申し上げよう。僕はシングル・モルトが得意だ。

あなたは笑うのかもしれない。バーテンダーとして「シングル・モルトが得意とはどういうことなのだ」と。

僕はバーテンダーという職業をする上で、取り扱う商品の中からシングル・モルトを軸に据えて働いて行こうと心に決めている。僕らはお酒を飲ませる場所で働いている。そのことに僕もあなたも変わりはないはずだ。

僕らは世の中の酒すべてを網羅することはできないだろうが、でき得る限りお客さんの望むものを用意したいとは思うはずだ。お互いに。コーヒーを100種類仕入れることは少しズレていると思うが、シングル・モルトを100種類扱うことは「おかしいこと」ではないはずだ。それは僕らの仕事の範疇にあるのだから。酒の中で「あなたは何を軸に据えて働いて行こうと思っているのであろう」。

さて、「バーテンダーはモルトに頼るべきではない」と語るあなたのことである。そんなあなたが頼るものは、例えばワインやラム酒ではあるまい。「買って来たものを量って売るだけ」というあなたの解釈からすれば、シングル・モルトと同じなのであるから。僕のようなシングル・モルト売りのバーテンダーに批判的な立場のあなたは、恐らくカクテルを軸に据えて働いているバーテンダーなのではあるまいか。つまり、あなたはカクテルの得意なバーテンダーなのだろう。

皆様には誤解をしないでいただきたい。何も僕は「カクテル派」の方々と喧嘩をしようというものではない。ましてや喧嘩を目的に「モルト派」の領袖となるべく派閥を立ち上げようなどとは思っていない。子供の頃から集団で行動するのが苦手なのだ。昨日も申し上げた。僕が望むのは、互いをリスペクトできる関係である。僕は相手が大切にしているものを汚したいとは思わない。そして、僕が大切にしているものを誰かと一緒に愉しむことができたら嬉しい。それはいつだって僕の基本的なスタンスであるし、そのスタンスはこれからも変わらない。

話は明日に続きます。
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「ツキイチBLT」。昨日はラーメン屋敗退。
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お知らせ、ふたつ。

ウィスキースタイル昨日の勢いのまま続きを記事にしたいと思っていたのだが、本日は緊急を要するお知らせがあるので失礼をさせていただく。期待をしていただいていた方には申し訳ない。

写真は今週から書店に並び始めた日本経済新聞社のムック「ウィスキー・スタイル」。どちらかと言えば初心者向け、ウィスキーに関わる膨大な情報を手際良く整理し、網羅しようとしたさまのうかがえる丁寧な書籍だ。取材を通してスコットランドや日本の蒸留所が紹介されているのも好印象。「詳しいことは知らないが、ぼんやりとウィスキーに興味がある」という人には悪くないと思う。ウィスキーとはいえ、そのほとんどがシングル・モルトに関わる記事なのもありがたい。

巻末に近いあたり、「大人を誘うバーへの招待 / 全国70・珠玉のバー案内」の欄にジェイズ・バーが掲載された。70分の1とはいっても大変に栄誉なことであると思い取材を受けたのであるが、何とそれだけでは話は終わらない。

侍アップ70件のバー案内の前のページに見開きで「マスターが教える大人のオトコの飲み方」と題してこの侍が、蓮村が、お話をさせていただいている。内容に関してはこのブログ「モルト侍」の読者であれば既にお馴染みの話であるが、侍の凛々しい姿の写真が欲しい方は是非買っていただきたい。今回話をさせていただいたのは、概ね「シングル・モルトの森」の話だ。

どうやら編集の方がこのブログ「モルト侍」を読んでくれたことが掲載のきっかけとなったようだ。ぼちぼち2年になる「モルト侍」。僕にとってひとつの成果と言えるこのことを素直に喜びたい。できる限りたくさんの人とシングル・モルトの愉しみを分かち合えれば僕は嬉しい。裾野を広げることこそが僕の仕事と自負している。そのためになら、僕は人前に顔をさらして行こうと思う。


さて、ふたつ目のお知らせである。このお知らせ、実は緊急度が高い。

先日、久し振りに侍は刺客と闘った。残念ながら刺客の首を獲ることはままならなかったが、我ながらなかなかの太刀捌きであったと思う。記事にはしなかったのであるが、実はこの後、悔し紛れの刺客は傍にいたラーメン屋に声を掛けた。
「ラーメン屋殿、お手合わせ願いたい」。
快く勝負を受けたラーメン屋であったが、見事に散った。良く飲んでいたはずのリンクウッドであったが外してしまった。次に口惜しがったのはラーメン屋。刺客に食い下がる。少しばかり溜飲を下げていい気になった刺客が吠えた。
「では11月から3ヶ月。月イチで勝負をしましょう」。
ラーメン屋が勝てば刺客秘蔵のレアなシングル・モルトをラーメン屋に贈呈。
刺客が勝てば今まで誰も食べたことのないレアなラーメンを刺客に贈呈。

よろしいか皆様、ラーメン屋を応援すべし。
刺客の負けを祈って、ラーメン屋の御相伴にあずかろう。

「セカイチBLT」に続き、刺客VSラーメン屋の「ツキイチBLT」。
本日開催!
ご支持を。人気ブログランキング

ついでと言っては何ですが、本日はサッカーオリンピック代表、韓国戦。
観る?

だから私は嫌われる。

別に開き直っている訳ではないのだが、と言い出しておいて、やはり開き直りと思われても仕方ないと考え直した。身も蓋もない話にならなければ良いのだが、今日は少しばかり正直な心情を吐露させていただきたい。

先日、あるお客さんのひと言をきっかけに色々と考えを巡らせてしまった。その人のその言葉に僕は傷付いた訳でもないし、不愉快な思いをした訳でもない。もちろん悲しい訳でもないのだが、ちょっぴり切ないな、というのが偽らざる気持ちだろうか。むしろ、その人の言葉をきっかけに僕は色々なことを考えることができた。そのことに感謝をしたいと思う。

その人はあるバーでの出来事を僕に語ってくれた。恐らくは食事をした後、少し濃い目の酒が欲しくなってそのバーに立ち寄ったのだと思う。シングル・モルトを何杯か飲んだのだと思う。その時にオーダーを手際良くこなすバーテンダーに言われたのだという。

「バーテンダーはモルトに頼るべきではない」。

ことの顛末を軽い調子で話すその人は、「それはそれで良いんだけど、モルトが飲めない店はやっぱり嫌だな」。何だかとてもありがたい。僕はその軽い調子を受けて、「俺なんか、シングル・モルトに頼りっぱなし」。そう言って笑い合った。その後、話はくだらないバカ話に流れ、その話題がほじくり返されることはなかったのだけれど、すべてのお客さんが帰って後片付けをしている僕は少し長めのため息を付くことになる。

確かに前後の文脈は分からない。だから、どのような意図を持って「バーテンダーはモルトに頼るべきではない」、という台詞がそのバーテンダー氏から出てきたのかを考えることは想像の域を出ない。だけど、その一文だけを捉えるならば「買って来たものを量って売るだけなのがシングル・モルト」、ということが言いたいのだろう。「ラクで良いよね」って。
僕には分からない。そのバーテンダー氏は「何に頼って」仕事をしているのだろう。

実のところ、僕はそういう言われ方にとても慣れてしまっている。慣れてしまっている自分に少々うんざりするのは確かだが、さて、僕は声高に何かを叫ぶべきなのだろうか。

そもそも僕は「べき」があまり好きではない。「頼るべきではない」、「叫ぶべきなのだろうか」。いづれにしても「べき」である。誰かが耳元でささやく「べき」に僕はある種の呪いを感じてしまう。「ああするべきである」、「こうあるべきである」。もちろん「分かっているさ」と言い返したいのだが。

僕はあまり好きではないことをしなければならないのだろうか。
僕には人として、社会的な立場のある人として、しなければならないことがいくつかあるのだろう。高度な社会性を保ってこその人の世の中である。その前提なしに僕らは生きられない。僕は世の中の外側に身を置いて暮らして生きたいとは思わない。そう、だから、僕には社会人として「やるべき」ことがあるのだ。そう、もちろん「分かっているさ」。

「バーテンダーはモルトに頼るべきではない」。
そう語ったバーテンダー氏はどんな意図を持っていたのだろう。僕はバーテンダー氏に問い掛けたい。

「反論をするなら、対案を出していただけないだろうか?」。

僕は心の底からシングル・モルトを大切に扱っている。僕にとってシングル・モルトはとても大切なものなのだ。僕は僕の大切なものを汚されたくない。僕はあなたの大切にしているものを汚そうとは思わないが、もしもあなたが「僕の大切なもの」を丁寧に扱ってくれるなら、僕はあなたの大切にしているものを丁寧に扱うことができるだろう。確かに、「反論をするなら、対案を出していただけないだろうか?」という物言いは大袈裟に過ぎるのかもしれない。僕が聞きたいのは「ならば、あなたの大切なものは何ですか?」ということだ。だけど、互いをリスペクトすることで信頼関係を築いて行くことができるのも人ではないだろうか。僕はそのように人と仲良くなりたい。

さて、まだまだ言い足りないことはたくさんあるが、字数の都合上本日はこの辺で。
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ウケが悪いようなら続きは止めときます。いや、早目に切り上げます。
支持が多いようなら続きを書こうと思う。
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イチローズ・モルト ダイヤのキング

イチロー D-Kちょっと前の話になるが、イチローさんのウィスキー、カード・シリーズの「ダイヤのキング」がウィスキー・マガジン56号のジャパニーズ・ウィスキー特集で、最高得点となる「ゴールデン・アワード」を受賞したことは既に記事にさせていただいた。その後、酒屋へと走った侍であるが既に「ダイヤのキング」はどこの酒屋でも売り切れ。皆様にも飲んでいただきたいと思ったが、泣く泣くあきらめたのだが。

先日イチローさんから葉書を頂いた。何と、ヨーロッパ市場向けに再び「ダイヤのキング」を瓶詰したとのこと。前回と同じ樽から今回はセカンド・リリースとなる。つまり、ファースト・ボトリングのものより若干熟成期間が長くなるということである。

葉書を頂いてあわてて酒屋に走った。
もちろん1本手に入れた。
当然皆様に飲んでいただきたい。
1週間限定であるが一杯、1,500円である。
お試しくだされ。

そうそう、話は変わるが、イチローさんの「ハートの9」。一昨日、微かに飲み残しのあるグラスをそのままに洗わずにカウンターの上に置いて帰った。翌日グラスから立ち昇る香りを嗅いだ。凄いことになっていた。非常に強烈なメープルシロップの香りである。嗅いでみたい方、一声おかけ下さい。本日まで。
いくらなんでも、明日には飛んでるだろう。

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イチロー DM

ブラインド・テイスティング心得(2)

知らないことを恥じることはない。感じれば良いのだ。あなたが知っていることは、あなたにとって一番に大切なことではない。一番に大切なことはあなたが感じることだ。それは他の人の感じることと違っていても構わない。感想に正解はないのだから。シングル・モルトを飲んで感想を持たない人はいない。飲めば感じる。飲んで感じた後に何かを知りたいと思ったら、知ろうと思えば良いではないか。

舞い降りる。
さて、予定通り話が逸れた。侍のブラインド・テイスティングの続きである。
ブラインド・テイスティングに際して、僕の心はシングル・モルトの森の上空を飛ぶ。ゆっくりと空高く舞い上がり、森全体を見渡せるように高度を保つ。グラスを鼻に近づける。僕の中に第一印象が生まれる。あるいは何かを思い出す。先入観のない分だけその感想は素直だ。その感想を軸におおよそどの辺りに正解があるのか目星を付ける。森と林と木という切り口で考えるなら、森全体を見渡せる高度から林がしっかり見渡せるくらいの高度にまで下がるということである。

一昨日のブラインド・テイスティング。正解はグレンリベット。侍の第一印象はグレン・エルギン。ともにスペイサイド・モルトである。第一印象でグレン・エルギンと思った途端、侍は高度を下げすぎた。森全体を見渡せるほどの高度から、一気にグレン・エルギンの木のそばに舞い降りてしまった。舞い降りてその木の幹に寄りかかり、グラスの中のシングル・モルトと飲み比べ、つくづくこれはグレン・エルギンではないと思った。

香り・味、ともに十分に甘味を感じるのがグレン・エルギン。グラスの中のシングル・モルトは香りほどの十分な甘味がない。よくよく嗅いでみると、先ほどまで甘かった香りは少しづつくぐもって来る印象すらある。しばし、天を仰いだ。どうやら間違ったところに舞い降りたようだ。グラスの中のシングル・モルトはざらっとして「雑に濃い」印象。グレン・エルギンならもう少しはスムーズであるはず。どこかに煙たさすら感じ、ぼんやりと塩味すら感じてしまう。

ここまで来るともう完璧に迷子である。地に舞い降りた侍は、シングル・モルトの森のスペイサイドの林のグレン・エルギンの木の前から、一気にアイランド・モルトの林の方向に全速力で駆け抜けた。ハイランド・パークとスプリングバンクの2本のボトルをカウンターの上に置き、「このうちのどちらかが正解だ」などとほざく体たらくである。

先日久々に刺客と闘った時は森全体が見渡せる高度から、ゆっくりとハイランドの林が見える高度まで降りて、そのハイランドの中でも「沿岸部」に位置する辺りの木を十分に観察し、クライネリッシュ、バルブレア、ストラスミル、プルトニーの4本の木に絞るところまではたどり着いた。結果として正解のクライネリッシュを選ぶことはできなかったが、十分に納得の行く勝負にはなったつもりである。

ブラインド・テイスティングはくじ引きではない。間違えても良いのだ。しかし、間違えの意味を知ることが大切である。

日々精進。
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ブラインド・テイスティング心得

タイトルを変えたが昨日の記事の続きである。一昨日のブラインド・テイスティングの結果を受けケース・スタディとさせていただきたい。ブラインド・テイスティングにあたる侍の流儀、あるいは心得といったようなものである。

以前、シングル・モルトの森の話をさせていただいた。蒸留所を「木」に例えてみては如何だろうか。地域区分を林と思ってみては如何だろうか。となればそれらの集合体をシングル・モルトの「森」と考えることはできぬか。という提案である。

空に舞い上がれ。
シングル・モルトをわざわざブラインドで飲むというのもおかしな話かもしれない。だけど、先入観のないままシングル・モルトを飲むという行為は、僕らに何か新しい発見をもたらしてくれえる。ボトルの顔を知ることなく飲めば、その液体の味わいだけを評価せざるを得なくなる。そのシングル・モルトのブランド力などブラインド・テイスティングの前で無意味なのだ。

もちろん僕らが判断し評価を下すのは、そのシングル・モルトの「良し悪し」ではない。あくまでも自分の「好き嫌い」である。ありがたいことに僕らはシングル・モルト評論家ではないのだ。無責任で構わない。ゲームであることを考えればなおさら愉しくもある。当たれば嬉しいし、外せば口惜しい。

例えば、目の前の一杯がマッカランであることを知らされて飲む場合、僕は頭の中でシングル・モルトの森の地図を広げて、スペイサイドの林のマッカランの木を指差しながら飲む。「ふむふむ、これがオフィシャルのマッカラン18年物であるなら、この一杯はこの枝のシングル・モルトであるのだな」、と。しかし、それがブラインド・テイスティングである時、僕の心はシングル・モルトの森の上空を飛ぶ。

ブラインド・テイスティングのような形でシングル・モルトを飲むことができれば、気持ちの中にある先入観を排除することは可能になる。しかしどんなに先入観を排除しても「第一印象」までをも排除することは不可能だ。それを口に含む前、香りを嗅いだだけでも、人はそのシングル・モルトに何かを感じてしまう。具体的に甘さを感じたり、塩気を感じたり。レモンやオレンジあるいはクッキーやカステラやバタースコッチやチョコレートや皮製品や咳止めシロップやらをイメージしたりする。思い出が溢れてくることもある。港町の魚市場を歩いていることを思い出したり、キャンプで過ごした夜の焚き火を思い出したり、あるいはとても切ない夜の出来事を思い出したり。だから、「第一印象」を止めることはできない。

むしろ、先入観がない分だけ「第一印象」は溢れるのである。銘柄を知らないのだから、あなたは「著名な人が言っていた感想を採用し、自分の感じたこと」とすることができない。素直にならざるを得ない。つまり、ダルモアを飲んで「トフィーのようですね」とは言えない。

あなたは「ダルモア」というシングル・モルトに、「トフィー」というタグを付けることを教えられている。「トフィー」というタグだけを持って来店したあなたは「ダルモア」をオーダーし、そこに持ってきた「トフィー」というタグを付けたがっている。

ブラインド・テイスティングを前に、時にあなたの知識は無意味だ。気の利いた感想を述べることが目的でシングル・モルトを飲むなら、知識は必要となるかもしれない。しかし、飲んでいるシングル・モルトの銘柄が分からなければ、あなたの知っている知識は必要がなくなる。

ブラインド・テイスティングは知識のない人にこそ愉しい。外しながら知ることができる。
皆様のご支援を賜りたい。人気ブログランキング

頂上決戦

横井君とラーメン屋は同点で並んだ結果、2名の優勝者を生んだ10月の「セカイチBLT」。その2名が師弟関係にあったことが、ふたりに決着を付けさせることとなった。因縁の対決である。前回師匠である横井に大きく差を付け2位となったラーメン屋。今回は何とかふたりで首位に並び面目を保った。

そのままにしておけば面目躍如で済んだのかもしれないが、それもちと面白くない。「対決をしてみぬか」、との問い掛けにふたりは快く応えてくれた。

用意したのは、
アードベック、ブナハーブン、グレンリベット、グレン・エルギン、グレンフィディック、クラガンモア、ハイランド・パーク、タリスカー、スプリングバンク、オーヘントッシャンの10本。すべてオフィシャルのスタンダード品である。この中から1本を選びブラインド・テイスティングをさせようというのである。

勝負は横井とラーメン屋で行うはずであったがどういう訳か鶴ちゃんが飛び入りで参加。
僕が選んだのはクラガンモア。しかし、1回目の勝負は引き分け。両者共に一歩も引かぬ互角の戦いである。

2回目の勝負を行うことになった。僕が選んだのはグレンフィディック。ふたりはその味と香りを確かめ解答を書く。ラーメン屋(そして鶴ちゃん)の解答は「オーヘントッシャン」。一方、横井の解答は「タリスカー」。両者不正解。

2回目の勝負、問題を変更せぬまま2度目の解答を求めた。ラーメン屋の解答は「グレンリベット」。横井の解答は正解である「グレンフィディック」。師匠横井の勝利であった。

お見事!
まだまだ、弟子は師匠に追いつけぬようだ。

さて、話はこれで終わらない。
先日久々の刺客との因縁の対決に気分を良くした侍。ふたりの勝負の後、「ワシにもやらせろ」と手を挙げてしまった。「こんな程度の選択肢に間違えるはずもない」、とまで豪語した。

出題を担当したのは鶴ちゃんが選んだのはグレンリベット。侍の退席中にグラスにシングル・モルトは注がれていた。よろしいか皆様、正解はグレンリベットである。

まずは香りを嗅ぐ。その時点で「直感的に浮かんだ答えはグレン・エルギン!」。しっとりと甘い香りにスペイサイド的なるものを感じた。しかし、ひと口飲んで戸惑いを覚えた。

無様な侍の暴走振りは明日の記事に。
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目白田中屋

11/10仕入池袋界隈、バー業界震撼のニュースが飛び込んできた。
本日のタイトルの酒屋さん、目白田中屋が今月末に閉店するのだ。

気の利いた品揃えで定評のある、だからこそ時々仕入に行かねばならないと思わせる、この侍にとっても重要な仕入先である目白田中屋。先日、立ち寄った際にお店の方に呼び止められ、今月末の閉店を告げられた。確かにその日の売り場の棚は少しスカスカ状態。ふと見れば、食品類の並ぶ棚にはまったく商品がない。年末の繁忙期を前に呆然と立ちすくんだ侍であったが、心配は無用。

「12月の初旬には地下に移って営業します」。

現在営業している店舗は一階。12月には同じビルの地下一階に移転とのこと。数日間はお休みをするだろうが、再開することは確実である。話によれば地下の店舗は現在よりも広い売り場になるとのこと。扱う酒の種類も大きく増えることだろう。楽しみである。

さて、冒頭の写真はその時の仕入品。
皆様も気になるボトルがあると思うが、詳細はまた今週中に。
何卒よろしくお願いします。「人気ブログランキング」

「セカイチBLT」集計結果分析(4)

感想に正解はない。
ブラインド・テイスティングを機会にアンケートを取らせていただいている。「セカイチBLT」の企画は今後も続けさせていただく予定であるが、このアンケートも合わせて続けていこうと思う。同じシングル・モルトを違う人が飲めば、その感じ方は同じではない。一杯のシングル・モルトは人によって違う切り口で捉えられるのだ。1本の木であっても切り口を変えれば、その断面は違う風に見える。

当たり前だが感想に正解はない。人と違う感想を持つことは間違いではない。だから、勝手なことを言えばいいじゃないか。僕はそう思う。一杯のシングル・モルトを目の前に、あなたの知っていることなど意味はない。あなたがそれを好きかどうか、ただそれだけ。好きなら好きなりに、嫌いなら嫌いなりに、あなたの中に感想はあるはずだ。

感想に正解はない。あるのは、同じような感想を持つ「多数派」である。「多数派」ができあがり、多数決を取るなら、その「多数派」の感想は採択され「一般的な感想」になるのだろうけど、それがあなたの感想と違っていても、あなたがおかしい訳ではない。あなたが少数派なだけだ。あなたが同じシングル・モルトを他の人と違う切り口を持って捉えているだけのことだ。

あなたが素直に味わおうと思い、他の人と違う感想を持ったとしてもおかしなことではないのだ。「他の人と違う感想を言いたい」、というへそ曲がりでなければ、それはおかしなことではない。反対することを目的として「反対」と言いたいのでなければ、いいじゃないか。大切なのは常に同じ切り口を持とうとすることである。いつも変わらぬ態度でシングル・モルトと接しているなら、シングル・モルトは僕らの気持ちに応えてくれるはずだ。

ブラインド・テイスティングに正解はある。
残念だがブラインド・テイスティングには正解がある。それはゲームだから、当たれば嬉しいし、はずれれば悔しい。当たり易くするためには、まず自分の感想を持つことが大事だ。もしもあなたが、他に人と違う感想を持つ「少数派」で、だけど常にその切り口の変わらない人なら、ブラインド・テイスティングは当たり易くなる。あなたは他の人と違う切り口で同じものを見ているからだ。

ブラインド・テイスティングが愉しいのは先入観をまったく排除できることだ。ボトルの顔を見ないでシングル・モルトを飲めば先入観はなくなる。ブランドの権威を借りることなく素直に好き嫌いを判断することができる。飲んでいるシングル・モルトの銘柄を知っていると、人はどうしても自分の感想にある種のバイアスを掛けてしまう。例えばダルモアを飲んでいれば、「トフィーのようですね」。なんて言いたくなってしまう。例えばあなたが「トフィー」を食べたことがなくても。マイケル・ジャクソンの本にそう書いてあったということを知っていただけのことで。

目を瞑って飲んでごらん。
ブラインドなんだから。
浮かんでくるし、思い出すから。

「分析」とは趣旨が違ってしまった記事だけど、人気ブログランキング

「セカイチBLT」集計結果分析(3)

ギリー問題B
正解がグレンギリーである問題B。
「どちらが好きか?」とのアンケートに15対5(どちらでもない2)と圧倒的な支持を受けたグレンギリーであったが、確かにこのグレンギリーはおいし過ぎたかもしれない。おいし過ぎたことがこの問題Bを難問にしてしまったかもしれない。しかもほとんど化粧香など感じないグレンギリーである。グレンギリーであることが分かり難いグレンギリーだったかもしれない。だけど、おいしいのに何が悪いの?とは言っておきたい。

まずは解答がどのように分かれたか確認をしておきたい。
1.グレンギリー(ハイランド)・・・・・・・・・・・・・・5名
2.ダラスデュ(スペイサイド)・・・・・・・・・・・・・・10名
3.ジュラ(アイランド)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3名
4.ブルイックラディ(アイラ)・・・・・・・・・・・・・・・2名
5.スプリングバンク(キャンベルタウン)・・・・・・2名
6.オーヘントッシャン(ローランド)・・・・・・・・・・0名

とてもおいしいグレンギリーだったことが勝負の明暗を分けたのだろうか。昨日も説明させていただいたが、多くの人が「どちらにも塩味を感じない」という印象を持つ問題A,Bである。塩味を感じるはずではないかと思われる3.ジュラ、4.ブルイックラディ、5.スプリングバンクを解答に選んだ人が合計で7名という結果は妥当であろう。塩味を感じるはずのないものを排除したのだ。その事実は今回の参加者の優秀さを表している。

そうなれば、正解は1.グレンギリー、2.ダラスデュ、6.オーヘントッシャンからの3択となる。確かにこの問題B(正解はグレンギリー)、奥行きのある甘味こそが上質なコクを持つ華やかなシングル・モルトである。ダシっぽい印象はない。ハチミツのような甘味がコクを形作っているのだ。その様はハイランドあるいはスペイサイドの内陸部の蒸留所のシングル・モルトの味わいに近い。

多分、侍も間違えた
1.グレンギリー、2.ダラスデュ、6.オーヘントッシャンの中でどれが一番好きか?と聞かれれば皆さんは何と答えるであろう。その結果が素直に解答に表れた気がしてならない。

1.グレンギリー(ハイランド)・・・・・・・・・・・・・・5名
2.ダラスデュ(スペイサイド)・・・・・・・・・・・・・・10名
6.オーヘントッシャン(ローランド)・・・・・・・・・・0名

長期熟成のおいしいオーヘントッシャンだったとしたら、より滑らかでスムースで軽快なものになったのではないかと、僕なら思うだろう。オーヘントッシャンならこのような「ねっとりと甘い」印象にはならないだろうと、僕なら思うだろう。だから、僕もその3つの中からまず最初にオーヘントッシャンを外す。

残った1.グレンギリー、2.ダラスデュのうち、どちらが問題Bに近いかと問われれば、このおいしさと好印象を手がかりに、僕もダラスデュと答えたのではないかと思う。
何卒よろしくお願いします。「人気ブログランキング」

「セカイチBLT」集計結果分析(2)

塩味がないのなら
問題A,Bの「どちらに塩味を感じるか?」とのアンケートに、全解答者22名のうち6名が「どちらでもない」と答えた。例えば、「濃さ」や「柔らかさ」や「甘味」についての質問に「どちらでもない」と答えた解答者は0名。「塩味」に関する質問に6名(27%)もの解答者が「どちらえもない」と答えているこの事実は他に比べ際立っている。

「どちらでもない」が際立って多いだけではない。問題A,B(オーヘントッシャンとグレンギリー)の「どちらに塩味を感じるか?」との質問にA(オーヘントッシャン)と答えた解答者が6名、B(グレンギリー)と答えた解答者が10名、「どちらでもない」が6名なのである。

では、実際の塩味の差はどの程度なのだろう。あくまでも僕の感覚であるが、例えばこの質問に「どちらでもない」という選択肢がなければ(つまりA,Bどちらかに必ず決めなければならないなら)、僕もA(グレンギリー)と答えたのではないかという程度の塩味の差なのである。

さて、この塩味に関するアンケート結果を見る限り、全般的に解答者は問題A,Bの「塩味の差」を的確に感じていたのではないかと思われる。つまり「A,Bの間に塩味に関する明確な差はなく、さらにそのどちらにも塩味自体がほとんどない」ということである。

沿岸部を排除できるのでは?
問題A,Bのそのどちらにも塩味自体がほとんどなく、ダシの要因も感じず、つまり海の影響をほとんど受けていないと考えるなら、選択肢の中からアイランド(島)・モルトやスペイサイドおよびハイランドの沿岸部の蒸留所を排除することが可能と考えられないだろうか。もう一度6つの選択肢を確認しておきたい。

1.グレンギリー(ハイランド)
2.ダラスデュ(スペイサイド)
3.ジュラ(アイランド)
4.ブルイックラディ(アイラ)
5.スプリングバンク(キャンベルタウン)
6.オーヘントッシャン(ローランド)
である。

この選択肢のうち塩味を含め海の影響を受けていることが妥当であると考えられる蒸留所は、3.ジュラ(アイランド)、4.ブルイックラディ(アイラ)、5.スプリングバンク(キャンベルタウン)、ではないだろうか。

問題A,Bについて、それぞれを味わい香りを愉しんだ後、ともに海の影響を受けていない蒸留所であると判断するなら、選択肢のうちから明らかに沿岸部の蒸留所である3.ジュラ、4.ブルイックラディ、5.スプリングバンクの3つを排除しても良かったのではないだろうか。

挑戦者の皆様の解答を集計していて僕は嬉しくも驚くことになる。
問題Aに挑戦者がどのように解答したのかは昨日記事にした。その結果を見れば明らかだが、解答を3.ジュラ、4.ブルイックラディ、5.スプリングバンクのうちのどれかとした挑戦者は22名中7名。正解であるオーヘントッシャンを解答欄に記入した人こそ5名と少ないが、「3.ジュラ、4.ブルイックラディ、5.スプリングバンクではない(つまり沿岸部の蒸留所ではない)」と解答した人が15名もいたのだ。挑戦者の多くはそのことを理解している。

日頃から「ダシ」という言葉を使ってシングル・モルトの中に存在する海の影響について語ることの多い僕であるが、そのことはブラインド・テイスティングにも良い影響を与えているのかもしれない。それを思い非常に嬉しくなった。

ブラインド・テイスティングに強くなれる店、ジェイズ・バーである。
何卒よろしくお願いしたい。「人気ブログランキング」

「セカイチBLT」集計結果分析

第二回 セカイチBLT 正解好評のうちに終了した「第二回 世界で一番当たり易いブラインド・テイスティング」であるが、今回も皆様の解答からなかなか興味深い分析をすることが可能ではないかと思われる。優勝の岩井優樹君と横井清隆君には賛辞を送りたいが、両名の師弟対決はまだ終わっていない。結果は改めてご報告させていただく。

世界で一番当たり易い!?
まずは皆様にひと言お断りを申し上げたい。参戦者の皆様には「難しい」と言われることの多いこの企画であるが、これ以上当たり易いブラインド・テイスティングは世の中に存在しない。確かにブラインド・テイスティングというゲーム自体がそう簡単ではないと思うが、少なくともこの侍はイヂワルはしない。その点ではかつての悪代官や忍者とは一線を画していると胸を張って言いたい。いたずらに混乱を来たすような問題作りはしていないつもりである。

「そもそも」ということで言わせていただくが、ブラインド・テイスティングはくじ引きではないのだ。当たったら嬉しくて、外れたら残念。というだけものではない。もちろん当たったら嬉しいに違いないが、外れたらその意味と理由を知って納得が心に落ちれば良いのではないだろうか。ハズレに意味があればその失敗は次回に繋がる。誤解の積み重ねの向こう側に理解はあるのだ。

しょっぱいか?
正解がオーヘントッシャンである問題Aであるが、選択肢の中から最多の解答を得たのは実は問題Bの正解であるグレンギリー。では、問題Aに皆さんはどう答えていたのだろうか。

1.グレンギリー(ハイランド)・・・・・・・・・・・・・・8名
2.ダラスデュ(スペイサイド)・・・・・・・・・・・・・・2名
3.ジュラ(アイランド)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4名
4.ブルイックラディ(アイラ)・・・・・・・・・・・・・・・2名
5.スプリングバンク(キャンベルタウン)・・・・・・1名
6.オーヘントッシャン(ローランド)・・・・・・・・・・5名

正解であるオーヘントッシャンを何故グレンギリーと間違えたのだろうか。問題Aに感じるドライな部分をグレンギリーのものと捉えたのかもしれない。僕がグレンギリーに感じる「枯れた葉っぱ」のようなニュアンスは問題Aに存在するかもしれない。

実は解答ではなくアンケートの結果と合わせて考えると、解答者のこの分布は若干納得できる部分がある。詳しいアンケート結果については後に改めて考察を加えたいが、アンケートで「どちらに塩味を感じるか?」を聞いている。この問いに6名という多数の解答者が「どちらでもない」と答えているのだ。他のアンケートの問いに「どちらでもない」と答えた解答者はほとんどいない。「どちらでもない」が0名という答えがほとんど。塩味についてのみ6名もの解答者が「どちらでもない」と答えているのだ。

確かに今回の問題A,B(オーヘントッシャンとグレンギリー)はそのどちらもが沿岸部の蒸留所とはいえないだろう。だとすれば、どちらにも塩味やダシの要素は存在しないことは十分にありである。僅かながら問題B(グレンギリー)の方により塩味を感じられると判断することは可能であるが、「どちらに塩味を感じるか?」と聞かれたら、「どちらでもない」と答えることはおかしいことではない。

さて、「もしもどちらにも塩味を感じなかったら」ということで話を進めさせていただくなら、
続きは明日。
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ローズバンク

ローズバンクこのローズバンク、なかなかにうまい。
ウィスキー・エクスチェンジの瓶詰。1991年蒸留、14年熟成、アルコール度数は59度である。甘味のあり方に非常に好感を覚える。ねっとりとうるさい甘味ではない。すっきりと程よく甘いのである。ドライであるとさえ言える。

お馴染みのギリシャ文字のラベルであるが、「ローズバンク」はアルファベットでいうところの「P」から始まる綴り方をするのかと驚いた。

ローランド・モルトの伝統といわれる3回蒸留によるウィスキー。蒸留所は1993年に閉鎖されているので、その前々年の蒸留ということになる。しかし、ファンの多かろうこの蒸留所を何故閉鎖してしまったのだろう。悔やまれてならない。

ウィスキーの味わいを表現するのに、「カステラ」、「スポンジケーキ」、「クッキー」、「ビスケット」、「ショートブレッド」などは良く使われる言葉である。そのどれもが、麦を材料とした焼き菓子という点で、それぞれに「麦芽の甘味と香ばしさ」を表現する上で最適なのだろう。僕も確かに味わいながらそれらをイメージすることは多い。

ローランド伝統の3回蒸留がその原因とは言えないかもしれないが、例えばローズバンクやオーヘントッシャン、地域は少しずれてハイランドやスペイサイドの内陸部のいくつかの蒸留所(例えばダルウィニーやすべてではないがグレンマレイのいくつか)に僕は「ウェハース」を感じることが多い。

簡単にまとめると、「ダシの要因をほとんど感じさせない麦芽系の甘味を持つよりドライな傾向のシングル・モルト」に僕は「ウェハース」を感じるのだ。そして、その「ウェハース」的な味わいを持つ代表的な蒸留所が、僕の中ではローズバンクなのである。

「ウェハース」というのは、つまり口溶けの良いふわっと消えてなくなる感じとでも言ったら良いだろうか。空気をたくさん含ませた上で焼かれたお菓子のようなニュアンスである。

もちろんこのローズバンクにもその「ウェハース」的なるものを感じてしまうのだが、何しろこのローズバンクは味が濃い。カカオ味のウェハースである。しかも、普通のウェハースに比べたら、しっかりと固めに焼いてあるようだ。とはいえ、ウェハースである。「空気」を感じて欲しい。

食ってみ。しばらくの間、¥1,500。
一押し!人気ブログランキング。

優勝の行方

昨日の結果発表に続き本日は優勝者を発表させていただきたい。
実は今回、同点にて優勝者は2名。岩井優樹君と横井清隆君。共に13点の得点である。3位に12点の越後屋。同点の4位は11点で3人が並ぶ結果となった。

前回優勝の中村晴彦君が14点の高得点であったのからすれば、今回は若干点数が落ちたが、何しろ前回もA,Bふたつの蒸留所名を当てた岩井優樹君(ラーメン屋)が、今回も両方の蒸留所名を当てたのには驚く。この男、確実に成長している。

さて、今回のもうひとりの優勝者、横井清隆君とラーメン屋は実は師弟関係にある。勝手で申し訳ないが、「ご褒美」を巡って師弟対決をしていただこうかと思っている。

3位に入ったのは越後屋。日頃の努力が報われたのは確かだが、今回は全般的に得点が低かったことも3位入賞を後押ししただろう。4位は同点で3人が並んだ。前回優勝の中村晴彦君は踏ん張って何とかこの位置につけた。

詳細は本日より店内に貼り出す。気になる方は是非ご来店を。

詳しい分析の記事は来週となる。今回もアンケートの結果から面白い分析を導き出せると思う。間違いの意味を知ることも重要である。

皆様には侍の後押しを。人気ブログランキング

正解発表

第二回 セカイチBLT 正解「第2回 セカイチBLT」の正解を発表いたします。
問題A:オーヘントッシャン、オフィシャル、熟成年数10年、40度
問題B:グレンギリー、ダンカン・テイラー社、熟成年数16年、53.2度

優勝の栄冠の行方は明日発表させていただくが、問題A,Bの蒸留所をふたつとも正解した解答者は2名。ラーメン屋とラーメン屋が師と仰ぐ横井君。詳細は集計結果を待ちたいが、そのどちらかが優勝となるだろう。

さて、昨日の続きであるが、直感的に「クライネリッシュ」と答え、結果としてそれが正解であったにも関わらず、「ファイナル・アンサー」との刺客の問い掛けに「プルトニー」と答えてしまった侍であった。

最終的にハイランド・モルトであるところまでは絞った。ハイランドの北の方の沿岸部。蒸留所で言えば、クライネリッシュ、バルブレア、ストラスミル、プルトニー。この4つの中に答えはある。刺客にそう伝えた。最後にこの中から解答として選んだのはプルトニー。結果として間違ってしまったが、十分に納得の行く敗戦であった。最初に直感的に閃いた答えがクライネリッシュであったこと。そして、ハイランド沿岸部の蒸留所であることを当てたこと。侍の刀もまだ錆びてはいないようだ。

とはいえ、非常に緊張した。

皆様、刺客の解答が気になりませぬか?
刺客の答えは「問題A:ブルイックラディ」、「問題B:ダラスデュ」。

「世界で一番当たり易いブラインド・テイスティング」が世界で一番当たり易いと銘打つ以上、「味わい、感想を持ち、素直に答えを探る」ことで当たり易くしたい、との思いが侍にはある。小賢しい知識に頼ることなく解答できるよう問題を作っているつもりだ。知識の少ないことがハンデにならぬよう注意をしているつもりである。

実は今回の問題を作る際、むしろ知識が多いことが弱点になるように問題を作れぬものかと悩んだ。そして、その結果として「オーヘントッシャン」と「グレンギリー」なのである。どういうことかお分かりだろうか。キーワードは「化粧香」である。

今回の選択肢は、
1.グレンギリー(ハイランド)
2.ダラスデュ(スペイサイド)
3.ジュラ(アイランド)
4.ブルイックラディ(アイラ)
5.スプリングバンク(キャンベルタウン)
6.オーヘントッシャン(ローランド)

もちろん正解である「オーヘントッシャン」と「グレンギリー」は選択肢の中に含まれている。知識の多いものがこの選択肢を見た時どう思うであろうか。

「オーヘントッシャン」と「グレンギリー」が、「化粧香」に特徴のある蒸留所であると言われることをご存知だろうか。「化粧香」とはまさにお化粧の匂い、「パフューミーなモルト」なんて言い方をすることも多いが、石鹸臭いと感じる人もいるし、口紅を塗った女の人とキスをした後の味と感じることも多い。「化粧香」とはまさにそんな香りのことだ。概ね80年代に蒸留された「オーヘントッシャン」と「グレンギリー」、そして「ボウモア」にそういう傾向のシングル・モルトが多いのは確かだ。

上記の様な6つの選択肢があり、そこに「オーヘントッシャン」と「グレンギリー」が含まれ、自分が今まさにブラインド・テイスティングをしようとしているなら、問題にチャレンジする前に何らかの思い込みが発生することはないだろうかと、侍は予測したのだ。

「問題のシングル・モルトを飲んで化粧香を感じなかったら、オーヘントッシャンとグレンギリーは選択肢から外せる」。知識偏重の上級者ならそのように前のめりに予測を立てるのではないかと。「オーヘントッシャン」と「グレンギリー」には化粧香を感じるはずだと思っている上級者はそこに引っ掛かるのではないかと。

刺客は見事に引っ掛かったようだ。
問題Bをダラスデュとしたところはまだ許そう。共に沿岸部とは言えぬ所に存在するハイランド地方の蒸留所、その味わいも似たところが多い。刺客も申したとおり、「グレンギリーにしては旨すぎる」。確かにそうだろう。しかし、オーヘントッシャンをブルイックラディに間違えるとは。

さて皆様、侍は初心者の味方です。
知識偏重の上級者を斬る。
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