モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2008年06月

感じること(7)

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
「知ること」と「感じること」は一緒ではない。知っているだけで感じようとしなければ、ウィスキーは永遠に愉しむことはできない。例えば、すべての蒸留所の住所と電話番号を暗記することは、何かの役に立つだろうか?少なくとも、ウィスキーを愉しむためであれば、それは必要なことではない。蒸留所に手紙を書きたければ、その時に調べれば良い。

どんなにたくさんウィスキーのことを覚えて来ても、ウィスキーが愉しめるかどうかは、また別の話だ。知識が豊富な人は熱心な勉強家だと思うが、その人がウィスキー愛好家なのかどうか、僕には良く分からない。ウィスキーを(特にシングル・モルトを)飲むために、何だか色々なことを知らないとイケナイというのは、ただの思い込みである。

ウィスキーを愉しむために、何か準備があるとするなら、ただひとつ。それは「感じる身体」を手に入れることだ。「感じる身体」を手に入れるために必要なのは、「感じてみたい」と思うことだ。ウィスキーを「やっつけたい」と思っていたら、僕らは永遠にウィスキーを愉しむことができない。ウィスキーは僕らの敵ではないのだ。ウィスキーに優しくしてあげて欲しい。

僕らが心を開かなければ、僕らはウィスキーを感じることはできない。
どうだろう?すべてをウィスキーのせいにするよりも、僕らが変わればウィスキーを愉しめる可能性について、僕らはもう少し考えても良いのではないだろうか?

ウィスキーは作品である。それは小説のように、映画のように、絵画のように、音楽のように作品である。作品とは表現の結果でありカタチである。同じ小説家でも、作品が変われば違う小説になる。だけど、同じ小説家の小説には同一の作風というものがあるかもしれない。同じ蒸留所でも、樽が変われば全く違う味わいになることがある。だけど、同じ蒸留所のシングル・モルトには同一の傾向というものがあるかもしれない。もちろん、小説家だって突然作風を変えることがある。

小説家について詳しくないと、小説を愉しむことはできないだろうか?物語全般に熟知していないと、小説を愉しむことはできないだろうか?ふと手に取って読み始めた小説を、愉しみながら読み切ってしまうのは、その作品に力があるからである。ウィスキーも一緒だ。何の気なしに勧められて飲んだ一杯のウィスキーが、人生を変えてしまうことがある。ウィスキーを愉しむのに、ウィスキーに詳しい必要はない。

「知ること」と「感じること」は一緒ではない。どんなにたくさん知っていても、ウィスキーを愉しむことはできない。あなたが何も知らなくとも、ウィスキーを「感じること」ができれば、ウィスキーは愉しくなる。感じて愉しむことができれば、あなたは知りたくなるかもしれない。そうすれば、「知ること」もまた愉しくなる。
「人気ブログランキング」
イチロー D−Q C−4 足元

感じること(6)

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
ウィスキーを愉しむにはコツがある。
まず、最初に感じることだ。
ウィスキーを感じるにはコツがある。
ゆっくり、少しづつ飲むこと。そして、香りを嗅ぐこと。
そして、あなたが変わること。
ウィスキーを受け止めたいとあなたが願うこと。
あなたの願いが叶う頃、あなたはウィスキーを好きになっている。

さて、ウィスキーを感じるコツについてお話をして行こうと思う。

まず、ひと言申し上げておこう。ウィスキーを「感じてみたい」とあなたが願うことが始まりだ。「分かる訳がない」と思ったら、感じるものも感じない。そもそも僕は、「分かること」を求めていない。感じて欲しいと思っている。感じることはすべての始まりである。もしもあなたが、「何も知らない」というのだとしても、何かを知る必要などない。

僕はウィスキーを愉しいで欲しいと思う。分かって欲しいとは思わない。もしもあなたが、分かりたいと思うのなら、その手助けをしたいと思う。理解することにも愉しみがあることを僕は否定しない。僕もウィスキーを飲むうちにいろんなことを知りたくなった。何故僕はこのシングル・モルトをおいしいと思うのだろう?僕はそのことに非常に興味を持った。

だけど、感じるだけでウィスキーは愉しくなる。それこそが、ウィスキーの愉しみの基本と僕は考える。世の中にはたくさんの種類のウィスキーが売られている。世の中のウィスキー好きたちは日々それらを愉しんでいる。あなたはどう思うだろう?世の中のウィスキー好きはそのすべてを「知っている」と思っているだろうか?

ウィスキーを愉しむのに、ウィスキーを知る必要はない。ウィスキーは理解しなければ愉しめないものではない。あなたが「感じる身体」を手に入れればウィスキーは愉しくなる。

ウィスキーはあなたの敵だろうか?あなたはウィスキーをやっつけたいのだろうか?あなたはウィスキーの正体を暴きたいのだろうか?あなたはウィスキーの嘘を告発したいのだろうか?

優しくしてあげて欲しい。
僕はウィスキーを女のひとのようだと思う。

彼女たちは受け止めて欲しいのだ。僕に自分を知って欲しがっている。彼女たちは僕に語りかける。彼女たちは表現をしたいのだ。僕はそれを受け止めたい。世の中にはたくさんの「女のひと」がいる。そのすべてをひと括りにすることは乱暴だと思う。「女っていうのは」とひと括りにするのは切ない。確かに彼女たちはすべて「女のひと」だけれども、確かに「女のひと」には共通する特徴があるけれども、彼女たちはそれぞれに個性的だ。

優しく扱ってあげれば、彼女たちは心を開いてくれる。
そして、僕の心が開いていなければ、僕は彼女たちと交わることができない。
交わることができなければ、僕は彼女たちを感じることができない。

「人気ブログランキング」
スプリングバンク KSC

感じること(5)

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
もしも、あなたが感じないというなら。「おいしい」とも「まずい」とも、「好き」も「嫌い」も感じないというのなら、別にそれも不思議なことではない。きっとあなたは「分からない」という感想を持つだろう。ただ、僕はひとつお願いをしたい。あなたは、「まだ、分からない」だけだ。あなたにもこの先ウィスキーが分かる日が来る可能性は十分にある。

さて、それでは何故、あなたは「分からない」という感想を持ったのだろう。
あなたは「分からない」と感じた訳だ。

あなたが「分からない」と感じた最大の理由は、あなたが「感じ方のコツ」を知らないからだ。あなたがまだ、ウィスキーを感じる身体を手に入れていないということだ。僕らは「感じる身体」を手に入れるとウィスキーを愉しめるようになる。この連載の初回に、僕は「ウィスキーも変われ」と申し上げた後に「本当はウィスキーが変わるのではなく、僕らの愉しみ方が変わる時代」と申し上げた。

僕らが変わるとは、僕らが「感じる身体」を手に入れることである。それは難しいことではない。既にたくさんの人が「感じる身体」を手に入れている。そして、だからたくさんの人が既にウィスキーを日々愉しんでいる。ウィスキーを愉しむのなら、「感じる身体」を持っていた方が良い。ウィスキーを愉しむ人は「感じる身体」にウィスキーを流し込むから、ウィスキーを感じて愉しむことができるのである。あなたが変わればウィスキーは愉しくなる。

ウィスキーに詳しくない人でも、今の日本の酒屋さんに、たくさんの種類のビールが並び始めたことならご存知だろう。ウィスキーを取り扱う種類の豊富な酒屋さんは、まだまだ少数派だと思うが、「多品種・小ロット」という潮流はウィスキーも同様である。さて、僕のブログの読者であるあなたが、そのような状況を知らないとも思わないが、如何だろう?

豊富に用意されたウィスキーを日々愉しむ人がたくさんいる。その人たちがウィスキーを愉しむことができるのは、ウィスキーを「感じる身体」を持っているからである。それは、特別なことではない。難しいことではない。「感じる身体」を既に持っていることすら自覚していない人も多いだろう。だけど、「感じる身体」を持たないとウィスキーを愉しむことは難しい。

だから、ウィスキーは「エロい」のである。
シングル・モルトは官能的である。
「人気ブログランキング」
「ロナック」

感じること(4)

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
これだけたくさんのウィスキーが世の中に出回っているのだ。
どうだろう。だとすれば、違う銘柄のウィスキーは十分に味が違う可能性がある。飲んだことがないあなたにも、そう予想することは可能ではないだろうか?

「ウィスキーなんて分からない」と言われることが時々ある。「分かるはずがない」とも、あるいは「別に分かってもしょうがないでしょ」とも。まぁ、そう言われてしまっては仕方がない。僕だってそのすべてを分かっているとは言えないし、シングル・モルトの大好きな僕でさえ、人生にウィスキーよりも大切なものはある。

ただ、「分かってもしょうがないでしょ」とまで言われてしまっては、僕にはどうすることもできない。「分かりたい」と思わない限り、その人がウィスキーを分かることはないだろう。分かることがないだけでなく、ウィスキーを飲むことすらないかもしれない。飲まなければ何も感じることもないだろう。感じることがなければ、ウィスキーを愉しいと思うこともない。

ウィスキーはまず何より感じることだ。あなたは必ず何かを感じる。感じれば愉しみは始まる。大切なのは「愉快か?不愉快か?」ということだ。ウィスキーを愉しむのには、感じることが必要だ。感じることとはつまり「愉快か?不愉快か?」ということから始まる。実はそれより以上に大切なことはない。愉快に感じれば、あなたは「おいしい」と言っているだろう。ウィスキーを「分かる」ことなんて、まだまだ先で構わない。分かりたい人が分かれば良いのだ。

そもそもウィスキーに、「おいしい」より以上の価値などあるだろうか?

確かに、珍しいものや希少なものにも価値はある。僕はそのことを十分に認めるし、僕自身飲んでみたいレアなシングル・モルトはいくらでもあるが、それにしても「おいしい」より以上の価値などない。相手は嗜好品であり飲み物だ。嗜んで好むものである。ある程度の節度は必要だろう。ありがたがって飲むことのすべてを否定しないが、「おいしい」より以上の価値などない。

「おいしい」という感想は個人的な見解の域を出ない。だから、僕の「おいしい」とあなたの「おいしい」は同じではない可能性が十分にある。そして、それは間違っていない。同じものを好きな人がいて嫌いな人がいる。僕らは正誤を語らない方が良い。好き嫌いを語るなら、僕らは説明責任を取る必要がない。

気楽に飲めば良いのだ。僕らはウィスキー評論家ではないのだ。正誤を語り始めたら、誰かの利益を損ねる可能性があるし、自分が傷付く可能性がある。だけど、僕らが語るのが個人的な感想の域を出ないのであるならば、他の誰かと愉しみを共有できる可能性が生まれる。人は他者との共感を求める生き物だと思う。同じものを同じように愉しめたなら(そして、その人があなたの好きな人ならなおさら)、あなたは嬉しくないだろうか?

下降気味に付きよろしくです。「人気ブログランキング」
グレン・ダグラス下

感じること(3)

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
「混迷の時代」、「多品種・小ロット」の潮流は、それまでの作る側と売る側の仕事を面倒なものにしただろう。「多品種」のすべてを仕入れては酒屋さんの棚が足りなくなる。「小ロット」は製造設備の使い回しが効かない可能性がある。「単一品種・大ロット」なら何も考えなくて済む。買う側にとっても都合が良かったのかもしれない。「まわりと一緒」で良かったのだから。

飲食店に行けば、どこに行っても「とりあえず、ラガー」。お歳暮やお中元は「サントリー・オールド」。それらは、「押さえておけば、恥をかかないもの」だったのだろう。常勝巨人軍の対戦相手としてのみ、他の5球団の存在意義があったように(失礼!)、アンチ・キリン・ラガーを訴えたい人だけがその他の国内メーカーのビールを支持した(重ねて失礼!失言です)。

さて、あなたはどう思うだろう?
「多品種・小ロット」となり、たくさん出回るようになったビールが、それぞれにそれなりに売れているのである。小さな醸造所を建設しようと思った人が、それなりに商売が成り立つ予感を持っているのである。そして、多くの商品が実際に市場に出回っているのである。

あなたは良く分からないかもしれない。(お恥ずかしい話だが、実は侍もビールのことは良く知らない)。だから、「なんか、いろんなビールがあるけど、どーせ同じ味なんじゃないの?」、なんて思っているかもしれない。「まぁ、オレなんか、何飲んだって一緒」、くらいに思っているかもしれない。

さて、本当にそうだろうか?
実に多くのビールが世の中にあるというのに。
「みんな一緒」、だろうか?

もしも、あなたが分からないというのなら、違う銘柄のビールをふたつ飲んでみれば良い。あなたにはまだ、「その理由」は分からないかもしれない。「何で違うのか?」、分からないかもしれない。知識として知らないことはたくさんあるだろう?だけど、あなたは「感じる」はずだ。アレとコレが違うことを「感じる」はずだ。

分からなくたって構わない。知らなくたって良いじゃないか。あなたにも、違いを「感じること」ならできるはずだ。知りたくなったら、知識を集めれば良い。集められた知識が体系化されれば分かるようになるだろう。そんな面倒なことをしたくなければ、放って置けば良い。「感じる」だけで、十分に愉しい。

申し訳ないが、ビールのことは僕には良く分からない。
そんなことはコイツに聴いてくれ。鷺沼のマイケル
気分が乗れば侍に似て良く喋るはずだ。侍がよくお客さんに「うるさい」と思われるのと同じくらいには喋ると思う。まぁ、うるさいと思ったら「うるさい」と言っても構わない。だけど、僕はマイケルが好きだな。いいヤツさ。

「人気ブログランキング」
ポート・エレン TNO2

感じること(2)

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
ウィスキーを愉しむにはコツがある。
まず、最初に感じることだ。
ウィスキーを感じるにはコツがある。
ゆっくり、少しづつ飲むこと。そして、香りを嗅ぐこと。
そして、あなたが変わること。
ウィスキーを受け止めたいとあなたが願うこと。
あなたの願いが叶う頃、あなたはウィスキーを好きになっている。


さて、前回僕は現在のビールを巡る状況を「混迷の時代」と言わせていただいた。確かに酒屋さんに行けば、驚くほどたくさんの種類のビールが売られるような時代になった。国内大手メーカーは発泡酒、第3のビールと多くのラインナップを揃え始め、日本の地ビール、ミニブリュワリー・ビールの動きが活発になったのは何も今に始まったことではない。

アメリカ西海岸のクラフト・ビールの動きは未だに盛んである。小規模醸造所のビールは非常に多様だ。生産されるビアスタイルの数は世界でも有数と言われる。バドワイザー、ミラー、クアーズ、アメリカのビールと言ったら、あっさりとした軽いのみ口のビール。そんな時代はとっくに終わっている。僕らくらいの歳なら、アメリカ代表のひとつと思っていたミラーが、今じゃ南アフリカ籍のであることをご存知だろうか。

ヨーロッパでもドイツと言えば本場中の本場だろう。英国は外国産ブランドのビールに押され気味だったが、エール復活のムーブメントもささやかにその火を灯している。アイルランドと言えばギネスの国だが、逆にこの国はある意味同社の寡占状態だ。ベルギーと言えばベルギー・ビール。現在のブームの火付け役と言って良いかもしれない。チェコがビール消費量世界一(国民一人当たり)なのをご存知だろうか。

僕が「混迷の時代」と呼ばせていただいたような状況があるのを、ぼんやりとでも、あなたはご存知なはずだ。酒屋さんには棚にたくさんのビールが並ぶようになり、コンビニだって大手国内メーカーの同じ銘柄のサイズ違いが数種並ぶだけという風ではない。確かに売る側には迷惑な話なのかもしれない。だけど、僕らの暮らしはその「混迷の時代」に、何か混乱が生じているだろうか。

かつて、キリン・ラガーとサントリー・オールド、それから配送用の軽トラックとスーパー・カブがあれば酒屋なんて誰でもできるなんて揶揄された時代があった。非常に失礼な物言いだと思うが、それらが酒屋さんの基盤であったことは否めないと思う。だけど、「混迷の時代」、「多品種・小ロット」が前提となった現在、酒屋さんはそれだけでは商売が成り立たなくなった。

さて、そんな時代はとっくに終わった。
「混迷の時代」、「多品種・小ロット」が前提となった現在、僕らは不幸なのだろうか?

「人気ブログランキング」
ロングモーン ローガ

Glenlivet 1975 32YO / TWE

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
TWE リベット-1ザ・ウィスキー・エクスチェンジのグレンリベット。もう随分お馴染みとなったギリシャ文字のラベル。1975年蒸留、32年熟成、51.3%、リフィル・シェリーのシングル・モルト。瓶詰総数は227本。

このギリシャ文字ラベルのシングル・モルトが世に出回るようになってから、もう、かれこれ3年くらい経っただろうか。知らぬうちに気になる存在になって来た。出るたびに好調な売行きの様子。今回も完売のようだ。

3年くらい前はこのギリシャ文字ラベル全般に、ぼんやりと「乳酸菌飲料」のニュアンスを感じていた侍であるが、最近はあまり感じないな。ここ最近のギリシャ文字ラベルに共通する特徴があるとするなら、「重たさと華やかさの調和」と言っても良いかもしれない。もちろん、すべてのギリシャ文字ラベルを飲みつくした訳ではないし、当然、個人的な感想の域を出ていないので、あまり迂闊なことを言わない方が良いのだろうけど。

今回のグレンリベットも侍に言わせるなら、「重たさと華やかさの調和」というここ最近のギリシャ文字ラベルの傾向を踏襲している。このグレンリベットを「スパイシー」と思われる方も多いようだ。侍もそのご意見には賛成であるが、「グレンリベットらしく、キリリとしている」といった印象である。あえて言うなら、その味わいと値段も見事に調和されている(笑)。

とてもおいしいが、口惜しいほどの値段である。
どうだろう?ハーフで飲んでみていただきたい。ある意味、十分である。

ねっとりとした飲み心地に熟成を感じる。プラム?アプリコット?果肉の食感付き。麦芽の甘味を十分に持ち、ほど良く苦くキリリとした印象。ゆっくりとオレンジ皮のようにビター。微かにチョコレート。チリチリと甘い。広がりを持ち複雑。期待した値にピッタリおいしい。

1杯、3,400円でお願いします。
「人気ブログランキング」

TWE リベット-2

イチローズ・モルト15年。第3弾(2)

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
イチロー15 3rd-2昨日の続きである。
今回3rdリリースとなる「2008年度版 イチローズ・モルト15年」であるが、昨日も申し上げた通り、侍はこのシングル・モルトを最高傑作と思っている。「イチローズ・モルト15年」は2006年が1stリリース、2007年が2ndリリース、そして今回が第3弾となる。2006年から毎年この時期にリリースされている。

今までとは何かが違うと感じた。今までに何か不満があった訳ではない。1stリリースの2006年、イチローさんがまだ今のように有名になる前の頃、僕はこう言った。「イチローさん、この酒は売れるよ」。僕の予言は結果として大して当った訳ではないが、その後イチローズ・モルトが世界中を駆け巡っているのは、皆さんご存知の通りだ。

2ndリリースも、ボトルの形こそ変わったが、1stの流れを継承していたと思う。ハッキリと掴み取ることはできなかったが、今回の3rdリリースは何かが違うなと感じていた。

実は昨日、早速イチローさんから、侍の質問に答える形でメールが返って来た。

イメージとして目指したのはファースト、セカンドはどちらかというと、フルーティを前面に、サードは原酒の素質と樽熟成をダイナミックに表現したいという感覚はありました。

ウィスキーを瓶詰するという作業は、その時点で何か特別なことができる訳ではない。フルーティなものにしたいと思っても、ウィスキーにオレンジ・ジュースを混ぜる訳にはいかないし、クリーミーなものにしたいと思っても、生クリームを加える訳にもいかない。その時点でそれらは「ウィスキー」ではなくなってしまう。

だから、それは「選択」の問題になる。つまり、「どんな樽を選ぶか?」である。イチローさんは今年もこの時期に「イチローズ・モルト15年」を瓶詰しようと考えた訳である。「さて、どの樽にしようか?」と思う訳である。手持ちのカードから1枚を選んで場にさらす訳だ。「今回はこのカードで勝負!」という訳だ。

1回目と2回目の勝負は「なるほど、イチローも同じようなカードで勝負して来やがったな」と侍は思ったのだ。しかし、3回目の今年は「前回、前々回とはちょっと違ったカードで勝負したな」と感じたのだ。先ほどイチローさんの言葉をご紹介した通り、確かに今回はイチローさんも違う形で勝負に出たようだ。

イチローさんの話を聴いて、弱小メーカーならではの強みを感じた。皆様にもご紹介しておこう。

当社の場合、大手さんのように何十万樽も保有しているわけではありません。
限られた樽の中から選び出しますので、選択肢が少なく苦労することはありますが、その分、目が行き届きますので、あの樽はそろそろいいかなとか、この樽は、あと数年は手をつけずにおこうなどのアイデアが頭に浮かびます。
選択肢が少ないという制約条件はありますが、常にベストを尽くそうと努力をしております。
ですから、ファース、セカンド、サードの味わいの違いはその結果ということになります。

「選択」の問題とはそういうことなのだろう。
さて、来年はどんなカードを切って来ることやら。
今から愉しみである。

鳩の秘密はこちらを
そしてこちらも、「人気ブログランキング」
イチロー15 3rd-鳩

イチローズ・モルト15年。第3弾。

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
イチロー15 3rd-12006年よりリリースが始まった「イチローズ・モルト15年」、今年もこの時期第3弾のリリースである。本来なら「昨日の続き」を書こうと思っていたのだが、昨日緊急入荷のこのウィスキーをご紹介せずにはいられなくなった。

まず、最初に申し上げておこう。誰も言わぬのなら、この侍が申し上げよう。
「2008年度版 イチローズ・モルト15年」。
このシングル・モルト・ウィスキーは最高傑作である。
つくづく旨い。旨くて上手い、上手くて巧い。

青いバナナ、少しづつ熟して行くようで、やがてリンゴ。米、焼いた煎餅の芳ばしさ。米ぬか。キュウリのおしんこ。スイカのように瑞々しく少し甘い。スイカの皮。酸味の少ないブドウの皮の苦味。淡い。淡いが儚くはない。淡いが崩れない。張り詰め過ぎず調和が取れている。適切な重みのある和のウィスキー。

イチローという男がジャパニーズ・ウィスキーに並々ならぬ思い入れがあるのなら、このシングル・モルトは十分に「日本」を表現できている。侍はそのように受け止めた。嬉しい。ハッキリと申し上げよう。この「2008年度版 イチローズ・モルト15年」は易々と軽快にあの「ギンコー」を越えた。さて、イチローさんはどんな顔をしてこのウィスキーを瓶詰したことか?

イチロー15 3rd-2侍は「ギンコー」に非常に好意的だ。今でもその評価は変わらない。しかし、「2008年度版 イチローズ・モルト15年」は完璧に「ギンコー」を越えた。15歳の彼女は素直な女の子だ。素顔が美しい。昨年の彼女も、一昨年の彼女も、それぞれチャーミングだったが、今思えば化粧の仕方が下手だったのかもしれない。素顔の彼女はとても美しい。その素直な美しさに侍は惚れた。スレンダーに過ぎないボディが悩ましい。

「ギンコー」は侍にとって、「扱い易い」ウィスキーだ。侍はギンコーのソーダ割りが好きだ。水割りも良し。「何か、日本のウィスキーを試してみたい」という方には、まさにちょうど良いウィスキーだと思っている。侍はカウンターの上のギンコーを手に取って、「お好きな飲み方で飲んでみて下さい」と気軽に薦められる。

お客さんの飲み方にツベコベ言うのは気が引けるが、素直で美しい「2008年度版 イチローズ・モルト15年」は、素直にストレートで飲め!

嬉しいから安売り。
1杯1,000円。
ボトル半分売るまではこの値段。半分売ったら通常価格。早い者勝ち。

どうやら、巷では早々に売切れ店続出の模様。
買うならここで買え。安いぞ(多分)。
目白田中屋でも良し!

「人気ブログランキング」

鳩の秘密の話はまた今度。
イチロー15 3rd-鳩

感じること

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
ウィスキーを愉しむにはコツがある。
まず、最初に感じることだ。

ウィスキーをゆっくりと飲んでみて欲しい。あなたはきっと感じるはずだ。大事なのはひと口でたくさん飲まないこと。ちょっとひと舐め、くらいで良い。そのウィスキーが何であっても良いと思う。だけど、できればストレートで飲んでみて欲しい。その理由は後で話そう。

もしもそこがあなたの家ならば、どんなグラスでも構わない。あなたが今日飲めそうだと思うくらいの量をグラスに注いでみて欲しい。そして、ちょっとひと舐め。さて、あなたは何かを感じただろうか?おいしいと感じてくれたら僕は嬉しい。

おいしいと感じなかったとしても、それは不思議なことでも、間違ったことでもない。もしもあなたが、初めてウィスキーをストレートで飲むのなら、「ふーん」と感じてくれれば良い。そのままのウィスキーというのは「こういうものなのだな」と。

ただ、「感じてみたい」という気持ちで飲んでみて欲しい。
ウィスキーを受け止めたいと思うことは、愉しみの始まりである。

ウィスキーをひと舐めして、「ふーん」とは感じたが、「良く分からない」という程度にしか感じなかったなら、今度は香りを感じてみて欲しい。だから、ストレートでグラスに注いでみて欲しい。ロックや水割りなど、冷やされたウィスキーは香りが立ちづらい。

そもそも僕らの味覚は繊細なのかもしれない。40度を超えるようなアルコール度数のお酒を、例えばビールのようにごくごくと飲む訳にはいかないだろう。だから、ウィスキーはゆっくり愉しんでもらいたい。

夏の暑い日。汗をかいて働いて、仕事が終わって喉が渇いて、ごくごくと身体に流し込むビールがうまいことなら僕も知っている。水分の補給も兼ねたアルコール摂取。それが、気持ち良くないはずがない。だけど、ビールだって喉越しだけの時代は終わったのではないだろうか?キリン・ラガーの時代が長く続き、アサヒ・スーパードライに時代を譲り、その後は混迷の時代だ。「多品種・小ロット」、そのキーワードはシングル・モルトと変わらない。

かつて「ビールがうまい」と言われた時代には、多くの人が求めた共通の快楽があったと思う。喉越しの快楽。ビールのうまさは「巧さ」かもしれない。あるいは「上手さ」かもしれない。メーカー側の都合を考えるなら、「お上手」に大量生産される必要があったのだろう。かつてのビールのうまさは味の「旨さ」とは違ったのではないだろうか。ビールは変わったと思う。

「ウィスキーも変われ」、と僕は願う。
いや、本当はウィスキーが変わるのではなく、僕らの愉しみ方が変わる時代。ウィスキーは昔から変わらない。僕らが変わればウィスキーは愉しくなる。愉しみ方を知れば、ウィスキーは愉しくなる。

ウィスキーを愉しむにはコツがある。
まず、最初に感じることだ。

感じるためにストレートでゆっくり飲む。ゆっくりと嗅ぐ。
香りを感じることは少しづつ飲むことに近い。

「人気ブログランキング」
TWEボウモア

ごめんなさい

いや、別に飲み過ぎた訳ではないのですが、

どうやら今日は筆が進まないので、お休みします。
眠いので寝ます。
もちろん、店はやります。
営業はします。
ミントをたくさん仕入れたので、モヒートを飲んでください。

「昨日の続き」の続きを考えていたら煮詰まってしまいました。

なので、「人気ブログランキング」をよろしくお願いします。
ポチっとクリックして下さい。

080613オールド・プルトニー 15Yo / ゴードン&マクファイル

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
プルトニーGMゴードン&マクファイル社のウィスキーを「凡庸」と言うなかれ、同社のウィスキーの個性は「中庸」にこそある。常々そう思う。同社がマーケットにリリースした商品の数の多さを考えるなら、この侍もあまり迂闊なことは言えないが、全般的に「味と値段の折り合いの付いた商品を出して来る」と思われるのがこのゴードン&マクファイル社である。

そのあり様は「味もそこそこ、値段もそこそこ」と説明することは十分に可能である。そうであるが故に、あまり目立つことはないかもしれない。マーケットにも潤沢に商品が用意されているようにも思う。「シングル・カスク、数量限定、○○本のみ、在庫僅少」なんて言われると、「今すぐ買わなきゃ」なんて思って飛びついてしまい勝ちだが、ゴードン&マクファイル社のウィスキーにはあまりそんな印象はない。だから、「何も今買わなくとも」なんて思ってしまい勝ちだ。

強烈に個性的なキャラクターを持ったウィスキーがリリースされることは少ない。ただ、蒸留所の個性が十分に反映されているだけの瓶詰されたウィスキー。侍は同社のスタンスをそのように理解している。奇を衒うことはない。歪(いびつ)ではなくとも、ウィスキーは十分に個性的なのだ。愉しむのに刺激的であり過ぎる必要はない。そんな風に思える同社の姿勢を侍は評価したい。

さて、「味と値段の折り合いの付いた商品を出して来る」、「蒸留所の個性が十分に反映されている瓶詰されたウィスキー」。悪く言えば、「味もそこそこ、値段もそこそこ」。つまり、「何も今買わなくとも」ということである。どうだろう、そのような商品のあり方は、どこか「オフィシャルもの」のようではないだろうか?

いわゆる「初心者」の域を超えてしまった皆様が、「オフィシャルもの」を凡庸であると思い始める気持ちは理解できなくはない。「もうちょっと刺激的なウィスキーを」、その気持ちは分かる。ボトラーズ・ウィスキーの良さは、もちろん侍も否定しない。

GM4種同社のウィスキーをより一層「オフィシャルもの」っぽく思わせる理由がもうひとつある。そのラベルのデザインだ。「オフィシャルものと瓶詰業者のウィスキーはどうやって見分けたら良いのか?」とお客さんに聞かれることがある。そんな時はこんな風に大雑把に答える。「ラベルに一番大きな字で蒸留所の名が書かれていたらオフィシャルもの」、と。

もちろん例外はあるが、ほとんどの瓶詰業者は自社の社名か自社の持つブランド名より、蒸留所名を大きく書くことはない。考えてみれば当たり前だ。彼らが売り込みたいのは自社の社名かブランド名。蒸留所の宣伝をするためにウィスキーを瓶詰している訳ではない。

さて、そんな状況で、ゴードン&マクファイル社だけは一貫して例外的だ。同社のウィスキーの多くは蒸留所名が一番大きく表記されている。ミルトンダフやダラス・デュなどは、未だにオフィシャルものと思っている方もいるかもしれない。

さてさて、今回のオールド・プルトニー、なかなか悪くない。蜜のように甘く、それでいてしっかり者だ。「何も今買わなくとも」などと思わぬように。
1杯、¥1300です。
人気ブログランキング

昨日の続き

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
「昨日の続き」なんてタイトルも如何なものか?と自分でも思ったのだが、「梅雨だね。(2)」と続けて行くのもなおさらおかしいかと思い、本日は昨日の続き。でも何だか、今朝の方が「梅雨だね」っていう雨模様。皮肉なもんだな。

今年もボチボチ前半戦が終了。来月から今年も後半に突入する訳だ。愚かなことを言わせて貰うが、一年も前半と後半の間にハーフ・タイムがあったら良いのに。愚かながら素直にそう思う。もちろん、一年にハーフ・タイムなんてないけど。だけど、誰も作ってくれないから、僕は勝手にこの時期に作るんだろうな。思えば去年のこの時期はぼんやりと毎日シングルトンの記事なんて書いてた。思い出を語りながら、過去を整理していたんだろう。

簡単に言うならこの話の続きを書きたい。僕はやはり「モルト売りの飲み屋のオヤジ」なのである。「マッチ売りの少女」が成し遂げることのできなかったことをしよう。消えることのない火を灯し続けたい。

「シングル・モルトの勉強をさせていただきたい」。
そう仰ってくれるお客様が時々いる。いや、結構いる。そう言っていただくと、僕は心底嬉しいのだが、僕はこう答える。
「勉強などせずに、まずは愉しんで下さい」、と。

お恥ずかしい話だが、僕は子供の頃から勉強が苦手だ。いや、本当は嫌いだ。嫌いだと苦手になるな。苦手だから嫌いになるのか?まぁ、どっちでも良いか。成績なんて良くなかったし、いつもぼんやりしていて、忘れ物も多かった。ぼんやりとモノを思い空想をしていると心が落ち着いた。だけどそれだけじゃ、うまくは生きられないな。子供の頃の僕は忘れ物ばかり。

嫌いだからあまり勧められないのだが、勉強をしたいという方の志の高さは立派なものだ。ただ、「好きでもないことは勉強しないだろう」という思い込みが僕にはあったようだ。ならば、「好きになってもらうために、愉しんでもらうことが一番」と、僕は思い過ぎていたかもしれない。「勉強が愉しい」と思う人がいても、確かに「間違っている」訳ではないだろう。

そして、僕は少し困ってしまう訳だ。酒を売るのが僕の仕事であるが、教科書を売るのが僕の仕事ではない。教科書が作れるなら良いのだが、今のところそんな余力はないな。トホホ。

だから、僕は毎日伝えてきたつもりだ。「愉しむコツ」なら伝えられる。どのようにシングル・モルトと向き合うか?ということだ。それを、毎日、カウンターの向こう側のお客様に伝えようと思って来た。

さて、「いつから」とは言えないが、僕は「愉しむコツ」を、今までより一歩踏み込んでお伝えしたいと思っている。ただ、ひとつだけ言いたい。シングル・モルトを愉しむコツの、その最初にあるものは感じることだ。感じればやがて、思いは浮かび上がる。

繰り返そう。
僕はあなたの知っていることに興味はない。
僕はあなたの思ったことを知りたい。

元気か?ヨシダ。
踏ん張りどころだ。
「人気ブログランキング」

梅雨だね。

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
「梅雨だね」なんてタイトルに似合わないほど、昨日は気持ち良く晴れた。個人的に雨はさほど嫌いではない。雨の日に部屋の中にいて窓に近づき、外をぼんやりと眺めるのが好きだ。快適な椅子とちょうど良い高さのテーブルと、そのテーブルにコーヒーと灰皿があれば幸せだ。メモ帳とペンがあれば僕は何かを書いているだろう。

僕はだんだんと雨を嫌うようになったけど、それは自分で店を始めてからのこと。雨と集客は密接に関係があるから。目が覚めて雨降りだと「雨も悪くないさ」なんて声に出して言ってみるけど、どうしても気分が塞いでしまう。だから、この季節はぼんやりと色々なことを考えてしまう。毎年のことだ。僕はいつからこうなったんだろう。

梅雨と言えば六月。六月ということは今年も半分終わろうという頃だ。振り返り今年の半分を思い出し、また前を見て、残りの半分に思いを寄せる。そんな時に僕はきっと立ち止まっているのだろう。立ち止まるのには良い季節なのかもしれない。

昨日は何だか不思議な一日だった。いつもと違う空気。営業中の店内に少しだけ違和感がある。世の中に何か起こったのだろうか?それとも、僕が少し「間違っている」のだろうか?

早い時間からお客さんがポツポツ入った。それはとても嬉しいことなのだが、どのお客さんも滞在時間が短い。僕はゆっくりとではあるが、動き続けていた。ジェイズ・バーのカウンターはやがてスキマが目立ち始め、10時を過ぎた頃にはすべてのお客さんがいなくなりそうな勢い。そして、終電の時間を前にノー・ゲスト。

結果的には夜中の3時を過ぎてカウンターはほぼ満席になった。ありがたい。ジェイズ・バーの営業には良くあることだ。前半と後半がくっきりと分かれてしまう。ハーフ・タイムはたっぷり2時間はあった。もちろん、その時間は僕ひとりきり。普段ならブログの原稿を仕上げたりするのだが、最近はどうにもぼんやりしている。PCを立ち上げても筆が進まない。誰もいない店内で、「シングル・モルトのことばかり書いていると、読者の数が減っちゃうんだよな」なんて、ひとりごちていた。

確かに最近はニュー・リリースの記事が多い。ブログの記事のタイトルにウィスキーの商品名を付けることになるのだが、そうすると何故だか読者の数が減るようだ。世の中に数あるウィスキーを皆様にご紹介するのが「モルト侍」の仕事のひとつとの自負はあるのだが、「シングル・モルトのことばかり書いていると、読者の数が減っちゃうんだよな」。トホホ、である。

まぁ、よせば良いのに不貞腐れる訳だな。単なる言い訳かもしれないが、「ふぅ」なんて芝居がかった溜息を付いて、ノートPCの画面を「パタン」と閉じた。ケータイには北海道のオッサンから旨い酒を飲んでる様子が自慢話として次々に入って来る。「うるせーなオッサン。つーか、働けよ」。また独り言だ。

欧州ではサッカーが始まった。ビデオに撮り貯めたゲームをぼんやりと眺めた。1ゲーム観終えるくらいのジェイズ・バーのハーフ・タイム。3時からお客さんが入って来なければ、もう1ゲームくらい観られそうな勢いだった。ありがたいことに3時過ぎからジェイズ・バーの後半戦がスタート。後半戦はなかなか巧く戦えた。そこそこの得点を重ねてゲーム終了。だけど、こんな日は延長戦に突入。営業が終わったのは6時過ぎ。片付けて帰れば、店を出るのは7時過ぎ。

昨日の営業の前半戦の終わりの方、午後10時半に件の押売り屋が納品と集金に現れた。小一時間ほど店内には2人きり。僕らは少しウィスキーについて語り合った。

「僕らはどうしてウィスキーが好きなんだろう?」。
語り合ったのはそんなことだ。
「どうして?」、「いつ頃から?」、「どこが良いんだろう?」。そんな話。

結論から言ってしまえば、僕らはウィスキーの複雑さに惹かれるのだと思う。ウィスキーは複雑で複合的で多種多様だ。泡にように水面に浮かび上がっては弾けて消える。複雑なあり方はそれぞれの個性に支えられている。そして、その個性の違いは誰にでも理解できる。「違う銘柄のウィスキーは、すべて違う味わいを持つのだ」と、そこに気付きが舞い降りた瞬間、僕らはウィスキーのとりこになるのではないだろうか。

可能性の問題でもある。
「もっと自分が好きになれるウィスキーがどこかに存在する可能性がある」。
想像力の問題でもある。
「これとそれが違うのなら、もっと違うものがるかもしれない」。

ウィスキーをより愉しみたいと思うなら、違いを感じることは始まりである。
違いなら誰にも感じられる。
ただし、違いを分類することは難しい。

さて、ぼんやりとばかりしていられない。
7月を過ぎたら、侍は意思を持って少し前へと進もう。

今日は長くてすまん。
「人気ブログランキング」

リンクッド 1989 17Yo / キングスバリー ケルティック

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
KB リンクウッド先日ご紹介したばかりだったが、昨日封を切った。
非常に色の濃いウィスキー。醤油というほどではないが、「めんつゆ」くらいの濃さはありそうだ。17年熟成、シェリー・カスクのなせる技。この色の濃さに惑わされてはいけない。底の厚いボリューム感を持つフルボディなシングル・モルトだが、十分な柔らかさと円熟味を持っている。

ガチガチに硬質なウィスキーではない。もちろん、薄ぼんやりとしてスキマだらけの印象を持つようなウィスキーでもない。適切な凝縮感があり、丁寧な甘味が心地良い。このウィスキーの魅力はこの甘味だと思う。複雑でじっとりとした奥行きのある甘味。飽きの来ないデザートのようだ。甘くておいしいものは、甘い方がよろしい。

さて、話は変わるが、中村俊輔が所属するスコットランド・プレミアリーグのクラブ・チームの名称をご存知だろうか?答えは「セルティック」である。で、今回のリンクウッドはキングスバリー社の「ケルティック・シリーズ」。中村俊輔の「セルティック」もキングスバリーの「ケルティック」もスペルは「Celtic」である。カタカナって難しい。

先日もご紹介した通り、封を切ってからしばらくした方がより一層円熟味を増すシングル・モルトである。正直に申し上げるなら、3,4週間してからがおいしいとは思う。しかし、侍は皆様に感じて欲しい。例えば、封を切った直後のこのシングル・モルトを飲んで、ひと月後にどのようになっているかを想像してみて欲しいのだ。

侍は感じた。いや、正確に言うならそれは「予測」ではなく、「願い」かもしれない。
ありがたいことに「願い」は叶うのだ。

何だか今日は筆が進まない。
おやすみなさい。
今晩お逢いしましょう。
「人気ブログランキング」

KB リンクウッド2

いくら何でも、間違っている。

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
ブナ12 ラベル不良そんな侍であるが、「いくら何でも」と思うことはある。
ここまで来れば、声を大きくして「間違っている」と申し上げてもよかろう。こんな目に遭うのは久し振りでもあったのだが、頭に血が上るほど怒っているというほどのこともなく、何だか不思議な気分である。思わず、「笑っちゃいました」というのが本音だ。パッケージから取り出して、思わず肩の力が抜けた。

写真はブナハーブンのオフィシャルもの12年である。ラベルが大きく曲がって貼られているのがお分かりだろう。いわゆる「ラベル不良」というやつである。それにしても見事なズレっぷりである。ラベルの中央で舵を取り敬礼をする船乗りのおじさんも、何だかふてぶてしく見えるから不思議である。まぁ、ここまで来ればおじさんも開き直るしかないのだろうか?

最近はこのようなラベル不良さえあまり見掛けなくなった気がするから、むしろ「レアもの」なのだろうか。昔は結構こういうのあったよなと思えば、ちょっぴり懐かしい。このようにラベルがズレているものは酒屋さんで特別安く売られていたり、それはそれでありがたいことであった。中身に問題がある訳でないし。

何より、最近のラベルは剥がれ難くなったなというのが実感だ。僕らは手が濡れたままボトルを扱うことが多いので、確かにそれはありがたい。技術の進歩に感謝である。ただ、簡単に剥がれたのでコレクションするにはラクだったのは確かだったが。

最近はインターネットで仕入をすることも多くなった。酒屋さんで実際にボトルを手に取って見ていればこんなことはないのだが。
「人気ブログランキング」

ブナ12 二本

長熟フェア第10回 トミントール

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
LG トミントール最近はすっかりその名を聞くことのなくなったリキッド・ゴールド社のケルティック・レジェンド。同社は新たにウィスキーを瓶詰することがなくなって久しいと思う。どこで何をしているのやら、侍も知っているような知らないような。言っても良いのやら、悪いのやら。まぁ、詳細は知らないので、ここでは言わない。

このボトルが瓶詰されたのも2003年であるから今から5年前。もうそんなに経つのかと思えば懐かしい。懐かしいとは思うが、リキッド・ゴールド社のウィスキーを見かけなくなってから、もうそんなに経つのだろうか。彗星のごとく現れるボトラーズもあれば、知らぬ間に消え行くものもある。盛者必衰、栄枯盛衰は世の習い。この業界も同じなのだろう。

オフィシャルのトミントールは非常にデリケートで軽いウィスキーだと思う。繊細なレモンのようなウィスキー。軽快と思うか軽薄と思うかはあなた次第。絶賛されることは少なかろうが、極端に嫌われることも少ないだろう。「悪かぁねぇな、1杯付き合え」と言いたくなるようなウィスキー。

トミントールと言えば、かつて「トミントール-グレンリベット」の名で売られていたヘアトニックの化粧瓶のようなボトルを思い出す。ダルモア、フェッターケアンと並んでホワイト&マッカイの原酒としても有名であった。蒸留所の操業は1964年と比較的若い。侍と同い年である。クセがなく非常にライトで初心者向けと言われるところなども侍と似ている。

侍もトミントールも、「誰にも嫌われたくない」と思いながら生きているのである。
その旨、ご了解いただきたい。

さて、今回のトミントールである。
瓶詰はもちろんリキッド・ゴールド社。同社のブランド「ケルティック・レジェンド」からのリリース。蒸留は1967年。瓶詰は2003年。36年熟成。60年代のシングル・モルトであるぞ。ラム・カスク・フィニッシュ。アルコール度数は46%。

トミントールらしく繊細で軽快。甘味も軽くフローラル。
テイスティング・ノートを書こうと思い、たった今ふと思い出したが、先日お客さんに「食用ほおずき」をいただいたのだが、このトミントールは「食用ほおずき」に似ている。
「人気ブログランキング」

長熟フェア第10回 クラガンモア

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
TWE クラガンモア昨日に引き続き、本日もこれで最後の長熟フェアのご紹介。クラガンモアについてお話をしたい。クラガンモアと言えば、オフィシャルの12年物が定番中の定番であろう。時代の荒波に揉まれながら、生き残っているシングル・モルトと言っても良いだろう。ラベルのデザイン変更に伴ない、その味わいも若干変わったとは思うが、穏やかで繊細な特徴を持った佳酒であると思う。

オフィシャルの12年物はほど良くフルーティ。シェリー樽の影響だろうか。このウィスキーの調和を保ち、柔らかさを表現するのに一役買っていると思う。現行ラベルのオフィシャルの12年物は、旧ラベルに比べ「トースト」っぽくなった印象だ。ある種の芳ばしさを手に入れたようにも思うが、苦酸っぱくなったとも言える。

実のところ、侍は現行のオフィシャルのクラガンモアのこの苦酸っぱさを、少々ネガティブに評価している。その苦酸っぱさというのは、ブドウの皮のようなものではなく、焦げたパンのような印象。まさに焦がしてしまった「トースト」のようなニュアンスを感じるのだ。

全般的なところから言えば、ネガティブな評価は持っても「穏やかで繊細な特徴を持った佳酒」という印象は変わらない。変わることはないのだが、100点満点中「−5点」という感じである。ただ、「−5点」ではあっても、90点が85点になったらちょっぴり残念な気がする。45点が40点になってもあまり気に留めないのだが。

さて、今回のTWEのクラガンモアである。実は初めて飲んだ時にこの苦酸っぱさが気になった。麦芽の甘味を軸にしたシングル・モルトであるとの印象を持つが、この苦酸っぱさを飲み手の皆さんはどう受け止めるのだろうと。「飲み辛さ」と感じるか「飲み応え」と感じるかは紙一重ではないかと。

このシングル・モルトを初めてジェイズ・バーでリリースしたのは、もう2年も前のことだと思うが、結果として侍の心配は杞憂に終わった。ハチミツのような奥行きのある甘味と相まって、その複雑さに重層構造を持たせるように印象付けられたようだった。今回も3本の中で「何が一番好きか?」、アンケートにお答えいただいているが、このTWEのクラガンモアを「1位」にする方が多い。

麦芽の甘味を軸としてハチミツのような甘味が加わる。シトラス系フルーティ。グレープフルーツのワタ。ある種のハーブのようでありフローラル。繊細であるがイライラしない。散らかることなく大胆に融合している。あなたも気に入るはずだ。

1985年5月28日蒸留、2006年1月26日瓶詰。20年熟成。瓶詰総数269本。
アルコール度数、56.3%。
「人気ブログランキング」

長熟フェア第10回 ラフロイグ

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
TWE ラフロイグ 12昨年の暮から始まった今回の企画である。様々な経緯で途中失速気味なところもあったが、遂にその最終回を迎えることとなった。今回の大きな特徴として、その在庫量が豊富ということがある。そもそもこの企画は「半端モノの在庫を安価でご提供」という側面がある。半端である分だけ、その残量がバラバラであったのだが、今回は3本ともフルボトルに近い残量がある。

残りがたっぷりあるのでゆっくりご紹介したいと思う。
本日はラフロイグから。

ザ・ウィスキー・エクスチェンジのラフロイグ。ギリシャ文字のラベルではなく、「ザ・シングル・モルツ・オブ・スコットランド」と金ピカの文字で書かれたラベルのウィスキー。カスクNo2431のシングル・カスク。1993年3月25日に蒸留され、2005年9月22日に瓶詰された12年物のシングル・モルト。リフィルのバーボン樽で熟成され、アルコール度数は55.2%。もちろん、ラフロイグ蒸留所は現在稼動中である。

ざっくりと説明をするなら、ラベルにはそんなことが書かれている。ラベルの金ピカに相応しく、ウィスキーの色も金ピカ。もちろん着色料は無添加。自然のままの色合い。非冷却ろ過での瓶詰。

鼻が曲がるほどにピーティなウィスキーではない。力強いが爽やか。繊細だが張りのある骨格。下地がフルーティ。瑞々しく甘い。淡い清涼感を持ちつつしっとりした果肉の食感。桃のよう。対極的に塩味。ほど良くスパイシー。歪まないスクエアなフレームに丁寧に収まる。

およそ3年前の瓶詰である。
「人気ブログランキング」

長熟フェア 第10回 スタート

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
長熟10およそ半年の長きに亘って続いてきたこの企画も遂に最後を迎えることになった。最後を飾る3本のシングル・モルトは、ザ・ウィスキー・エクスチェンジのラフロイグ、同じくザ・ウィスキー・エクスチェンジ(ギリシャ文字ラベル)のクラガンモア、そして、ちょっぴり懐かしのリキッド・ゴールドのケルティック・レジェンドからトミントール。

ラフロイグとクラガンモアは活きが良い。おとなし目のトミントールは1967年蒸留。
3杯セットで¥4,000、ハーフで3杯なら¥2,500。この企画の最後を飾る逸品を取り揃えたつもりだ。ご堪能いただきたい。

さて、昨日から関東地方も梅雨入り。
雨は降っても元気をだそう。
雨には弱いジェイズ・バーであるが、雨の日こそシングル・モルトは旨い。
落ち着いた(お客さんの少ない)ジェイズ・バーでゆっくりとウィスキーを飲むチャンスである。
是非ともご来店いただきたい。傘を差して歩いた分だけ、愉しみの増えるジェイズ・バー。

「人気ブログランキング」

本日より

ブログネタ
シングル・モルト に参加中!
第10回目をリリーズ。
長熟フェア。

昨年の暮から始まって、おおよそ半年にわたる企画でした。
何が出るかはご来店してからのお楽しみ。
さて、本日はこれにて。
「人気ブログランキング」

ツイッター
Counter
UL5キャッシング
QRコード
QRコード
Archives
  • ライブドアブログ