モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2010年08月

月曜日?

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昨日はブログの記事を更新しなかった。忘れていた訳ではないとは言いたい。何となく、曜日を勘違いしていたようだ。昨日は日曜日だと思っていた。「日曜だし、今日はブログはなしね」なんて、自分を納得させていたフシがある。要するに、忘れていた訳ではないのだろうが、忘れたかったのだろうということは、自分でも認めざるを得ないだろう。

人はわざと忘れるなぁと思う。忘れたいものを忘れる。つまらないことやどうでも良いこと、面倒なことも忘れ易いが、世の中には「面倒だけど覚えておかなくてはいけないこと」なんかがあって、それはそれで、困ったことになる訳だ。ところが一方で、「忘れたくても忘れられないこと」なんかもあるようで、どうにも面倒くさいなぁと。

生きることがまったく爽やかではないことを、最近は素直に認められるようになった。それは、まったく悪くないことで、諦めたからこそ手に入る何かもあるのだなと、そう思う。ただ、人生が面倒なことだらけであることまでも、認めざるをえないのかと。さすがにそれは、少々辛いかなと。そう思ったのである。

仕方がないなと。そのような結論に達した。面倒の本質は「必要」である。
仕方がないので、愉しいことを増やそう。

毎日ブログを書いていると面倒だなと思う日もあるのだな。とは言え、本当に嫌になったらやめる。愉しかったり、意味があると思うから続ける。そういうことだ。落ち着いて目を閉じれば、書きたいこと、伝えたいことも次々に出てくる。そして、世の中には次々と新しいシングル・モルト・ウイスキーも出てくる。

書きたいことだけを書いていると、ジェイズ・バーで新しくリリースしたウイスキーをご紹介するのが遅れたりする。最近なら、「クライヌリッシュ 1982 27Yo / BBR 復刻ラベル」なんかがそうで、既に開封していたが、先週末に記事を書いたら瞬殺。もう売り切れてしまった。ちょっと、申し訳ないとは思う。

他にも、「入荷済み」、「リリース済み」のウイスキーがいくつかあって、こいつは美味いってのもある。皆さんの気になるところだと、「ベンリアック 1985 / 3R ダンス」なんかは既にリリース済み。いやいや、素晴らしい仕上がりだ。あとは、カリラが2本くらい。「入荷済み」、「リリース済み」だけど「ブログの記事はまだ」のウイスキーについて今後考えていきたいなと。

ちなみに「ベンリアック 1985 / 3R ダンス」は「3杯セット」OKです。

本日はこれまで。

よろしくお願いします。

お詫びという訳ではないが、「クライヌリッシュ 1982 27Yo / BBR 復刻ラベル」。ハーフ・ショット1杯に満たないほどの残りがある。まだ飲んでいない人限定にさせていただくが、差し上げたいと思う。興味がある人、飲みたい人。ジェイズ・バーにご来店の上、お気軽に声を掛けて欲しい。

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クライヌリッシュ 1982 27Yo / BBR 復刻ラベル

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IMG_0078_1リリース時にはちょっとした騒動だったようだ。買い逃したという方も何人か飲みに来ていただいた。僕も含めほとんどの方はその仕上がりに納得をしている。「おいしいウイスキーだね」と。もちろん、僕もそう思う。ただ、皆さんほんの少し納得が行かないような顔付きなのは、どうしてこういうウイスキーが手に入り難くなっちゃうのかなってことなのだろう。

事前に聞いていた話に比べると、意外なほどザラっとした感触が強かったことにちょっと驚く。「滑らかな…」と表現するより、「飲み応えあり」である。シャーベットというより、粒の粗いかき氷のよう。メロンのニュアンスが印象的で気に入る。初めのうち辛いバニラ。やがて最後はバニラの効いたクリームブリュレ。とても甘い。

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とてもおいしいのだが、事前に騒がれ過ぎて複雑な心境。
素直においしいって言いたかったな。

来月も各方面から話題のウイスキーが出てきそう。
おいしいウイスキーが手に入って、みんなに喜んでもらえるといいな。

気になる方はちょっとだけ急いで!
もう残り3分の1程度。

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


よろしくお願いします。

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ブナハーブン 1968 41Yo / アデルフィ

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IMG_9618_1殺虫剤は虫刺されの薬ではない。多少なりとも虫除けに効果があったとしても、かゆみ止めには効かない。このブナハーブンはヘビー・ピートなアイラ・モルトではない。多少なりともこの芳ばしさが暑気払いに効果的であったとしても、強烈な薬品臭さや燻製の香りを期待している方には残念な結果に終わるかもしれない。

41年という長期熟成。アルコール度数も41.2%。アタックの足りなさに難色を示す方がごく少数いたことを否定しない。もちろん、その意見そのものについては僕も理解をする。ただしかし、それを指して「欠点だ」と言われるなら、僕は「そうですね」と頷きながら、このウイスキーの注がれたグラスから宝物を探そう。そう、誰かが間違い探しを続けているうちに。

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複雑で複合的で重層的。このブナハーブンの素晴らしさはこの香りに表れる。多彩で展開力に溢れている。時間を掛けて味わうなら、このウイスキーから自分の好きなものを探すのは、愉しくも非常に容易い作業となるだろう。小数のネガティブなご意見とは反対に、僕はこのウイスキーに勢いを感じるし、それを指して若々しいと感じることをおかしいとは思わない。

正直に言うなら、まったく物足りないとは思わない。客観的事実として、41年という長期熟成で、アルコール度数が41.2%。「アルコール度数が低いですね」という話には、「まったくその通りです」と言わざるを得ない。ただ、「物足りない」というのが意見なら、「度数が低い」というのは事実であるに過ぎない。

「度数が低い」からと言って、「物足りない」かどうかは分からない。
ウイスキーの飲み応えは度数だけで決まらないから。

まぁ、面倒な話はもういいか。
今日は何だかそんな気分でもないし。

僕はこのウイスキーをおいしいと思う。今回、同時期にリリースされたアデルフィのロングモーンも、僕としては大当たり。熟成17年より以上には奥行き感のある仕上がり。ジェイズ・バーの残りも、あとボトル4分の1くらい。もうあまり、積極的には売りたくない気分なので(笑)、気になる方は「ロングモーンをくれ!」とお声を掛けて欲しい。そう言われりゃ、出しますよ(笑)。

お客さんに気に入られるウイスキーは、「このグラス持って帰りたいな」って言われることが多い。帰り際に名残惜しそうにそう言われる。この熟成41年のブナハーブンなんかは、まさにそういうウイスキー。お会計を済ませた後、立ち上がってまだグラスに鼻を突っ込んでいる。嗅いだことがない人は、とても気になるかもしれない。

その飲み干したグラスの中から立ち上がって来るのは、ほんの少し甘さを控え目にしたチョコレートの香り。どちらかと言えば大人向きの、心地良い苦味が前面に出て来るチョコレート。多彩に展開し、様々な側面を見せた後、すーっとチョコレートに落ち着く。少しだけクラッとする。

少し混雑した電車の中。夜も更けた時間。僕はドアの傍に立っている。少し疲れて、ドアのガラスに頭を押し付け、ネオンの街並みを眺めている。煌びやかな街の灯りはガラスを通過して僕の目に飛び込んで来る。ぼんやりと僕はそれを眺め続ける。電車は短いトンネルに入る。外は一瞬にして暗く、ガラスは通過させるべき光を失い、より明るい光を放つ車内の人影を反射する。それは何かの終わりの予感であり、何かの始まりを思わせる。

喩えて言うなら、そのチョコレートの香りはそんな風だ。

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ブナハーブン 1968 41Yo / アデルフィ

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世の中にはいくつかの「どうにもならないこと」というのがある。「どうにもならないことなんて、どうにでもなっていいこと」と開き直るには歳を取り過ぎているかもしれない。丁寧にして、なおかつ謙虚に生きて行きたいとは私の願いであるが、それが私の願いである以上、未だそれが叶ったことがなかったということ。

二日続けて恐縮だが、本日は監督と飲んだ。
飲み過ぎた。
いい気になった。
いい気になって、若者に説教などした。

お恥かしい限りである。

要するに、本日は飲み過ぎたので勘弁してください。ということが言いたい。
すみません。
二日続けて、申し訳ない。

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「殺虫剤は虫刺され」

その意味が分かった。
明日こそ必ず。

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ブナハーブン 1968 41Yo / アデルフィ

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世の中にはいくつかの「どうにもならないこと」というのがある。「どうにもならないことなんて、どうにでもなっていいこと」と開き直るには歳を取り過ぎているかもしれない。丁寧にして、なおかつ謙虚に生きて行きたいとは私の願いであるが、それが私の願いである以上、未だそれが叶ったことがなかったということ。

大概のことは我慢ができる方だ。例えば腹が減ったとか、あるいは寂しい夜なんかも。人生とは苦労の連続ではない。我慢の限りを尽くせとは、私の信条(← いくら何でも言い過ぎである)。

要するに、本日は眠いので勘弁してください。ということが言いたい。
すみません。

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キーボードに向かって90分ほどが経った。本文の書き出しに、

「殺虫剤は虫刺され」

と書かれている。私は私に向かって問い掛けるべきだろうか?「何故?」、あるいは「何が言いたい?」。いやいや、「大丈夫か?」と訊いてやるべきか。短い本文の前にはちゃんと本日のタイトルも書かれている。つまり、ブナハーブンについて書こうと思った書き出しが、「殺虫剤は虫刺され」ということである。

さっぱり見当が付かない。いや、本心を言うなら「身に覚えがない」。私の仕業か?誰かが隣にいたか?最近流行のコンピュータ・ウイルスの仕業か?ブナハーブンと殺虫剤には何の関係もないと思う。もちろん、虫刺されにも。皆様に何を伝えたいと思ったのか。関係のない話をウイスキーの話にしてしまうのは昔から得意ではあったが、意味不明にもほどがあるということだ。

とは言え、明日の記事の書き出しが「殺虫剤は虫刺され…」であったら、皆様には拍手をいただきたい。

(つーか、これだけ書くならちゃんと記事を仕上げるべきだったか?いづれにしても、眠気は醒めてしまった気がする。これから、寝れるのか?)

よろしくお願いします。

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クライヌリッシュ 1998 12Yo / ウィリアム・マックスウェル シールダイク・コレクション

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IMG_9793_1第一印象の説得力というものがあると思う。このウイスキーを始めて口にした時「あらやだ。いいわ、これ」。と恥ずかしながら呟いた。面倒な言い方はしない方が良いのだろう。簡単に言えば、初めて会った時に一目惚れしたということだ。

まだご紹介できていないことを申し訳なく思うが、例えば、最近なら評判の「クライヌリッシュ 1982 / BBR 復刻版」と比べて飲むと面白い。当然ながら、BBRの方が綺麗。まぁ、こちらのシールダイクは太めでがさつな印象があるとは言えるだろう。しかし、十分にオイリーでこの飲み応えのあり方は評価が高い。

世の中には「おいしくてビックリ」なウイスキーがあれば、「ビックリした結果、おいしいと思ってしまう」ウイスキーもある。正直に言うなら、僕がこのウイスキーをおいしいと思った理由はビックリしてしまったから、かもしれない。さてさて、素直にこのウイスキーの今後を見守りたい。

今朝は朝からカレーを作っていて、作りながら「出会いと別れと予感」について思いを巡らせていた。予感というものは出会いの前にあるものだろうか?それとも、別れの間際にあるのだろうか?あるいはその両方?また、どちらの方が当事者に都合が良いのだろう?

誰にとっても出会いの予感は嬉しいものだろうか。別れの予感は知りたい時もあり、知りたくない時もあるということだろうか。残念なのは、出会いと別れは電車のダイヤのように運行されていないということだ。だから、時刻表を見ながら、「次の電車を見送ったら、その次は快速」みたいなことは分からない。

いや、実は僕らの知らないところにダイヤは存在していて、僕らはいつどんな電車が来るかも知らないまま、ホームで待ち続けているのかもしれない。運命の電車に飛び乗ったつもりで、本当に次の電車が快速。悲しいことに次の駅で、その快速の通過待ち。なんてことが日常的に起こっているのかもしれない。時刻表は神の手のみに、ということだろうか。

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ちょっと前に、1998ヴィンテージのクライヌリッシュに出会いながら、僕はその電車に飛び乗ることがなかった。つまり前回は見送った訳だ。今回は「これだ!」と思って飛び乗った。個人的には正解と感じている。僕に言わせるなら、この「クライヌリッシュ 1998 12Yo / ウィリアム・マックスウェル シールダイク・コレクション」は典型的な「塩飴系」クライヌリッシュ。

旨味が濃くて、甘くてしょっぱい。
ちょっとピーティとは思うけど。

まぁつまり、時刻表を手にしていたかのように、僕は乗るべき電車に乗った気がしているのだけれど、ウイスキーとの出会いは電車とのそれと違い、両方出会うことが可能なのである。つまり、両方買うことができた訳だ。そう、見送った電車が気になるということ。

なんだかさ、しばらくの間、1998ヴィンテージのクライヌリッシュが気になる。

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グレンリベット 1989 19Yo / TWE ザ・シングル・モルツ・オブ・スコットランド(5)

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結局のところ、大切のなのは「何を知っているか」ではなく、「どう感じたのか」ということ。少なくとも、僕にとってウイスキーを愉しむとはそういうものだ。僕はあなたの知っていることに興味はなく、あなたの感じたことを知りたいと思う。僕と同じウイスキーを飲んでいるのに、僕とは違ったものを見つけてくるあなたを面白いと思うから。

もちろん、語り合うなら、結局は同じようなものを探し出すのだなと、お互いを確認することができる。同じことを違う言葉で説明していたり。同じコインの裏と表について論をぶつけ合っていたり。ただ、視点を変えると同じものが違って見えることがある。

この世界は幻想と思い込みでできているのだろう。例えそうだとしても、悪意と誤解で成り立っているよりはましなのだ。僕らが分かり合えたと思うことも幻想かもしれないが、違いを明らかにすることで、その関係を修復不可能な状態にするよりはましだろう。

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人は人と分かり合いたいと思っている。そのために関わり合いたいと思っている。誰にだって大切にしているものがあって、大切な人に優しく触って欲しいと思っている。そう、つまり、コミットしたい人にタッチしようと思っている。だけど僕らはみなヘタクソで未熟だ。タッチしたいと思いながら、クラッシュしてしまうことがある。確かに、クラッシュが大きな危機を招くことがある。

絶対にクラッシュしない方法がひとつだけあって、それは、誰にも関わらないこと。だけど、関わらなければ、優しく触ってもらうこともできない。一度も挫折を味わうことのない人生などあり得ないように、生きることがまったく爽やかではないことを僕らは知るべきなのだろう。失敗を繰り返しながら、少しづつ上手にやれるようになっていくしかない。

つまり、失敗をしない人は上手にはならない。
ただ、僕らは当たり前のことを思い出すべきだろう。
それでも人生は続いて行く。
できればクラッシュの少ない人生でありたい。

あなたはウイスキーにタッチしているだろうか。ウイスキーとクラッシュしていないだろうか。あなたがウイスキーを乱暴に扱うなら、酩酊を繰り返し、周囲の人とも何度もクラッシュするだろう。ウイスキーを大切にしている人は、その冒険の始まりを慎重に扱う。だから、ウイスキーを乱暴に扱う人を好きになることが難しい。

もしもあなたが誰かに近付きたいと思っているなら、ゆっくりとウイスキーに迫ってみれば良い。あなたがウイスキーに近付けば、そのウイスキーの周りに人がいることに気付くだろう。あなたはウイスキーの方を向いたまま、その人の隣に寄り添い、こう訊いてみると良い。たったひと言「このウイスキーをどう感じますか?」、そう訊くだけで構わない。それが始まりの合図。

互いにウイスキーの方を向いたまま、
決して向き合うことなく、
だから、ほんの少し物足りないかもしれないけれど、
だから、ぶつかり合い過ぎてしまうこともなく関わり合うことができる。
そう、例えば、バーのカウンターで隣に誰かと並ぶのと同じように。

ウイスキーは良い訓練になる。

例え、整って体系化されていたとしても、あなたの知識にすべてのウイスキーが当てはまる訳ではない。1984ヴィンテージのグレン・エルギンがみな同じではないことを知っているなら、ふたご座でB型の男もまた、みな同じではないことを理解するだろう。

ひと括りにされた1982ヴィンテージのクライヌリッシュに比べたら、ひと括りにされた1984ヴィンテージのグレン・エルギンは似ているかもしれない。ただ、個別に向き合うなら、それぞれのグレン・エルギンに違いがあることは誰でも感じること。ふたご座でB型の男たちもまた、ひと括りにされることなく、個別に違いを感じて欲しいと思っている。

何かを説明しようと思う時、僕らはあまりにもその属性を根拠としてしまいがちだ。「長期熟成だから」、「アイラ・モルトだから」、「シェリー・カスクだから」。あるいは、「40代だから」、「B型だから」、「ふたご座だから」。恐らくそれが、容易いからだろう。しかしどうだろう。僕は思うのだが、「だから…」あなたはどう思うのだろう?

あなたがそのウイスキーに「タッチ」したなら、あるいは、その人に「タッチ」したなら、あなたがその時にどう感じたのかを僕は知りたいと思う。その生々しさを共有したいと思う。いたずらにその属性を並べられるより、その方がよっぽどその本質に迫っていると思うから。ウイスキーも人も、それぞれに個別のダイナミズムを抱えているものだから。

たくさんの属性を並べても、何も説明できていないことがある。
つまりそれは、20年前の僕と同じ過ちを犯している。

「良く喋る男は大体、嘘つき」。

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グレンリベット 1989 19Yo / TWE ザ・シングル・モルツ・オブ・スコットランド(4)

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IMG_9720_1さて、さて。言葉は最初から、あなたの中にあった。あなたはかつて、そのウイスキーがチョコレートの香りを放つことを、誰かに気付かせてもらったのだとしても、だけど、あなたはその人にチョコレートについてのレクチャーを受けた訳ではないはずだ。チョコレートそのものについて、あなたは既に知っていたはずなのである。

一杯のウイスキーの周りに幾人かが集い、僕らは飲みながら、そのウイスキーと自分の廻りのことについて語り合う。たったそれだけの時間が、僕らに多くの愉しみと安心をもたらしてくれることを、僕は信じて止まない。僕らがウイスキーを飲むのは、酩酊することだけを目的にしているのではない。そんな時間を愉しいと思える人を増やすのが、僕の仕事だと考えている。

言葉が足りなくて、誰とも語り合うことができないと思っているなら。
知識が足りなくて、勉強をしなければ始まらないと思っているなら。
それはとても、愚かなことだと思う。

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足りないのは知識ではない。つまり、言葉ではない。あなたが自分の中に生まれたイメージに近付こうとすることだ。あなたの中にどんなイメージが生まれるかは、どんなウイスキーの専門書にも書いていない。言葉を、あるいは知識を増やしても解決しないことがある。曇りガラスの向こうで揺れる何かに、モザイクの掛かったそのイメージに、あなたが近付いてみたらどうだろう。

ウイスキーを愉しむとは、宝探しの冒険の旅に出ることである。
知識を増やし、間違い探しの得意な皮肉屋になることではない。
本当に重要な知識なら、あなたが知りたいと思ってからでも手遅れではない。

どんなに言葉を増やしても、あなたの中に生まれたイメージと言葉が結び付かないのなら、あなたから言葉は発せられない。チョコレートという言葉を知っていても、それが口から出ないことがあったように。大切なのは自分の中に生まれたイメージに近付こうとすることであって、言葉を増やすことだけではない。あなたが感じたことでないのなら、その言葉は誰にも届かないだろう。

まして、蒸留所の住所と電話番号を暗記しても、ウイスキーを飲むことは愉しくならない。あなたが時間を掛けて用意したウイスキーに関わる薀蓄は、あなたの大切な人を退屈させるかもしれない。そんなことより、あなたの大切な人と一緒にウイスキーを愉しんだらどうだろう。たったひと言「このウイスキーをどう感じますか?」、そう訊くだけで構わない。それが始まりの合図。

あなたの大切な人はチョコレートを知っているだろうか?キャラメルを食べたことがあるだろうか?バニラの香りをイメージできるだろうか?ハチミツは?マーマレードは?レモンは?オレンジは?海苔?ヒジキ?鰹節?ベーコンは?例えばそう訊ねて、「大丈夫、大概のものは口に入れたことがある」というのなら、十分にウイスキーを愉しいと思う可能性がある。

ウイスキーに馴染みの薄い人にだって、ウイスキーのその味わいや香りから、十分に何かのイメージが生まれることがある。様々なものを見つけることできる。グラスの中は多様性の宝庫だから。そして、宝探しの冒険に夢中になることがある。

僕らは自分を愉しくするためにウイスキーを飲んでいる。
誰かを幸せにしないのなら、ウイスキーなんてまったく意味がない。
大切な人と一緒に大好きなウイスキーを愉しめたら良いのに、って。
僕はそう思っている。いつだって。

さて、グレンリベットについてひと言も語ることなく、話は続く。

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大したモンです。
BBR クライヌリッシュ 1982

グレンリベット 1989 19Yo / TWE ザ・シングル・モルツ・オブ・スコットランド(3)

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さて、では、あなたはそのウイスキーを初めて飲んだ時、すぐに「チョコレートの香りのする」と感じただろうか?はっきりと「チョコレート」のイメージが頭に浮かんだだろうか?

IMG_9720_1答えがノーなら、今ははっきりとそれを「チョコレートの香りのする」と言えるのに、初めて嗅いだ時にはそれを「チョコレート」とは言えなかったということである。また、もしも答えがイエスなら、あなたは嗅覚に優れ、なおかつ既成概念に囚われることのない素直な人柄なのだろうと思う。それでは、ノーの方にもイエスの方にも、もうひとつ質問をしたい。

あなたの目の前で、あまりウイスキーに馴染みのない人がウイスキーを飲んでいる。その人が飲んでいるのは、あなたにとっては「チョコレートの香りのする」ウイスキー。あなたの隣でその人が呟いている。「この香り…?」。悶えていると言っても良いかもしれない。「何だっけ?知ってるはずなのに!?」。あなたは隣の人に声を掛けたくなっている。

「チョコレート…の香りじゃないですか?」。
「あぁ!それ!!」。

あなたには似たような経験がなかっただろうか?あなたの隣のその人は、当初、チョコレートとして認識できなかったその香りを、今でははっきりとイメージの中にチョコレートの存在を感じながら、「チョコレートの香りのする」ウイスキーと言えるのである。あなた自身がその「隣の人」であったなら、あるいは、先ほどの質問の答えが「ノー」であるなら、話はもっと分かり易いだろう。

その時あなたはそのウイスキーを「チョコレートの香りがする」とは言えなかった。
今ではそのウイスキーを「チョコレートの香りのする」ウイスキーと言える。

さて、僕はあなたに伺いたい。かつてあなたがそのウイスキーを「チョコレート」とは言えなかった時、あなたは「チョコレート」という言葉自体を知らなかっただろうか。お酒を飲み始め、二十歳も過ぎているであろうあなたが、世の中に「チョコレート」という甘い食べ物があることを知らなかった訳がない。

昔からあなたは「チョコレート」の存在を知っていた。
しかし、その時あなたはそのウイスキーを「チョコレートの香りがする」とは言えなかった。
今ではそのウイスキーを「チョコレートの香りのする」ウイスキーと言える。

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つまり、言葉は最初からあなたの中にあった、ということである。言葉が足りなかった訳ではない。「チョコレート」という言葉を知っていたが、そのウイスキーに感じた香りを「チョコレート」に結び付けることができなかった。だから、「チョコレート」と言うことができなかった。何故、結び付かなかったのかというと、イメージがクリアではなかったから、ということではないだろうか。

あなたはそのウイスキーを飲んで、「何かに似ている」、「これを知っているはずだ」と思った。驚くほど大きな存在感を持ったイメージがあなたの中にあって、だけど、それは曇りガラスの向こう側でゆらゆら揺れている。それが何かを「知っているはず」だと思っていたが、曇りガラスはそのイメージを遮ったまま、向こう側を見せてくれることはなかった。

あなたが「チョコレート」と言えなかった理由は、あなたが「チョコレート」という言葉を知らなかったからではない。

さて、あなたはどうやってその「チョコレート」の香りに気付いたのだろう。
それは、いつのことだっただろう。
いづれにしても、あなたは叫んだのだろう。
「あぁ!チョコレート!」。

言葉は最初から、あなたの中にあった。
チョコレートという言葉なんて、小学生の頃から知っている。
言葉が足りない訳ではなかった。
それは、ウイスキーが放つ香りと、頭の中のチョコレートの香りのイメージが結び付いた瞬間。
足りないのは言葉ではない。

あなたがウイスキーに近付きたいと思えば、
曇りガラスの向こう側のイメージに迫りたいと思うなら、
あなたはお気に入りのウイスキーの中から、
たくさんの宝物を探し出すことができるだろう。

ご心配なく、BBRクライヌリッシュ1982は昨日入荷済み。


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話は明日に続くのでしょう。

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グレンリベット 1989 19Yo / TWE ザ・シングル・モルツ・オブ・スコットランド(2)

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IMG_9720_1このグレンリベットには少し猪口才(ちょこざい)な印象があって、複数の要素を感じるのだけれど、真ん中にしっかりと存在するのは水飴のような甘さ。だけど、その動かしようもない本性を隠そうと思って色々頑張っている。そのことを指して、僕は猪口才だと言っているけれど、でも、そのこと自体がキュート。

花っぽいハチミツの香り、イチジク、ちょっと硬いビスケット。ほど良く甘いシェリーの香り。折れた生木のような印象があったり、蚊に刺された時に使うかゆみ止めの薬のようだったり。暑い夏の日の終わりの夕涼み。陽炎に揺れながら、いくつかのものが順番に現れる。

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経験したことを伝えようとすることは難しい。どんなに言葉を尽くしても、その出来事を寸分違わず再現することは不可能だ。まさに今飲んでいるウイスキーに何かを感じていて、でもそれが言葉にならない。そんなことは多くの人が経験しているはず。頭の中にイメージが浮かんでいても、それが遠過ぎるのか、あるいはモザイクやフィルターが掛かった向こう側にあるように思える。

だから、そのイメージは非常に輪郭が曖昧でぼやけている。
それが何かを判別することは不可能で、だからそれを言葉にすることはできない。

言葉にすることができなければ、それは誰にも伝えることはできない。例えばあなたはそのウイスキーを飲んで、何かのイメージらしきものが浮かんでいて、しかもそれは非常に大きな存在感がある。ただ、それは曇りガラスの向こう側にあってゆらゆら揺れている。知ってるはずなんだけどってあなたは思っていて、「この香りってなんだっけ!?」なんて悶えている。

イメージがはっきりとクリアに見えたなら、その見たままを言葉にすれば良い訳だ。
ところが、イメージがクリアにならないから言葉が出ない。
ウイスキーを飲んでいると、時々そんなもどかしい思いをすることがある。

さて、僕は皆様に今一度確認を申し上げたい。もしもあなたが、「たくさんの人とウイスキーについて語り合いたいと思っている」のに、「なかなか言葉が出てこない」と思っていて、その原因が「自分が言葉を知らないから」と判断しているなら、僕はひとつ注意を促しておきたい。だって、その原因は言葉が足りないことではなく、イメージがクリアでないことかもしれないから。

イメージがクリアでないなら、どんなに言葉を増やしても解決には至らないだろう。
つまり、足りないと思って増やしても、それが原因で人は溺れてしまうかもしれない。

例えば、ウイスキー好きな多くの人がこんな経験をしていると思う。それをシェリー樽熟成のウイスキーで25年前後の熟成としよう。蒸留所はどこでも構わない。まぁ、スペイサイドの蒸留所でイニシャルがSとかMとかってことにしておこうか。あなたはそのウイスキーを「チョコレートの香りのする」代表的なウイスキーだと認識している。

それを前提に話を進めたい。

もちろん、それがあなたにとって「チョコレートの香りのする」代表的なウイスキーであるなら、スペイサイドの蒸留所である必要も、イニシャルがSとかMである必要もない。

では、ひとつ質問をしたい。あなたはそのウイスキーを初めて飲んだ時から、「チョコレートの香りのする」と感じただろうか?初めてそのウイスキーを飲んだ時に、はっきりと「チョコレート」のイメージが頭に浮かんだだろうか?

「3杯セット」のご利用が可能です。
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1杯当り、¥700(税込)です。


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グレンリベット 1989 19Yo / TWE ザ・シングル・モルツ・オブ・スコットランド

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「良く喋る男は大体、嘘つき」。

IMG_9720_1その時彼女はきっぱりとそう言い放った。「その時」っていうのは今からもう20年も昔のことで、「嘘つき」って言われたのは僕。すみませんと言えば「何を謝ってんのよ」と怒られ、僕は嘘つき呼ばわりされることを恐れながら、また喋り始めた。

僕が良く喋ったのは事実だし、彼女が良く喋る男の大半を嘘つきと考えていたことも間違いがない。そして、彼女が僕を「嘘つき」と呼んだのも事実だが、僕が本当に嘘つきかどうかはまた別の話。当然だが、僕らが何を争っていたのかは、一切明らかにできない。

誤解があるなら解いておきたい。事実誤認があった可能性を否定しないが、僕は嘘をついたりはしていなかった。ただ、彼女が僕を疑っていたのは事実で、僕はことの成り行きを説明しようと良く喋った。僕は彼女に理解を求め、でも、だけど、彼女が僕に求めたのは詳細な説明ではなかったということ。20年も経った今なら、良く分かる。

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言葉の数が増えた分だけ、リアルから遠ざかってしまうことがある。文章は意味を失い、物語から命が奪われる。意味を失った言葉は音でしかなくなり、世界は意味のない音で溢れる。僕らは雑音の海を泳ぐけれど、「意味ある岸辺」に辿り着くことなく溺れてしまいそうだ。つまり、足りないと思って増やしたもののおかげで、人は溺れそうになることがある。

僕に言わせるなら、個人的な事情とウイスキーの説明には、ある意味似たところがある。それは、どんなに言葉を尽くしても、分かってもらえないことがあるということ。興味や関心のないことを人は理解しようと思わないし、正確な事実を並べても人は理解してくれないことがある。ただ、本当に理解を求めるなら、自分の努力をバカバカしく思わないことが肝心。

彼女とウイスキーが僕に教えてくれた重大なことは、「自分の気持ちを語りなさい」ということ。事実の正確性を高めようとしたり、その詳細さを極めようとしたり、誰かの話を持ち出して自説を根拠のあるものに見せようと思ったり、そんなことはまったく意味がないと教えてもらった。論理的な整合性や有利な条件より、期待や情熱の方が人の心を動かすという話なら世の中にいくらでもある。もちろん、僕は良し悪しの話をしている訳ではない。

誰かを幸せにしないのなら、ウイスキーなんてまったく意味がない。
僕は本当にそう思っている。

さてさて、続きは明日。

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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グレンドロナック グランデュワー 31Yo バッチ1 / OB

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IMG_9877_1さてさて、本日は少々申し訳のないお知らせをすることになるのだろう。本日のタイトルの通り、グレンドロナック・グランデュワーがジェイズ・バーに納品されたのがつい先日。何人かの方はそのことをご存知で、なおかつ、気になった様子で、実は数件のお問い合わせを頂いた。しかし、大変恐縮なのだが、このウイスキーは既に予約の受付が終了しており、完売状態なのである。

IMG_9904_1ご来店のお客様のみを対象にしたご案内であったので、特にブログで告知するようなことはしなかった。普段から何の気なしにジェイズ・バーにウイスキーを飲みに来てくれる、そんなお客さんに喜んでいただけたら嬉しいとの思いもあった。特別価格でのご提供とのこともあって、予約枠の19名はあっと言う間に埋まってしまった。

ご案内をしたのが5月のこと。
ご予約をしていただいた方には、「3ヶ月、お待たせしました!」。

気になる方には恐縮なのだが、ご予約の方を優先させていただきたいと思う。ただ、予約枠は19名なので少々余裕はある。予約の方にご迷惑を掛けない範囲で提供していきたいと思います。もちろん、ご希望に添えない場合もありますので、ご了承下さい。

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まぁ、さすがに大物といった様子のウイスキーだ。思ったより以上に滑らかで華やか。この複雑さと厚みを無視して「軽快」とは言えないが、意外なほどスムースな飲み心地。繊細なのである。非常に重層的で、今後も逞しい展開力を発揮してくれそうだ。日を置いて愉しみたい気分にさせてくれる。もちろん、現在も愉しみの多いウイスキーだ。個人的にはベリー系フルーティな香りの背景から立ち昇る、芳ばしくローストしたアーモンドや焦がしたカラメルやハチミツ。そんな香りが好き。

IMG_9889_1今回はバッチ1とのことでのリリース。今後も第二弾、第三弾と続いて行くのだろうが、その一番最初を愉しめたことを何しろ嬉しく思う。

ご予約済みの皆様、お待ちしております!

しかし、この箱のデカさにはビックリ!

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タムナブーリン 1991 18Yo / ダグラス・レイン OMC(2)

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IMG_9224_1何もビッグ・ネームだけがウイスキーを造っている訳ではない。有名ではない蒸留所もウイスキーを製造している。熟成18年のこのウイスキーが蒸留されたのは1991年。その当時、日本には一体どのくらいのウイスキー愛好家がいただろう。どのくらいの人がシングル・モルト・ウイスキーに興味を持っていただろう。

そして、一体何人の人がタムナブーリンという蒸留所の名を知っていただろう。

僕はと言えば、飲むウイスキーがスコッチ・ウイスキーばかりになっていた頃だ。マッカラン、グレンフィディック、グレンモーレンジ。飲んでいたのはビッグ・ネームばかりで、もちろん、タムナブーリンなんていう蒸留所は知る由もない。ハイランド・パークがハイランド・モルトに分類されると教わった時代で、その島のウイスキーをおいしいと思い始めた頃だったろうか。

ニックネームが付くほどにビッグ・ネームな蒸留所には、どうしたって先入観がつきまとってしまう。しかし、その事実を裏に返すなら先入観を排除できる分だけ、ビッグ・ネームでない蒸留所は素直に、その香りと味わいを愉しんでもらえるかもしれない。予備知識がない分だけ、借りて来た言葉を披露する訳には行かなくなるから。

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例えばこのタムナブーリンという蒸留所に、あるイメージを持とうとするのなら、それは、誰かから言葉を借りてくるのではなく、自分で作るしかなくなる。つまり、自分の「感じる身体」を頼りに、このウイスキーに向き合うしかなくなる。あなたがこのウイスキーに向き合うなら、あなたの中にこのウイスキーに対するイメージが生まれる。

ウイスキーを愉しむとは、そういうことの積み重ねなのだ。ウイスキーを感じ、それが言葉になる。あなたの記憶にその言葉をしまっておくと、次に取り出した時に、その言葉がイメージの起点となる。言葉からイメージが膨らみ、そのイメージはウイスキーを思い起こさせる。「タムナブーリン?あぁ、あんなウイスキーだな」。

あなたのイメージは他の人のイメージと違う可能性がある。だけど、それは、おかしなことではない。

例えば僕は、このタムナブーリンにこんなイメージを持っている。それは、熟成20年前後のタムナブーリン全般に対してと言って良いかもしれない。そしてそのイメージは、モルト売りとしての僕にひとつの注意を促がす。

例えばこのタムナブーリンがカウンターの上に並んでいる。どうやらあなたはほんの少し、このウイスキーが気になっている。そんな様子のあなたに、僕はこんな質問をするかもしれない。

「すりおろしたショウガの練り込まれた、少しスパイシーなクッキーは好きですか?」、と。

あなたの答えが大いにイエスなら、僕は躊躇なくこのウイスキーを薦めるだろう。
あなたの答えがノーならば、僕は頷いて違うウイスキーを差し出すだろう。

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タムナブーリン 1991 18Yo / ダグラス・レイン OMC

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IMG_9224_1すぐ近く隣にいる人との距離を遠くに感じてしまったり、大勢の人の中にいるのに寂しさを感じたり。寛大であると思っていた自分にも、何だか赦せないことがあるとの思いに至り、それまで寛大であると思っていた自分が、実は、我慢強いだけのことだったと思い知る。人は静かに絶望を生きると開き直ってみたところで、もちろん、事態は変わらない。

だけど、気持ちが変われば、世界が変わる。何しろ、世の中は思い込みと幻想で成り立っているのだから。さて、僕らは世界をどのように認識しているのだろう。あるいは、自分の身の回りをどのようにイメージしているのだろう。そして、そのイメージは自分が感じたことを組み立てた結果、生まれたものだろうか?誰かから借りて来たものではないだろうか。

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例えば、ハイランド・パークを「最北端の蒸留所」と言ってみたり、マッカランを「ウイスキーのロールスロイス」と言ってみたり、スプリングバンクを「モルトの香水」と言ってみたり。確かに、それらは、僕らにある種のイメージを押し付けて来るけど、だけど、実際のところ、大したことを説明している訳ではない。簡単に言えば、ニックネームのようなものだ。

フットボールで言えば、スペインが「無敵艦隊」と言われるようなもので、ただ、スペインが無敵ではないことは誰でもが知っていること。つまりそれは、事実を正確に説明していない上に間違いですらある。まぁ、それがニックネームというものだろう。実績ではなく希望なのだと言われるなら、返す言葉もないではないか。

ただ、それらがそれぞれ、ニックネームが付くほどにビッグ・ネームであるということは事実だ。しかし、世界中の素晴らしいもののすべてはビッグ・ネームである。という意見は間違いである。皆様はタムナブーリンをご存知だろうか?もちろん、その蒸留所がビッグ・ネームではないことを僕も当然、認めざるを得ない。

という訳で、本日は眠いので明日に続きます。
美脚の夢を見て寝ることにします(笑)。

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ロングモーン 1991 17Yo / アデルフィ

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IMG_9732_1グラスを持つ右手の人差し指の爪が伸びていることが少し気になって、僕はこの一口を飲み終えたら、引き出しから爪切りを取り出そうかどうしようか悩んでいた。ただ、そんなことは頭の片隅に置いて、僕はこのロングモーンを十分に愉しんだ。素敵なロングモーンだなと、そう思う。若いのにしっかりして、もう既に十分身体が出来上がっている。

ただ少し残念なのは、「十分ではあるが、まだ熟してはいない」。少しだけそんな感覚を抱いてしまうことだろうか。そんな時に、熟成と瓶詰のタイミングを思ってしまう。このウイスキーにとって、それはちょうど良いタイミングだっただろうか。もう少し熟成を重ねていたら、どうなっていたのだろう?と。少なからず、そう思う。

改めて、グラスを鼻に近付けてみる。いくつかのイメージが頭に浮かんで、例えばそれは、プラムとか桃とか。だけど、細部にこだわることなく、その全体に思いを馳せるなら、ふくよかで柔らかく滑らか。しっとりと言っても良いかもしれない。弾力のあるスイーツにフォークを指そうとして、ぷるんぷるんしている。そんな印象。ただ、それ自体とても暖かみのあるもの。

僕はこのウイスキーを飲ませたいいくつかの顔を思い浮かべて、そして、そのうちのいくつかには、もう再び逢うこともないのだろうかと、そう思い、ちょっぴり切なくなる。あの人ならこれをきっと、おいしいと言うのだろうなと。だから、僕はその顔を僕の目の前で見たいと思う。なるほど、僕がウイスキーを仕入れる動機は、そんなところにもあるのだな。だから、アレもコレもと増えていく。

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関係に齟齬が生じるってことは人間なら誰にでもあって、それは僕の事情なのか、あなたの都合なのかは分からない。あなたはその角を曲がってしまい、もう既に姿が見えない。そして、僕が追い掛けなかったことは確かだ。それが、悪意なのか善意なのか、作為なのか不作為なのか、あるいは不作為という作為なのか。まぁ、そんなことはどうでも構わない。追い掛けたかったとか、追い掛けられなかったとか、そんなことはどうでも良い。

だけど、あなたはこのウイスキーをおいしいって言うんだろうって、僕はそう思うんだって。

だけど、もう再び逢うこともないかもしれないあなたとも、僕らは必ずこの空で繋がっている。僕が見上げたこの空を、あなたもどこかで同じ時間に見上げているのかもしれない。今年の東京の空はとても熱くて、だけど、あなたが見上げているのは東京の空だろうか?もちろん、それが東京じゃなかったとしても、僕らはこの空で繋がっている。

もしもあなたが、このウイスキーをどこかで飲んでいるなら、僕があなたの顔を思い出したように、あなただってこのウイスキーを飲みながら僕の顔を思い出すはずだ。僕があなたを思い出したのだから、あなただって僕を思い出している。だって、僕らはまだどこかで繋がっている。だって、あなたがこのウイスキーを独りで飲んでいるのなら、僕がどんな風にあなたに語りかけながら、このウイスキーを愉しませているのだろうかを想像しているはずだもの。

あなたが目の前にいたなら。

そう、あなたが想像している通り、僕はあなたがそのすべてを飲み干す前から、その終わりについて語っているだろう。「紅茶、ロイヤル・ミルクティ、あるいはインドのチャイのような終わり方」。恐らく僕はこのロングモーンをそんな風にあなたに伝えているだろう。あなたがそのウイスキーを飲み干して、5分も経ったらそんな香りがすると。

そして、あなたは飲み干したグラスに鼻を突っ込んで、そして、ほんの少し悔しそうに「あぁ、確かに、ミルクティ」。そう言っているだろう。僕はそんなあなたの顔が忘れなれない。あなたはいつでもウイスキーを愉しそうに飲んでいたから。そう、だから良く憶えている。

でも、あなたは目の前にいなくて、だけど、僕はあなたのことを考えている。
だって、あなたはまたいつ来るのか分からないし、
何しろ、サヨナラだってまだ言っていないのだから。
このロングモーンをおいしいと言うのなら、次に何を出そうかと、
そんなことを考えている。

でも、本当は、
爪切りを右手に持ったまま、右手の爪を切ることはできない、と。
僕はついさっき、そんなことを考えていたばかり。




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ロングモーン 1966 44Yo / G&M ケルティック・ラベル 

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IMG_9493_1過ぎてしまえばその熱い記憶も薄れて行くのだろう。何しろ今年の夏が暑過ぎる。僕に言わせるなら、今年の初夏の出来事はちょっとした騒動で、個人的に「GMケルティック騒動」と名付けている。6,7月にG&M(ゴードン&マクファイル)社のケルティック・ラベルから、いくつかのシングル・モルトのリリースが相次いだ。

全部で6種類のケルティック・ラベルを仕入れることになったのだが、その内訳はクライネリッシュ、モートラック2本、グレン・グラント2本、ロングモーンということである。

その良し悪しについて、多くを語ろうとは思わないが、結局のところ、GMさんはそのブランディングの確立に成功したと言えるだろう。「GMケルティック」 → 「GMさんの最高峰ブランド」。僕らの認識もそういうところに落ち着いていると言って良いだろう。つまり、「GMケルティック」が出れば → 「気になる」ということである。

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これまでGMさんもブランドの確立のためにいろんなことをして来たのだろうし、もちろん、ケルティック・ラベル以外にも素晴らしいウイスキーはあると言われるなら、まったく反論はしない。ただ、僕から言わせるなら、ようやく当たりを引いたなということだ。ケルティック・ラベルというだけで、わりと多くの人に振り向いてもらえるようになったのだから。

その事の良し悪しについては、皆様がそれぞれに考えれば良いと思う。

ただ、GMケルティック・ラベルのウイスキーがリリースされるたびに、僕は「勝ちに来たな」と思う訳だ。少なくともそう思うようにしている。彼ら自身が最高峰ブランドを謳うのならば、その中身は最高のコンディションであって欲しい。それほどの意気込みがないのなら、最高峰ブランドなどお笑い種である。

もちろん、何事にも「功罪あわせ持つ」ということはあるのだろう。ブランドが看板である以上、中身を置いて看板だけが一人歩きしてしまうということがある。つまりは、意図的に看板だけを一人歩きさせることも可能で、ただどうだろう?それが長引けば、支えを失った看板は倒れてしまう。人の世の常だろうか。時間を掛けて作った大切なものを、人は簡単に壊してしまうことがある。

つまり彼らはどちらを選択することも可能だ。

結果として僕らが「(まだ今のところ)信頼できる」と言っているか、「(もう駄目だ)裏切られた」と言っているかのどちらかである。もちろん、その間には「次はどうにかならんのかね?」という期間もあるだろう。つまり、いきなり退場ということではなく、信頼回復までの警告期間ということである。そしてどうやら、僕らはまだ警告を発してはいないようだ。

ただやはり、ひとつだけ注意を促しておきたいと思う。
日本でウイスキーを愉しむ人の多くはサイレント・マジョリティである。

さてさて、GMケルティック・ラベルのウイスキーが「勝ちに来た」のであるなら、その勝敗はいかに?ということであろう。僕の場合、いくつかのウイスキーに「参りました」と負けを認めた。もちろんこの場合、その負けは嬉しいことである。

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ストラスアイラ 25Yo / G&M

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暑さも続いている。なので、昨日の話しの続きのような本日の話。

IMG_9711_1同じ会社の先輩と後輩といった様子の二人組み。先輩が出張先での出来事を話している。ある地方都市の繁華街で、彼はその夜泊まるはずのビジネス・ホテルを探していた。既に予約はしてある。実は場所も確認済み。だから、正確に言うなら、運転中の彼はホテルと提携している立体駐車場を探していた。まずは車を止めて、それからチェックインということである。

ホテルと駐車場は位置的に遠い距離にあるのではない。建物自体は隣接している。だけど、同じブロックの裏表の関係と言ったら分かり易いだろうか。つまり、車ならホテルの目の前を通り過ぎ、次の角とその次の角を2回左折しないと駐車場には辿り着かない。徒歩ならば、連絡通路で30秒だというのに。

要するに、彼は同じところを何度もグルグル廻り、それでも目的地に着かないということなのだが、その大きな理由のひとつがその街の道路に一方通行が多いということ。入口からは入れるけれど、反対の出口は「進入禁止」になっている。目的地の方角は分かっていて、「ここから入れればすぐそこなんだけど…」。車に乗っていると良くあることだ。

で、その先輩はこう嘆いてみせる訳だ。

「あの街は、そこそこの繁華街のクセに道が狭いんだよ。だから、慣れないと行きたい所に辿り着けないで、グルグル廻っちまう。何しろあそこは、

一通方向ばっかりだから 」。

私は気付いた。もちろん、後輩君も気付いた訳だ。それでも喋る先輩の話を遮って、「○○さん、一方通行です」。どうやら先輩は勘が悪い。「???」。頭の上に疑問符を3つほど出して10秒ほど考えて、「あぁ、そうそう、一方通行ね(笑)」。そんな具合である。

まぁ、飲み屋では良くあることだ。飲み慣れた皆様なら、なおさらご想像いただけるだろう。酔いの廻ったその先輩は、延々とその街の道路事情について話し続ける。つまり「一通方向」の話である。もちろん、その度に後輩君に「一方通行です」と注意を促される。先輩が「一通方向」と言うたびに、後輩君は「一方通行です」。草むしりのような、根気のいる仕事だと思う。

間違いに気付き、正解が分かっても、使われないのならまったく意味がない。

どんな人にも我慢の限界があるように、グラスに一滴づつ垂らして行った水がやがて溢れるように、何事も臨界点を超えるということがある。この後輩君の素敵だったところは、先輩の間違いについて精査したところだったかもしれない。そもそも先輩の間違いの原因は、僕らが日常的に「一方通行」のことを略して「イッツウ」と呼んでいることにある。

だから、「イッポウツウコウ」ではなく「イッツウ…ホウコウ」となってしまう。怒りを通り越して、人は疲れてしまうということがある。ただしそれは、諦めとは違う心境だ。後輩君はこう提案する「分かりました。一方通行ではなくて、イッツウって言うことにしましょう」。

それ以降、先輩が「一通方向」と言うたびに、後輩君が「一方通行です」と訂正する一連のやり取りはなくなった。ただ、当たり前のことだが、話がツマラナイ人の話は、間違いを失くしたところでツマラナイのである。「一通方向」と言うたびに「一方通行です」と訂正される、そのコントのようなやり取りがなくなったのもちょっぴり寂しく思えた。

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「クセの強いアイラ・モルトが苦手です」と、そんなお客さんも少なくはない。いづれそのうち、アイラ・モルトを好んで飲むようになる日が来るのだろうと、そんなことを思いながら、「僕がおいしいと思えるようなお薦めのウイスキーはありませんか?」とリクエストをされる訳だ。例えばそんな時に、このストラスアイラの25年をカウンターに並べてみたりする。

すると時々こんな反応が返ってくるのである。
「あの、すみません。だから、僕、アイラが苦手なんです。ストラスアイラってアイラ・モルトですよね?」。

誤解ならば解いておいた方が良いだろう。ストラスアイラはその名の後半が「アイラ」であるが、スペイサイド・モルトである。ストラスアイラはアイラ・モルトではない。

陰謀や野望、あるいは大人の事情かちょっとした都合なのかは知らないが、しばらくの間このストラスアイラの25年が入手困難な時期があった。僕のようなモルト売りには非常に困った事態なのである。ジェイズ・バーでも「準レギュラー」扱いのシングル・モルトなのである。例えば、先ほどのようなリクエストをされた時に、このストラスアイラを飲んでどんな顔をするのか?僕にとっては非常に大きなポイントの部分なのである。

特徴は穏やかでしっかりとした甘味。シェリー由来のまったりしたカカオっぽさ。味わえばなおさら、アイラ・モルトとは間違え難いと思うのだが、蒸留所の名を聞いてアイラ・モルトと間違える方が時々いるのには少し驚く。一方通行を一通方向と言ってしまう間違いの方がまだ一般的だと思う。

さて、来週の月曜日はもう間違える話は書きたくはないのだけれど、実はもうひとつネタがあって、でも、やめようと思う(笑)。間違えてばっかりもいられねぇよな、と。ちょっぴり反省。でも、こういう話って飲み屋では盛り上がるな。昨日はそんな話ばかり。

本日も7時から営業。

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ベン・ネヴィス 1990 19Yo / ダンカン・テイラー ピアレス・コレクション

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「暑いですね」と言われても、何を今さらと、そんな気分になる毎日である。「他に話すことはないのか」と。ならば、「しばらく、黙っていろ」と。何だか、街のすべてがそんな気分なようで、どうにも皆さん殺伐としているのではないかと、僕は少しばかり心配なのである。ただ、しかし、「暑いですね」という訳ではなく、「暑いからですかね?」というようなことが最近は良く起こる。

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僕は身の回りのいくつかのものが壊れて、体調も壊したりした。どうやら、そのすべては最近の暑さのせいで、ジェイズ・バーのお客さんも壊れ気味だ。

歳の頃なら30も少し過ぎたところだろうか。どうやら、ふたりは同級生。思い出話に花を咲かせている。いくつかの懐かしくもほろ苦い話の後、話題は中学校のバスケット部の話に。ふたりは当時良く飲んだスポーツ・ドリンクの名前が思い出せない。その商品名が出て来なくて、話が先に進まない。片方が思い出したようだ。「分かった!」と大きく頷いた。

「ウォーターゲート!」。

違うと思う。多分本当は「ゲータレード」だと思う。なのに、もう片方も「あぁ、それそれ!そうだよ」なんて。ふたりはまたバスケット部の練習の話を始めて、その度に「ウォーターゲート」って言うけれど、本当にそうなら確かにそれは「事件」だ。ただ、その後ふたりも、どうやら「ウォーターゲート」がしっくり来なくなったようで、バスケット部の話は終了。スポーツ・ドリンクの名を言わずに済む無難な話題に変わった。

間違いに気付いても、正解が出て来ないことがある。

ちなみにベン・ネヴィスはベンリネスと名前の似た違う蒸留所。お間違いのないように。どちらもマイナーな蒸留所と言って良いだろう。触れる機会が少ない分だけ忘れることも多いと思うが、現在、ジェイズ・バーにあってご紹介させていただいたのはベン・ネヴィス。

IMG_9664_1最近は暑さのせいでいろんなものが壊れ易くなっている。温暖化が進んで、東京は既に熱帯になってしまったらしい。僕は毎年夏になると、ベン・ネヴィスはベンリネスと名前の似た違う蒸留所。お間違いのないように。と注意を促しているかもしれない。熱い夏に間違いは起こり易い。何しろ、夏の間違いの代表選手は「ひと夏の恋」であって、冬は愛を暖める季節であると言われている。

いつまでも暖かいものを手放したくない冬に比べたら、夏も終わりになれば、恋の熱さにもウンザリするのである。男も女も身勝手な生き物で、ゲータレードとウォーターゲートを混同してしまうように、ベン・ネヴィスとベンリネスを間違えてしまうことがある。暑い夏こそ乱暴にならないようにご注意を。こんな時こそ、人生に必要な態度のひとつが丁寧さであることを思い出した方が良いかもしれない。

投げやりな態度は、僕らに時々大事なものを失わせてしまうことがある。
だけど、ベン・ネヴィスとベンリネスの名を間違えない程度に慎重であれば大丈夫だ。

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カリラ 1997 12Yo / G&M リザーブ・ラベル for LMdW

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IMG_4527_1実は再入荷のウイスキー。ジェイズ・バーでは2本目の扱いである。G&M(ゴードン&マクファイル)のリザーブ・ラベル、ラ・メゾン・ド・ウイスキー向けのボトリング。アルコール度数は46%の加水タイプ。物足りない?いや十分に頼もしく。いや、実は丁度良い。

夏の暑い夜のアイラ・モルトをおいしいと思うことがある。たっぷりのチェイサーとともに、ゆっくりと身体に流し込む。それはある種のミネラル補給のようで、塩飴を舐めながら水分を取っているような、そんな安心感がある。じっとりと濃く甘くしょっぱいその飴は、涼しさを求める僕を、ほんの少しウンザリさせるのだけれど、その身体に沁み込む感じは、後から僕に自分が何を求めていたのかを思い起こさせる。

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そう、だから、夏の夜のアイラ・モルトが嫌いではない。真夏日の続く茹だるような夜に、ほんの少しばかり汗を掻きながらアイラ・モルトのストレート。冷房を消して、微かに熱くなる身体が心地良い。僕らが汗とともに失っているのは水分だけではないのだろうと、ウイスキーを飲みながらそんなことを考えるのも悪くない。

さてさて、実はこのカリラは「じっとりと濃く甘くしょっぱい」系とはちょっと違う仕上がりだ。「夏こそ、カレー」ではなく、「夏はやっぱり冷やし中華」的なカリラ。ピートのニュアンスが涼しげな、温度の低いアイラ・モルトと言って良いだろう。リフィルシェリーのおかげだろうか?煙たさが綺麗。

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夏の夜に見上げた空に流れ星に、つかの間の永遠が見えた。
だけど、それは一瞬のできごと。
流れ星が往くと、永遠が終り、今がそこにある。

簡単に言うなら、そんなカリラである。
今朝の東京の素敵な青空は、十分に僕の眠気を誘う。

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ハイランド・パーク 1981 / キングスバリー

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IMG_9480_1こういうハイランド・パークを飲んでいると、かつて、僕がハイランド・パークに何を求めていたかを思い出す。それは、華やかさではなく、重たい甘さ。伸びの良さではなく、揺らぐことのない膨らみ。もちろん、華やかで伸びの良い素晴らしいハイランド・パークをまったく否定しないけれど、しかし、凛々しくはなくとも、何事にも動じることのない落ち着きが、このウイスキーにはある。

このラベルを見て、すぐにキングスバリーのウイスキーであることにピンと来たなら、あなたは少しオールド・スタイルな飲み手かもしれない。件の酒屋に言わせるなら、「40代以上のバーテンダーさんはこういうウイスキーが好きですよね?」ってことだろうか。いづれにしても、少し昔の瓶詰のハイランド・パーク。1981年蒸留で22年熟成だから、2003年か2004年の瓶詰ということ。

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今から6,7年前に飲んだなら、深い感慨を持つことなく、素直においしいと思っただけだろう。

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適切な塩味。ごく当たり前の、海育ちなハイランド・パーク。ヘザーでハニー。そのハチミツはまるで、パンケーキの上でバターと混ざりながら溶けているようだ。ハイランド・パークのわりには、その煙たさが少し薬品系だが許容の範囲内。もちろん、重たく甘いことを前提としているが、非常に秀逸なバランスの良さの上に多くのことが成り立っている。

華やかな伸びの良さはこのウイスキーに存在しない。そして、そのことが不幸でも悲劇でもないことを、僕は改めて知ることになった。これは、僕が求めるハイランド・パークのひとつのスタイルだと、そう思う。つまり、こういうバーボン樽のハイランド・パークが好きだということ。

このウイスキーは何かを諦めているだろうか。特に開き直る必要もないと思うが、できないことを知り、限界を思い知らされることは、不幸の始まりではない。人生にだって、効率の悪いチャレンジを繰り返すなら、未知の領域でリスタートした方が良いということがある。諦めとは執着からの解放でもあるから。

集中力を高めて行くと、人は思いやりを失うことがある。視野の狭さは心の狭さに通じるところがある。諦めた瞬間、人は思いやりを取り戻すことがある。諦めとは自分を赦すことでもあるから。心が開くとは、他人を受け入れる準備が整ったことである。このハイランド・パークは華やかな伸びの良さが存在しない代わりに、違うものを十分に手に入れている。


ウイスキーはそれ自身が「おいしくなること」を考えながら熟成して行くのだろうか?

そんなバカな!?
ウイスキーはウイスキーさ。
考えるのは造り手である人間。
ウイスキーは何も考えない。

もちろん、その通り。ウイスキーが意図を持つはずがないと考えた方が妥当だろう。ただ、どうだろう。ウイスキーが命の水である以上、ウイスキーは命によって育まれている。それが命であるのなら、命は何かを目指すはずだ。ウイスキー自身が「おいしくなること」を目指しているかもしれないと思う僕は愚かだろうか。

いづれにしても、僕らがおいしいウイスキーを求めない限り、ウイスキーはおいしくならない。
僕らの期待がウイスキーをおいしくして行くだろうことは確かだ。

構成要素が非常に多数存在することを「複雑」というのなら、このハイランド・パークをそう表現することはできないと思う。しかし、これは決して「単調で単純」なウイスキーではない。「素朴で素直」なのである。もちろん、しっかりした骨格に適切に素晴らしい筋肉が付いている。それは生命力に溢れ、ウイスキーの味わいにある種の厚みをもたらしている。

しっかりした骨格と適切な肉付き。素朴で素直な厚みのある味わい。小賢しい複雑さを持ったウイスキーでないことは確かだが、それを指して「インテリジェンスが足りない」と、もしも、あなたがそう言うのなら、

そんなバカな!?
ウイスキーはウイスキーさ。
考えるのは造り手である人。
ウイスキーは何も考えない。

そう言ったのも、あなたであったことを指摘しておきたい。
「ウイスキーは何も考えない」とあなたは言ったのであり、あなたはウイスキーにインテリジェンスを求めていなかったはずだ。

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キャパドニック 1972 37Yo / ダンカン・テイラー ユアンズ・チョイス 信濃屋オリジナル(2)

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さて、先週の金曜の続きである。
前回は引き算から始めたので、本日は足し算から。

122+112=234

IMG_9429_1ダンカン・テイラー社所有のカスクNo.7443の「キャパドニック 1972」。ユアンズ・チョイスと冠されるほどのその優秀な仕上がりに、信濃屋のバイヤーさんが目を付けた訳だ。「是非とも、信濃屋向けに」と。そして、今年2月のウイスキーマガジン・ライブ!にサンプルが持ち込まれ、僕らにお披露目された。

試飲した多くの人の評判も高く、僕自身も販売されたら仕入れることを心に決めた。リリースは5月、販売開始5時間で完売というのだから驚いた。ちょっとした経緯があったらしいが、そのピアレス・コレクションのラベルでリリースされたカスクNo.7443は122本だけだったとのこと。つまり、112本は残されたままということだった訳だ。

IMG_9423_1キャパドニック カスクNo.7443は第一弾として「ダンカン・テイラー ピアレス・コレクション ユアンズ・チョイス」のキャパドニックとして5月末に122本。第二弾は「ダンカン・テイラー ユアンズ・チョイス」のキャパドニックとして7月末に112本リリースされたということだ。第一弾は「ピアレス・コレクション ユアンズ・チョイス」。第二弾は「(ピアレス・コレクションではない)ユアンズ・チョイス」ということである。



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大雑把に言ってしまうと、ひとつの樽を大体半分づつくらい、2回に分けてリリースされたということだ。何故そのようなことになったのか?というところが疑問だが、まぁ、そんなことを僕はアレコレ考える訳だ。ひと通り考えて、多分こういうことなんだろうと、自分なりの答えを一応は出したりする訳だ。

実は縁あって、関係者からお話を伺うことができた。つまり、今回のキャパドニックが2回に分けてリリースされた理由を知ることができた。

その理由をここに書くことはやめようと思う。
気になる方はジェイズ・バーへ。
文章にはしないが、お話ならできる。

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


よろしくお願いします。

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シークァーサー

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IMG_9517_1金曜日のこと。沖縄に行って来たというお客さんから、少しばかり大量にシークァーサーを頂いた。まぁ確かに、一人暮らしの人が使い切るのはちょっと多過ぎる量なのかもしれない。お裾分けってことだ。こういうのはちょっと嬉しくて、「何か使えねぇかな」って考えるのが愉しい。

試しに半分に切ってみて、絞ってグラスに落としてみる。

僕はこういう時に、「実体とイメージのギャップを愉しむ」ようにしている。みんなどうしてるんだろ?何しろ、僕にとってシークァーサーなんて日常的な普段のものではないもの。だから、それはイメージの中にしかいないという状態に近く、柑橘類ではあるけれど、オレンジよりはライムに近いのかなって、そんなイメージ。

半分に切る前、イメージの中にあるシークァーサーをで、きる限りしっかりと意識に立ち上らせてみる。毎度のことだけれど、自分のイメージの貧困さには呆れるばかりだが仕方ない。グラスに落として昇る香りが鼻をくすぐった瞬間、希薄なイメージに圧倒的な事実が覆い被さって来る。グヮンって頭が揺れる感じ。

なるほど、イメージより以上に驚くほど甘い。

シークァーサーに対する僕のイメージは随分と覆されることになった訳だ。苦味とか渋味とかはある程度想像したとおり、だけど、思った以上に甘い。何だか豆腐のにがりのようなものを連想したけれど、気のせいか(笑)?

ふーん。と納得。

まぁ、そんな訳で、「シークァーサー・サワー」的なカクテルを作ってみたので是非とも。
我ながら、なかなか美味い。
評判良し。

ところでさ、「シークァーサー」なの?「シークワーサー」なの?

本日は日曜日につき、6時より営業です。

よろしくお願いします。

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