モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2011年10月

ラフロイグ 1990 21Yo / デュワラトレー for 3R

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何だかすっかり秋も深まって、朝晩は冷え込むようになって来た。最低気温も10度を下回ると、まぁちょっと寒いねという気分になる。

先週からアイリッシュ・コーヒーを始めたが、この季節にはホッとするカクテルだ。ぼちぼち暖房も入れてみたり、日が落ちるのも早くなって、ウイスキーが美味いだけじゃなく「ありがたい」飲み物になって来る季節だ。

ついこの前まで、歩くだけで汗をかいていたのに、ついこの前まで僕をうんざりさせて来た暑さが今では懐かしい。夏の終わりを寂しく思う。毎年経験して来ていることなんだけど。

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夏の終わりは冬の始まりではない。
そこに秋があることを忘れてはいけない。

季節は毎年巡って来るけれど、もう2度と会えないウイスキーがあったり、さようならを言うことなく別れてしまう人がいたり。だけど、まったく同じ秋が毎年来る訳ではない。今年の秋は去年の秋とは何かが違うのだろう。

ジェイズ・バーにも90年生まれのラフロイグが3本あって、それらもそれぞれに違うラフロイグだ。

ザ・ウイスキー・エージェンシー バグズ / バーボン・ホグスヘッド 56.8%
ウイスキー・ドリス / バーボン・ホグスヘッド 47.3%

そして、このラフロイグ。
こちらもバーボン・ホグスヘッドで53.2%。

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3本とも「3杯セット」対象商品です。
ハーフ・ショット3杯で2100円(税込)です。

飲めばどんな人にもその違いは感じられるはずだ。ウイスキーの知識に詳しい必要はない。例え言葉でその違いを表現することができなくとも、どんな人も身体が感じてしまう違いがある。グラスに注いだウイスキーから様々なものが溢れて来る。それを自分の感性で受け止めることがウイスキーの愉しみなのだと思う。

まずは好き嫌いを大切にすれば良い。違うものを飲んでその違いを自分の身体で感じたら、そこには多少なりとも好き嫌いが発生するだろうから。好きなものには好きな理由が、嫌いなものには嫌いな理由がある。まだ、今のあなたが気付いていなかったとしても。しばらくの間、その理由を説明できなかったとしても。好き嫌いの理由はあなたの中にしかないのだから。

ウイスキーの世界は広がって行く。
それが命の水なのだから。
命は躍動し、膨らみ広がり、僕らのグラスの中に溢れ出る。
自分の中の感じる身体に向き合おう。
ウイスキーはスピリッツ(魂)なのだから。
身体が感じれば、魂は揺さぶられる。

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軽くスモーキーで潮風。生魚の匂い。適度なアルコールの刺激。心地良いグレープフルーツの香り。鼻をくすぐるフェノール。口に含んで、焦げた割り箸の苦味。軽快に弾けるフルーティさ。柑橘類の皮の渋み。常に脇役に徹している様子の穀物の甘さ。全般的にシャープで友好的ではない側面も多いが、そこに潔さと爽やかさを感じる飲み手には好都合。

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クライヌリッシュ 1982 27Yo / ザ・ネクター・オブ・ザ・デイリー・ドラム

急遽入荷です。

ラ・メゾン・ドゥ・ウイスキーとのジョイント・ボトリングとのことで飛び付きました(笑)。

本日より3日間。金・土・日曜日まで、3杯セット対象商品です。

こりゃ、飲んでみないとヤバイっしょ。





アイリッシュ・コーヒー

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そろそろ寒くなり始めました。
秋が深まれば、今年もジェイズ・バーはアイリッシュ・コーヒーの季節です。

年の瀬の話もし始めるようになりましたね。
温かい飲みのの美味しい季節です。

アイリッシュ・コーヒー-2



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イチローズ・モルト 秩父 ザ・ファースト

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既にお伝えした通り、ジェイズ・バーでも提供をさせていただいている。もう半分売ってしまって、良い具合に飲み頃感がで始めたと言って良いだろう。

この太い甘さにヴァイタリティを感じる。
その特徴こそが、僕の中ではイチローさんのウイスキーを好きになる大きな理由だ。

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バーボン・バレル31樽分、合計7400本の瓶詰めとのこと。その半分は海外へ、残りの半分は国内に向けて出荷されたということだ。実は先日イチローさんに新しいジェイズ・バーに来ていただいた。聞いた話ではもう全数出荷済みとのことで、酒屋さんで手に入れることもボチボチ難しいだろう。

この売れ行きの良さはイチローさんご自身も予想外とのことだ。ラベルの「秩父」の文字はとある有名な書道家の方に書いていただいたとのこと(笑)。その効果も大きかったのだろう。

3年もののウイスキーと考えれば、もちろん決して安い価格とは思わない。ただ、そのウイスキーがこの位の勢いで売れてしまったことを思うと、多くの人が関心を寄せていた結果なのだろう。それは素直に、ありがたいことだと思う。

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だけど、冷静に考えるなら、世の中のほとんどの人は秩父にウイスキーの蒸留所がある事実を知らないだろう。ウイスキーに興味も関心もなく、このウイスキーにこれだけの対価を払うことに意味を見出せない人だって多いはずだ。

不思議なものだ。意味を見出せなければ価値を失う。
何もウイスキーに限った話ではない。

ウイスキー造りというものが、僕にはとてもロマンチックなことに思えるけれど、世の中には「そんなことどうでもいいじゃん」という人だっていることだろうう。もちろん、それはその通り。「ウイスキーなんて、無駄に高いだけ」。そう思う人がいても、それもその人の価値観というもの。

だけど、如何にローコストで酩酊できるか?っていうことを追求するのが酒を飲むことの楽しみではない。僕は常々そう考えている。酔っ払わなくても十分に僕らに愉しみを提供してくれるのがウイスキーだ。僕はそう考えている。

そしてもちろん、飲めば気持ち良くなるのもウイスキー(笑)。

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最近は酒の席から若者が遠ざかっているという話を良く聞く。その事実は、長らくバーで仕事をして来た僕の実感からも遠くない。寂しい思いがあるのも確かだが、嘆いているばかりでも仕方ない。

クラッシュすることを恐れて、他人とうまくコミットできない人たちの話は昨日書いたばかり。何もウイスキーに限ったはなしではないけれど、酒というのは昔から、クラッシュしてしまいがちな人と人の間に入って、具合の良い緩衝材になって来た側面があるのだろうと考える。

人間の存在がまだまだ十分に生々しく元気で欲望に満ち溢れていた頃は、酒の品質や種類などなんでも良かったのだろうう。それが酒であれば、それだけで十分に緩衝材になり得た時代もあったのあろう。

どうやら時代は変わったようだ。社会が発展し高度に成熟するというのはそういうことなのだろうか。僕らはどうやら、自らを消耗させてしまうクラッシュそのものを避けるようになってしまった。だけど結局、コミットすることも不自由になってしまっている。

若者が酒の席から離れて行くのも無理はない。オジサンたちは乱暴に過ぎたかもしれない。ならば、若者が離れて行くのも残念なこととは言えない。今時の若者はオジサンたちの世話にならなくとも、十分に愉しみを見つけて生きて行けるようになったのだ。例えオジサンたちがそのことを残念に思っていても。

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僕らはスマートになったのだ。人とクラッシュすることなく自分の欲しいものに手が伸ばせるようになった。単なる緩衝材の機能として酒があった時代は終わろうとしているのかもしれない。

だけど、その代わり、人と人が上手くコミットできない時代になってしまったのだろう。酒を飲み多くの人が愚痴をこぼすのは、関心を寄せる人と発生するコミュニケーションの齟齬に関わる問題。僕に言わせるなら「好きな人と息が合わないこと」に対する悩みなのだ。

ウイスキーの周りに集まろう。

あなたがウイスキーを大切に扱ってくれるなら、そこにはウイスキーを大切に扱うあなたを歓迎する人がいるだろう。そしてそこには、愉快だけれど丁寧なコミュニケーションが発生する時間が存在するだろう。

あなたが美味しいと思うものに共感をしてくれる人がいるだろう。あなたと意見が異なる人には、話し合い理解が得られるだけの時間があるだろう。

国内に3700本販売されたこのウイスキーの周りに、たくさんの人が集うことを心から願う。

ウイスキーの周りに集まろう。


柑橘フルーツの皮の香り。次第に柔らかく、オレンジの皮の砂糖漬け。少しだけショウガを練り込んだバニラクッキー。口に含んで、適度なアルコールの刺激。続いてお馴染みの太い甘さ。田舎の素朴なお菓子。あるいは、懐かしい駄菓子。口に広がる木の香り。高級とは言えないが説得力のある濃厚さ。ゆっくりとグラスを鼻に。ブリュレ!


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インペリアル 1991 19Yo / インプレッシヴ・カスク

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離れて暮らす娘のことが心配だと宙を見詰めたお客さんと話をしていた。その人の視線は何処にいるのか分からない娘を追い掛けているのだろうか。ぶつかり合うことを恐れて、離れてしまう人の話。面倒を嫌った結果のそんな物語は、違う形で世の中にいくらでも転がっている。

クラッシュすることを恐れて、コミットすることができなくなってしまう。結果として共に、自分の気持ちが通じないことを不都合に思い始める。だけど、僕から見れば、互いに投げつけたい気持ちがあるだけで、相手の気持ちを受け止める準備ができていない。相手の気持ちを理解することは面倒なことだろうか。

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多くの場合、受け止めて欲しい人は権利について考え始める。「これだけ努力しているのだから、今度はこちらの順番だろうう」という訳だ。その「努力」は「苦労」でも「我慢」でも、あるいは「犠牲」という言葉に置き換えても構わない。つまり、「こちらは先に支払いを済ませている」と言いたいのだろう。

だから、結果として「こちらは正当な権利の保有者だ」と訴えたいのだ。だけど、正当な権利の保有者は時に横暴になる。

本当は違うのだろうなと思うことがある。聞いて欲しい話があるなら、聞いてあげれば良いのにと思うことがある。もちろん、それですべてが解決する訳ではないだろうけど、権利について考える前に、するべきことがあるだろうと思うことがある。

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そんなことをつらつら考えていると、時々「パーフェクト・ワールド」という言葉が頭を過ることがある。人は完璧な世界を望むのだろうか。他者の作為も思惑も介在しない世界。自分が世界を思い通りに動かせるようになったら、世界中の人を幸福にできるのにと思うのだろうか。

だけど、善意の王様は世界を独占すると、その世界の人を不幸にすることがある。

酔いの進んだその人は良い調子だ。饒舌に次の話を始める。「多くの人の記憶に残る人間になりたい」と訴える。さらには、「それに引き替え、最近の飲み屋は良い店が少ない」と続ける。「どの店に行っても、記憶から綺麗さっぱり忘れられて、何処にあるのだかその場所も分からない」と言う。

僕は少し苦笑いをして、「それは記憶に残っていないのではなく、記憶を失っているんでしょう?」。そう告げてみる。

「良し分かった!それなら、これから、記憶に残る店を探しに行って来る」。そう言って立ち上がった。そして帰り際、「でも、この店のことは記憶に残った!」そう叫んで帰った。

僕は「こちらこそ、愉しい時間をありがとうございます」と頭を下げた。見送って外の空気を入れようとほんの少し窓を開けた。思いの外冷たい空気に秋の深まりを感じる。いつもの石焼き芋のリヤカーのベルの音が聴こえる。

そろそろアイリッシュ・コーヒーの季節なのだな。

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落ち着いた柑橘。すり下ろした大根と微かにショウガ。少しワクシーなオレンジの皮。口に含んで、薄く広がる砂糖水のような甘さ。穏やかな風味のもみ殻の香ばしさ。軽快なミルクティー。カスタードクリーム。控え目で飲み手を驚かすことのないコショウ。焼き過ぎていないトースト。弱いことは必ずしも優しいことではないけれど、饒舌な優しさにウンザリしてしまうことがあるのなら、気だるい秋の夕暮れに一緒にいて欲しいと思うのは、自己主張は少なくとも存在感のあるこういうウイスキーなのだろう。


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ボウモア 1989 21Yo / ブラッカダー ロウ・カスク

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ちょっと前からボウモアが随分と気になる存在になっている。具体的に言うとテンペストのバッチ1がリリースされた頃からだろう。全般的にボウモアが美味しいと思うようになって来た。価格に見合った満足が手に入ることが多くなったと言ったら分かり易いだろうか。

93ヴィンテージ・ブームみたいなことがあったり、94だって手頃な価格で十分に美味しいと感じたり、例の目白・八重洲ボトルに至っては90年代後半でも「参ったね」とニコニコしてしまうほど素敵なものに巡り合ったり。

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90年代位のボウモアなら、確かに価格的にもこなれた印象があるから、気軽に仕入れてしまいがちだ。家飲みウイスキーにしてしまうこともある。フルーティな印象がわりと前面に出て来て、だけど、しっかりと適切な重たさも感じて、飲み心地が良い。そんなボウモアのうっかり飲んでしまう感じが個人的に結構気に入っている。

93も目白・八重洲ボトルもまだ確かストックがあるので、そのうち飲み比べてみたいと思っている。予想外にビックリさせてくれるウイスキーだって、そりゃ大好きだけれど、予定通りでも飲み飽きない安心と納得をもたらしてくれるウイスキーが良い夜もある。

個人的な話ではあるのだが、どちらかというと、パフューミーと言われるボウモアがあまり得意な方ではない。面白いという感想を持つ方がいることを否定しないが、今から10数年前、90年代の中頃に(当時の)わりと若めな80年代のボウモアを飲んで、「どうしちゃったの?」と悲しい思いをした記憶が蘇るからだろうか。

ボウモアは何処へ行ってしまうのか?と心配した日が長く続いたが、最近のボウモアには、このまま素直に進んでね(笑)。と声を掛けてあげたいと思っている。そんなボウモアを指して「立ち直ったね」と思うのが、至極勝手な話であることは重々承知しているのだけれど。

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誰から見ても、「アイツはちょっとおかしいな」という人がいて、変わり者なだけではなくちょっぴり迷惑な存在だったりする訳だ。本人もその辺は何となく理解していて、エキセントリックな自分を自覚して、それも自分の個性だなんて思っている。

で、変わり者であるが故に周囲に迷惑を掛けることも多いのだけれど、そうなると今度は、迷惑を掛けることこそ自分の個性だなんて思い始める。周りの人は「参ったなぁ」となる訳だ。

でも、そんな人だって素直に変わることがある。恐らくは何かきっかけがあったのだろう。だけど、そんな人はまず周りの視線を気にするところから変わり始める。受け入れられていない自分に気付くことから変わり始める。

気付かなければ変わらないのだが、気付いただけですべてが変わるなんてことはない。ボウモアも同じだったのだろうか?

どんなことだって同じだろうが、すべてのことは少しづつしか変わらない。気付いて変わりたいと思うことは大切だが、気付きは解決の端緒であってそのすべてではない。気付いてからの長い道のりがある。その先は、チャレンジと努力と苦労と連続である。ボウモアも同じだったのだろうか?

さて、それではそのチャレンジを支えるものは何だろう?それもまた、周囲の眼差しである。その眼差しは非難ではなく励ましである。

立ち直った人との昔話は楽しいものだ。少しくすぐったい位の方が良い。昔の具合の悪さを笑い飛ばせる位になっているから。

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1989年生まれ、リフィル・シェリー・バットのボウモア。シェリー感もパフュームも「らしさ」としてその存在感は薄い。だけど、全体の印象の中の「飲み応え」としてその背景にそれを感じる。

「きっとお前はあの頃から変わり始めたんだな」と、そんなくすぐったい昔話がしたくなるボウモアだ。

僕だって励まし続けた訳ではなかっただろうう。残念に思ったことも、愚痴をこぼしたこともあっただろう。だけど今は、こうやって向き合って飲める日が来たことを嬉しく思う。

丸くてスモーキーなピート。少し刺激的なアルコール感。グレープフルーツを切った包丁の匂い。次第に落ち着いて太く甘い香り。口に含んで、重たくオイリー。しっかりと塩味。皮革製品。火の消えたマッチの軸。薄い石鹸水。総合的に重たい飲み応え。ご馳走さま!

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ボウモア 1997 14Yo / デュワラトレー バッチ1 for shinanoya

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バッチ1があるのならバッチ2もあるのだろうと思うだろう。あるらしい。いや、確実にあるのだろう。出すと言っているのだから出すのだろう。本日ご紹介するこちらのボウモアは今年の7月4日瓶詰め。

どうやら一つの樽を2回に分けて瓶詰めし、熟成の過程を愉しんでもらおうというのがこの企画の意図のようで、3ヶ月後にまたお会いしましょうということのようだ。

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興味深いかどうかは別にして、気にはなるな。いや、気になるというのはつまり、興味深いということか。まぁどちらでも良いか(笑)。

久し振りに会ったのに「全然変わってないね」っていう人もいれば、1週間でガラリと変わってしまう人もいる。いろんな人がいて不思議だなと思うことも多いが、ウイスキーも同じだろうか?

1997年生まれのボウモアだ。アイラの女王もまだ14歳。80年代生まれとは違って化粧はしていない(笑)。3ヶ月後に化粧香を見つけたら、そりゃビックリするだろうが、そんなことはあるまい。順当な成長を見せてくれるだろうか。

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こちらが7月4日瓶詰めなのだから、バッチ2はもう既にボトリングされている頃だろう。ぼちぼちあちらを出荷されているなら、日本では年末商戦の「お手頃アイテム」ということで酒屋さんの棚に並ぶのだろう。

ん?
まぁ、アレだな。
つまりオレも仕入れることになる訳だな…。
嵌められたのか?


始まりは非常に友好的な甘い香り。ちょっとクセのあるのど飴。鯛の煮物。柔らかく控え目なスモーキー。むしろ爽やかにピート。使用後の湿布薬。口に含んで、ゆっくりと展開するシェリー感。薄口で上品な旨味。細かく砕いた微かな塩味。ただし、ちょっぴり攻撃的なホワイトペッパー。なかなかの切れ味。さらに時間を掛けて甘くなる。ピートでスモークしたブラウニー。


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旅から帰るということ。(3)

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土曜の深夜、池袋にまた雨が降り始めた。路上駐車された車のフロントガラスに街灯が乱反射している。傘の花が咲き、それでも仲睦まじいカップルは、週末の夜を楽しむようにゆっくり歩いている。

そろそろ電車がなくなる時間で、一旦お客さんが切れてしまった。そんな時間にこの原稿を書き始めている。ぼちぼち僕もこの場所に慣れただろうか?こうやって繁華街を上から眺めるのも悪くない。少しづつ居心地の良さを手に入れつつあるようだ。

誰だって退屈な毎日を檻の中で過ごしているような気分になってしまうことがある。そんな話は先日したばかり。だけど、暮らしとは檻の中で生きることと、諦めを自分の中に受け入れて生きることは愚かではない。むしろ覚悟のいることだろう。

しかし、自分の住む檻がどの様な形のものであるかということと、その窮屈さを受け入れる代わりに、大切な何かを手にしているという自覚を持つべきなのだと思う。

人は時々旅に出るべきなのだと、今回はそんなことを強く思った。
旅とは非日常であるから。

檻から出れば、自らの檻の形が良く見える。檻の中にいるだけでは分からないことがある。檻の中のありがたさというものもある。

檻から出ると、人が檻の中で生きているのが良く分かる。素敵な檻に暮らしている人もいて、その人にそのことを伝えても大概は自分の檻の不自由さを嘆いてみせるけど、どこかで「なるほど」と自分の檻の長所を理解してもらえるものだ。

どんな人だって、自分の暮らしの良い所と悪い所など大概は分かっている。そしてもちろん、誰にだって不満はあって「どうにかならないものか?」と思うことのひとつや二つあるものだ。

バーに飲みに行くことが日常的なことにならないだろうかと、僕は長らく考えて来た。だけど、今回僕は自分の考えを改めようと思う。やはり、飲みに行くことは非日常的なことだろう。だけどそれは、大騒ぎをして憂さを晴らす所とも少し違う。それは少し、旅に似たような非日常なのだと思う。

当たり前のことだけれど、ジェイズ・バーに来るお客さんも皆、檻の中に暮らしている。そして誰でも、気心が知れるようになって話をするのは、その人たちの檻の中での暮らしについて。

思い起こせば、僕はいくつもの檻を見て来たことになる。そしてその人の話を聴いて、「あぁなるほど、あなたはこんな檻の中で暮らしているんだね」と感想を述べるのも僕の仕事だと思っている。自分の檻が外からどの様にみえるのか?それは、誰でも気になることだ。

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今回の旅の目的地は富山県高岡市だったのだけれど、その行き帰りに三人の友人と会うこともその目的であった。いつもは彼らが暮らす街から池袋まで飲みに来てくれる彼らだ。今回は僕の方が彼らの暮らす場所へと訪ねて行こうという訳だ。

失礼な言い方に思えたら申し訳ないけれど、僕は今回、彼らの暮らす檻をその外側から眺めさせてもらった。とてもありがたいことに、彼らは皆、直前の約束でフラリと現れた僕を歓迎してくれた。愉しい時間を用意してくれた友人に心から感謝をしたい。

誰だって多くの場合、歳を重ねれば少なからず頑なになって行くものだろう。手にしているものの大切さを思えば、保守的なポジションを取ろうとする気持ちも理解に難しくない。もちろん、僕だって同じ。だけど、失いたくないものを持っていることは不幸なことではない。

大切なものを失わないために、あるいは欲しい物を手に入れるために、決断を下し新たなチャレンジをすることも勇気のいる大切なことだ。変わらないだけでは何かを失ってしまうことがある。だから、昔のまま変わらないだけで何かが守れると考えるのは、保守ではなく守旧ということだろう。

歳とともに人はスタイルを作って行く。僕はそう考えている。それは、今、持っている大切なものを失わないままに、いくつかの快適や愉しみを増やして行くための、その人なりの方法論だのだと僕は考えている。

そのスタイルが理解し難い人とは付き合いづらいと感じるし、スタイルを理解し始めると仲良くなれる可能性について考え始める。そして、本当に仲良くなれるかどうかは、僕が大切にしているものを相手も大切にしようとしてくれるかどうか。また、相手が大切にしているものを僕が理解できるかどうかで決まるのだと思う。

(続く)

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旅から帰るということ。(2)

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「死んだ子の歳を数える」ということわざがある。取り返しのつかない過去のことに、後悔し続けることの愚かさを戒めることわざなのだろう。

もちろんそれは、多くの人が耳を傾けるべき忠告だ。後悔ばかりで先に進めずにいるのなら愚かだろう。だけど、死んだ子のその短い人生には何の意味もなかっただろうか?確かにその行為は愚かなものかもしれない。だけど、死んだ子の短い人生に何かの意味を見出そうと、その歳を数えてしまうのもまた人なのだということだろう。

何の意味もないのなら、寂しいじゃないか。

閉鎖した蒸留所ならいくらでもある。それらの蒸留所のすべては、死んだ子と同様に、閉鎖されその意味を失ったのだろうか?あるいは、元から意味などなかったから潰れてしまったのだろうか?

もちろん、どんなに嘆いても再開することが不可能な蒸留所もたくさんある。だけど、その事実を悲しむことは、死んだ子の歳を数えることと同じように愚かだろうか?

建物が取り壊され、その設備も取り除かれ、もう二度とウイスキーが製造されることのない蒸留所があるなら、僕はその存在の意味について考えたくなってしまう。そして、できることなら、僕なりの解釈を与えたくなってしまう。

事実、死んだ子の歳は数えられている。閉鎖された蒸留所のウイスキーは、生まれ年と熟成年数が表記され僕らの手元に届く。瓶詰めされたその液体を「命の水」と呼ぶのは皮肉ではない。

多くの人が気にもしないようなことに、僕は何かの意味を見出そうとしてしまう。それは、僕にとって「死んだ子」の存在が身近なものだったからだろうか?僕にも良く分からない。

蒸留所が失ったのは意味ではない。ニーズを失ったのだ。確かに、需要を失った蒸留所に価値はないとする判断は、経営的に妥当なのだろう。だけど、意味と需要はイコールではない。僕はこれからも、ウイスキーの意味について考え続けて行くだろう。

イチローさんの閉鎖された羽生蒸留所のウイスキーが、かつてその当時のニーズを失ったことは確かだ。だけど、そのウイスキーには意味はなかったのだろうか?誤解のないように言っておこう。意味はある。

ただその意味は説明されて来ず、広くアナウンスされることもなかった。ウイスキーが嗜好品である以上、その意味を理解されなければ、その需要を掘り起こすことは難しい。世の中には理解されない意味というものがある。

死んだ子にも意味はある。
それが理解されないなら、僕はそのことを悲しく思う。

だから僕は、その価値に僕なりの解釈を与え、できる限り多くの人にその意味を見つけて理解してもらいたいと願う。死んだ子の歳を数えるのは無意味なことではない。

だから、新たに意味を理解されはじめたイチローさんのウイスキーは、新しく秩父の地で生まれ変わることになった。

羽生と秩父のウイスキーを一緒にすることはできないだろう。だけど、恐らくは確実に、いくつかの遺伝子を受け継いでいるはずだ。僕はそのことを嬉しく思う。意味を理解されたウイスキーは形を変え、再び世の中に出て来ることがある。


実は先日旅の途中で、本坊酒造さんの信州工場を見学させてもらった。ここ数年、「駒ケ岳」の名でいくつかのシングル・モルトをリリースして来たのをご存知の方もいるだろう。本坊酒造さんのウイスキーは「マルス・ウイスキー」のブランドで販売されている。



ご存知の方も多いだろうが、信州工場は長い期間閉鎖されていた。そして、同じ場所で蘇ることになった。今年の2月のことだ。現在は仕込みを休止中とのことで、先日は稼働していない蒸留所を見学させていただいた。

来年の1月からまた仕込みを再開するという。蘇ったとは言え、しばらくはそのくらいのペースで稼働して行くのだろう。一般の見学に関しても「当日の受付可」で非常にウェルカムな雰囲気だ。さすがに1月の信州にバイクでは行きたくないが(笑)、是非とも機会を作って行ってみることを皆様にもお勧めしたい。

何種類かのマルス・ウイスキーをいただきながら、所長さんともお話をさせていただいたのだけれど、ちょっと書けないようなこともあるだろうから(笑)、その件は改めて記事にしたいと思う。

恐らくはそのうち、マルス・ウイスキーを仕入れることになるだろう。僕はそこに何か意味を見出せるだろうか?そして、それを説明できるだろうか?

そのウイスキーが愉しいことを説明できたなら、そこには価値が生まれる。そのことに成功すれば、信州の蒸留所はこれからも長らく生き抜くことができるだろうう。

マルス・ウイスキーを愉しいウイスキーだと感じる人は少なくないはずだ。僕にはそういうイメージがある。そんな人たちに何かを説明出来ればと願っている。

(続く)

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本日営業します。

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飲む → 寝る → 起きる → 移動
ということを3回繰り返して本日は金曜日。中央高速を200キロ走って店に辿り着いた。

飲むことと寝ること以外はバイクで移動していたことしか覚えていない。4日間での移動距離は軽く1100キロを超えていた。晴天に恵まれたとは言えないだろう。山に囲まれた場所の寒さは堪えた。

だけど、ありがたいことに雨に降られることはなかった。毎日天を仰いでいたからだろうか?祈りが通じたのなら嬉しいことだ。もしも神がいるのなら、適切なタイミングで適切なチャンスを与えてくれたのだろう。

ジェイズバーの窓から眺める池袋の繁華街に雨が降りはじめた。いつだって、金曜日の雨は腹が立つけれど、今夜ばかりは手を合わせ感謝をしよう。

さて、本日からいつもの通り、
午後6時から営業です。

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旅から帰るということ。

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三泊四日の旅が今日終わろうとしている。今回の旅の目的は、会いたい人はそれぞれにその人の場所があって、その人のいる場所に僕が出向いて行くことだった。今まではその人たちが僕のいる池袋に来てくれていたらから、今度は僕が会いにいこうという訳だ。

僕が会いに行った人たちにも、それぞれに僕を連れて行きたい場所と会わせたい人がいたようで、そんな人たちとまた新しく関わりができるのを僕は嬉しいことだと思う。世界が広がるというのはそういうことだと思うう。

バカみたいな話だけど、世界には人がいるのだと、今回はつくづくそう感じた。人がいるから世界は作られる。人を亡くすというのは、世界をひとつ失うということなのだろう。

自分が作った世界を認めさせたいと思うのが人で、人は誰かの世界を受け継いだり、それを誰かに譲りたいと思ったり、そういうものなのだな。

三泊四日の旅はこれで終わるのだけれど、その四日目はそのまままた日常の始まりです。

本日金曜日。いつものように18:00からジェイズバーが始まります。皆様のご来店をお待ちしております。


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チェックイン

オレオで一服。
オレの定番。
ボチボチ出動か?

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昼ごはん

山の中の蕎麦屋。
せいろをいただく。
薬味のミョウガに存外に感激。絶妙にしっかりしたツユも旨し。

お店のお母さんに自家製の「紫蘇と酢のジュース」をいただく。

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昼過ぎ

天気が回復する。
パーキング・エリアで一休み。


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旅に出るということ

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日々の暮らしが大切であることは間違いのない事実だ。日常というものはそれをベースに成り立っている。もちろん、僕にもそういう自覚があるし、そこから逸脱し過ぎる人のことを心配してしまう。だけど、どんな人も日常が退屈だと思う日があるのも真実だろう。

退屈な毎日を檻の中で過ごしているような気分になってしまうことがある。暮らしとは檻の中で生きること。そんな考えがあることを僕は別に否定しない。

随分昔に、「ホームレスを羨ましく思うか?」みたいなことをお客さんと話していたことがある。僕はわりとムキになってそれを否定した。僕は普段から、ホームレスになることが怖いと思って生きている。そうなる可能性を否定できないと思っているし、その危険があることを思ってゾッとしてしまう瞬間がある。

その可能性を内包しながら、それを否定して生きる。
それは、まぁ、疲れる生き方だな。

だけど、人生にはホームレスとそれ以外の2種類しかない訳ではない。本来は様々なことができるのが人生な訳だ。「ホームレスにならない」をターゲットにしてしまうと、ヘトヘトに疲れた挙句「ホームレスにならない」だけで人生が終わってしまう可能性がる。

そんなのは、まぁ、嫌だな。

「ホームレスを羨ましく思うか?」と問われ、それをムキになって否定したのは、そうなる可能性があると思っているからだ。それを危険なことと認識し、その可能性を必死になって排除しようと思うからムキになる。

退屈な毎日を暮らし、日常を檻の中にいるようだと感じていると、そこから逸脱したくなる気になることは理解に難しくない。だけど、日常から外れることはイコール「ホームレス」だろうか?

まずは日常を楽しくするコツを掴むこと、そして、「ホームレス」ではなく「なりたい何か」を見つけること。結果として、それがホームレスにならずに済む人生なのではないだろうか?僕はそんな風に考えている。

だけど、それでも上手く行かないことっていうのはあるのだな。
ここ最近の僕にもそんな閉塞感がまとわり付いていた。追い詰められた様な気分になって、そんな時は良くBECK の Loser を繰り返して聴いてしまう。

だけど、落ちるところまで落ちて、もうどうにもならないと開き直ってみたって救いようがない訳だ(笑)。

店を閉めて仕事を休むことはホームレスの始まりではない。

そう考えることは、僕にとって非常に勇気のいることだ。実はそのことをここ最近、3ヶ月くらい考えていた。確かに檻の中は退屈で窮屈だが安定している。だけど、僕が欲しかったのはその安心だったのだろうか。

昨日来たお客さんと「ついつい働いてしまう」みたいなことを話していた。その人が帰った後にふと気付いたのだが、働く毎日が日常でホームレスが脱日常なら、旅に出ることは非日常なのだなと。

僕が欲しいのは、それ。

仮眠を取って10時頃には起きるだろうか?
本日は群馬県の桐生市に一泊です。

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よろしくお願いします。

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グレンドロナック1972 39Yo オロロソ・シェリー・バット / OB #714

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「まったく何をやっているんだか」と、自分でも情けなくなるのだが、撮った写真のデータとノートに書いたテイスティングのコメントを店に置き忘れて来てしまった。

明日からお休みをいただこうということで、普段からの迂闊さも輪を掛けて一回り大きくなってしまったか?しっかり休むためにも、きちんと仕事を終わらせねばなんて思っていはいたのだけれど。

実は今一番気になっているのは天気のこと。公共交通機関ではなく、バイクで日本海側に行こうと思っている。毎日快晴というほど都合の良いことはなさそうだが、旅路で大きく天気が崩れることもなさそうだ。雨が降らないということほどありがたいことはない。そして、天気つながりで心配なのは気温。こちら側から日本海側に向かうとなると、山を越えて行かねばならない。どのくらい寒いのだろうか?

念のため、レインコートを持って行く。バイクのツーリングの常ではあるが、それはなかなかの防寒具にはなる。ただしかし、いややはり、ダウン・ジャケットを持って行くべきか?こちらから着て行くには暑い。今日は何だか、YAHOO天気予報ばかり眺めて過ごした。

さて、気になるこのグレンドロナックだが、当然ながらまだ少し硬い印象。解けていない感はあります。だけど、この複雑さにはやっぱりやられますね(笑)。

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基本的にはフレッシュ・フルーツではなくドライ・フルーツ各種。レーズンやらプルーンやらプラムな様子です。抜栓時にも強烈ではありませんでしたがマンゴーもありです。その後にナッツ各種のニュアンス。コーヒー豆。ベリー系フルーティ。続いてココアパウダーを振り掛けたキュウリ。ココアバター。シナモンと苦いハーブ。

結構甘味が薄目でドライな印象でした。ただだしこれはすぐ変化するかもしれません。「ぽってりとした」と表現できるほどになって来たら、それはまた面白いかと思います。ただ、今のところビックリするほどドライな印象です。誤解を恐れず言わせてもらうなら、意外なほど爽やかなのです。

昨日の記事で、「濃いめなインパクトがあって、どこかサラサラした印象のあるウイスキーなら良いのに」と書かせていただきましたが、そういう意味では実は期待通りなのです(笑)。あくまでも僕の気分の問題ですが、「うるさ過ぎるグレンドロナックは飲みたくないな」と思っていたのです。

そういう意味で、気に入っております。もちろん、十分に満足できるという意味においても素晴らしいでしょう。この複雑さは、並みのウイスキーでは味わえないでしょう。ボーっと立っているだけで、向こうから色んなものがやって来ます。

先日のキャパドニックのおかげで、シェリーのウイスキーの愉しみ方が、またひとつ開眼したのかもしれません。

買いたくなるシェリーのウイスキーが出て来ませんように(笑)!

そうそう、本日までハーフ・ショットで¥1,260です。


よろしくお願いします。

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グレンドロナック1972 39Yo  オロロソ・シェリー・バット / OB #714

朝方の雨はいつ止んだのだろう。目が覚めたらどこか少し真夏のそれに似た青空。気持ち良く家を出て渋滞に巻き込まれることなく注文したウイスキーを引き取りに行った。

食事をしてテイクアウトのコーヒーを店に持ち帰って、店の準備を整えたらコイツを一杯だけやってみるか。

インポーターさんの商品案内によれば、今までの流れを受け継ぎながらもその先に一歩進んだ「ランシオ香全開」のグレンドロナックのようだ。

先日から池袋にも屋台の焼き芋屋さんが登場して、もうすっかり秋を迎え始めた感があるが、少しだけ季節を巻き戻されたこんな夜にはちょうど良いウイスキーかもしれない。

濃いめなインパクトのある、だけど、どこかにサラサラした印象のあるウイスキーなら良いのになと、そんなことを思っている。

火曜日からお休みのジェイズバーだから、今夜と明日、日曜日と月曜日まで少し安売りです。ハーフ・ショット \1200でお願いします。



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旅に出るということ。

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皆様にはいささか唐突な印象があるかもしれないが、次の火曜日、10月18日から火・水・木と三日間お休みをいただいて、旅に出て来ようかと思っている。新しい店も始めたばかりで、「何をやっているんだ?」と思われる方も多いかと思うが、僕の中では妥当なことと思い決断をした。

実のところ、本当は、前の店からの移転の期間中に、東北と北海道を巡る旅に出ようと考えていた。震災の被災地や北海道にも幾人かの友人がいて、中には不義理が長く続いた人がいる。顔を見て酒を酌み交わすだけで通じる気持ちというものもある。齟齬を埋めるのにはちょうど良い機会だと思った訳だ。

恐らくは、人生で最後の長い夏休みになるのだろうなんて気持ちもあって、このチャンスを逃す訳には行かないなんて気分でもあった。

まぁ、人生とはままならないものなのだな(笑)。つくづくそう感じた。新しい店をオープンをした後も、片付かない問題をいくつか抱えていたのだけれど、それらのトラブルもつい先日少し先が見えるようになって来た。

店舗移転に関わる様々なことは、僕にとっても人生の大きな節目の出来事であった。正直なところ精神的にもかなりの消耗をしたし、具体的に言えば調子を失っていたとも言えるだろう。随分と長く、気持ちの塞いだ日々を過ごした。

終わりは始まりであると思う。だから、ちゃんと始めるためには、ちゃんと終わらせる必要があると考えている。けりをつけなければならないことがあるし、何かの節目には仕舞い方というのは大切なことだろう。

実は僕には3つ下の弟がいたのだが、子供の頃に亡くしている。弟が生きた期間は、まだ終わらない僕の人生の内側で閉じられている。それは儚い人生だったのだろう。生きるとはどんなことなのか。そして、その愉しさも素晴らしさも実感することなく終わった人生だったのだろう。

多くの場合、都合の良い時ばかり、僕は弟のことを思い出し、困ったことがあれば「助けてくれ」と祈りを捧げて来た。今回の移転に関わる資金を金融機関に申し込んだ時も、空の上にいる弟に向かって祈った。弟の力添えがあったのかどうかは分からない。だけど、結果として僕は新しい店を手に入れることができた。

いつかは僕も、弟のいるあちら側へ行くことになる訳だ。歳を重ね、人を見送る機会が多くなれば、そのことは一層身近なものになって来る。どんな人も、良し悪し・好き嫌いでものが言える話ではない。

あちら側に行けば、弟に会えるのだろうと、子供の頃から良く考えて来た。そして、それは「今すぐ」のことではないのだな、とも。弟はその人生の中で、何ができたのだろうかと、そんなことをよく考えた。弟ができなかったことをしてやろうと思うようになった。結果として、僕は色んなことをしたかもしれない。だけど、上手くできたかどうかは分からない。

弟は空の上から、それらのすべてを見ていたのかもしれない。だとしたら…。生きるとは恥ずかしいというのは、そういうことだ。

思えば、会いに行きたいと、随分長いこと考えて来たような気がする。最近はその思いがより強くなった。もちろん、僕があちら側に行くことはできないし、弟もそれを望まないだろう。でも、こちら側で弟に一番近い場所。なるほどそれを「墓参り」というのだな。

50を前に僕は大きな節目を迎えている。
仕舞い方について考えるには良いチャンスだ。

三日前、旅に出ようと決めた。店を休まなければ、自分の休日を用意することはできないということも実感した。本当に大変恐縮ではある。ご迷惑をお掛けするのも十分に理解しているつもりだ。だけど、今回は皆様にお詫びをしてお願いをして三日間のお休みをいただきたい。

新店舗開店間もないジェイズ・バーではありますが、
今度の火曜から木曜まで、

10月18・19・20日の三日間

お休みをいただきます

旅の途中の出来事はブログでご報告させていただきます。

よろしくお願いします。

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もちろん、本日の日曜日は18:00開店、営業です。
明日の月曜日もやります。
来て下さい。

重大な追伸

本日も大物が入荷予定です。天気も悪くなさそうなので埼玉の酒屋まで取りに行きます。
不確定な要素もあるので、入荷情報は夕方のブログかツイッターでお知らせします。

酒屋へ伝言

心配するな、金なら払う。


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キャパドニック 1972 39Yo / TWA プライベート・ストック

いやいや、こいつは参った。
シェリーにしてここまでバランスに優れたキャパドニックも初めてではなかろうか。そのくらい、惚れた。

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ことキャパドニックに関して言うなら、今まではバーボン樽以外のものには関心が低かったと言って良いだろうう。そういう意味で、このキャパドニックには参った。こいつはシェリー樽であることに意味がある。

歳を取るというのは頑なになることだろうか?そして、そのことに自覚を持たないことだろうか。どんな人もその人生の中で自分なりの「スタイル」というものを形作り手に入れて行くものだ。僕はいつも相手のそれを探ろうとしてしまうし、実はそれが見え難い人とは付き合いづらいと感じてしまう。

どんな人も多くの場合、他人から承認されたいと願うものだ。そんな時に乱暴に自分をぶつけて来る人と、相手を追いかけ過ぎてしまう人がいる。そのふたつはモノサシの端と端の両極端を説明しているに過ぎないけれど、要するに人と人が互いを認め合うことというのは、キャッチングとスローイングなのだと僕は思っている。

頑なに自分のスタイルを誇示したいと思う人は、乱暴に自分を投げ付けて来るものだ。そんな人が何を投げて来るのかというと、多くの場合「スタイル」なのだと思う。本来の自分のことは差し置いて、自分の「スタイル」を相手にぶつけて、「こんな自分を認めろ」と叫んでいる。

お酒の話に例えて言うなら、「私は◯◯以外飲めません」何て言う人。「スコッチは苦手なんです」っていう訳だ(笑)。

もちろん僕は、そのことの悪を追求するつもりなんてなくて、どんな人だって「気付いたらそんな風になっている」ものなのだ。僕だって、ウイスキー以外の分野に置いては何かに対して頑なになっているのだろう。

ただ、「スコッチは苦手なんです」っていう人のほとんどは、スコッチ・ウイスキーをあまり飲んだことがないのだと思っている。だってそう言っていた人の多くを僕はスコッチ・ウイスキー好きにさせて来たから(笑)。

歳を重ねれば人にはその人なりのスタイルというものが出来上がって来る。ただ、自他共に認めるそのスタイルも実は不変ではない。それまでウイスキーになんて興味のなかった人が、ウイスキーを愉しむことで人生が豊かになったり、人と向き合うことが苦手だった人がウイスキーを間に挟むことで人と上手く関われるようになったり。そんなことなら僕は今までたくさん見て来ている。

一枚の真四角な紙がある。その紙で折り紙の鶴を折っている。人生の時を重ねることも同じようなことかもしれない。人生と同じように折り紙も時々うまく折れないことがある。うまく折れなくて、その手を止めてしまうことがある。

だけど、僕らの人生は解(ほど)けない折り紙だろうか?少なくとも絶対に解けない訳ではないだろう。うまく折れないでその手を止めてるのなら、元に戻してみたら良い。もちろん、一度折ってしまった紙にはシワが残るだろう。だけど、時間とともに皺を刻むのが人なのだ。

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人生が必ずしも解けない折り紙ではないように、自負するスタイルも不変ではない。それらは思い込みで、変わらないのではなく変えたくないだけなのだろう。

ウイスキーの香りは僕に様々なことを思い出させてくれる。この優しいシェリーの香りは、僕がかつて大好きだっったいくつかのシェリー・カスクのウイスキーの記憶を呼び起こしてくれた。それは、マッカランだったり、グレン・ファークラスだったり、ダルモアだったり。

それらのウイスキーとその周辺のいくつかのくすぐったくなるような出来事。ウイスキーの香りは僕に様々なことを思い出させてくれる。

あのひとはどうしているのだろう?

歳を重ね、素直な甘さを持ったバーボン樽のウイスキーを好むのが自分のスタイルだと思い込んで来たけれど、折り紙の手順をいくつか元に戻してまた折り直そうと思う。出来上がった作品は、昨日まで思っていたものと違うものになるだろう。頑なに思い込んで来たスタイルから解放されるのも悪くない。


複雑だが華やかでドキドキする香り。少し苦いレーズン。ゆっくりと甘くアンズ。瑞々しく透明な印象すら残す梨。涼しげな香り。ハーブ類の向こう側にマンゴー。微かにライチ?各種フルーツ盛り合わせな様子。目を閉じてうっとり。いづれにしても控え目なアルコール感。つまり、非常にバランスが良く、人を驚かせるためだけに作られたウイスキーではないことに驚く。飲み干したグラスにチョコレート・キャラメル。普段から飲み口よりも香り重視な飲み手であると思う方は是非とも飲んでみていただきたい。十分な満足を得ることができる。

ロングモーン 1973 37Yo / TWA ネクター&3R ジョイント・ボトル

本日入荷のウイスキーです。
ロングモーン 1973 37Yo / TWA ネクター&3R ジョイント・ボトル

本日より3日間、金・土・日曜日まで、\1050です。

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トマーチン 1976 35Yo / TWA パーフェクト・ドラム

本日入荷のウイスキーです。
トマーチン 1976 35Yo / TWA パーフェクト・ドラム

本日より3日間、金・土・日曜日まで、\1050です。

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キャパドニック 1972 39Yo / TWA プライベート・ストック

曇り空の中ではありましたが、幸運なことにまだ雨が降っていなかったので注文していたウイスキーを引き取りに行って来ました。まぁ、皆様一番気になるのはコレですよね(笑)?

本日から3日間、金・土・日曜日まで、\1050です。

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マクダフ 1973 38Yo / TWA バグズ

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さて、本日も昨日と同様にTWAのバグズからご紹介するのはマクダフ。1973ヴィンテージである。入荷した4種のバグズの中で一番のお気に入りがラフロイグであることには間違いはないのだが、個人的なストライク・ゾーンはやはりこのマクダフなのだろうなと実感してしまう。

複雑で奥行き感があり、滑らかな甘さを持ったこういうウイスキーがいつ飲んでも飲み心地が良いと感じてしまう。飲む前に目論見を持ち、 そのイメージに近い快楽が手に入る。それを予定調和と言うことは可能で、だけど、その安心感は僕に穏やかな落ち着きをもたらしてくれる。

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出向いて行きたくなる場所ではなく、そばにいてくれる人。僕にとってこのマクダフはそんなウイスキー。

数年前にダンカン・テイラーのピアレス・コレクションから60年代後半のマクダフが数種類リリースされて、その印象は結構鮮烈なものだった。美しい透明感のあるマクダフで、僕が良く言うところの「美人さん」なウイスキーだった。

それに比べるとTWAバグズのマクダフは甘さがぽってりしていて、少々肉感的な様子に思う。そして、実はTWAバグズのグレンギリーにもほんの少し感じたのだけれど、微かに煙たかったりするのにも驚いている。

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まだまだ足りないところがたくさんあって、仮営業中な様子のジェイズバーではあるが、昨夜から腰に前掛けを巻き始めた。出していた洗濯物をクリーニング屋に取りに行ったからということではあるのだけれど。

それまでは、何だかパンツを履かないで仕事をしているような不安感があって、昨夜からは少し落ち着いた気がしている(笑)。

前のお店をご存知の方にはお馴染みだろうけど、テーブルに置いてあった猫ちゃんもやって来た。段々と寒くなるのだろうということも念頭に、今日からコート・ハンガーも用意されている。そうやって、少しづつ新しいけれど「いつものジェイズバー」が出来上がって行くのだろう。

もちろん僕は、多くの方にしっくりと来る「いつものジェイズバー」を作って行こうと思っている。ただ、あまり急ぐつもりもないようだ。来てくれるお客さんの顔を見ながら、何が適切なのかを考えたいと思っている。

目論見に近いイメージのマクダフ。だけど、目論見通りからは少しズレている。目論見に近いことは安心感を与えてくれるけれど、予定通りでは面白味に欠ける。このマクダフにはそんな良さがある。

概ね目論見通りでありながら、ほんの少しのズレが心地良い刺激になるような、そんなマクダフのような店になりたいと、深夜のジェイズバーでひとりキーボードを叩きながら、そう思っている。

気付けばこのマクダフより10歳近く歳を取ってしまっている。もう若くもないのだから、新しいチャレンジはゆっくりで構わない。そう思っている。


美しい黄金色。瑞々しいザクロの香り。華やかなハチミツ。恐らくその中にカスタードクリームを閉じ込めたシュークリームの皮の香り。隣のテーブルの割り箸が少しだけ燃えた匂い。鼻の粘膜に押し寄せるような甘い香り。時間と共に圧倒的にバニラ&メープル。繊細な南国系フルーティさが爽やかな印象。あるいはミント?弱いアクセントとしてチンゲン菜。ドキドキするほど複雑でゴージャスでグラマラス。つまり、セクシー。

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重大な追伸

以下、本日入荷予定です。
キャパドニック 1972 39Yo / TWA プライベート・ストック
トマーチン 1976 35Yo / TWA パーフェクト・ドラム
ロングモーン 1973 37Yo / TWA ネクター&3R ジョイント・ボトル

天気が良ければ午後6時には入荷する予定です。
もちろん、本日は金曜日に付き特別価格です。
金・土・日曜日までの期間限定です。
詳細は夕方のブログかツイッターで!



お恥ずかしいお詫び

昨日のブログで記事に写真を貼り付けるのを忘れてました。
スミマセン。
修正しました。

よろしくお願いします。

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ラフロイグ 1990 21Yo / TWA バグズ

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今回TWAのウイスキーをバグズから4種、ウイスキー・フェアのグレンキースを1本仕入れた。実は中でもコイツが一番気に入っている。いや、気になっているのがこのラフロイグ。つーか、つまり一番好きな訳だ(笑)。

グランド・オープンから一週間が経った。当初のバタバタした様子も少し落ちついて、今夜はまだヒマなジェイズバーではある。繁華街の真ん中に出て来たジェイズバーだけど、まだ看板も出ていない店だから、知らない人がふらりと入って来るなんてことはまだあまりない(笑)。

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ここでの仕事をなるべく早く日常的なレベルに定着させたいと思っている。眩暈がするほどの街の灯りの明るさにも少し慣れた。魚の焼ける芳ばしい匂いがして、仕事中にお腹が空くことがある(笑)。街を歩く人を観察することができて、お客さんのいない時間も飽きることがない。

「気に入っているのか?」と訊かれたなら、「もちろん」と答える。この場所の未来に希望があると感じている。少しの不安を抱えながらも不満は少ない。だとしたら、それは悪いことではないだろう。

バーテンダーという仕事は、カウンターの中で自分が風景になることも必要になることがある。佇まいの良いバーテンダーというのはそういうものだ。だから当然、そもそも自分がどんな風景に納まっているかを僕らは自覚する必要がある。

そういう意味で、今の僕にはまだ「自分が納まる風景」を理解していないところがあるのだろう。まだまだ自分の居場所に馴染んでいないところがある。だけどそれは、時間が解決してくれる問題だ。

新しいジェイズバーには、カウンターの中に僕専用のデスクがあって、最近はブログの原稿を書いたり、簡単な事務仕事をその場所でこなしている。夕方の風が少し涼しく感じる時間にそんな風に過ごすのが気に入っている。

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身体が覚えて行くことがあって、ゆっくりと馴染みながら、僕はきっとその風景の中に納まって行くのだろう。それがこれからの僕の日常なら、それは悪くない。

今までのジェイズバーでこのラフロイグを飲んだら、僕は同じようにこのウイスキーに好印象を持っただろうか?高評価を与えただろうことは間違いがなさそうだが、こんなにも気に入ったかどうかは自分でも良く分からない。それは恐らく、このラフロイグにある種の懐かしさを感じたからなのだろう。

少し懐かしく切なく思う日々のことを愛おしく思うことがある。
昔のジェイズ・バーでの日々が鮮やかによみがえる。
それらの出来事を大切に胸に刻みたいと思う。

人もウイスキーも場所と時間の中にいる。
つまり、そういうことなのだろう。
時間と場所が重なり合うことがなければ、僕らは出会うことがないのだ。
ウイスキーも人も。

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甘い柑橘類の香り。グレープフルーツというよりはレモンに近い。感じる甘い重たさにキャンディっぽさを思い浮かべる。くすぐったい程度にエステリー。微かにフェノール。ただし、収斂し統合され爽やかな印象。口に含んで、少し埃っぽいパイナップルジュース(缶入りの)。少な目に感じる塩っぽさが適切。それら前面に感じる要素の背景にピーティなコクと薬っぽさ。さらに、古いスタイルのラフロイグにかつて感じたことのあるオイリーさ。懐かしい。十分に厚みがあり勢いと逞しい若々しさを感じるウイスキー。

よろしくお願いします。

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タムナブーリン 1966 44Yo / TWA プライベート・ストック

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どんな人にもちょっとした絶望感や、ほんの少しヤケクソな気分になってしまうことがあるだろう。思い通りに行かないことになら慣れているけれど、理解の齟齬で気持ちが噛み合わなかったり、出遅れてするべきことをしなかったお陰ですべてが後手後手に廻ってしまったり。

カウンターにひとりで座って、俯いて溜息を吐いてみても何も変わらない。実は人生が孤独であることなら、十分に分かっていたはずなのだけど。悲しい時はどんな人にだって、慰めてくれる人がいることが大切なのは良く分かっても、悲しい時にだけそれを求めるのは何だか身勝手な気持ちになって、身動きが取れなくなってしまうことがある。

僕はそんな時にほんの少しだけヤケクソな気分になってしまう。

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人の話ばかり聴いていたら、自分のことがうまく説明できなくなってしまったのかもしれない。本当の理解なんてものは、誤解の向こう側にしかないなんてうそぶいてみても切ないばかり。誰だって最初から一瞬で理解されたいものだし、説明を積み重ねるのは面倒だと思っている。

ウイスキーが僕らを裏切らないというのはある意味真実だ。だって、ウイスキーは生まれて育ち、あるがままの姿でそこにあるのだから。そもそも僕らはウイスキーの「生みの親」でもなければ、「育ての親」でもないのだし(笑)。「裏切られた」という人がいるのなら、それは、その人の期待や目論見が間違っていただけのこと。もちろん、僕も時々その期待と目論見を間違える(笑)。

つい先日まで僕は公式には失業中で、そんな時に少しだけヤケクソな気分になってしまったことがあった。そんな時にウイスキーを飲もうと思った。ウイスキーが僕を裏切ることはないだろうと思ったのか、誰かに頼ることはできないと思ったのか、それは良く分からない。

在庫のリストを眺めたり、レアなストックを保管してある棚を覗いてみたり。あれこれ悩んで、ちょっと危険な予感があるけれど、でも、封を切ってゆっくり飲むうちに満足と納得が訪れそうなウイスキーを選ぼうと思った。「お客さんに提供する前に、試しておいた方が良さそうなウイスキーを」なんて言い訳を用意しながら。

発注したのが今年の1月だっただろうか。44年熟成、オロロソのバットと聞いて、「コイツはかなり危険かもしれない(笑)」と思ったのを良く覚えている。「お客さんに提供する前に…」っていう正当な理由が付けられそうだ。

入荷して予想通り驚いたが、深く濃い黒い色合い。ジェイズ・バーのカウンターも結構濃いめな色だが、その黒と競い合っても遜色がない。少なくとも「黄金色に輝く液体」ではない。

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僕が少しヤケクソだった時、僕はこのウイスキーを選んだ。
封を切ってやろうと、そう思った。

「僕はこのウイスキーを美味しいと思うだろうか?」。

美味しくないと感じたら、僕が目論見を外したことになる。期待を裏切られたと嘆いたところで、ウイスキーが悪い訳ではない。目論見を大きく外す可能性が少なくないかもしれないウイスキー。僕はそんな気分でこのウイスキーを選んだ。

その時の気持ちを今でも上手く説明することができない。とにかく僕は、何か賭けをしたかったのだと思う。それは、おみくじでも宝クジでも良かったのかもしれない。それよりは十分に当たり易い。だけど、少し危険な香りのする賭けを。

おみくじで大吉を引いても、宝クジで一等賞が当たっても幸運なだけで幸福が保証される訳ではない。美味しいウイスキーは僕を十分に愉しくしてくれるけれど、それは目の前の僕の問題の解決法ではない。もちろん、その通りだ。

長期保存を予定して頑丈に巻いたパラフィルムを剥がした。ボトルの首にナイフを当てて封を切ろうかと思ったが、結局その手を止めた。

おみくじも宝クジも心に余裕がある時に楽しんだら良い。
ウイスキーだって同じだ。
そんな気分の時は、ひとりで飲んだって愉しいはずがない。
そう思った。

苦しいことを押し付けるのは苦手だ。辛いことを誰かに背負ってもらおうとも思わない。だけど、いや、だから、愉しいウイスキーを一緒に飲もう。愉しいことを共有するのなら、誰かを苦しめることはないはず。

もしも僕が、その目論見を外していたのなら、
一緒に笑おう。

本日も新しいジェイズ・バーは18:00開店です。
「タムナブーリン 1966 44Yo / TWA プライベート・ストック」、18:00開封です。

よろしくお願いします。

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イチローズ・モルト 秩父 ザ・ファースト

本日遂に入荷です。

一昨日お伝えしたとおり、昨日は大宮でお披露目のイベントに参加してまいりました。

お祝いの席で同じウイスキーを同じように、愉しみにしていた人たちと飲むことはやはり愉しいことです。

3年熟成のウイスキーですから、もちろん、まだまだ足りないところはたくさんあるでしょう。だけど、秩父のウイスキーに感じる太く力強いヴァイタリティが気に入っている方には、納得の仕上がりと思います。

バーボンの樽で素直に熟成されたウイスキーです。素朴というのは気が引ける程度に複雑。昨日はお祭り気分で飲んでいましたから、今夜はしっかりと味わいたいと思います。

秩父の初めての「ウイスキー」がリリースされる頃に、新しいジェイズバーも開店しました。縁というのは不思議なものです。それぞれに別の道を行きながら、出会いがあり何かが重なり合うことがある。人とウイスキーには同じ時代に生まれ同じ時代を生きる奇跡というものがあるのです。

僕らの日常にもたくさんの奇跡があります。見過ごさず、見つけ出し、感謝をしながら生きて行きたいと、そんなことを深く思います。

だけど、奇跡は偶然ではないのかもしれません。昨日一番の幸運に恵まれたのは、秩父に深い縁のある人でした。ウイスキーには偶然と偶然の積み重なりを必然に変える力があるのかもしれないと、そんなことを強く思った一日でした。



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お休みのお知らせ

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大変恐縮ですが、明日10月10日(月)の祝日はお休みをいただきます。
くれぐれも、明日10月10日(月)の祝日です。

大宮で秩父蒸留所の3年物のウイスキーのお披露目の会に出席して来ます。この会は出席しない訳にはいきません(笑)。先日オープンしたばかりの店でありながら、申し訳ありませんがご了解いただけるとありがたく思います。

蒸留所のスタッフに3年間愛されて生まれたウイスキーが、どのように仕上がっているのか愉しみです。今までもいくつか、イチローさんが「ウイスキー」としてリリースすることのなかった3年未満のスピリッツを飲んで来ました。それらのものからイメージされる秩父蒸留所のウイスキーが僕の頭の中にはあります。

恐らくは、イメージと実際のウイスキーにはいくらかのギャップがあるでしょう。それは決して、悲しいだけのことではありません。嬉しい誤算のいくつかを見つけ出すかと思います。集まる人たちには大きな期待があるでしょう。そして、期待を持つ人たちの善意は3年間樽に育まれたウイスキーの誕生を大いに祝うことでしょう。

3年前、幸運なことに、まだ操業する前の蒸留所を見学するという、世の中でも非常に稀な機会に恵まれました。そして、あのポットスチルに火が入り、スピリッツが生まれました。樽の中で3年間を過ごし、今はボトルの中で出番を待っています。

秩父ファースト


生まれたてのものをスピリッツ(魂)と呼ぶのがウイスキーです。それは少し、不思議なことに思うかもしれません。歳を取り命が果てると実体を失う人間とは逆のことに思うかもしれません。だけど、ボトルに詰められ衣装をまとい、形を整えられて僕らの手元に届くウイスキーにも魂はあるでしょう。

ウイスキーを造る人たちが差し出したいと願うのはその魂なのだろうと、僕はそう思っています。普段からそう思いウイスキーと向き合いたいと願う僕ですが、今回ばかりは少しいつもより以上に謙虚な気持ちでこのウイスキーを迎え入れたいと思っています。彼らが胸を張って「これはウイスキーである」と宣言をするウイスキーなのですから。

明日の10月10日を境に、秩父蒸留所は本当の意味でウイスキー・メーカーになるのです。彼らの魂は遂にウイスキーとなりました。それまでの彼らは謙虚な気持ちで自らの造るものをウイスキーとは呼ばずに来たのですから。イチローさんを筆頭に蒸留所のスタッフの誇らしい顔を目に焼き付けて来ようかと思います。

最後になりますが、本日

10月9日(日)営業します。

お休みは明日の10月10日です。

本日も18:00オープンです!

よろしくお願いします。

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TWA 5アイテム

入荷しました。

今朝ご案内させていただいた、TWAの5アイテムが入荷しました。天気も良かったので、埼玉の酒屋までバイクで注文してあった商品を引き取りに行って来ました。

まぁ、それは良いのだが、i-pad から、ブログを更新しようとして、画像が貼り付けられず困っている(笑)。

お知らせした通り、入荷したのは下記の5アイテム。
・マクダフ 1973 38Yo / TWA バグズ
・ハイランド・パーク 1984 27Yo / TWA バグズ
・ラフロイグ 1990 21Yo / TWA バグズ
・グレンギリー 1991 20Yo / TWA バグズ
・グレンキース 1970 40Yo / TWA リンブルグ・ウイスキー・フェア

グレンキースは日曜まで \945。
マクダフは日曜まで「3杯以上セット」対象商品。
それ以外はずっと「3杯以上セット」です。




写真貼れたね(笑)。

本日の入荷情報

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2日目の営業を終えて新しい店でこの原稿を書いている。何だか少し不思議な気分で、簡単に言うならまだ不慣れだということだろう。身体が覚えていないことがある。

例えば、この場所に立って左手を前に出したらミネラルウォーターのボトルが手元にある。みたいなことは身体が覚えることだ。前の店で身体が覚えて来たそのようなことが、今の店では通用しなくなってしまうことがいくつかある。そのとこに少しばかり躊躇いを覚える。

お客さんの入っている店には、ある意味ライブな時間が流れている。そのテンポを崩すことなく失うことなく、淀みなく漂うために身体が覚えて来たことがある。どんなバーテンダーにもあるはずだ。その身体はその店に合わせて作られて行く。

考えた瞬間に人は立ち止まってしまう。もちろん、誰にだって立ち止まって考える必要がある時はあるけれど、動きが止まればリズムは刻めなくなる。ライブな時間には心地良いリズムが必要だと僕は考えている。

2日間の営業を終えて感じた、何だか不思議な気分は、つまりそういうことなのだろう。

12時を過ぎた頃に少し雨が降り始めて、1時頃に強く激しく降った。雨の夜にひとりで店の中にいると心細い気持ちになる。世界から取り残されたような気分になる。昔から変わらない。雨音にもリズムがあるからだろうか?世界のリズムから切り離された自分が愚かな生き物のように思えることがある。


皆様にお知らせしていなくて、当たり前だけど、お伝えした方が良いだろうなということをいくつか。

まずは営業時間。
開店は18:00。しばらくの間、閉店は1:00頃ということでお願いします。詳しくは気軽にお電話をいただけるとありがたいです。

それから、76ベンリアック。
実は木曜日までということで、\945 で販売していたのだけれど、お知らせもしてなかったしという訳で、本日の金曜日まで特別価格は延長です(笑)。ハーフ・ショット¥945 です。

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そして、「3杯セット」。
しばらくの間、「3杯以上セット」にします(笑)。
3杯以上飲んだら、4杯目以降も一杯¥700 です。

今までのジェイズバーでもお馴染みの「3杯セット」でしたが、対象商品ならば4杯目以降もずっと\700。「3杯」という制限がなくなったと思って下さい。その方が気軽に愉しめるかなと思ったのです。

同じウイスキーは1杯まで、すべて違う銘柄を選ぶというルールは以前の通り。同じものを「おかわり」の場合は通常料金になります。

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棚の下の段に並んだウイスキーのほとんどがその対象ですが、それより安いウイスキーもあります。詳しいことはお店に来た時に訊いて下さい。

さてさて最後に、いくつかのTWA入荷情報。
・マクダフ 1973 38Yo / TWA バグズ
・ハイランド・パーク 1984 27Yo / TWA バグズ
・ラフロイグ 1990 21Yo / TWA バグズ
・グレンギリー 1991 20Yo / TWA バグズ
・グレンキース 1970 40Yo / TWA リンブルグ・ウイスキー・フェア

グレンキースは日曜日まで、\945 。
マクダフは日曜日まで「3杯以上セット」対象商品。
ラフロイグ、グレンギリー、ハイランド・パークはずっと「3杯以上セット」対象商品。

もちろん、売切れの場合はご容赦下さい!
お早めに。

今日の天気が良ければ18:00の開店と同時にウイスキーは揃っていると思います。天気が悪いと入荷が遅れると思います。いづれにしても、夕方ブログを更新するか、ツイッターで情報を流します。

よろしくお願いします。

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新しいジェイズ・バー、本日オープン。

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お恥ずかしい話だが、まだ準備が完全に整っているとは言えない。出来上がっていない部分があったり、足りないところがあったり、迂闊なことに出しそびれた洗濯物があって、クリーニング屋に訊ねたら、「仕上がりは明日の夜7時です」とのことだった。残念なことに開店時間の6時には間に合わない。

開き直るのも甚だしいと怒られそうだが、「ウイスキーと場所があればお客さんに愉しんでもらうことは可能だ」と思うことにしました。スミマセン。

何が出来上がっていないのかというと、お店の入口。

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ある意味これは「目印になる」と思っている。スミマセン。
少なくとも目立つかなと。

それでもやります。
お店に入っていただければ分かります。

本当にこの半年ほど、恐ろしいほどの苦労をしました。
精神的にかなり調子を失っていたと思うのです。

ただ、つくづく感じたのは、ウイスキーを飲んで愉しそうな顔をしている人の笑顔は僕の気分を楽にしてくれるということでした。これは僕が一生続けて行くことだなと、そう感じたのです。

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今日から新しいジェイズ・バーが始まります。僕の気分と細胞が入れ替わって、お店の場所も変わりました。新しい住所は前回お伝えした通り。だけど、僕のスタンスは変わりません。あなたの苦しみは取り除いてあげられなくても、多くの愉しみを提供できるはずです。

ウイスキーを飲みに来て下さい。
お待ちしております。

新しいジェイズ・バー。

10月5日(水) グランド・オープン

18時開店です

よろしくお願いします。

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新しいジェイズ・バー 始まります。

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まだ十分に準備が整っているとは言えないのだけれど、今日は新しい店について僕が考えていることを記しておこうと思うう。

場所は変わっても僕は変わらない。新しいウイスキーが何本か入荷したけれど、棚に並んだウイスキーも変わらない。大きく変わったものがあるとするなら、僕の気分かもしれない。新しいジェイズ・バーで、また次の冒険が始まるのかと思うととてもワクワクした気分だ。

あなたはどんな風に思うのだろう?

前の店からいくつかのモノを持ってきた。カウンターとかトイレのドアとかバックバーのランプとか。昔からのお客さんは少し懐かしく思ってくれるだろう。新しいお客さんにも違和感はないはずだ。

今まで以上に気軽にウイスキーが愉しめる店にしたいと思っている。ウイスキーを愉しむのに、何も気難しい顔をする必要はない。小難しい話をする必要もない。あなたがウイスキーを飲むのは初めてというのなら、特に何かを知っている必要もない。

ウイスキーが多くの人にとって、もっと身近なものになったら良いのにと、僕はいつもそう思っている。だから、「ウイスキーなんて初めて」っていう人達にも気軽に来れるような店にしたいと思っている。

グラスに注いだウイスキーから立ち上る香りや、口に含んだ時の味わいに、僕らは様々なものを感じ取ることができる。そこには驚きや気付きや懐かしさがあったり、つまり官能的で感動的な体験が待っている。僕はそれを、グラス一杯分の宝探しの冒険の旅だと思っている。

もちろん、知識は豊富な方が良いだろう。冒険には地図とコンパスが欠かせないとの同じことだ。だけども、ツアーの目的は時間通りに予定をこなして行くことではない。冒険の目的は僕らの暮らしの中で触れるはずのないものに触れて、出会うはずのない人に出会うこと。そのちょっとした刺激的なことは、僕らの人生を変えるきっかけになるのかもしれない。

バーでウイスキーを愉しむというのは、そういうことなのだと思う。

ウイスキーを愉しむのに必要なものは「豊富な知識」ではなく、「感じる身体」。それは今までも、これからも、僕の変わらぬポリシーだ。だからこそ、どんな人にだってウイスキーを愉しむことができる。

もちろん、僕は知識や理解の重要性を否定するものではない。実はウイスキーを十分に愉しむのには、ある種の世界観を利用することが非常に重要だという実感がある。理解の深さと世界の広がりは同軸に進んで行く。知らない人より知っている人の方が理解が深い。まぁ、当たり前のことではある。

だけど、ウイスキーを愉しむのに本当に大切なことは、好きな人と一緒にウイスキーを飲む時間を過ごすことだ。そんな時間に豊かさと満足を感じたら、その状態を至福と言うのだろう。僕らの人生に豊かさと満足を与えてくれるのがウイスキーなのだと僕は思っている。

もちろん、どんな場合も「適量で」というのが大前提ではあるけれど、ウイスキーに限らず飲酒の全般的な効用として、リラックス効果やストレスを緩和やコミュニケーションを円滑にしてくれることなどがある。

ウイスキーを飲んでも当然同じ効用は手に入れられるけれど、ウイスキーにはそれ自体に愉しみがある。ウイスキーを飲むことは冒険だから。僕はそう思っている。とても個人的なことではあるけれど、僕がウイスキーを好きな理由はそういうことだ。だから、飲むのならやっぱりウイスキー。僕はそう思っている。


グラス一杯分の冒険の旅。
それは、驚きと気付きと懐かしさに満ち溢れている。
感動があり興奮があり、官能的な体験だ。
そんな時間は僕らの人生に豊かさと満足を与えてくれる。
僕は長らくそう思って来て、そしてその思いはこれからも変わらない。
感じる身体とセンス・オプ・ワンダーがあれば、誰にでもウイスキーを愉しむことが可能だ。

だから、多くの人にとって、ウイスキーがもっと身近なものになれば良いのにと思っている。だから、身近なものにしてもらうために、僕の店は駅の近くに引越したんだ。

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新しいジェイズ・バー

10月5日(水) グランド・オープン


新住所:豊島区西池袋1−34−5 青井ビル 2階
電話番号:03‐3984‐8773


よろしくお願いします。

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