モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2012年01月

羽生 2000 11Yo / OB イチローズ・モルト ザ・ゲーム

このウイスキーに「エキゾチック」を感じる人がいる。僕もその一人なのだが、恐らくは、ミズナラ材の樽から由来する「香木」っぽさ、ちょっとしたアクっぽさ、個人的には「大人ビターなメープル・シロップ」のようなニュアンスに、日本的・和物的、あるいはオリエンタルな雰囲気を感じる。

西洋のウイスキーにはあまり感じることのない、この東洋的な雰囲気を見つけて、僕も何だか嬉しくなっちゃうっていうのはあるのだと思う。だから、このウイスキーを指して「オリエンタル(東洋的)」と感じるのはその通りだ。西洋人のウイスキー飲みに「オリエンタルでエキゾチック!」とビックリして愉しんでもらえたら嬉しいかなと思う。

かく言う僕も、「エキゾチック!」とにやにや笑いながら愉しんだ。

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だけど、エキゾチックというのは実は「異国的」っていう意味。つまり、日本人である僕が日本のウイスキーを愉しんで「異国的」って感じちゃってる訳(笑)。東洋人が東洋的なウイスキーを「オリエンタル」と説明するのとは訳が違うのだな。イチローさんの日本のウイスキーに「異国情緒」を感じても、実はそれは同国のウイスキーなのだ。

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そうは言っても、僕はこのウイスキーを直感的に「エキゾチック」と思ってしまうし、多くの人はその説明に違和感を抱かない。ちょっと不思議な現象だ。僕らの毎日はすっかり西洋化してしまい、その目線までも西洋人になってしまったのだろうか?

そう、恐らくはその目線の問題なのだと思う。スコッチ・ウイスキーを飲み続けて来た結果、僕の立ち位置は少しばかり西洋人のそれと近付いていたのかもしれない。そして、そういう価値観の中で、そちら側の目線でウイスキーを眺めることに慣れてしまったのかもしれない。

まぁ僕は、できればこのまま日本人でいたいと思う(笑)。だから、このウイスキーをエキゾチックと感じるのはおかしなことなのかもしれないが、このウイスキーには飲み慣れたスコッチ・ウイスキー全般とはちょっと違った魅力がある。で、だけど、その「ちょっと違った魅力」を簡単に説明する言葉を直感的に選ぶと、「エキゾチック」になってしまうのだな(笑)。

「そんな面倒なこと、考えなくて良いんじゃない?」とは僕が良く言われることではあるのだが、「考えちゃうのよね」っていうのが僕のタチのようだ。ただ、そんな循環論でグルグル廻っているのも嫌なので、このウイスキーを「エキゾチック」と思っちゃうような僕みたいな人間は、「エキゾチック」を「異国的」というより「非日常的」と理解しているのだろうな。そう思うことにした。

確かに、このウイスキーは普段飲むスコッチ・ウイスキーに比べて「非日常的」であることに間違いはない。多くの人に「ちょっと不思議」を感じさせるウイスキーだと思う。

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思えば僕は恐らく、最初からイチローさんのウイスキーに「エキゾチック」を感じていたのかもしれない。初めてイチローさんのウイスキーを飲んだ時に、新鮮な驚きを感じたことをついさっき、ありありと思い出してしまった。日常的にウイスキーを飲むことが習慣になっている僕の毎日に、突然現れたイチローさんの「非日常的」なウイスキー。

あれがイチローさんのウイスキーとの初めての出会いだったのだろう。
あの出会いは新鮮で非日常的だったのだ。

毎日の暮らしの中の何かをちょっとズラしてみると、新鮮な驚きを感じることがある。例えば、小学生の頃に透明な緑色の下敷きを通して見た学校の校庭とか、休日出勤の朝の人影のまばらな駅のホームとか、初めてヘッドホンで音楽を聴きながら歩いたいつもの街並とか。毎日触れているものが、ちょっとズレるだけで大きく変わって見えることがある。

大袈裟にいうなら、それはリアルが少し崩れる瞬間だ。そこにはある種のカタルシスがあるのだろうか。その瞬間のちょっとしたくらくらと目眩を覚えるような興奮を、僕は心地良いと思ってしまう。日常というのが実は覚束ないものであることを教えてくれるし、日常と非日常が実は同じコインの裏表であることを感じさせてくれる。

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さて、今夜も飲み過ぎただろうか。
酔っても醒めても、生きている今を受け入れ、手に入れたい未来に進むのが人生なのだろう。

テイスティング・ノートはこちら
羽生 2000 11Yo / OB イチローズ・モルト ザ・ゲーム
Mizunara Headed Hogshead Finish , Cask No.917 , 309bottles , 59.4%

情報満載、ジェイズ・バーのFacebookページ

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。

よろしくお願いします。

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寒いですね。

いやいや、毎日寒いですね。
寒いと鍋とか突きたくなりますね。ほふほふ言いながら、白身魚の切り身なんか喰いたくなりますね。鶏なんかも良いですね。ちょっぴりあっさり目で、だけど、結構喰い応えのあるもんを欲しくなっちゃいますね。日本酒でね。日本に生まれて良かったななんて思いますね。

昨夜は最後に帰ったお客さんと「クラムチャウダー」の話なんかしてて、あれって鍋にならないかなぁなんて思ってます。旨そうだな、なんてね。

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すみません。皆さん気付いてますかね(笑)?
今日のブログはこんな話で済ませようなんて思ってます。
スミマセン。

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今日はホントはイチローさんの信濃屋さん向けウイスキー。「羽生 2000 11Yo / OB イチローズ・モルト ザ・ゲーム / Mizunara Headed Hogshead Finish , Cask No.917 , 309bottles , 59.4%」をご紹介しようと思って、まぁ、原稿も半分くらい、夕方に書き上げていたのですが、どうにも鍋が喰いたくなっちゃったんですね。

PCに向かって、続きを書こうと思っていたんですが、気付いたらグーグルで「クラムチャウダー 鍋」なんて検索しちゃってね(笑)。日曜のこの時間って、一人で行けるような居酒屋さんも開いてなくてね。家帰って作っちゃおうかななんて。アサリのことを考えていたら、牡蠣まで喰いたくなっちゃってね。どうしよう。焦ります。

で、まぁ、今日は帰ります。
鍋は無理でも、日本酒であったまります。

一応ですね。イチローさんのウイスキーのテイスティング・ノートはジジェイズ・バーのFacebookページに更新しました。

他にも、皆様に結構気にしていただいている「グレン・グラント 1972 39Yo / TWA ザ・パーフェクト・ドラム(ベルギー向け) / EX- Sherry Wood , 119bottles , 53.2%」なんかもショート・インプレッションを書いてます。そうそう、このグレン・グラント、美味いっす。

その他、いくつかの発注情報をアップしてますので、スミマセン、本日はそちらでご勘弁を。ジェイズ・バーのFacebookページ見ていただければ幸いです。

そうそう、イチローさんのミズナラは「3杯セット」対象商品です。


よろしくお願いします。

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グレン・グラント 1972 39Yo / TWA ザ・パーフェクト・ドラム (ベルギー向け)

ハッキリ言っておきましょう。
こいつは飲んでいただきたい!

グラント72TWA


このエッジの効いたメリハリのある飲み心地は、まさにパーフェクト・ドラム。最近入荷の72グレン・グラントと言えば、TWA/プライベート・ストック(在庫僅少)がありましたが、両者好対照なグレン・グラントです。

物腰が弱いように見えてしなやかさが際立つプライベート・ストック。
奇跡的な新鮮さとバイタリティ溢れるパーフェクト・ドラム。

このようなウイスキーが悩ましいのは、「どちらが美味いか?」「どちらが好きか?」を超えてしまうことでしょう。

「両方美味い」のです。

さて、本日土曜日より、明日の日曜日まで2日間。
グレン・グラント 1972 39Yo / TWA ザ・パーフェクト・ドラム (ベルギー向け)
「3杯セット」対象商品です。

このグレン・グラントの他に2銘柄のウイスキーと合わせて、
ハーフ・ショット合計3杯で2100円(税込)です。


ショート・インプレッションはこちら
グレン・グラント 1972 39Yo / TWA ザ・パーフェクト・ドラム
EX- Sherry Wood , 119bottles , 53.2%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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インチガワー 1982 29Yo / ダン・ベーガン


昨年の9月頃のことだから、まだまだ今のジェイズ・バーの内装工事が真っ盛りな時期で、前のジェイズ・バーでは「ロスタイム営業」なんてやってた頃の話。皆様も何となく知っているようで、だけど、あまり馴染みのなかろう音楽放送の「USEN」(ゆうせん)さんの営業が来た。

まったくご存知のない方も少なかろうと思うが、「USEN音楽放送」ってのは「あなたの部屋までケーブル(有線)を引いて音楽をお届けしましょう」っていう音楽配信サービスのこと。ラジオみたいに無線じゃないし無料じゃない有料で有線のサービス。まぁ、有線って言っても今時はネット回線を使用しているので、簡単に言えばインターネット・ラジオみたいなもんだな。

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ゆうせんの営業さんは、日々池袋の街をグルグル回って工事をしているテナントを見つけては声を掛ける。まぁ、それがお仕事なんだろうけど、あの頃はまだ暑い盛りで「4月に入社したばかりの新人なんです!」「契約欲しいっス!」っていう感じが好感の持てる、だけど、ヨレヨレの革靴が可愛らしい青年だったな(笑)。

そうは言ってもこちらの方も、まぁ何となく断る訳ですよ。だって「こっちは18年間、ゆうせんなんかなくても何不自由なく営業して来ました」って感覚だし、もちろん有料な訳だから「その金額で一体年間何枚のCDが買えるのさ?」ってこと。ま、今思えば、「断り方」としては常套なのだろうね。で、そんなことは向こうもご存知な訳だ。

「分かりました。でも、ご迷惑ならすぐ帰りますから、また来ても良いですか?」。ヨレヨレ革靴君はニッコリ笑って最後に言う訳。「まぁ、こっちも毎日暇じゃなきけど、来るだけなら良いよ。でも、契約はしないよ(笑)」。なんてね。ま、賢明な読者の皆様なら結末はお察しのことと思う。

ヨレヨレ革靴君はそれから足繁く通って来た。彼は有線放送について話をして、僕はふんふんと頷く。そんなやり取りが続いて、まぁ良くある話。「これ悪くないなぁ」から始まって、「欲しくなっちゃった」の(笑)。

結果として、ヨレヨレ革靴君は欲しかった契約を手に入れて、僕は毎日ゆうせんで音楽を聴くようになったという話。そして、僕は「欲しくなっちゃって正解」だったと思っている。

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事前にそこまでの目論見があったかどうかは自分でも理解していないが、ゆうせんで音楽を聴くようになって、いかに今までの自分の音楽が「アーカイヴの中だけで成り立っていたのか?」が理解できた。

手持ちのCDならたくさんあって、恐らくは500枚を超えるくらい持っていただろう。で、その中の「そこそこお気に入り」のCDは iTunes に取り込んで、取り込んだ中でもお気に入りはプレイリストに入れて。僕の日常の音楽生活はそんな風だった。どうだろう?皆様もそんなに変わらないのではないだろうか。

もちろん、それまでは「アーカイヴだけで事足りていた」のであって、そこに不自由という感覚すらなかった。だけど言い換えるなら、それは「足りていないこと」を知らなかっただけの話。僕はゆうせんで新しく知った楽曲のCDを買ってしまったりして、ある意味余計な出費を重ねることになるのだけれど、肝心なのはその「余分」が愛おしいかどうかなのだと思う。

確かに、僕と同じことは音楽に興味がない人には「余分」ではなく「無駄」なのだと思う。無駄なコストはカットするのが合理的という判断を僕も否定しない。でもそれが、「無駄」ではなく「余分」として愛おしくあるものなら、人生に大いなる愉しみを与えてくれることがある。そして、その「余分」の愛おしさを分かち合える誰かに出会うこともある。

音楽もウイスキーも同じところがある。
愛おしい「余分」として代わらない。
そして時々、その「余分」に狂おしい思いをすることがある。

ウイスキーに興味がない誰かには、バカバカしいことのように思えるかもしれない。だけど、僕だって、誰かの(ウイスキーではない)愛おしい「余分」をバカバカしいと思うかもしれない。

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このインチガワーは、僕のアーカイヴには入らないかもしれないと、ふとそんなことを思った。グラスに注いだフルーティな香りはとても好感が持てて、だけど、口に含むとうっすらとファンデーション系の化粧香を感じて、正直に言えばちょっぴり苦手な印象だ。だけど、僕のちょっとした苦手は、誰かにとってこの上もない得意かもしれない。

ちょっぴり苦手なウイスキーだって、不味くて飲めないのではない(笑)。このちょっとした余分な愛おしいウイスキーは、僕を大いに愉しませてくれる。もしも僕が、ウイスキーを既存のアーカイヴの中だけで過ごそうと思ったら、こういうウイスキーに出会うことはないだろう。ちょっとしたリスクを受け止めることで、新しい出会いが広がることがある。新しい出会いはいつだって刺激的だ。


テイスティング・ノートはこちら
インチガワー 1982 29Yo / ダン・ベーガン
Bourbon Hogshead , Cask No.6993 , 223bottles, 54.3%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。

よろしくお願いします。

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ダルユーイン 1962-1985 22Yo / ケイデンヘッド

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・19時までにご来店の方。
・お一人様、一日一杯(10ml)限り。
・正直に申しまして、少々痛んでおります。
・故にノー・クレームでお願いします。

ご理解いただけましたなら、
一杯¥105(税込)にてご提供いたします。

なお、誠に恐縮ですが、売切の際はご容赦ください。

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毎日19時までのご案内ですが、この企画は売切まで毎日続けます。
よろしくお願いいたします。

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キルホーマン 2006 5Yo / OB 46%

きっかけが何だったかはもう思い出せないのだけれど、お客さんと生姜(ショウガ)の話をしていた。あぁそう、ジンジャーエールの話の続き「からの…」だったかもしれない。つまりは、こういう話。「ショウガとニンニクを比べると、確かに、ニンニクの方が存在感があるけれど、実はショウガの方が偉いのではないか?」という話。

皆様にも様々な意見があるかと思うが、僕とその人の意見は「ショウガの方が偉い」ということで一致した。ニンニクに嫉妬している訳でなく、その存在感の大きさを否定するものでもない。ニンニクではジンジャーエールのような飲み物は作れまい。あるいは、寿司屋のガリのように絶対に必要な脇役にはなり得まい。そんな結論に二人して得心が行ったのである。

皆様のご支援を、「人気ブログランキング」

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話をしていたのは、実は僕と同年代のオジサンである。恥ずかしながら(いや、恥ずかしくはないか?)、意気投合してしまった訳である。もしも、僕が隣で飲む酔客であったなら「次、もう一軒行きましょうか!」なんて叫んでいてもおかしくはない。

RIMG0894_1まぁ、先日そんなことがあって、僕らは何故そこまで共感してしまったのだろう?なんてことを今日はぼんやり考えていた訳だ。

お互いにいい歳のオジサンなので、「自分が主役になれないことを実感して、ついつい脇役に心を寄せてしまう」のか、「もしも、ショウガのような素晴らしい脇役がいてくれたなら、自分も主役になれたのだろうか?」などと淡い妄想に浸りたかったのか。まぁ、今でも良く分からない。

そうそう、その夜はこんなことでも盛り上がった。「ニンニク焼き」と言ったら、ニンニクそれ自体を焼いた料理を連想するのに、「ショウガ焼き」と言ったら、ショウガの味付けをして焼いた料理なのである。

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まぁ、だから何だと言われればその通りだ。ニンニク派の人たちには「だから、ニンニクは唯一無二の存在なのだ」と言われそうだな。僕に言わせれば、ユーティリティ・プレイヤーであるショウガを評価したい所だが、アンチ・ショウガの皆様には「ポリシーがない」と言われるかもしれない。

いや、まぁ、今日の話に結論はないのだが、たまにはショウガにも興味を持っていただきたいという話。ニンニクばかりではなくてさ。

キルホーマンはアイラの主役になるのだろうか?熟成5年のこのウイスキーはなかなかに美味い。このまだ若い蒸留所が諸先輩を差し置いて、この島の王様になる日が来ることを想像はできないが、他の蒸留所もウカウカしてはいられないほどには仕上がりの良い5年もののウイスキーだ。

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ニンニク的にかショウガ的にかは差し置いて、それなりに存在感を現し始めたなと思っている。そして、個人的にはショウガ的なポジションでその存在をアピールして欲しいなどと考えている。何だかその方が応援したくなっちゃう感じがするのだ。

そうは言っても、クリスマス・ケーキ的ではないなぁ?と思う(笑)。

テイスティング・ノートはこちら
キルホーマン 2006 5Yo / OB 46%

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プルトニー 2001 10Yo / ブラッカダー ロウ・カスク 


夕方出勤した時に降り始めた雨は、7時を過ぎた頃に雪に変わった。こんな天気の夜にウイスキーを飲みに来てくれたお客さんがいて、だけど、その人が帰るとジェイズ・バーには僕以外の誰もいなくなってしまった。僕はしばらく窓の外の降る雪を見ていて、見飽きることがなかった。

一人きりで寒くて長い夜を過ごすのだろうかと思うと、何だか心も凍ってしまう気がして、新入荷のまだ手を付けていないウイスキーのテイスティングでも済ましてしまおうと、まずはこのプルトニーをグラスに注いだ。

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何気なく選んだつもりだけれど、その選択には何かの意味があったのだろうか?この北ハイランド生まれのウイスキーは、寒さと雨風をしのいでくれることはないだろうが、そこに暮らす人にいくらかの勇気と覚悟を与えてくれたのかもしれない。

北国とは言えない池袋にも寒くて過ごしづらい夜はあるものだ。
このウイスキーは少しばかり、気付け薬のようになっただろうか。

ありがたいことに、僕は一晩中ウイスキーを飲んで過ごすことも、あるいは、雪を眺めて過ごすこともなく、昨夜も幾人かのお客さんに来ていただいた。愉快に笑う人もいて、寒くなくても今夜が過ごしづらそうな人もいて。飲む人の表情は様々だ。

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旨味のある甘塩っぱいウイスキー。そんなプルトニーだ。10年という時間はまだこのウイスキーを十分に熟成させてはいない。標準的な僕の立場は、どちらかと言えば「香り酒」を好む傾向があって、そういう意味ではまだこのウイスキーは「香りを十分に愉しめる酒」として未成熟だ。

飲み口を愉しむウイスキーなのだなと、いくらか口に含んでそんなことを思う。こういうウイスキーを飲んでいると、つまみが欲しくなって、でもそれは、恐らく人恋しくなってしまった証拠だろう。

いくらかの時間、少し集中してウイスキーを飲んでいて、ふと気が付くともの凄い勢いで雪が降っていた。窓枠の大きさに切り取られたフレームの中を、上から下に降る雪を眺めていると、雪が下に落ちて行っているのか、あるいは、自分が空へと舞い上がっているのか分からなくなってしまった。

RIMG1021少し飲み過ぎただろうかと思いながら、またそれも悪くないと思い直して、この寒さに耐えられるのなら行きたいところがあるだろうかと考えてみる。空に舞い上がり行きたい所に行けるなら。

行きたい所が見つからないのは愚かだろうか。愚かではないにしろ、少しばかり寂しい話かもしれない。だけど、会いたい人のいくらかが思い浮かんだ。元気な様子だけ眺めて、声を掛けることもなく帰って来れたらそれも悪くない。

思い浮かんだいくつかの顔と、いつかプルトニーを飲んだ時に、そんな話ができたら楽しかろうにと思いながら。それは、このプルトニーかもしれないし、他のプルトニーなのかもしれない。港町に近いこの蒸留所には、いくらかの旨味のある甘塩っぱいウイスキーが、まだ誰にも見初められることなく眠っているのだろうか?

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雪の降る夜に、夜空に舞い上がることができるのなら、僕のいくらかの友人のために熟成庫に行って何かを見つけてみたいと、そんなことを思った。

テイスティング・ノートはこちら
プルトニー 2001 10Yo / 
ブラッカダー ロウ・カスク 
Oak Barrel , Cask No.800123 , 110bottles , 62%


「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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ハイランド・パーク 1984 25Yo / デュワー・ラトレー カスク・コレクション

随分と長い間晴れの日が続いた東京だったが、週末から天気が崩れ、積もるほどではなかったが雪が降った。乾燥した空気に少しばかり潤いをもたらせてくれたなら、もちろん、それも悪いことではないだろう。多くの場合、雨は僕の気分を少しばかり塞いでしまうけれど、終わらない一日がないように、上がらない雨もないのだから。

ある種の起伏や緊張と弛緩は僕らの人生にメリハリを与えてくれる。喉が渇いた方が、ビールが美味しいということもある。「悪いことばかりではないさ」と呟いてみたけれど、何だか僕は気分の優れない日を過ごした。

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天気が崩れるのとシンクロするように、僕は気分ばかりではなく体調を崩して、気付いたら風邪を引きかけた様子。インフルエンザでない限り、基本的には「働きながら治すしかない」と思っている方で、毎日仕事に行って48時間後には快復した。結果として、引きかけた風邪を引かずに済んだ。

風邪の予防のための「うがいと手洗い」というのは、とても簡単な常套手段なのだと思う。まぁ、それでも引いてしまうのが風邪で、昨日は「風邪はどうやって治すか?」みたいな話をお客さんとしていた。

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意外にビックリしたのだが、「何もしない」という人が結構いたこと。ドラッグストアで風邪薬を買って飲んで寝る、くらいのことしかしない人が結構いて驚いた。

まぁ、僕だって大したことはしていないのだが、
1.すぐに医者に行く。
痛いのと辛いのは苦手なので、薬をもらって症状を軽くする。

2.ショウガとネギと味噌を使ったあったかいものをたくさん食べる。
食欲がないことは極力忘れる。「生きろ」と呟きながら食べる。

3.水分をたくさん取って、つま先と背中に携帯カイロを貼って布団に入る。
これ大事。大きなポイント。

4.ギリギリまで寝る。できれば、10時間。
結果として営業時間以外の仕事は放ったらかす。寝ないと絶対に治らない。

5.汗をかいたらシャツを換える。
睡眠中はどんなに眠くても換える。冷たいと思ったら駄目。

6.布団の中で目が覚めてしまったら、「戦え、オレの免疫力!」と唱える。
ジェイズバー・オリジナルの対処方法。弟子たちは実行している(はず)。

いろんな人に話を訊いてみたのだけれど、ある意味「やっぱりな」と実感したのは、若い人よりオジサンたちの方が「個人的な対処方法」を持ってるのね。「風邪引いちゃったなと思った時、どうしてます?」って訊くとオジサンはすぐに答えが返ってくる。それなりの経験則ってのがあるのね。まぁ、「風邪で人生を無駄に過ごしたくない」って話には頷けたな。

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若者に言っておこう。風邪引いても良いことないよ。カワイコちゃんが看病に来てくれることなんてないから。そんなことに淡い期待を寄せて風邪をこじらせても、苦しむのは自分だから。「咳をしても、ひとり」。

是非とも、周りのオジサンに「風邪引いちゃったなと思った時、どうしてます?」って訊いてみて欲しい。喜んで教えてくれるから(笑)。

このハイランド・パークは美味しい。このウイスキーが美味しいと思った時に、「風邪を引かずに済んだな」と実感しました。甘いジンジャー・スパイシーなニュアンスがあって、だけど、葛根湯みたいな薬っぽさはなく、時間が経つとキレイな甘さの出てくるウイスキーです。

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この年代のバーボン樽のハイランド・パークとして思うなら、王道感のある仕上がりだと思います。コストパフォーマンスを考えても素晴らしいウイスキーです。

テイスティング・ノートはこちら
ハイランド・パーク 1984 25Yo / デュワー・ラトレー カスク・コレクション
Bourbon , Cask No.1753 , 250bottles, 53.6%


「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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発注情報

本日の発注情報をジェイズ・バーのFacebookページにて更新いたしました。

気になるのはイチローさんの信濃屋さん向けボトリング。ゲームの最新版。

あとは、4本入荷のデュワー・ラトレー。
愉しみです。

ジェイズ・バーのFacebookページ

今週は75グレン・グラントで行きましょう。

昨夜のジェイズ・バーは早い時間からカウンターが埋まって、のんびりウイスキーを愉しむお客さんと、僕は洗い物に追われグラスを拭き上げながら、お客さんに出すウイスキーのことを考えて、カウンターの中を随分とグルグル回りながら働いた。

僕にとってはとても素敵な夜で、そんな仕事は十分に充実した気持ちにさせてくれる。実は前日に少し飲み過ぎて体調が悪かったことなど、気付くことなく時間が過ぎた。夜11時を過ぎるような時間になって、少しづつお客さんが引いて行き、ちょうどいくつか空席ができた頃に、遠方からウイスキーを飲みに来たお客さんが入口に顔を見せた。

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いつものように息子連れかと思い、後に続く人影を確認すると、昨夜は息子のみならず娘さんも。親父と春休みのことを楽しそうに話している。息子も少しは逞しくなった様子で嬉しい限り。娘を先に帰らせて、親父と息子が並んで飲み始めた頃には他のお客さんも帰って、そんな時間は彼らに何を思わせるのだろう。

大きな声のワリには饒舌に語るタイプではない親父の隣で、息子も静かにウイスキーを飲んでいる。時々は親父の声の大きさをたしなめて、だけど、親父の方は大きな声で愉快に笑っている。そんな風に過ぎる時間は、彼ら親子にどんな影響を与えるのだろう。僕にもうまく説明できないが、きっと何かを積み重ねて行くのだろう。素敵な何かを。

深夜12時を過ぎた頃に、一人の女の子が入って来て「雨降ってきましたよ」と僕に告げた。そう言えば、夕方の天気予報でどうやら天気が崩れることを聴いていたっけ、と思い出した。ほんの少し「やれやれ」と思ったけれど、まぁ、早い時間にいくらかお客さんが入ってくれたことがありがたい。

満足した様子の親父は息子を連れて帰り、眠そうな女の子は「明日も仕事だから」とお会計を済ませ、帰り際に僕にお煎餅をプレゼントしてくれた。

1時を過ぎて、お客さんがすべていなくなってしまった。女の子がくれたお煎餅もすべて食べてしまって、オレオを一枚かじっている。やはり昨日は飲み過ぎたのだろうか?ウイスキーよりレモンティにオレオの方が今日の気分に合っている。雨粒が窓ガラスをポツリポツリと濡らしている。

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遠くの人のことを思い出して、何だか切ない気持ちになってしまった。空は繋がっていて、あの人も遠いところではあるけれど、同じ空の下で生きている。

雨だから、電車で帰ろう。
だから、少し、このグレン・グラントを飲んで帰ろう。
親父は飲まず、息子は飲んで、僕もこれから飲むグレン・グラント。

本日金曜日より、土・日曜日まで3日間。
ハーフ・ショット1杯、¥1,050(税込)です。
お一人様一日、1杯限りでお願いします。

よろしくお願いします。

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カーデュ 1984 27Yo / TWA フンギ

若い女の子と話をしていて、「なるほどなぁ」と納得をしながらも、何だか不思議な気分になってしまった。名も知らぬまま街で行き違うだけならば、振り返ることもない普通の女の子だと思う。もちろん、普通に可愛らしい女の子だとも思う。

彼女はいくつかの彼女のことを語り、聴いていた僕からすれば、そのどれもは「どれだけ自分が羨ましがられているか」を説明するエピソードだ。ただ、残念なことに、僕にはそれらの話は大きな関心を惹くものではなかった。

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そんなことを説明するまでもなく、彼女なりに十分に魅力的なのに。そう思った。彼女は普通が嫌いなのだろうか?確かに、特別ではないかもしれないが、とても利発で話し上手。可愛らしく魅力的な女の子だと思う。

彼女と話をしていて、心配なことがたくさんあるのだろうなと感じた。特別な自分を求める背景には、自信のなさがあるのだろうと思う。そして、そのことも含めて、それは彼女が普通の女の子である理由のひとつだ。

人もウイスキーも、そのすべてが特別なものばかりではない。素朴で普通のウイスキーは世の中にいくらでも存在して、だけど、それらの素朴なウイスキーも十分に魅力的な存在感を持っている。ひとつとして粗末に扱えるものはない。

振り返るなら、僕が今まで出会った人もウイスキーも、その存在そのものが特別なのではないのだろう。特別なのは僕らの関係性であり。関係を特別なものにしてくれるきっかけは出会いなのだ。

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僕らは普通の人と出会い。その出会いをきっかけにその関係を特別なものにして行くことがある。人もウイスキーも変わらない。そして、その特別な関係を重ねることのできた相手を指して、「その存在自体が特別」と言わしめてしまうのだろう。

人生のどこかで出会った素朴な人が、自分の人生の中で本当に特別な人になることがある。存在自体が特別であることは、実は少ない。だけど、その関係を特別にすることは誰とでもできる。それは、人もウイスキーも変わらない。

多くの人にとって、カーデュという蒸留所は、知名度が低いという意味においてレアな存在かもしれない。だけど、特別なものでもないだろう。

このカーデュには、フルーツの香りのする消しゴムのようなニュアンスがある。少し素直さに欠ける気もするが、誰かにとっては特別な存在になる可能性の十分にあるウイスキーだ。


テイスティング・ノートはこちら
カーデュ 1984 27Yo / TWA フンギ Bourbon Wood , 199bottles , 52.9%




よろしくお願いします。

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グレンアラヒー 1971 40Yo / 3R ザ・ライフ

お買い得情報です。
本日1月18日(水)より、明日の1月19日(木)まで、
こちらの、グレンアラヒー 1971 40Yo / 3R ザ・ライフ
「3杯セット」対象商品とさせていただきます。

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美味いです。
香り、素晴らしい。
シリーズとして一年振りですが、「ザ・ライフ」として納得です。


こちらも、ご確認ください。
ジェイズ・バーのFacebookページ

グレンアラヒー 1971 40Yo / 3R ザ・ライフ
Bourbon Hogshead , 162bottles , 48.1%

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ハイランド・パーク 1981 30Yo / TWA フンギ

年が明けて、来月から始まる確定申告に向けて準備を始めている。ぼんやりと昨年の伝票類や数字を眺めて、3月後半から3ヶ月ほどの間にちょっとした変化があったことに驚いている。

昨日はちょうど、1995年の阪神淡路大震災から17年目ということもあって、随分と思うところも多かったのかもしれない。

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昨年は3月後半から、少額の領収書の枚数が増えている。ほとんどが、普段買物をしないようなお店の領収書。買ったのはミネラル・ウォーター。一枚だけトイレット・ペーパーの領収書があって、それにしても随分遠くまで買物に行ったものだ。

ミネラル・ウォーターの領収書はどれも1本分の金額で、つまり、どこの店も「お一人様、一本限り」と貼り紙がしてあった結果だ。あの頃の混乱と不安をありありと思い出してしまった。

昨年は多くの人にとって困難の多い年だっただろうと思う。そして、そのうちのいくらかの人にとっては、転機の年であったとも思う。もちろん、そのすべてがあの震災をきっかけとしたかどうかは分からない。だけど、僕にとってあの震災は転機の遠因であったと思う。

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領収書の束を眺めながら、そんなことを思った。そして、僕は少し恥ずかしい気持ちになった。大切なことを忘れそうになっていたのかもしれないと、恥ずかしい気持ちになった。

ご存知の通り、僕は昨年、17年続けた店を移転して、今はこの場所で営業を再開している。確かに、それは転機だが、転機は問題解決と同じではない。問題解決のために転機が必要ではあっても、転機そのものは問題解決ではない。

「年も明けたのだし、前を向いて、明るく歩いて行きましょう」

そんな風に言われたら、もちろん、僕だってその言葉そのものを否定する訳ではない。振り返れば、昨年は暗い出来事があったのは事実だ。だけど、僕らはすべてを忘れて歩いて行くべきなのだろうか?未解決の問題は過去の中にある。

RIMG0713_1僕は忘れてしまいたかったのだろうか?
だとしたら、僕はそれを恥ずかしいことだと思う。

だから、「忘れないよ」と心に決めて、前を向いて歩いて行こうと思う。
結局は思い出すのだし、それでも進まねばならないのだし。

人生の中にいくつかの思い出のウイスキーがある。忘れられないウイスキーというものがある。実は、「美味しいだけ」のウイスキーは記憶の中に埋もれてしまうことがある。時々記憶の中から取り出して、愛おしく思うことはあるけれど、それでも埋もれてしまいがちだ。

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忘れられないウイスキーを、忘れられなくさせる理由は、ごく個人的な記憶と絡み合ってるからであることが多い。どうやらこのハイランド・パークは、忘れられないウイスキーになりそうだ。

今回の仕入れたTWAのウイスキーの中でも、一番クールな印象のウイスキー。フェノール系スモーキーに心をくすぐられる。何故だか僕をドキドキさせるものがあって、そのドキドキは僕に対する「注意喚起」のように思えてならない。

悲しみや苦しみや切なさは、忘却がひとつの解決方法たり得ることがある。だけど、今も続く苦しみはそれらと同じにはできない。

テイスティング・ノートはこちら
ハイランド・パーク 1981 30Yo / TWA フンギBourbon Wood , 198bottles , 52.2%


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本日夕方、ジェイズ・バーのFacebookページにて、
お買い得情報お知らせします。


羽生 1990 21Yo / イチローズ・モルト カード・シリーズ 「冬の星座ラベル」 テン・オブ・ダイヤモンズ

昨日はブログの更新をサボってしまいました。
スミマセン。
嬉しいことがいくつか重なって、ついつい飲み過ぎてしまった。

日曜日の夕方に弟子のひとりの結婚パーティに招かれていた。本当に良いパーティに出席させていただいた。新郎新婦の心からの笑顔と、二人の新しいスタートを祝福する多くの出席者の喜びを、少し遠目に眺めていたら心が熱くなってしまった。

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デキの悪い子ほど可愛いというのは、ある意味真実かもしれない。もちろん、それは、本当にデキが悪ければ「誰からも相手にされない」という真実も含めて。

RIMG0655_1「デキが悪い」という結論は、「手間が掛かった」という実感から生まれるのだろう。結果として手間を掛けてしまったのなら、こちらにも「手間を掛けても構わない」という判断があったから。つまり、その素材の良さを認めていたということなのだ。

手間が掛かったのは事実だが、先日嫁を貰った弟子を、僕ももう一人前と認めざるを得まい。まぁつまり、ただのデキワルではなかったことに安堵しよう(笑)。

僕は祝辞の大役を任されていたのだが、式の序盤から涙を流す新郎を見て嬉しく思った。それにしても、興奮して落ち着きがなく良く喋る新郎に比べ、華やかな佇まいと美しい笑顔の新婦のコントラストが印象に残る良い結婚式だった。

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「こんな機会でもないと」ということなのだろうが、日曜日は久し振りに、主立った4人の弟子がひとつの場所に集うことになった。それぞれの話を聴き、それぞれの活躍を思い嬉しく思う。話を聴けば、そこにいくつかの成長の跡が見えて、僕も誇らしい限りだ。

時間が過ぎただけでは人は成長しない。成長とは経過ではなく積み重ねなのだろう。同じだけの時間の中に、どれだけの中身を詰め込めるかは人によって違う。それは、人もウイスキーも同じことかもしれない。どんな人にも等しく時間というエネルギーは与えられる。そのエネルギーをどのように使うかはその人次第ということだ。

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同じ蒸留所のウイスキーなら、同じ遺伝子を授かって生まれて来たと言って良いだろう。だけど、ウイスキーも人と同じように遺伝子だけでそのすべてが決まる訳ではない。飲めば確かに、その遺伝的な影響を感じるけれど、樽が違うことでウイスキーの個性が、こんなにも豊かに多様性を持つことを愉しく思う。

生まれただけではウイスキーにならない。
育てる人の手によって、ウイスキーはウイスキーになり得るのだ。

「生まれ」と「育ち」。「蒸留」と「熟成」。つまり、遺伝的要因と環境的要因。そのどちらが、より多くの影響を与えるのかは僕には分からない。それらは相互に作用するのだろうし、二項対立で説明するのも難しかろう。ただ、プロセスはどうあれ、そこに個性が存在することは明らかだ。

人もウイスキーも変わらない。
似た人はいても、同じ人はいない。
ウイスキーも人も。

興味深さも変わらない。
人もウイスキーも。

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パーティから帰って店のカウンターを眺めると、4本の羽生のウイスキーが並んでいる。弟子たちの顔を思い浮かべて、4本のウイスキーに当てはめてみる。当てはまるように思えたり、全く違うように感じたり。パズルのように楽しんでみても、結局上手く仕上がることはなかった。

4本のウイスキーと4人の男たち。
そこにあるのは、8つの個性。

それぞれに目指すものがあれば良い。
そこへ向かって進んで行けば良い。
向かいながら何かとぶつかり、何かを絡め取り、進んで行くのだろう。

テイスティング・ノートはこちら
羽生 1990 21Yo / イチローズ・モルト カード・シリーズ
「冬の星座ラベル」 テン・オブ・ダイヤモンズ
1st Cask : Hogshead , 2nd Cask : American Oak Puncheon
Cask No.527 , 585bottles , 54.9%


「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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ベンリアック 1976 34Yo / OB リミテッド・リリース for BBI

知らないままなら気になることもなかっただろう。どこかですれ違っても、気付くことなく通り過ぎていただけかもしれない。だから、気付かない方が良かったかもしれないこと、というのは人生の中に幾度か訪れることがある。

出会いは別れの始まりというのは真実に違いない。出会いがあれば、いつか必ず別れがやって来る。だけど、別れは出会いの目的ではない。生まれることの目的が死ぬことではないように。

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出会いがあったのなら充実と幸福を求めよう。人生がそうであることを願うように。相手がウイスキーなら、それは、興奮と感動でも構わない。僕らがウイスキーの周りに集まるなら、隣の誰かと共感ができることは心にいくらかの安堵を与えてくれるはずだ。

知らなければ喪失の落胆を感じることもないけれど、出会いの喜びも堪能できない。このウイスキーには興奮がある。

もしもウイスキーを知らなかったなら、失うことさえなかったものを、僕はわざわざ失おうとしているのかもしれない。確かにその通りだ。だけど、それでも僕が新しいウイスキーを求めるのは、その出会いに興奮と感動があるから。そして、そのことを誰かと分かち合いたいから。

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僕らの真ん中にウイスキーがあることで、僕らの人生が充実することがある。僕らはウイスキーの周りに集まって愉しくやっている。それは、取るに足りない、恐らくは、人生の中に余分で、だけど愛おしいもの。そして、僕の大切なもの。

本日金曜から土・日曜日まで3日間。
ハーフ・ショット、¥1,050。
お一人様一日、1杯限りでお願いします。

RIMG0579_1人との出会いがそうであるように、ウイスキーとの出会いもまた一期一会だ。話には聴いていて、出会うことのなかったウイスキーがやって来た。この愉しみを皆様と分かち合いたい。

ショート・インプレッションはこちら
ベンリアック 1976 34Yo / OB リミテッド・リリース for BBI
Hogshead , Cask No.3041 , 143bottles , 40.5%


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羽生 2000 / イチローズ・モルト カード・シリーズ 「冬の星座ラベル」 フォー・オブ・ハーツ

先日、足元の暖を取るためのヒーターを探そうといくつかのウェブサイトを眺めていた。できるだけ小さなサイズで、それなりの暖房能力があって、そりゃ価格も安い方が良いね。くらいの気分で探していた訳だ。

最近は何を選ぼうと思ってもそんな具合なのだろうが、上記のような条件でヒーターを絞り込もうと思っても、もうどれを買ったら良いのか分からない位の商品が出て来る。結局は(画像で見た限りの)デザインと価格で決めることになった。

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低価格という条件を外さない限り、特長として説明される機能も似たり寄ったりだ。転倒したら自動的に電源がオフになる機能と、「消し忘れ防止」の機能。何を選んでも一緒なら、できれば気に入ったデザインのものが良いかなということになった。

確かに、転倒したり消し忘れても勝手に電源がオフになってくれる。という程度の機能が付いていれば十分なのだろう。それで、ある程度の安全とコストを保証してくれる。当たり前だが、ウェブサイトを眺めた限り、そのふたつはどんなヒーターにも欠かせない機能だった。

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まぁ、我ながら「そんなこと気にせんでも…」と思うのだが、いくつかの商品案内を読んでいて「消し忘れ防止スイッチ」と書かれているのにツッコミをいれたくなってしまった。

「消し忘れそのものは誰も止めてくれない」、と。

つまり、「消し忘れ」た時にタイマーによって電源を「停止」してくれるだけで、「消し忘れ」そのものを「防止」してくれる訳ではない。なのにその機能に「消し忘れ防止スイッチ」とある訳だ。

例えば、電源を消し忘れてヒーターの前を離れようとすると、「スイッチを消し忘れてますよ〜」と教えてくれるなら、それは立派な「消し忘れ」を「防止」する機能だと思うのだが、商品案内にある「消し忘れ防止スイッチ」は消し忘れた時の「対策」があるだけで、消し忘れを「防止」はしてくれない。

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残念ながら、人は忘れることを止められない。人は忘れる生き物だ。恐らく、「忘れる」ということそのものが、人が生きるための機能として備わっていることなのだろう。

もしも、すべての記憶を忘れることができなかったら、それは間違いなく残酷な人生になるだろう。だけど、切ないことに、「忘れられない」と訴える人に「忘れた方が良い」とはなかなか伝えられない。だけど、何か希望があるなら、「忘れた方が良い」状況になれば人は忘れることがある。

RIMG0593_1忘年会の翌月に新年会があり、新年会と忘年会の間にはおよそ10ヶ月ある訳だ。もちろん、すべてがそれで上手く行く訳ではないけれど、忘れたら新しくなる。そこにはいくつかの真実があるはずだ。少なくとも、他に頼りにするものがないのなら、そうしてみるのも悪くない。

赦すというのは、素早く忘れるための作法なのかもしれない。



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羽生 2000 11Yo / イチローズ・モルト カード・シリーズ「冬の星座ラベル」 フォー・オブ・ハーツ
1st Cask : Hogshead , 2nd Cask : French Oak Cognac Cask
Cask No.579 , 361bottles , 59.2%


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イチローズ・モルト カード・シリーズ 「冬の星座」全4種

昨日、所用があって近くの警察署に行って来たら、建物の入口に「本日、110番の日」と看板が立っている。なるほど、1月10日で「110番の日」ということなのだと納得をしたのだが、わざわざ告知することなのか?という疑問も湧いてしまった(笑)。

今さら、110が何の番号なのか知らない人も少なかろうに。一体いつ頃から、1月10日が「110番の日」と決まったのだろう?それはまだ、110番が何のために用意された電話番号だか世間には広く知られていない時代のことだったのだろう。

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さて、昨日が「110番の日」なら、本日は1月11日。つまり、本日は「一並びの日」である。昨年も2011年11月11日の「一並びの日」の前日に秩父からやって来たイチローさん(本人)だったが、今年も「一並びの日」の前日に秩父からイチローさん(ウイスキー)がやって来た訳だ。

さて、詳細は後日お伝えすることとして、今回は全般的にデキが良いと思っている。個人的には「ハートの4」あたりは家飲みウイスキーに(価格的にも)最適ではないかと考える。

いつものように、僕の好きなイチローさんのウイスキー全般に感じる「太い力強さ」も十分。一番のお気に入りは「ダイヤの10」。口の中で弾ける甘苦い感触が良い。ジュワっと来て、ジンと痺れる感じ。

いつもと違う感じがするのは、抜栓したてから感じる仕上がりの良さかもしれない。誤解を恐れず言わせていただくなら、今までは抜栓時に「美味しくなるにはもう少し時間が掛かるかな?」と思われる(個人的に、です!)ウイスキーがいくつかあったが、今回はそれを感じさせるウイスキーがない。

今のところ僕はそれをある種の「洗練」と捉えているけれど、「太い力強さ」は失わずにいて欲しい。

肝心の価格だが、昨日より今度の土曜日まで、

ハーフ・ショット4種で、1995円(税込)でいかがでしょう(笑)。

さて、とりあえず画像だけでもお届けしておきたいと思います。

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羽生 1990 21Yo / イチローズ・モルト カード・シリーズ
「冬の星座ラベル」 テン・オブ・ダイヤモンズ
1st Cask : Hogshead , 2nd Cask : American Oak Puncheon ,
Cask No.527 , 585bottles , 54.9%


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羽生 1991 20Yo / イチローズ・モルト カード・シリーズ
「冬の星座ラベル」 ナイン・オブ・クラブス
1st Cask : Hogshead , 2nd Cask : Bourbon Barrel ,
Cask No.401 , 238bottles , 57.3%


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羽生 2000 11Yo / イチローズ・モルト カード・シリーズ
「冬の星座ラベル」 シックス・オブ・スペード
1st Cask : Hogshead , 2nd Cask : Oloroso Sherry Butt ,
Cask No.1303 , 661bottles , 58.6%


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羽生 2000 11Yo / イチローズ・モルト カード・シリーズ
「冬の星座ラベル」 フォー・オブ・ハーツ
1st Cask : Hogshead , 2nd Cask : French Oak Cognac Cask ,
Cask No.579 , 361bottles , 59.2%


ハーフ・ショット4種で、1995円(税込)です!

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ティーニニック 1973 / BBR

正月の池袋の街を歩いてたら、少し不思議な気分になってしまった。新年を迎えた街にはたくさんの2012という数字が溢れていて、僕は少し軽い目眩を覚えた。その理由が分からずに戸惑っていたのだけど、立ち止まって考えてみると思い当たるふしがある。それはちょっとしたデジャブなのだろう。僕の中で2012という数字は、遠い未来を表す過去の記憶として存在した。

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例えば子供の頃、あるいは1980年代に見た2012という数字は「未来の物語の中」にあったはずだ。僕は当時その時代を生きていて、2012年はまだ見ぬ遠い未来だった。いや、西暦2000年を超えるような遠い将来のことは、時間が進んだ結果ではなく、世界がズレた結果のように思っていたのかもしれない。

今まさに2012年を生きているのに、その数字を遠い未来のことのように思ってしまう。この不思議な感覚は僕の生まれ年に起因するのだろうか?西暦2000年から干支も一回り。2012年の正月に、そんなこと思ったのには何か訳があったのだろう。

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「未来は必ずやってくる」というのは希望だろうか?あるいは、「勝手に時間は過ぎてしまう」ということは残念だろうか?ただ一つだけ本当のことがあるとするなら、「それでも人生は進んで行く」ということなのだろう。

時間は僕らを等しく未来に運んでしまう。時間の持つエネルギーというのはそういうものだ。人もウイスキーも時間に運ばれてしまうのに代わりはない。そのエネルギーは時に僕らを熟成させ、時に僕らを崩壊させる。天使の試みはウイスキーを熟成させることがあり、悪戯な神様は僕らを熟成させることなく、老化させてしまうのだろう。

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「どこかでお会いしたような…」。それは安っぽいナンパの手段ではない(笑)。初めて飲んだウイスキーなのに、そんな風に感じてしまうことがある。僕はあるパーティの会場でこのウイスキーに出会って、声を掛けて話し合い、そして一目惚れしてしまった。パーティの帰り道、気付けば彼女のことばかり考えている。それはこのウイスキーに恋をしてしまった証拠だ。

RIMG0434_1結局は同じタイプばっかり好きになってしまう。
ウイスキーも恋愛も変わらないだろうか(笑)。

「もう一度会いたい」。パーティーの会場で彼女の名前は聴いた。住んでいる場所も大まかには教えてもらった。ただ残念なことに、連絡先を聴きそびれた。「もう一度会えるだろうか?」。期待というものは、いとも簡単に不安に変わってしまう。

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僕は少しだけムキになり、そして少しだけ時間も掛かってしまったけれど、このウイスキーを手に入れることができた。パーティーで初めて会った日から数えれば、もうひと月半になるけれど、このウイスキーの美しさは変らない。

ちなみに瓶詰めは2010年とのことだ。このウイスキーが世に出てから2年ほど経っているということなのだろう。愚かなことに、その間このウイスキーが僕の目に止まることはなかったのだ。もしも、あの会場で出会うことがなければ、僕の2012年は何かを失ったことに気付くこともなく終わっていたことだろう。

テイスティング・ノートはこちら
ティーニニック 1973 / BBR
Refill Hogshead , Cask No.6074-5 (marriage of two casks) , 41.8%

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トマーチン 1976 34Yo / TWA グロテスク・クロコダイル

リリースしました。
昨年飲んだ76トマーチンの中では一番に好きなウイスキーでした。奇跡的な再入荷です(笑)。ゴージャスな美人さんです。

トマーチン 1976 34Yo / TWA グロテスク・クロコダイル
Refill Sherry Butt , 309bottles , 51.3%

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テイスティング・ノートなどは後日、ジェイズ・バーのFacebookページでご案内させていただく予定です。

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ティーニニック 1973 / BBR

昨日入荷しました。
昨年のウイスキー・フェスティバルで一番気に入ったシングル・モルトでした。「こういうの、好き」って言いたくなるウイスキー。ひっそりとした佇まいがキュートです(笑)。

ティーニニック 1973 / BBR
Refill Hogshead , Cask No.6074-5 (marriage of two casks) , 41.8%

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詳細はまた後日、ご案内をさせていただきます。

もう一本の再入荷の情報はまた明日ご案内する予定ですが、気になる方はこちらのジェイズ・バーのFacebookページをご覧ください。昨年僕が飲んだ76トマーチンの中ではイチオシでした。

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グレンリベット 1975 32Yo / TWE グリーク・ラベル

この歳になって「サンタクロースを見た」と言っても、もう誰も話の続きを聞いてくれないだろう。笑ってくれることもないだろうし、あるいは、相手の顔に笑みがこぼれても、それは嘲笑でしかないはずだ。

「もうとっくにサンタクロースなんて諦めてるわ」と笑ながらクリスマスについて話をする彼女も、毎年サンタクロースを待ち侘びて知らぬ間に寝てしまう子供だった。だけど、その夜にワクワクしながらベッドに入ったことだけは忘れられない。

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少しだけ大人になった今の彼女は、サンタクロースではない人を待っている。残念だけれど、去年のクリスマスにそのサンタクロースではない人は現れることがなかった。

「サンタクロースなんて諦めてる」。同じ台詞を繰り返した彼女だけど、今度は表情が曇っている。

男は「今付き合っているカノジョともうすぐ別れるから」と言って、彼女と関わり始めた。彼女が「サンタクロースではない人」を待ち始めたきっかけはそういう話。そして、その続きを簡単に説明してしまうなら、男は「元の鞘に収まった」ということ。

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僕に言わせるなら、彼女の相手がその男である必要はない。ただ、もちろん、今の彼女にそんな話は伝わらない。ただ、彼女にも「クリスマスを一緒に過ごさなかった」という事実は重たい。「あなたは一番ではありません」という宣告を受けた訳だ。今年のクリスマスも彼女はまだひとりで過ごすのだろうか?

「他の男で良いじゃないか?」と言ってみたところで埒があかない。だから、「彼のどんなところが好きなの?」と訊いてみる。しばらく黙っていた彼女だけれど、不安そうな表情で「全部?」と答えた。

彼女は男を諦めきれない。サンタクロースとは同じではないのだな。だけど、男は彼女をワクワクさせてくれたのだろう。サンタクロースと同じように。そして、少し大人になった彼女は「このまま眠ってしまいたくない」と思っている。サンタクロースの正体を見るまでは眠る訳には行かないと思っている。

悔しいのだろうなと思う。男がずる賢いのか、優柔不断なのかは僕には分からない。だけど、力強い優しさを持った人間でないことは間違いがないだろう。男の振る舞いは彼女の執着心を大きなものにしてしまった。

RIMG0391_1僕から見れば、彼女が苦しんでいるのは自らの執着心だ。意外かもしれないが、男に対する関心は低いのではないだろうか?その男の良さを説明できない様子を眺めれば、「他の男で良いじゃないか?」という提案も、間違ったものではないように思う。そして恐らく、彼女が欲しかったのは「その男その人」ではなく、「自分をワクワクさせてくれた時間」なのだろう。

だけど、「もう少しだったのに!」という状態が人を高揚させるのだろう。そして、その興奮は「上手くやった!」と思えた時よりも大きいのかもしれない。興奮から覚めなければ、執着からもなかなか抜け出せない。彼女はまだ、「もう少しで上手く行く」と思っている。

まるで、1点差を追い掛けるフットボールのようだ。3点差を付けられていたら、もう諦めていただろうに。きっと。だから彼女は、「もう少しで上手く行く」と思っている。彼女はどの位のロスタイムを望むのだろう?人生の大半をロスタイムに費やしてしまわなければ良いけれど。

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彼女が落ち着いて、男が自分を幸せにする可能性が低いことを理解してもらえれば良いのにと思う。いくらか時間が掛かっても、たくさんの話を聴いて、いくつかの質問を繰り返し、彼女が興奮から覚めてくれることを願うばかりだ。


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グレンリベット 1975-2007 32Yo / TWE グリーク・ラベル 227bottles 51.3%


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グレングラッサ 1986 / OB マネージャーズ・レガシー 「DOD CAMERON」

夜空を眺めていると不思議なことが起こるものだ。昨夜の6時過ぎに池袋の街に雪が舞い降りた。少し大きめな氷の結晶は、漆黒の夜空から羽毛のように軽やかに舞い、音も立てずにアスファルトに着地して儚く消えた。ウイスキーの愉しみにも似て、儚く消えるものに愛おしさを感じることがある。

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僕はその光景を二階の窓から眺めていて、街行く人の多くはそのことに気付いていない様子だ。量としては微かな、恐らくは気象庁だって予測しなかっただろう雪。

僕は時々、降る雪に見惚れてしまうことがある。昨日の夜もそうだった。眺め続けていると、雪と共に何か素敵なものが舞い降りて来てくれるのではないかと、そんな期待で胸が膨らんでしまうことがある。飽きるまで眺めて、だけど残念なことに、天使が舞い降りて来たことは今までに一度もない。

雪降る夜空を見上げて、僕は何が登場するのを待っていたのだろう?昨夜は雪かきで忙しかろう北国の友のことを思い出した。もちろん、スコップを担いだ彼が夜空から舞い降りることはなかったけれど。

いつものように、僕は期待が叶わぬことを諦めて、冷静さを取り戻した。何を待ち侘びているのかが分からないのなら、望みが叶うのは難しいのだろう。会いたいと思っている友人だって、スコップを担いで来てくれることはなかったのだから。

残念ながら今夜も天使は舞い降りて来ない。僕は仕事の準備を整えようと窓に背を向けた。カウンターの中に入ろうと2,3歩進み、それでも未練がましく窓の外を振り返った。驚いたことに雪はやんでいた。窓に近付いて雪の痕跡を探し、寂しい気分になってしまった。

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「サンタクロースを見たんだ…」。何だか自分が、細い声でそう呟く子供になったような気分だった。さっき僕が見たものは、本当に空から舞い降りる雪だったのだろうか?

気付かないままなら良かったのかもしれない。知らなければ喪失の落胆を感じることもない。しっかりと目で見て掌に握りしめたものが、再び掌を開いて消えてしまってることがある。あの時感じた至福に、再現性がないことを切なく思うことがある。

もしもウイスキーを知らなかったなら、失うことさえなかったものを、僕はわざわざ失おうとしているのかもしれない。「2本目」が手に入ることのないウイスキー。「お代わり」をすることができないウイスキー。

修理も交換もできない製造物。それがウイスキーというものなのだろう。出会いは別れの始まりというのは真実に違いない。だけど、いつか別れが来ることを知りながら、僕はまた今夜も新しいウイスキーに出会うことを望んでいる。

夜空を見上げるのなら、誰かと一緒の方が良い。それは、舞い降りる雪でも、輝く星でも構わない。あるいは、ウイスキーでも構わない。掌から消えてしまっていても、二人の思い出はそこにある。それは、舞い降りる雪よりも、輝く星よりも、あるいはウイスキーよりも大切なことだ。

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グレングラッサ 1986 / OB マネージャーズ・レガシー 「DOD CAMERON」500bottles 45.3%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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グレングラッサ 1986 / OB マネージャーズ・レガシー 「DOD CAMERON」500bottles 45.3%

明けましておめでとうございます。

東京の三が日は天気に恵まれ、滅多に出歩くことのない午前中の青空を堪能しました。空気の冷たさと対照的な穏やかな青空。凛々しさと穏やかさの組合せは、僕をいくらか清々しい気分にさせてくれました。適切な緊張感を持ちながら、今年の時間が緩やかに進んで行くことを僕は望んでいるようです。

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本日からジェイズ・バーの今年の営業が始まります。
旧年中は大変お世話になりました。
今後も愉しくお酒が飲める時間と場所をご提供できればと思います。
おかげ様で池袋でバーを開業してから18回目の正月を迎えることができました。
皆様、よろしくお願いします。

新年だからと言って、何か特別なことをしようとは思っておりませんが、今夜は手持ちのウイスキーの封を切ろうかと思っております。頭の中にいくつかの候補はありますが、何をご提供するかは夕方決めようと思います。

多くの人がバーでウイスキーを飲むことを、日常的なことに思ってくれたら良いのにというのが僕の願いです。日々の暮らしの中の愉しみとして存在するウイスキー。今年はより一層、そんな自覚を持って毎日の仕事に励もうと思います。身近にウイスキーがあることが、僕らの毎日を愉しいものにしてくれることを僕は信じているのです。

正月は日本酒を一升とオールド・プルトニーの12年を半分ほど飲みました。日本酒は食事の時間を愉しいものにしてくれました。そして、ウイスキーは僕の心に落ち着きをもたらせてくれます。だけど、その安らぎのためのウイスキーは、何も特別なものであることもないのだなと、そんなことを改めて実感しました。

今年も皆様に感謝をして、僕の一年が始まります。
よろしくお願いします。
本日のリリース情報はジェイズ・バーのFacebookページでお知らせいたします(笑)。


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