モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2013年08月

ダルユーイン 1982 30Yo / イアン・マックロード チーフタンズ

ただ単に、歪(いびつ)である状態のものを指して「個性的」と説明することを僕は好まない。どちらかと言えば違和を感じる。そしてまた、それらのものがもて囃されているような状況があるなら、それを嫌悪すると言ってもいいかもしれない。

「ウイスキーらしさ」というものがあるなら、それを定義する人の数だけ様々になるだろう。もちろん、僕はそれらのすべての話に耳を傾けるだろう。僕の目的は誰かと争うことではない。ただ僕は、僕の話を聴いてくれる誰かに、僕の話を届けたいと願っているだけだ。

R0019835_1


だから、以下は僕の個人的な話。

「ウイスキーらしさ」というのは、コクがあること。話を端折って簡単に言えば「甘いこと」である。だから僕は若い頃から「これは、どのように甘いのだろう?」という視点でウイスキーを眺めて来た。一口に「甘い」と言ってもいろんな種類の感じ方がある。

ただ、日本では「旨いは甘い」と言うように、日本人は概ね旨味が存在することを「甘い」と表現するようだとも感じている。

「人気ブログランキング」

これは個人的な話なので、僕の嗜好について語らせていただくなら、「どのように甘いのか?」という問いに「蜂蜜のよう」と答えられるウイスキーが好きなのである。もう少し深く言うなら、それらを「王道で」「典型的な」ウイスキーだと思っている。

蜂蜜にもいくつかのあり様があって、「じっとりと濃厚な感じ」と「キラキラと華やかな感じ」を両極に、それらの要素をどちらも持ちながら、全体の印象としてその真ん中あたりにバランス良く感じられるウイスキーが好きなのである。

さて、話は変わるが、「飲み易い」ウイスキーとは何だろう。

ウイスキー以前の話として、「飲み易い飲み物は?」という問いに多くの人は「水」と答えるのではないだろうか。ならば、人は「水のようなウイスキー」を好むのだろうか?もちろん、僕はそう思わないということだ。

R0019842_1


もちろん僕は、飲み易いウイスキーのすべてを否定しない。飲み易くて美味しいと感じたウイスキーにもたくさん出会っている。ただ、「飲み易さ」というのは美味しいウイスキーの唯一の、あるいは、一番に優先順位の高い条件ではないと思っている。

ある人が感じる「飲みづらさ」のようなものを、別の人は「飲みごたえ」があると判断することがある。

ウイスキーの愉しみとは、目の前の一杯のグラスから「自分が何を感じるかを確かめるゲーム」のようなものでもある。だからこそ、既知のものより未知のものを僕らは求めるのである。

ウイスキーらしく美味しいウイスキーに出会ったと、
僕はそう思った。


R0019830_1

ダルユーイン 1982 30Yo
イアン・マックロード チーフタンズ
Hogshead , Cask No.3893 , 282bottles , 52%

よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

マクダフ 2002 10Yo / イアン・マックロード チーフタンズ

まぁ、何だろね。一言で言えば、このコストパフォーマンスの良さを気に入ってます。そのような意味において、マクダフのショート・エイジとかオルトモアの20年熟成程度のものなんてのは、個人的に「家飲み最高!」ウイスキーな気がしております。

樽はシェリー・バット。加水タイプ、46%ですが、負けてないマクダフを十分に感じることができますな。

基本的にはナッツ・コーヒー豆系のニュアンスを拾える愉しいウイスキー。丁寧にバランスの整えられたウイスキーでありますよ。

R0019829_1


お察しの通り、大物ではありません(笑)。足りないものを嘆くより、今あなたの目の前にある、その一杯のグラスのウイスキーを愉しんで下さいと、そう言いたくなるウイスキーですな。

最近は、「このウイスキーの10年後」みたいなことを良く考えるのですな。そんなことを「10年後も生きてる」前提で考えます。スペイサイドのいくつかの蒸留所と、日本のいくつかの蒸留所についてそんなことを考えます。もちろん、このマクダフ蒸留所に関してもね。

R0019818_1


ウイスキーを愉しめるようになって、「長生きも悪くない」とそんなことを思うのですな。むしろ、早死には愚かだと。ウイスキーに巡り会うことがなければ、どう考えていたんでしょうな。

R0019814_1

マクダフ 2002 10Yo
イアン・マックロード チーフタンズ
Sherry Butt , Cask No.900259 900260 , 1722bottles , 46%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

秩父 2009-2013 / OB for ウイスキー・トーク 福岡 2013

こいつは愉しいウイスキー。
こういうのもあるのね、っていうのが素直な感想。

福岡でのイベント向けに瓶詰めされたウイスキーのようだ。詳細は不明だが、ある意味これは情熱によって造られ、瓶詰めされたウイスキーなのではないかとそんなことを思った。

上質なウイスキーを造り上げるには、やはり、長い時間と継続する情熱が必要なのではないかと、このウイスキーのグラスを傾けながら、そんなことを思い浮かべた。

そして、情熱とは瞬間に沸騰するものではなく、それが長い時間持続する場合、遠くの外から見れば落ち着いて穏やかに見られることがあるものであるかもしれない。

R0019805_1


だから、もしもその情熱を感じたいと思うなら、僕らは一歩前に進んで、それに触れてみようと思うべきなのだ。縁というものはある。もちろん、僕らがそれを求めるなら。巡り合わせとしてやって来るのだ。だから、あなたにもそれはやって来る。

情熱を持続されるのに必要なのは、自らのテンションを上げることではない。それは、愛であり優しさであり、そして、誰かの幸福を祈ることである。

愛があり、優しさを持ち、僕ら飲み手の幸福を祈られて造られたウイスキーが僕の手元にある。そして、そんなウイスキーは僕のテンションを上げてくれるのである。

ウイスキーを愉しむ幸福というものがある。
そのひとつは、共感によって得られる喜びである。

僕らは隣の人と同じものを見て、「それを同じように見ていない可能性」について常に不安なのだ。ウイスキーはそれを確かめる手段でもある。だから、僕らは集まって誰かと一緒に飲みたくなる。

そこには違いがある。ただ、違いは認められるべきものだ。違いを見付けたら、受け入れるべきなのだ。それは、その人を認めることである。僕らは争いを始めるキッカケとして、違いを見付けるべきではないのだな。

既出の通り、これはライチやマスカットのような香りのフルーティなウイスキー。でもね、僕には人工甘味料のニュアンスを感じるラムネのようなウイスキー(笑)。ですな。

R0019800_1

秩父 2009-2013
OB for ウイスキー・トーク 福岡 2013
First Cask:First Fill Bourbon , Second Cask:Third Fill Bourbon , 221bottles , 60.8%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

ラガンミル 2001 11Yo / クーパーズ・チョイス

ビンテージ・モルト・ウイスキー社のラガンミル。まぁ、そんな名前の蒸留所はない訳で、中身はアイラの「ラガなんとか」って蒸留所らしいです。もちろん、正式には蒸留所不明ってことでありますな。

旧ラベルの時代から、ラガンミルのブランドで何度か出て来て、そのうちのいくつかは仕入れて来たかな。ま、ボトラーズからはあんまり出て来ない蒸留所ってこともあって気になるウイスキーって感じではあるのね。

個人的な話ではありますが、好きな「ラガなんとか」って蒸留所のウイスキーには共通点があって、口に含んだ時に漢字で「甘露」って字が頭の中に浮かぶ(笑)。

そして思わずニコニコしている自分に気付くのですな。

R0019782_1


ピーティでスモーキーが特徴、時にはお客さんに「あの正露丸みたいなヤツ」とも言われたりすることのある蒸留所です。もちろん、一般的にそのような特徴があると言われることにまったく反論はありません。

ただ、僕がラガブーリンを好きな理由が「甘露」だというと、時々カウンターの向こうのお客様に反論されるのですな。ピーティでスモーキーが特徴なのに甘いというのはおかしいと。辻褄が合わないと。

いえいえ、そんなことはありませんと。
僕は答える訳ですな。

「甘い」の反対は「辛い」ではありません。
「苦い」でも「しょっぱい」でも「酸っぱい」でもありません。
「甘い」の反対は「甘くない」なのであります。

日本語に「甘辛い」という言葉が存在するように、「甘くて辛い」、つまり、「甘い」と「辛い」は両立するのですな。

ピーティでスモーキーを「辛い」とか「苦い」に近い言葉だとしましょう。であるなら、それと同時に「甘い」という感覚が存在することはあり得るということですな。

もしもあなたが、特に「辛い」とか「苦い」のが好きな方だとしましょう。そして、その結果、ラガブーリンという蒸留所のウイスキーが好きだったとしましょう。

そうすると、「甘い」ラガブーリンはお嫌いになるでしょうか?

僕が申し上げたいのは、
「すべてを否定することは客観的でない」
ということであります。

R0019786_1


「甘い酒が嫌いだ」という態度を表明することを目的として、ピーティでスモーキーをと言っているのなら、この蒸留所のウイスキーの半分くらいしか愉しめませんぞ(笑)。

もちろん、
「すべてを否定することが客観的でないのとおなじように、すべてを肯定することも共感的態度ではない」
のであります。

肝心なのは、
目の前の不思議に驚いてみせろ!
ということでありますな。

R0019780_1

ラガンミル 2001 11Yo
クーパーズ・チョイス
Butt , Cask Ref 451 , 575bottles , 55%


「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

クライヌリッシュ 1996 16Yo / TWE グリーク・ラベル

当たり前なのでありますが、ウイスキーというのは飲み物なのでありますな。ま、そんなことは重々承知の上ではあるのですが、僕の場合、ウイスキーの香りが大好きという傾向が多分にありますな。

口に含んで香りを愉しみ、飲み下した後、鼻をグラスに突っ込んで香りを愉しむ。それは、うっとりとした至福の時間になる訳です。

先日もお話ししましたが、クライヌリッシュってのは僕の中で「夏のウイスキー」な感じがあるのですな。汗をかいた後、失ったミネラル補給に最適な感じがするのです。

R0019752_1


もちろん、気分の問題でございます。
医学的な根拠など微塵もありませんのでご了承下さい。

さて、本日のクライネリッシュでありますが、いつものようにグラスに注ぎ、毎度のことのように、まずは、グラスを鼻に持って行きます。すると、ウイスキーが訴えるのですな。

「口で飲め」と。

僕も答える訳です。「そうですか」と。
「ならば、そうしましょう」と。

普段より、気持ち多めに口に放り込んでみます。口にに含んだウイスキーは、さらりと喉の手前まで流れて来て、僕は少し躊躇して、思い直し、もう一度そのウイスキーの甘さを愉しもうと舌先まで戻します。

結果として、舌全体というより、口の中全体でウイスキーを愉しむことになりました。甘味だけではなく、苦味や酸味もバランス良く存在して、喉元に滞留させておいたウイスキーを、いつもより少し勢い良く流し込みました。

滑らかに喉を流れ、食道を通り、ウイスキーが胃に落ちたのを確認すると、こんな時の僕は、そのウイスキーの香りを「タッチ・アンド・ゴー!」させるのですな。

R0019758_1


胃に落ちたウイスキーは一瞬で気体に変わります。そいつは香りの宝庫で、胃の中にあったのでは愉しみようがないのですな。なので、胃に落ちたのを感じたら「タッチ・アンド・ゴー!」。再び口の中に戻し、鼻から抜く。

するとどうでしょう。これもまた、このウイスキーの愉しみ方のひとつではないかという、そんな表情を見せてくれるのですな。

いやいや、もちろん、僕のやり方に科学的根拠なんてのはありません。ただ、自分のイメージを使って、目の前のウイスキーを最大限愉しむのにはどうしたら良いか?ということをいつも考えて来た結果だけですな。

恐縮ですが、「エビデンスを出せ」というお話には与しません。ただただ、直観的に「こっちの方が愉しいんじゃね?」と思ったことをやってみた。という、そういうお話でありますな。

大切なのは気持ちの問題。気持ちが動いたらやってみる。証拠や根拠、検証結果が出るまで何もしないってのは、どうにも性分に合わないということですな。

ま、ウイスキーに限らず、人生に通じる話であります。ウイスキーってのは色んなことを教えてくれますな。

R0019749_1

クライヌリッシュ 1996 16Yo
TWE グリーク・ラベル
240bottles , 57.9%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

ティーニニック 1973-1997 23Yo / UD レア・モルト

これは素直に飲んで欲しいなと思うウイスキー。そして、僕の中で1973ヴィンテージのティーニニック、原体験と言えるウイスキー。

ウイスキーに限らず酒というのは思い出の中にあるもので、このラベルを見ていると様々なことを思い出しますな。

瓶詰めが1997年で、今から16年前のこと。当時はウイスキーの蒸留年になんかあまり興味はなくて、熟成年数がどのくらいかってことの方が気になってたかな。

「人気ブログランキング」

そもそも蒸留所の名前もカタカナで「テナニャック」なんて教わったのが僕らの世代でしたな。訳も分からず、「ふーん」なんて言っていたんでしょうな。

R0019740_1


最近だと、2010年瓶詰めのBBRの1973なんてのが記憶に新しいティーニニックです。そのBBRを飲んだ時に、実は鮮烈にこのレア・モルトのティーニニックを思い出しまして、「あぁ、なるほど」と感じたのですな。

直近でもいくつか1973ティーニニックが出ているようで、どれもこれも、まぁ熟成年数は40年近くになる訳です。いづれもアルコール度数は40%ギリギリまで下がっておりまして、16年前、このティーニニックが57%もあったことと比べると、隔世の感ありという訳ですな。

例えば、BBR1973に比べると、こちらのレア・モルトは勢いがあると言って良いかもしれません。その芯に熱がこもっている感じ。それを、(アタックの)強さと言って良いかもしれません。

R0019744_1


そして、BBR1973には、その強さを丁寧に削ぎ落とした感がありましたな。しかし、それは、BBR1973のウィークポイントではないのです。それは、そのウイスキーの個性であり、むしろストロングポイントでありましたな。

ウイスキーは強さばかりが魅力ではありません。時間とともに、その強さと引き換えに何を手にいれたのか?ということに思いを至らせるのも、僕がウイスキーを見定めるポイントのひとつでありますな。

強さとトレードオフに柔らかさ、優しさ、しなやかさ。そんなものを手に入れているのなら、それもウイスキーの熟成による成長の証ということになるのでしょうな。

僕の心から愛する「薄ぼんやり系ウイスキー」の誕生ということですな(笑)。

熟成の結果、そのウイスキーに弱さしか現れていないというのなら、それはやはり好ましいことではないと思う訳ですな。いやいや、すべては個人的見解であります。

甘塩、蜂蜜、バニラ。を軸にしたティーニニック。うっすらとカスタードで、奥の方からジワジワとベリーっぽいニュアンス。カシスっぽい?いづれにしても、フルーティなベリー系ジャムのニュアンス。有塩バターと一緒にトーストに塗って食べたら美味しそう。

R0019733_1

ティーニニック 1973-1997 23Yo
UD レア・モルト
57.1%

よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

グレングラッサ 1973 39Yo OB / マサンドラ・コネクション ミュスカ・フィニッシュ

買っちゃった。

複雑で滑らかなウイスキーだと思う。そしてこれは、時間と人間の手によって作られたウイスキーでもあるのだろうと、そんなことを思った。

飲みながら、随分昔、バラを育てるのが趣味だと言っていたお客さんの話を思い出した。

「人気ブログランキング」

その人の話では、バラというのは「どんな花を咲かせたいのか」という解釈の違いで、育て方というのはまったく違ってくるのだと、そんなことを言っていた。そして、ポイントは水と肥料なのだと。

もちろん、僕はバラになどほとんど興味も関心のないので、それがその筋の達人の皆様の共通の認識なのかどうかは分からない。恐らく、その人は僕が素人であることを知って、本来の意図を少し歪めたとしても伝わり易いようにしただろう。

いづれにしても、人の話の解釈など、どんな場合も恣意的にならないことなどないだろう。ただ、その時のその人の話を興味深く聴いたのを覚えている。

水と肥料がポイントだと言ったその人に、それらをどのようなタイミングでどのように行うのか?と僕はそんなことを聴いたのだと思う。いくつかの言葉のやり取りがあって、それは「愛と優しさと、そのバラの将来の美しさを願うことなのだ」という話に落ち着いた。

僕はその話を受けて、それはウイスキーも一緒だなと感じたのを覚えている。ウイスキーだけでなく、人間もまた同じなだと。

R0019797_1


その時にその人と、バラは自然物なのか人工物なのか?という話もして、結局はそのどちらでもないという話になった。その人話によれば、どんなに将来の美しさを願ったとしても、自分が身勝手になり過ぎれば自然の力に負けるのだ、と。

メインストリームには自然の力が流れている。その力を利用しなければ、バラの花が咲くことはない。だから、その力の中に自分を置いて、自分の力を発揮できるのはそのディティールにしかない、と。

なるほど、そんなところもウイスキーに似ているのではないかと、そう思った。そして、その人はこんな風に続けた。

「でもね、最近思うんだけど、結局はそのバラが本来持っている力ってのがあるのかもしれない」と。

なるほど、そうであるなら、それは人間も同じかもしれない。でもそれは、生まれた時から「力の大きさ」が決まっている。そのポテンシャル以上のことはできない。ということではないのだ。

その力を開花させるのが、それを育てる人の使命なのだろう。
それをやりたい人はやるし、やりたくない人はやらない。

そういうことですな。

その人に「今まで見たバラの中で、どれが一番美しかったですか?」と聴いてみた。意外な答えが帰って来たことに驚いた。「自分の花ではなく、誰かの花ではなく、野バラなんだよ。今でも僕は、それを追い掛けている」。


意外なほどあっさり。上質で丁寧で滑らか。その上である意味軽快にして複雑。いくつかの南国風味。被さるようにラズベリー・チョコレート。強烈なインパクトには欠けるがランシオ。


グレングラッサ 1973 39Yo
OB マサンドラ・コネクション ミュスカ・フィニッシュ
308bottles , 44.1%

よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

クライヌリッシュ 1984-2011 / G&M エクスクルーシヴ・ラベル

70年代のクライヌリッシュなんてのには、もう、そうそうお目にかかることがなくなって来て、80年代のクライヌリッシュだって素敵なものがたくさんあるはずだけど、こいつはまだまだ市場に残っている様子。

今ひとつ、皆さんの触手が伸びないのは、1984というヴィンテージがある意味中途半端なのだろうか?僕には悪くないウイスキーだ。

「悪くない」という言い方は十分に失礼でしたな(笑)。僕の好きなウイスキーとご紹介しておこう。

瓶詰めは2011年のこと。ちょうど、店をこの場所に移転してひと月ばかり経った時のことで、このクライヌリッシュを含めいくつかのウイスキーをカウンターに並べて写真を撮ったことを覚えている。

「人気ブログランキング」

その時(2011年11月)にも思ったのだけれど、僕の中にはクライヌリッシュは夏のウイスキーって思いがある。そう、その時も「夏に飲んだらもっと美味しいかな」って思った。

R0019704


ジェイズ・バーでは2本目の入荷になるのだけれど、だから、2本目のこいつは梅雨明けを待って抜栓しようと思っていた。

日本に四季があることに文句はないのだけれど、僕らの暮らしに季節感があることに喜びもあるのだけれど、寒いのは辛いし、暑いのはダルいとついつい愚痴をこぼしたくなりますな。歳を重ねるごとに、その傾向は強くなるのです。

(恐らく、特に)80年代のクライヌリッシュが(個人的に)「夏向き」と思えてしまう理由は、僕がそれらの多くに「塩飴」のようなニュアンスを感じるからだと思う。

仕事が終わって日が暮れて、疲れた身体にガブガブとビールを流し込むことの快楽にも極めて同意するのだけれど、空調の効いた室内で、この手のクライヌリッシュを舐めるように飲むことを、とても優しい時間ではないかと思うのでありますな。

沁みる、感じがするのですな。
身体に適切な感じがするのです。

あなたがストレートで飲む夏のウイスキーは何ですか?

微かに樹脂っぽい蜜蝋の香り。オレンジの皮。フローラルなハチミツ。すり潰したそら豆。バジルに似た苦味。でも、キャラメル。
口に含んで、キンカン飴。甘さを引き立てる塩味。適切な脇役としてのピート。混ざり合い心地良く口の中で弾ける。弾けた後にスモーキー。とろりクリーミー。滑らかな乳酸菌飲料。ヨーグルト飴。芯の通った佇まいが美しいウイスキー。

b8c8bba3

クライヌリッシュ 1984-2011
G&M エクスクルーシヴ・ラベル
Refill Sherry Hogshead , Cask No.3098 , 222bottles , 53.6%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

ブルイックラディ 1970-1989 18Yo / シグナトリー・ヴィンテージ

掘り出し物の2本目です。

上記の瓶詰総数からも明らかなように、複数樽を合わせたブルイックラディのようですな。ま、それにしても、1400本というのは、今の僕らの感覚からすると大胆な感じがします(笑)。

R0019689_1


うっすらとシェリーのニュアンスを感じまして、すべてではないにしろ、複数樽のうちいくつかはシェリーかなと。そんな気がしますな。

先日のクレイゲラキに比べると、こちらのブルイックラディは「お目覚め」が悪かったようで、ぼちぼちやっと自己紹介をしてくれたようです。「あ、おはようございます。70年生まれのブルイックラディです」とね。

しかし、まだまだ眠たそうで、「二度寝しないでね」っていうのがこちらの切なる願いですな(笑)。

個人的にピーティではないアイラ・モルトが好きでして、こいつは僕の好みの範疇にしっかりと入るウイスキーですな。

薄味のダシの効いたお吸い物。勢いはありませんが、この年代のブルイックラディを愉しむ希少なチャンスです。

R0019680_1

ブルイックラディ 1970 18Yo
シグナトリー・ヴィンテージ
Cask No.20354-20359 , 1400bottles , 46%


よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

ベンリアック 1976 35Yo / OB for キンコー 3rd

ウイスキーというものをひとつの作品だとするなら、そこには作者の意図やメッセージが込められているのだろうか?

その昔、僕はそんなことが疑問で、ウイスキーの造り手の皆様に、そのことを聴いてみたい衝動に駆られたことがある。だけれど、今ではその質問自体がが愚かであろうと認識している。

TVの街頭インタビューのように、僕が造り手の誰かにマイクを差し向けて先ほどの質問をしたとして、彼らはその質問にどのように答えるだろう。簡単に言葉で答えられるようなら、そもそもウイスキーなど造り始めないだろうと思う。

僕らは誰かに何かを説明することを迫られた時、手元に紙と鉛筆があるなら、図や絵を描いて納得させようとすることがある。喋りながら熱くなり、身振り手振りを加えることがある。いづれにしても、僕らは言葉が不完全であることを直感的に知っている。

R0019955_1


「人気ブログランキング」

人間は文字を使い始める前から絵を描いて来ただろう。ウイスキーがひとつの作品だとして、そこに作者の意図やメッセージが込められていたとしても、それを作者に言葉で説明を求めるのも愚かなことだろうと、僕は最近思うようになった。

「言葉では簡単に伝えられない想い」というものなら、誰でもが持っている。そしてそれは、「言葉にされた途端に壊れてしまいそうな想い」でもあるだろう。

人は何故、モノを造るのだろう?

言葉に拠らない「人が紡ぎ出したモノ」には、「言葉にされた途端に壊れてしまいそうな想い」が込められているのではないかと、そんなことを思うことがある。

言葉というのは物事の表面をなぞるだけだ。ただ、そのことがとても得意なだけなのだ。だから、言葉だけを使って物事の核心に触れることは難しく、時間の掛かる作業になる。

ただ、言葉は僕らに安心を与えてくれる。

もしもウイスキーに、「言葉にされた途端に壊れてしまいそう」な作者の想いが込められているなら、僕らがウイスキーについて感想を述べることは不遜で愚かなことだろうか?

僕はそう思わない。
僕らは造り手ではないのだ。
僕らに悪意がない限り、僕らの言葉で作者の思いを壊すことはできない。

僕が経験的に知っているのは、飲みながら「多くの人が思わず語り始めずにいられなくなるウイスキー」は結果として素晴らしい。ということである。

最初にお伝えしておこう(最初に?:笑)。
このベンリアックは、「多くの人が思わず語り始めずにいられなくなるウイスキー」のひとつである。

感想を述べる立場からすれば、個人の感想に客観性が必要だろうか?確かに、上質な感想には「その意味を丁寧に咀嚼しているプロセス」を表すことが望まれるかもしれない。

しかし、僕の言う「個人の感想」とは、バーのカウンターで隣り合った人と話が弾むというようなことである。そこは最低限の公共性が 守られた、他人の同席する私的な空間である。

つまり、僕の言う「個人の感想」とは、ギリギリのマナーを守った上での主観的な話である。むしろ、最大限主観的であって欲しいとさえ思う。だって、「個人的な感想」とは「あなたのこと」であるのだから。

R0019962_1


僕らはウイスキーの周りに集まってしまう。ウイスキーには魅力があり、僕らは否応なくその周りに集まってしまう。

ウイスキーを囲んで僕らは集まり円になる。あなたの両隣りには誰かがいて、その隣にも誰かがいて、あなたには見えなくても円の中心にあるウイスキーの向こうにも誰かがいる。

ウイスキーの周りにたくさんの人が集まる。集まった人たちが気ままに「個人的な感想」を述べ合い、もしもそれらを集約できたなら、そこには究極の客観性があるのではないだろうか。

人は同じものを違う立場から眺める。立場の違いは角度の違いであり、角度の違いは視点の違いである。視点の違いを集約できれば、同じものを多面的に捉えることができる。

個人の意見が違うからこそ、僕にとってはひとつのウイスキーを客観的に捉えることができるのである。ひとりの人が語れるのは、物事の断片でしかない。

「個人的な感想」が人それぞれ異なることに、何か問題があるだろうか?感想は要約やあらすじではないのだ。すべての人の感想が均一になるなら、すべての人が事前に「答え合わせ」を行った結果である。

ウイスキーと同じように、多様性が担保されていることが僕らを幸せにするのだと、僕は信じてやまない。

さて、最後に僕の「個人的な感想」を述べておきたい。

ベースに樽感の強い桃のニュアンス。トロピカル系と感想を持つ人に賛成する。甘いハーブ。ラズベリー・クリーム。厚みのある奥行き感が大きな特徴。軽快なキラキラした印象より、適切な重たさを持った76ベンリアック。心地良い飲み応え。

一点だけキンコーさんのテイスティング・ノートと大きく感想を異にするのは、このベンリアックは抜栓したて、グラスに注ぎたてから十分に愉しめるということ。

もちろん、時間を掛けて愉しむことにまったく異論はない。しかし、バーテンダーの立場として、お客さんに「ゆっくりと時間を掛けて飲んで下さい」と注意を促す必要はないと思われる。

「多くの人が思わず語り始めずにいられなくなるウイスキー」のひとつ。過去の3つのキンコーさんのベンリアックのうち、僕はこれが一番に好きである。

一番美味しいのを最後に出して来たね。
もちろん、すべて、個人的な感想であります。

R0019954_1

ベンリアック 1976 35Yo
OB for キンコー 3rd
Hogshead , Cask No.3030 , 193bottles , 47.4%

よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

クレイゲラキ 1972 17Yo / シグナトリー・ヴィンテージ

いやいや、掘り出し物のウイスキーってのが出て来るもんですな。
感謝、感謝!

1972ヴィンテージのクレイゲラキ。瓶詰めは1980年代末ということでしょうな。バブルの時代、町の小さな酒屋さんの強気の仕入れ、20数年持ち越し、ということだったでしょうか。

麦芽の甘み。うっすらと蜂蜜。籾殻の香り。ハーブ、ジンジャー、スパイシー。

R0019671_1


恐らくは、度数が落ちていると思いますが、埃まみれだったこのボトルのウイスキーは、それでもなお「私こそ、72年生まれのクレイゲラキである」と堂々と自己紹介をしてくれました。

人もウイスキーも出会いは一期一会でありますな。
そこに感謝があり、想定外な出来事に素直に驚くことができれば、人生もウイスキーも愉しいものになりますな。

「3杯セット」対象商品です。
お早目に!

明日は掘り出し物2だな。

R0019665_1

クレイゲラキ 1972 17Yo
シグナトリー・ヴィンテージ
Cask No.1655 , 300bottles , 46%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

8月のお知らせ

さてさて、気付けば夏真っ盛りな感じの8月であります。池袋の街を歩いても、夏休み的な装いの若者たちをたくさん見掛けるような季節でありますな。若さというのは、それだけで価値のあることなのでしょう。愉しそうな若者を遠目に眺めているのも悪い気はしませんな。

確かに、若さには価値があるのかもしれません。しかし、歳を重ねることは価値を失うことではありません。生きるとは、時間を消費することでありましょうか。使い切るとは、命が果てるということでしょうか?

僕らが日々、時間を過ごし若さを失うなら、代わりに何を手に入れたかということが肝心なのでしょうな。支払は済ませた。しかし、対価を手にすることがなかった。そんな風に歳を取ることを、誰だって望んではいないでしょう。

時間と引き替えに手に入れるものは「経験」でありますな。確かに、若さには価値があるのでしょう。そしてその価値は、まだ使われたことのない真っさらな紙幣のようなものかもしれません。

かつて、おじさんもそれを持っていたのだよ。おじさんはそれを、ウイスキーを飲む時間に使ったのだよ。おじさんはその時間を経験に変えた。そして今、その経験は知恵となり、おじさんの仕事にも役立っている。

ウイスキーのおかげで僕の人生は有意義でありますな(笑)。

さてさて、日本の若者に申し上げたい。あなたの時間を無駄に過ごすな。ウイスキーを愉しむ時間に使いなさい、と。経験は知恵に変わる。蓄えられたその知恵は、その後の人生を有意義にするだろう。

ウイスキーの世界も若者の出番であります。
おじさんは池袋で待っている。
残りの時間も、ウイスキーのために使おうと思っているおじさんが待っている。

ま、僕のそんな呼び掛けに反応するのが、おじさんばかりであったとしても、もちろん大歓迎(笑)。

チャージ無料告知ブログ用


そんな訳で、池袋ジェイズ・バー、今年の夏のテーマは
「ウイスキー体験を手近に!」
であります。

その体験を身近なものにしていただくために、
今夜から8月31日まで1ヶ月間、ジェイズ・バーは
チャージ・サービス料、
一切頂きません。


チャンスは1ヶ月!
短い夏をウイスキーで愉しめ!

ということでありますな。

たくさんのウイスキーを用意しました。
飲む人大募集の池袋ジェイズ・バーです。

よろしくお願いします。

人気ブログランキング ←こちらをクリック!

発注・入荷・リリース情報はジェイズ・バーのFacebookページ

ツイッター
Counter
UL5キャッシング
QRコード
QRコード
Archives
  • ライブドアブログ