モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2014年02月

ボウモア 2003 10Yo / 3R ダイナソー

ダイナソーのシリーズもこれで第五弾だそうで、今回もボウモアでありますな。これまでもショート・エイジのものばかりでしたが、今回も2003年蒸留でこれまでの中でも一番直近のヴィンテージということになりますな。

リリース前から気になっていた方も多く、何人かのお客さんに「入るんですか?」と訊かれたが、ご安心下さい。「入荷しました」。

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2003年のボウモアというのも、これまではあまり見掛けないヴィンテージだと思う。最近だと信濃屋さん向けのエクスクルーシブ・モルツが2003ヴィンテージだったけれど、それでももう2年くらい前の話かな。

その時も新しい世代のショート・エイジのボウモアが出てきたなぁと感じたのを覚えている。しっかり感じる磯っぽさと潮風の香りが特徴だなと、僕はそんな風に思った。

そんな2003年のボウモアも、もう熟成が10年を超えて、普段ウイスキーのことを思う僕は10年という時間に対して「短い」と認識してしまう自分を愚かだとも感じたりするのですな。

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自分の方がよほど熟成していない(笑)。

記憶の中の「信濃屋さん向けエクスクルーシブ・モルツ2003」と比べると、バニラの香りを手放してパイナップル系のフルーティさを手に入れた。そんな風に解釈しております。

基本的にその両者に同系統なものを感じますな。出処は一緒なのかなぁと、そんなことも思いました(笑)。

ただ、このダイナソーには表面に幾重かに重なるワクシーな様子がありまして、少々濁った感じ、くぐもったように感じるのでありますな。

恐らくは、かつての「信濃屋さん向けエクスクルーシブ・モルツ2003」よりもスパイシーではないかと。ダイナソーの方にはホワイト・ペッパー系なスパイシーさと、唐辛子系のホットなスパイシーさがしっかりある。

さてさて、このダイナソー・シリーズはこのままボウモアで行くのか?という謎は残るが、アイラ・モルトの中から「乱暴な強者」を選べとなると、この世代のボウモアが最適ということになるのかもしれない。

シリーズの系譜から外れることのない中々に秀逸なボウモアであるが、それにしても「信濃屋さん向けエクスクルーシブ・モルツ2003」は安かったのだな(笑)。

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ボウモア 2003 10Yo
3R ダイナソー
Hogshead , Cask No.800287 , 240bottles , 59.9%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


よろしくお願いします。

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ん?3Rさん、11周年じゃなかったっけ?

ポート・シャルロット 2003 9Yo / プライベート・ボトル

ポート・シャルロットと言うべきか、ブルイックラディのヘビリィ・ピーテッドとご紹介すべきなのかはさて置いて、まぁ最近はこの名前もかなり認知度が上がって来たなということで、今夜はポート・シャルロット。

「プライベート・ボトル」ということであります。出処不明な感じが何とも怪しげでありますが、口に含めばしっかりとアイラ・モルト。あぁ、なるほどとポート・シャルロット。

この人の若い頃を知っているような気もするのですが、まぁ気のせいか(笑)。

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最近の話ではないのだけれど、いつの頃からか「ガッツリとアイラな感じのウイスキーを」とオーダーを受けることが多くなった気がする。アイラと言えば「ガッツリ」というイメージが先行しているからだろうか?

「ガッツリ」、つまり、「飲み応え重視」な飲み手の気持ちを僕はまったく否定しないけれど、「アイラ=ガッツリ」と思われているのなら、「それだけではない」と申し上げたくなる。

いやいや、実は話はそんなことではなく、「アイラ=ガッツリなだけではない」との認識が広く行き渡ったが故、「ガッツリ」を望む飲み手がわざわざ「ガッツリ」をと断りを入れるようになったということであるかもしれない。

アイラ・モルトをひと括りにして、すべてが「ガッツリ系」であると考えるならそんなことはない。厳しい人もいれば優しい人もいる。どんなものを望むかは人により時によりそれぞれ。優しい人ではなく、厳しい人に出て来て欲しいこともありますな。

例えば、 「美味しいアイラ・モルトを」と言われれば、美味しいアイラ・モルトを出して差し上げたくなるのがバーテンダーというもので、さて、そこで問題なのが、その人が何を「美味しい」と感じるのか?ということ。

僕の仕事は打撃練習用のバッティング・ピッチャーのようなもので、打席に入ったあなたに向かってボールを投げている。僕はピッチャーだけれど、明らかなのは「あなたを討ち取るため」にボールを投げているのではない。

僕はあなたにヒットを撃たせるためにボールを投げている。

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長い付き合いのある人なら、そのクセを見抜いているつもりだ。例えば、その人にとっての「美味しいアイラ・モルト」が何であったのかを知っている。どんなボールを要求されているのかを理解している。

だけど、長い付き合いがあっても、別の人の「美味しいアイラ・モルト」はそれと同じではない。100人の人がいて、100通りの「美味しいアイラ・モルト」があることはおかしなことではない。

「話題のアイラ・モルト」なら多くの人に一致するかもしれないけれど。

初めての人の「美味しいアイラ・モルト」は難しい。僕はボールを投げる前にいくつかの質問をさせてもらって、それでも結局はボールを投げないと何も始まらない。もしも僕が初めて打席に立つバッターなら、「どんなボールを投げて欲しいですか?」と訊かれても上手く答えられない。

「とりあえず、投げてみて下さい」としか答えられないだろう。ただ、「打席に入って、ヒットを打ってみたい」と思っている。ピッチャーがボールを投げない限り何も始まらない。

いつも言っていることだけれど、ウイスキーに詳しくなることだけが僕らの仕事ではない。魅力的な「魔球」を仕入れることだけが僕らの仕事ではない。何よりまず、目の前のお客さんについて詳しくなることが僕らの仕事だと思っている。

打ちたいボールを決めなければ打席に立てない訳ではないように、飲みたいウイスキーを決めなければバーに行けない訳ではない。ヒットが打ちたいから打席に立つように、そして、ヒットが打てたら気分が良くなるように、人はバーのカウンターに座るのだと思う。

「ガッツリ」というのは、確かに便利な言葉かもしれない。もちろん、飲む人がアイラ・モルトのすべてが「ガッツリなだけではない」ということを知っているのなら。だからこそ、僕も投げるコースを限定することができる。

今夜もあなたのバットから快音が響きますように。

オイリーでヘビー・ピート。とても力強い。ガッツリ系に分類されるだろう。心地良い酸味のある煙たさ。バニラの甘い香り。口に含んで、塩味。砕いた炭。生姜、少しのホワイト・ペッパーを感じるが、スパイシーに過ぎない。ヨード。穀物系の甘さは控えめ。ゆっくりとスモーク・チーズ。

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ポート・シャルロット 2003 9Yo
プライベート・ボトル
Bourbon Barrel , 253bottles , 59.9%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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ブナハーブン 1968-2011 42Yo / ウイスキー・ファッスル

年末にちょいと瓶詰の古いブナハーブンを仕入れて、そいつがとても美味かった。そもそもブナハーブンという蒸留所はポテンシャルの低いものではないだろう。気に入ったウイスキーのいくつかの思い出もある。

コテコテ系シェリーのブナハーブンに長らくトリコになった時期もあって、個人的ウイスキー史の中にもいくつか印象的なものがある。アイラ・モルトの中にあって、これほど僕を落ち着かせることの蒸留所も他にはないかもしれない。

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多くの場合、それらはクールなウイスキーではない。かと言って過剰にホットに過ぎることなく、言うなれば「適温」が心地良いウイスキーたち。暖まることを目的として、熱くなることのないウイスキー。

振り返るなら、僕にはそんな認識があるようで、その辺りが僕にとってのツボのようでありますな。このウイスキーを飲みながら、そのことを改めて認識した次第。

リフィル具合の丁度良いブナハーブン。

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僕はこのブナハーブンを最中(もなか)のようだと思った。餡子の甘さと最中の皮の香ばしさ。粒あんの小豆の食感もイメージの中に蘇って、何だかとても愉しくなってしまった。

他にも、皮付きのまま赤ワインで煮たリンゴ。砕いたアーモンド。クルミ。タバコ。紅茶。思い出せない花の香り。プラム。シナモンとターメリック。そんなイメージが沸いて来て、ひと言で言うなら香りの宝庫だと思う。

言葉を尽くそうと思ったらキリがない。だけど、間違いのないように「香りの宝庫」だと言っても何も伝わらない。

香りを嗅げばイメージが浮かぶ。浮かんだイメージを丁寧に言葉に紡いで行くなら、僕らはそれを大切な誰かと共有できると思う。

思えば、ウイスキーというのはそういうものでありますな。
すべては体験なのであります。

あなたに少しばかり、官能的な体験をさせる可能性のあるブナハーブン。


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ブナハーブン 1968-2011 42Yo
ウイスキー・ファッスル
Refill Sherry , 43.8%

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ブナハーブン 1980 33Yo / ジェイムス・マッカーサー

「またかよ!」って感じかもしれませんが、立て続けにブナハーブンの仕入れです。

今回は今月のスコッチモルト販売さんの新商品から、ジェイムス・マッカーサー。老舗感はありながら、最近はとんと仕入れていなかったジェイムス・マッカーサーでありますなぁ。

長期熟成ブナハーブンのちょいとうっとりさせてくれる様子がたまりません。優しいウイスキーであります。「優しくして欲しい方」必飲なブナハーブンですな。

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先日は深夜に一人で飲みに来た女の子と「理想のタイプ」みたいな話をしておりまして、彼女が言うには「優しい人」がそれに当たるらしい。

「優しい人」ってのはどんな人のことなの?という僕の問い掛けに、彼女は「最初は私の話を何でもウンウンと聞いてくれて、後から私の良くない所を怒らないで諭してくれる人」と答えたのですな。

正直に言うなら、「まぁ何とも都合の良いことを答えとるなぁ」と思った訳ですが、確かに僕らは「理想」ついて話し合っていたのですから、彼女も素直に自分の気持ちを語ったということで間違いはない。

改めて考えれば、それも素敵な関係であることですな。少なくとも彼女はそれを望んでいる。男女という関係の中で、彼女は女側として男側にそのようなロールプレイを求めている。

で、「じゃ、今まではどうだったの?」という僕の問い掛けに、「そういうオトコってどこにもいないのよねぇ…」と嘆いてみせた。

続けて彼女は自分の恋愛観を語り、これまでの恋愛遍歴について語り、それらの恋愛相手に対する愚痴をこぼし、最後は「あーあ、どこかにいいオトコっていないのかしら…」と、まぁある意味人間らしいと言えば人間らしい不満を漏らしている訳ですな。

人間らしくも馬鹿らしく、普段の彼女らしくもあり、女の子の愚痴話でもあり。思い返せば何十年もこんな話を聴いて来て、役者は変わっても話の筋は変わらない。

その舞台も相変わらずのジェイズ・バーで、そんな人たちの話をずっと聴いて来たのが僕の仕事。いつの時代も変わらないものというのはあるのだろう。僕はこの仕事が気に入っている。

そのあと僕は、彼女に少しだけ伝えたいことがあって話をさせてもらった。だけど、その時は伝えたいことの半分くらいしか伝わらなかったと思うので、残りの半分について少し。

彼女のような女の子は少なからずいるようで、無邪気な話のひとつと言えるのだろう。それは、どこにでもある他愛のない話で、そして、何も女の子に限ったことではない。

だけど、彼女が求める「理想のタイプ」は酒屋さんの棚に並ぶウイスキーのボトルように存在するのだろうか?

気になったウイスキーを手に取って、レジでお金を払い家に帰って封を切る。「こいつは美味しい!」、「これは好きになれない」、「これこそ理想のタイプ!」。さて、男たちとウイスキーは一緒だろうか?

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僕に言わせれば、男なんてものは販売店の棚に最終製品として並んでいるものではない。それらは素材でしかない。コストに見合った価値を持ち、支払いを済ませれば、期待した機能がそこにあるはずだというのは思い込みでしかない。

彼女はいつだって、手に入れたウイスキーの封を切り、ひと口飲んで、「これは私のタイプじゃない」と嘆いている。男たちとウイスキーは同じではない。もちろん、男たちにとっての女の人も同じことだ。

必死になって探せば、どこかに完成型の最終製品としての男が存在すると考えるなら、僕は間違いだと思う。世界は未完成な男たちで溢れている。でも、それは残念なことではない。優良な素材の宝庫なのだ。

正解とは選んだだけで手に入るものではない。どんなにたくさん「ここではないどこか」に行ったところで「そこ」にはない。正解は自ら手を加え、作り上げるものなのである。

バニラの香りの甘い昆布だしの効いたマドレーヌ。僕にとってはそんなウイスキーだ。長期熟成のブナハーブンに期待するイメージがあるなら、そこから大きく外れることはないだろう。

だけど、アイラ・モルトに筋違いな思い込みがあるなら、大きく外してしまうことになるだろう。「アイラ・モルトらしくない」と誰かが言っても、僕には「好きなタイプ」のブナハーブンであることに間違いはない。

さてさて、そんな訳で、本日より次の日曜日まで、こちらのブナハーブンを「3杯セット」対象商品とします。お一人様一杯限り。お早めに!


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ブナハーブン 1980 33Yo / ジェイムス・マッカーサー
Bourbon Oak Cask , Cask No.84 , 45%

日曜日まで「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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ヘーゼルバーン 12Yo / OB

もう既にジェイズ・バーでも完売になってしまったが、スプリングバンクOBのバローロ・カスクがなかなか上出来だったので、キャンベルタウン帝国の主のウイスキーでもとの軽い気持ちでの仕入れであります。

思えばここ最近は、長らくオフィシャルのヘーゼルバーンをスルーして来た傾向がありまして、やや反省。一時期はちょっとした人気にチヤホヤされた時期もあったブランドでありますが。

最近はその人気も落ち着いた印象でありましょうか?凋落したというより、知名度は上がっているという感じでありますな。昔に比べたら、その名前と事情をご存知な方も増えてきたなと実感しております。

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ヘーゼルバーンがスプリングバンク蒸留所で作られていることをご存知な方も多い。同蒸留所が「スプリングバンク」「ロングロウ」「ヘーゼルバーン」の3つのブランドで作り方を変えてウイスキーを出しているのをご存知な方も多い。

で、その中でも「ノンピートで3回蒸留」なのがヘーゼルバーンである、と。

まぁ、こいつは真っ当なヘーゼルバーンでありますな。
悪くない。

軽快で甘いウイスキーであります。ちょいと草っぽい印象がありますが、その部分をヒネたと感じる方もいるでしょう。でも、基本的にはフワフワした綿アメをそっと喰べているような感じが好きです。

久しぶりの普通のヘーゼルバーンは、僕にちょっとした納得と安心感を与えてくれました。こういうウイスキーは声高に「飲むべし!」と訴えるのではなく、気になった方に落ち着いて愉しんでいただけたら良いかなと。

ヘーゼルバーン 12Yo
OB
46%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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コールテン・ピュア・モルト 1993 / サマローリ

昨年11月に 「サマローリ' s ピーティ 1993 」というウイスキーをご紹介させていただいて、もう既に売切れてしまったが、今夜のウイスキーも同様のコンセプトのブレンデッド・モルトであります。

「サマローリ' s ピーティ 1993 」の方は明確にアイラを前面に打ち出したウイスキーでしたが、こちらは少々控えめと言っても良いかもしれません。ブレンド銘柄は明らかにされていないようで、アイラ以外の原酒が使われている可能性もあり。とは言え、しっかりとアイラが軸になってるようですな。

ホットなウイスキーというよりクールな印象が気に入りました。
飲む人を落ち着かせてくれるウイスキーでありますな。

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瓶詰めはちょいと昔で、2007年ということですから、もうかれこれ瓶の中で7年ほど過ごしていたということになる。

思えば当時はまだ「ブレンデッド・モルト」という呼称も一般的ではなかったかな。「ヴァッテッド・モルト」と呼ばれていたことでしょう。ラベルの表記は「ピュア・モルト」でありますがね(笑)。

何だか最近はブレンデッドにホッとしてしまう自分を再認識しております。若い頃に比べると、素直にウイスキーが好きであることを認められるようになったのかもしれませんな。

シングル・モルトは個性的で純粋と考える方がいるなら僕も否定はしませんが、ブレンデッドは凡庸で偽物な訳ではありませんな。飲んで気に入ったウイスキーを見つけられることが幸せなのであります。

「美味しい」と感じるものと出会うことはとても幸せなことで、その感覚はそもそも直感的なものでありましょう。「美味しい」というのは突然に舞い降りて来るものであります。

それが舞い降りて来た瞬間、人は「何故、自分はこれを美味しいと思うのか?」というその理由を説明できないことが多い。説明できないことよりも、美味しいとおもえることが大切ですが、「美味しいと思う理由は自分の中にある」のでありますな。

ただ、自分の中にあるものを自分で見つけることができない。

これは切ないことであります。もちろん、「好きなものは好き」というのも事実でありまして、「美味しさに理由なんか要らない」と開き直るのも人々の振る舞いのうちのひとつではありますな。

思えば僕は開き直らずに生きて来たクチなのでありましょう。飲む人の中を覗き込んで、その人が「それを美味しいと思う理由」を探すのが僕の仕事だと思っております。

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色んな人を見て来て、ひとつだけ確実に言えることは美味しさの「理由はひとつだけではない」ということ。すべては複雑で複合的なのであります。

ウイスキーに限らず、因果関係というのはたった一本だけの線で結ばれている訳ではないでしょう。ひとつのクエスチョンにひとつだけのアンサーがある訳ではない。

僕らはどうやら「問いと答えがワンセットになったものを暗記すれば人生事足りる」と思い込んでいるようで、僕の場合、「それでは愉しみが膨らんで行かない」と教えてくれたのがウイスキーなのでありますな。

自分を紐解くきっかけになってくれたのもウイスキーなのであります。

歳を取ってなおさら、バランス感覚に優れたものを好むようになりました。一方で、とんがったものを愛しく思う気持ちもあります。

そんなことを教えてくれるのもウイスキーなのでありますなぁ。


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コールテン・ピュア・モルト 1993
サマローリ
45%

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,000(税込¥2,100)。
1杯当り、¥700(税込)です。


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ウエストポート 1997 15Yo / ジ・アンタッチャブルズ

前回に引き続き、今夜もラベルに蒸留所名が記載されていないウイスキーのご紹介。前回のバーンサイドとは別の蒸留所であります。

バーンサイド同様、これまでもウエストポートの名で、この蒸留所のウイスキーがいくつか出ていたはずだと思う。ハイランド地域に分類される蒸留所で、瓶詰業者に樽売りをしないことで有名で、背の高い蒸留器でもお馴染みの蒸留所でありますな。

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バーンサイド同様、こちらもブレンデッド・モルトという扱いになりまして、シングル・モルトではないということでありますな。いやいや、シングル・モルトではなくしてある、と言った方が実情に近いのかもしれません。

バーンサイドもそうでしたが、ブレンデッド・モルト(つまりは、シングル・モルトではない)のに、「何故、カスク・ナンバーがラベルに表記されているのだ?」とツッコミたくなるのも人情でありますが(笑)。

僕もそうでありますが、いつもシングル・モルトを仕入れる時に、そこにカスク・ナンバーの表記があれば「シングル・カスク」のウイスキーであると理解する訳で、「シングル・カスク」(つまり、一樽もの)であるならば、シングル・モルトでないことはおかしな話でもあります。

とは言え、ここにカスク・ナンバーの表記されたブレンデッド・モルトがあるのでありますな。それらの事情については、知っている限り店内ではお話ししましょう。

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素直な感想は「若いのに、お美しい」という感じでありますな。もちろん、「まだまだ未熟」な印象はありますが、美しさの始まりを予感させるウイスキー。バーンサイドより価格が安い分、こちらの方が家飲みには最適かもしれません。

キャラメル風味のポップコーン。下品ではなくどぎつくないところが好印象。綿あめの香り。少しのカラメル。バナナと少しのリンゴ。口に含んで、十分な甘さとホワイト・ペッパー系スパイシー。オレンジの皮、ホットなシナモン。小気味良いキレ上がりのフィニッシュ。


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ウエストポート 1997 15Yo
ジ・アンタッチャブルズ
Hogshead , Cask No.3333 , 248bottles , 56.0%


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バーンサイド 1989 24Yo ザ・チェス エクストラエディション アン パッサン

なんだか最近は蒸留所の記載されていないウイスキーばかりご紹介してるようで気が引けるのだが、まぁ、色んな都合や事情でそのようなことになるのことも多いのが、シングル・モルト業界ということなのでありましょう。

文句ばかり言ってもしょうがないね。

信濃屋さんの商品案内によれば、「同蒸留所は隣接するグレンフィディック蒸留所を兄に持ち、スペイサイドでも数少ないフロアモルティングを行う蒸留所としても知られています。」とのことで、そこまで言ってしまえば、どこの蒸留所のウイスキーであるかは簡単に特定できるだろうに、とは思います。

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「言えないものは言えない」というスタンスなのでしょう。なので、僕もここには書きません。店内では説明しますがね。

ラベルには「ブレンデッド・モルト」とありまして、厳密に言えば、シングル・モルトではないということですな。シングル・モルトではないようにしてある、と言った方が良いのかもしれません。その辺りも店内では説明します。

まぁ、そのスペックについてはなかなか説明のしづらいウイスキーでありますが、どんなウイスキーであるかはいつものようにお話しすることはできます。

麦芽のニュアンスの強いウイスキーでありますな。バニラ・クリーム、レモン・シャーベット。ジンジャー&ハーブな感じを「アルミっぽい」とネガティブに感じる方もいるかもしれませんが、個人的にはその辺りをウイスキーらしい飲み応えのひとつと捉えます。

オレンジの皮やレモンキャンディのようなニュアンスもありますが、基本的に冷たさ、爽やかさを思わせるウイスキー。時間を掛けて飲めば、フィニッシュに存在する柔らかい甘さを堪能することができるでしょう。

商品名の一部になっている「アン パッサン」というのもチェス用語だそうで、僕には良く分からないが、「チェックメイト」ではないのだなと、そんな風に理解しました(笑)。


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バーンサイド 1989 24Yo
ザ・チェス エクストラエディション アン パッサン
Hogshead , Cask No.567 , 278bottles , 52.0%

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インチガワー 1985 28Yo / TWA スタンプ

年末の目白で見掛けて手に取らずにはいられなかった。一度スルーしたウイスキーではあったが、なかなか良い評判を聴いて気になっていたのですな。

しばらく在庫として寝かせておこうかとも思ったが、ボンヤリ眺めていたらどうにも飲んでみたくなって開封しました。

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ウイスキー・エージェンシー(TWA)のインチガワーと言えば、とても素敵な思い出とそうでないものもあって、さて、こいつはどんなインチガワーなのでしょうな。

上出来なウイスキーですな。最初のうちバニラ・クッキーのようでありますが、ゆっくりとフルーティでクリーミィなニュアンスが出て来ますな。ちょっとワクシーに感じる人もいるでしょうし、微かにパフュームを感じます。パフュームなインチガワーって時々ありますよね(笑)。

フィニッシュに何か面白いものが出て来るなぁと思ったのですが、蕎麦粉のようですな。甘さを軸に蕎麦粉ビターなフィニッシュです。

艶っぽい桃系フルーティが伸びて行きそうな予感のインチガワー。
それにしても、なかなか素敵なウイスキーでありますな(笑)。


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インチガワー 1985 28Yo
TWA スタンプ
Refill Hogshead , 266bottles , 53.8%

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クライヌリッシュ 1997 16Yo / デュワー・ラトレー

このウイスキーを指して「洗練」と紹介することは躊躇われるけれど、僕はこのウイスキーの中に少しばかりの洗練を感じた。

僕がクライヌリッシュに求めるのは洗練なのだろうと思っている。それは、ある種の滑らかさと言い換えることができるかもしれない。

いくつかのクライヌリッシュに陶酔感を得られたことがあって、それらは僕の中で忘れられない記憶になっている。

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その陶酔感の背景にあるものを僕なりに分析するなら、「洗練」なのではないだろうかと考えている。どうやら僕は、滑らかでフルーティな乳酸菌飲料のようなニュアンスを感じるクライヌリッシュが大好物のようである。

もちろん、それ以外のクライヌリッシュのすべてを否定するものではない。残念に思うこともないし、そうではないクライヌリッシュには、そうではない魅力があるものだ。

最近はいくつかの96ヴィンテージのクライヌリッシュを飲んで、簡単に言うならそれらを僕は「そうではないクライヌリッシュ」に分類した。繰り返すが、それは残念なことではない。

そして、それらの96ヴィンテージとこの97ヴィンテージのクライヌリッシュは、また少し違うようだ。

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冒頭にご紹介した通り、確かにこのクライヌリッシュを洗練と説明すれば誤解を招くだろう。ピーティでオイリーを軸に構成されたこのウイスキーは「飲み応えのある」と感じられることが多いだろうし、それは「洗練」とは対極のポジションだ。

キャンディの包み紙のようなワクシーさも感じて、そこにクライヌリッシュであることを主張していると思うなら、悪くない特徴だ。

でも、僕はこの97ヴィンテージのクライヌリッシュに「洗練」の始まりようなニュアンスを見付けて、それを愉しんでいる。


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クライヌリッシュ 1997 16Yo
デュワー・ラトレー
Bourbon Hogshead , Cask No.6525 , 250bottles , 56.4%

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1杯当り、¥700(税込)です。


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