モルト侍

池袋のショット・バー、ジェイズバーのバーテンダーが、大好きなシングル・モルトを斬る。

2017年11月

クライヌリッシュ 1992 - 2006 / BBR Berrys’ Own Selection

「中立というのは、周りのすべてを敵に回すことである」

だから本来、中立を保つには覚悟が必要なのだ。にも関わらず、中立性を主張する人の多くがただの八方美人や日和見主義だったりすることがある。

八方美人や日和見主義のすべてを否定するつもりはない。人付き合いの上手さだったり、形勢を読む力というのは多くの人に生きる力を与えることにもなるから。

ただ、僕らが注意しなければならないのは、中立を宣言するというのは相手から見て、あなたが友好的ではないと思われることがあるということ。

本来の中立とは「周りのすべてを敵に回すことである」のだから。すべての人と仲良くしたいなら、中立など宣言しない方が良いのだ。「誰とも喧嘩をしたくない」という願いだけでは中立は保てない。

どんな人でも、あなた自身が「(世界の)どこに立っているのか?」という視点で見られてしまうことがある。ウイスキーだって同じこと。

「そのウイスキーのポジション」のようなことに思いを寄せてしまうことがある。このウイスキーは「世界のどの辺りに存在しているのか?」というようなこと。

このウイスキーは、八方美人なのか日和見主義なのか、あるいは覚悟を決めて中立を保とうとしているのであろうか?

僕は時々、ウイスキーを愉しんでいて、そんなことを思ってしまうことがある。その一方で、中立とも縁遠い「個性的と言われる」ウイスキーもある。

このクライヌリッシュが中立を宣言していると言いたい訳ではない。超個性的なウイスキーという訳でもないだろう。

先日「最近ウイスキーを愉しみ始めました」という若者と話をしていて、「クライヌリッシュが好き」だと言う。

で、ところが「95,96,97以外のヴィンテージをほとんど飲んだことがないのです」ということだった。

なので、オジサンは試しにこいつを開封してみようと思った。

90年代後半の飲み心地の良いフルーティなクライヌリッシュに比べると、この辺りのこのような香りと味わいのクライヌリッシュを僕は「塩飴系」と呼んでいる。

こいつの蒸留は1992年。80年代後半からこの手のクライヌリッシュが増え始めた気がしている。

こいつが瓶詰めされたのが2006年。その頃、僕が飲んだ時の印象は「ちょっとオイリーな塩バター飴」。そんな感じだったと思う。

2006年当時、90年代後半のクライヌリッシュをほとんど飲んだ記憶がないけれど、「10年くらいしたら、このクライヌリッシュの立ち位置がはっきりするのではないか?」と感じて1本ストックしておくかと取っておいたものだ。

その若者とそんな話をしたおかげで、僕は記憶を取り戻した。ま、つまりは10年ほど忘れていたということではあるけれど。

飲めば思い出す。そうそう、これ。まだバターな感じは薄いけど塩飴。微かにクリーミィ。

意外なことに、10年前は気付かなかったけれど、90年代後半のクライヌリッシュに感じる「オレンジ・オイル」のニュアンスも拾える。

クライヌリッシュとしての立ち位置は違えど、共通するものもあるのだな。

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クライヌリッシュ 1992 - 2006
BBR Berrys’ Own Selection
Cask No.7168 , 46%

気になる人は飲んでみてね。
今度の日曜日、11月19日まで「3杯セット」の対象商品。
お気軽に。

「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,350。

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グレンリベット 1976 41Yo / G&M Celtic Label

速報!

本日入荷。未開栓。
11月13日(月)まで、お買い得。
ハーフ・ショット、4,900円。

よろしくお願いします。


グレンリベット 1976 41Yo
G&M Celtic Label
1st Fill Sherry Hogshead , Cask No.5647 , 116bottles , 52.1%

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「3杯セット」今ならコレ! トバモリー / ロングモーン2種

今夜ご紹介するのは、僕の中で「イマドキ」感のあるトバモリーと、90年蒸留で26年熟成、92年蒸留で19年熟成のロングモーンを2種。

写真左から、
まずは、チーフタンズのトバモリー。

トバモリー蒸留所のウイスキーに、なかなか馴染めなかったウイスキー初心者の頃の自分を思い出す。それが「どの」トバモリーだったかはまったく思い出せないのだけれど、鼻をつく有機溶剤系の香りが強烈で、苦手だなと思ったのだ。

苦手だなと思ったところで捨てる訳にはいかない。今より以上に貧乏だったしね。そして、頑張って飲んでいるうちに馴染んでしまう部分もある。

グラスの中でゆっくりと落ち着いて来る苦手な香りを愉しみながら、その時「これって石油ストーブの香りだな」と感じた。

頭の中に「石油ストーブ」と「コタツ」、そして「コタツの上に乗ったミカン」。子供の頃の日常が思い出された。

そして、もう一度改めてグラスの香りを嗅ぎに行くと、僕は本当に驚いたのだけれど、そこにミカンの香りを感じた。

結局最後まで、そのトバモリーを好きとは言えなかったけど、石油ストーブとミカンのおかげで十分に馴染むことはできた。

このチーフタンズのトバモリーは上手に洗練された仕上がりだ。石油ストーブも遠くにいるけれど、バニラクリームとミカンのクレープ。ちょっとした塩味と香ばしさ。

続いて、ザ・ウイスキー・フープ向けの90ロングモーン。

フローラルなハチミツ感が秀逸な90年代バーボン樽系ロングモーンだと思う。他にもいくつかシグナトリーから90ロングモーンが出ていたと思うけど、中でもフルーティな華やかさが素晴らしいと思う。

ロングモーンと言えば、まぁビッグネームでしょう。この辺りのロングモーンを「小物扱い」する人のすべてを否定はしないけど、90年代のロングモーンもなかなか粒揃いだと思います。

頭を切り替えて愉しみましょう。
「間違い探し」を間違える人はいないからね。

最後は、エイコーン向けミルロイの92ロングモーン。

瓶詰めが5年前、2012年のロングモーン。誤解を恐れず言わせてもらうなら、5年前、「可愛い間違い」がいくつか見つけられたロングモーン。実は気に入って、ウチにも在庫が数本あると思う。

5年前、彼女は若くて元気で賑やかで騒がしい女の子だった。グラマラスだけどウェストもちょいと太め。でも、よく食べて、よく飲んで、よく喋って、よく笑う女の子。そんな印象だったなぁ。

5年ぶりに再開して「大人になったな」とは思うけど、「もうちょい」な感じもあって、でもね、そこがキュートなロングモーン。今の彼女は今しか愉しめない。

そうそう、簡単に言うと、ねっとりしたハチミツ。バニラ。しっかりした樽感を愉しめる少しスパイシーなスペイサイドのウイスキー。

「3杯セット」対象商品なら、
ハーフショット3杯で、2,350円にてご提供です。

よろしくお願いします。

トバモリー 1995 - 2017 21Yo
イアン・マックロード チーフタンズ
Rum Barrel Finish , Cask No.93841 , 177bottles , 53.8%

ロングモーン 1990 - 2016 26Yo
シグナトリー・ヴィンテージ for TWH
Hogshead , Cask No.8577 , 194bottles , 55.7%

ロングモーン 1992 - 2012 19Yo
ジョン・ミルロイ for エイコーン
Refill Hogshead , Cask No.71766 , 57.3%

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「3杯セット」のご利用が可能です。
他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,350。

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イチローズ・モルト 秩父蒸留所 12種類連続放出

その蒸留所は2008年2月に稼働を始めることとなった。

つい先日、ご本人と一緒に飲む機会があって「2008年の2月の何日から仕込みが始まったんですか?」と訊ねると、「確か、2月14日じゃなかったかと思うんですよ」と答えてくれた。

もう10年ほど前のことを思い出す。2008年1月の終わり頃、僕は生まれて初めて、まだ一滴もウイスキーを蒸留していない「操業前の蒸留所」に見学に行く機会に恵まれた。

僕はとてもワクワクしてしまって、それが僕の仕事ではないことは明らかだけれど、秩父へ向かうレッドアローの車中で、何故だか僕はとても晴れがましい気分だったことを覚えている。

当時はまだ、見学者も少なかったのだろう。その時はイチローさんが直々に西武秩父駅まで迎えに来てくれて、改札を出たところにひとりで佇む彼の笑顔を今でもよく覚えている。

「新しいウイスキーの蒸留所」

それはその頃、世間に注目されていないニュースだった。僕にはとても大切な出来事だったけどね。一日中ワクワクして「世界が変わるかもしれない予感」に目眩がしそうだった。

でも同時に、帰りのレッドアローの車中で、秩父の地から離れるごとに少しづつ不安になってしまったことも思い出す。

「新しいウイスキーの蒸留所」
そして、
「初めての操業前の蒸留所見学」

今日一日のことは、僕の人生の中で最初で最後の出来事になってしまうかもしれない。そのことがとても不安だった。「日本で最後の小規模蒸留所」なんて言われるようになってしまう可能性だって否定できない。

だって、その日から数えて少なくとも3年は経たないと、「ウイスキー」と呼べるものはこの蒸留所から出て来ないのだから。

10年前、イチローさんはチャレンジャーだった。僕はそのサポーターで、だけど、その時イチローさんに不安はなかったのだろうか?

いつか、そのことをご本人に訊いてみようと思う。
恐らくは、20年後くらいにね。

さて、当時の僕の不安が、まったく見当はずれだったことは、皆さんご存知の通り。今や、この国の小規模蒸留所は花盛りだ。

新しい蒸留所は次々と生まれて、でも、未来にどうなているのかは誰にも分からない。だけど、現状この領域で先頭を走っているのは、秩父蒸留所であるだろうというのが多くの認識だと思う。

もちろん、秩父蒸留所がその先頭を走り続けられるのかどうかも、誰にも分からない。未来は予測不可能だ。

だから、
未来は予測によって成り立つものではない。
意志によって作られるものである。

秩父蒸留所とそこで働くそのスタッフは、自らの意志で自分達の未来を掴んできたのだと思う。彼らにその覚悟がある限り、それは続いて行くのだろう。

2017年もあと残すところ2ヶ月になった。
3ヶ月後には2018年の2月になっている。

秩父蒸留所10周年をお祝いしようと思う。
12種類の秩父蒸留所のウイスキーを用意した。

今夜、11月1日から2月1日まで、1日、11日、21日、31日と1のつく日、つまりおおよそ10日に1本づつ順番に出していこうと思う。

注意して欲しいのは、
,修譴召譴糧稜箚間は10日間。
半分なくなったら一旦お蔵入り。

来年2月1日が12種類のうちの最後の1本になるけれど、その10日後の2月11日はちょうど日曜日。今回の12種類すべてを飲めるイベントを企画している。

そして、その1週間後、2月18日(日)は秩父ウイスキー祭。

順番にそのリリースと販売期間をご報告しておきたい。

01)11月1日から11月10日まで
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秩父
OB オン・ザ・ウェイ Bottled 2013
9900bottles , 58%

02)11月11日から11月20日まで
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秩父 2009 - 2016
OB for バー・キッチン
Bourbon barrel , Cask No.540 , 196bottles , 62.2%

03)11月21日から11月30日まで
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秩父
OB ザ・ピーテッド Bottled 2015
5980bottles , 62.5%

04)12月1日から12月10日まで
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秩父 2010 - 2016
OB for 信濃屋 & ハイランダー・イン
Bourbon Barrel , Cask No.710 , 210 bottles , 61.3%

05)12月11日から12月20日まで
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秩父
OB オン・ザ・ウェイ Bottled 2015
10700bottles , 55.5%

06)12月21日から12月30日まで
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秩父 2009 - 2015
OB for Who are you?
Bourbon Barrel , Cask No.547 , 200 bottles , 61.7%

07)12月31日から1月9日まで
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秩父 2008 - 2014
OB for Whisky Council
Bourbon Barrel , Cask No.206 , 206 bottles , 61.3%

08)1月1日から1月10日まで
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秩父
OB ザ・ピーテッド Bottled 2016
6350bottles , 54.5%

09)1月11日から1月20日まで
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秩父 2010 - 2016
OB for エイコーン
Double matured in Bourbon Cask & Cream Sherry Cask ,
Cask No.2631 , 297bottles , 59.7%

10)1月21日から1月30日まで
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秩父 2008 - 2014
OB for サンプル・ボトル
Bourbon Barrel , Cask No.221 , 64.4%

11)1月31日から2月9日まで
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秩父 2011 - 2015
OB for 秩父ウイスキー祭 2015
Imperial Stout Barrel , Cask No.3292 , 261 bottles , 57.6%

12)2月1日から2月10日まで
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秩父 2008 - 2011
OB ザ・ファースト
7400bottles , 61%

そして、2月11日は「 1)から 12)まで」すべてを一気に飲むチャンス。

さて、今夜はまず「オン・ザ・ウェイ 2013」から。
皆様のご来店をお待ちしております。

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