STDブナハーブンシングル・モルトは森である。
その森にはおよそ120本の木が生い茂っている。その1本1本を蒸留所だと思っていただきたい。ある種の共通項を持つ木は寄り添い林を成し。それらの集合体としてシングル・モルトの森がある。木の幹からは枝が伸び、その先には葉が着く。その1枚の葉を樽詰めされたシングル・モルトだと思ってもらえないだろうか。

森に存在するすべての木はそれぞれに独特だ。みな違った個性を持ち、同じものはふたつとない。確かに似通った傾向や同様の特徴を持つものは多いし、兄弟のように存在する木もある。ある種の共通項があり、ひと括りにできるのなら、それを林と考えれば良い。一般的な地域区分であるハイランド、スペイサイド、ローランド、アイラ、アイランド、キャンベルタウン。僕はまず、その6つを林と考えてみようと思う。シングル・モルトの森にはおよそ120本の木が生い茂り、それは6つの林に区分することが可能だ。

全体をシングル・モルトの森とするなら、個は森に存在する120本の木である。地域区分という切り口で、僕は先ほど森を6つの林に分けたけど、その切り口を変えれば林は如何様にも捉えることができる。そんなことも、そのうちお話できればと思う。

森には木がある。いくつかの木が集まり林となり、その全体は森となる。
森は広い。広だけでなく日々成長し変化している。大きな木の傍には、そのおかげで陽が当たらず朽ち果ててしまった木がある。また、枯れて成長を止め、その枝から葉のみがむしり取られる木もある。たくさんの葉を付け花を咲かせる木もあれば、一年のうちほんのわずかな期間しか葉を付けない木もある。悲しい話ばかりでもない。新たに誕生した木には希望がある。未だその葉の数は少ないけれど、今後の成長が楽しみだ。

シングル・モルトを愉しむとは、森を散歩することのようだと僕は思う。
1日に2,3本の木を見て回るつもりで森へと入るのも良いだろう。ノー・アイディアならジェイズ・バーに来て僕に相談してくれても構わない。シングル・モルトに関する知識など要らない。あなたが素直に好き嫌いを言ってくれたなら、僕はあなたを案内できると思う。

だけど、僕はあなたに少しだけ考えてみて欲しいのだ。あなたが今までよりも、ほんの少しだけ思いを寄せてみてくれることが、あなたをとても愉しませると思うから。あなたにシングル・モルトの森全体の地図をイメージして欲しいのだ。

あなたは今、森の中のどの辺りにいて、次にどこに行こうとしているのか。そんなことに思いを寄せることで、あなたのシングル・モルトの愉しみは格段に大きくなる。

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