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シングル・モルトとシングル・カスクの定義はこちらに簡単に説明がある。他の蒸留所のシングル・モルトを混ぜることは許されないが、通常は同じ蒸留所ではあるが樽の違いものを複数混ぜられるのがシングル・モルトである。また、そこに加水をして度数を調整することまで含めて許されている。ただ、複数の樽を混ぜた時点でシングル・カスクではなくなる。しかし、それでもシングル・モルトではある。

マクダフ-2同一の蒸留所の「A」という樽のアルコール度数が39%、「B」という樽が40%、「C」という樽が42.8%であったとしよう。仮定の話であるのでA,B,Cの樽の容量は同じと考えて欲しい。それぞれ200Lの容量としよう。3つの樽を混ぜて瓶詰をすると、合計600L分のシングル・モルトができる。700MLのボトルに瓶詰すると、約850本分の瓶詰されたシングル・モルトが出来上がる。そしてそのボトルには、アルコール度数「40.6%」の「シングル・モルト」とラベルに表記することが可能だ。しかし、混ぜているのでシングル・カスクではなくなる。

さて、A,B,Cと3種類の樽があるのだから、それぞれシングル・カスクで瓶詰したいと思ったとしよう。200Lづつのシングル・モルトが3種類瓶詰できると思った訳だ。しかし、その目論見が失敗するであろうことにすぐに気が付く。「A」という樽はアルコール度数が39%しかないのだ。それではラベルに「ウィスキー」とは表記できない。

その(かつての)ウィスキーがどんなにおいしいものであっても、そのラベルには「ウィスキー」と表記することが許されない。あなたなら、どうするだろう?ウィスキーであると説明することを許されない、ウィスキーのような液体。もちろん、中身の品質に問題がある訳ではない。いや、それ以上に中身がとてもおいしいことにあなたは自信を持っている。

あなたにはその製品を市場に送り出す勇気があるだろうか?

あなたが瓶詰業者の責任者であったとして、あなたは責任を持ってその製品を出荷できるであろうか。もちろん、ラベルには「スコッチ・ウィスキー」と表記することはできない。「立ち小便」とは違うのだ。その行為が運良くおまわりさんに見つからずに済む可能性は恐らくないだろう。だとしたら、ラベルに「スコッチ・ウィスキー」と表記せずに瓶詰するしかないのだ。

果たして、その瓶詰されたウィスキーのような液体は売れるのであろうか。あなたのその製品は市場で物議を醸し出すかもしれない。「伝統を打ち破る真の改革者」と賞賛されるかもしれない。あるいは、「スコットランドの誇りを汚す犯罪人」呼ばわりされるかもしれない。

嘘、偽りなく、真っ当な仕事を積み重ね、丹精の限りを尽くしたウィスキー。年月を重ねた分だけ天使に分け前を奪われ、結果としてアルコール度数が40%を切ると、その蒸留酒はウィスキーと呼ぶことができなくなる。40%を下回るアルコール度数のウィスキーは邪悪な存在なのだろうか。40%以上のウィスキーは正義を実現しているのだろうか。

法とはそういうものだ。それで良いと思う。
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