信濃屋さんの「和- Nagomi -」シリーズも第8弾目ということになるそうだ。


1弾の81ロッホサイドがリリースされたのが2011年だったと思う。あの震災の直後で、僕は以前の店を閉め今の場所に移転が決まる前の時期だったはずで、だから、よく憶えている。


被災地の混乱は続き、東京の人も通勤の電車に苦労し、計画停電・輪番停電なんて話が僕らを困惑させ、僕ら飲食業従事者はミネラルウォーターとトイレットペーパーの確保にあたふたしていた頃だ。


日の丸と鶴をあしらったデザインの81ロッホサイドには優しい淡さがあって、だから、店を閉めた後、ひとりでよく飲んだ。


僕は徒らに不安を煽るだけのTVを見るのをやめ、自分の持ち場で働くことを覚悟し、人には集まる場所が必要なんだなと、そんなことを改めて再認識したそんな頃のロッホサイドだった。


その後はグレンロッシー、グレングラント、リトルミル、アイリッシュ、スペイサイド、ティーニニックと今思えば名作揃いでありますな。あれから7年が過ぎて、時代の変化を感じさせる7本でもある。


今でも僕は「ブーム」としてウイスキーを捉えていないが、まだ多くの人のウイスキーに対する関心が低い時代で、今のような「原酒の枯渇」の問題が水面下に隠れていた時代だったと思う。


今回は88ヴィンテージだが、フェッターケアンと言えば75ヴィンテージに思い入れがある方も多くいるかもしれない。多くはドイツ系からリリースが続いたが、ピークは2009年辺りだったろうか。


今から10年近く前、震災より少し前のことになる訳だ。


歳を取り過ぎたせいだろうか。最近は様々なウイスキーが思い出と共にあることを思い出す。「どんなウイスキーであったか?」と共に「どんな気分で飲んでいたか?」を思い出すことが多くなった。


そして、そのウイスキーを「誰に飲ませたか」。そして、その人が「どんな顔をしていたか」。そんなことをとてもリアルに思い浮かべられるようになった。それもまた、臨場感の話ではあるけれど。


10年前のその人は、もちろん美味しそうに愉しんでそのウイスキーを飲んでいたけれど、今ならどんな顔をするだろう。


10年前に瓶詰めされたウイスキーにも当然変化はあるだろう。でも、それより以上にその人自身が変化しているはずだ。10年もウイスキーを飲んでいれば、飲み手として成長をしている。


だから、今ならどんな顔をするだろう?


ウイスキーに変化があり、飲み手は成長し、ウイスキーを愉しむ僕らはふたつの意味で昔に帰ることができない。でもそれは、悲しむべきことではなく、「あり得ない」という意味において貴重な経験だったのだ。


88ヴィンテージのフェッターケアンと言えば、これまでほとんどのリリースがシグナトリー・ヴィンテージ社からのものだったと思う。というより、僕自身はそれ以外の88フェッターケアンを飲んだことがないだろう。


今回の「和- Nagomi -」にどのような背景があるかは知り得ないが、Cask No.2001とあって、まぁそれも一連のシグナトリー・ヴィンテージ社に通じるものがあるかもしれない。


ナッツ入りのクッキー。ワックスの効いたオレンジの皮。ドライフルーツのアンズ。マーマレードをのせたフィナンシェ。くぐもった土っぽさに隠れたヴィタミン・フレーバー。


個人的な話だが、昔々、CD屋さんになる前のレコード屋さんの匂いに満ちている。


そうそう、最後になるが今夜から、

このフェッターケアンを「3杯セット」対象商品にします。

お買い得だね。


期間は未定だが、「カウンターに置いてあるまで」。

「後ろの棚の上段」に置かれたら通常料金でお願いします。


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フェッターケアン 1988 29Yo

TWA for Shinanoya - Nagomi -

Bourbon Hogshead , Cask No.2001 , 285bottles , 51.4%


<a href="http://blog.livedoor.jp/malt_samurai/archives/51459814.html">「3杯セット」</a>のご利用が可能です。

他の違う銘柄のウイスキーと合計3杯(ハーフ・ショット)で¥2,350。


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