離婚事件あれこれ (2)時代の変化と落とし穴

弁護士の仕事を続けていると、
みなさんの相談に時代の変化を感じることがあります。

離婚問題もそのひとつで、
20年ほど前に比べ、最近は

① 女性の 権利に対する理解が深まった
② 離婚に伴う情報を得てから相談に来る方が増えた
③ 男性が子供の親権取得を希望することが増えた
④ 離婚の証拠に携帯メールが非常に多くなった
⑤ 離婚問題を悩んで、心療内科での「うつ状態」の診断書を
   持参する方が増えた

という傾向があるように思います。

その後の交渉を有利に進めるという点では、
不貞行為やDVなどの証拠を集めておくのは大変良いことです。
ときには探偵社に調査を依頼することもあるでしょう。

しかし、追い詰められた依頼者の精神状態に付け込んで、
探偵社が「不倫相手から慰謝料の支払いを獲得する」と騙したり
(実際は探偵にそのような権限はありません)、
消費者契約法違反等にあたるような
高額の報酬を要求する被害は多いと思われます。

事務所で担当した案件では、
探偵社に配偶者の異性関係の調査を依頼し、
上のような説明をされて、
高額の調査費用をだまし取られた依頼者がいらっしゃいました。

弁護士事務所でも調査会社を紹介することができますので、
くれぐれも、ネットの広告を単純に信用することがないように、注意してください。

離婚事件あれこれ (1)高齢男性の離婚

これまで多数の離婚事件を受任しましたが、
75歳から92歳までの高齢男性離婚 約10件は強く印象に残っています。

いずれも、妻死去後、一人住まいで巧みに女性からアプローチされ、
結婚に至ったというものばかり。

1件は、健康食品訪問販売の女性が高齢のお父さんを連れ去ったケースで、
心配した息子さんが相談に来られました。

話を聞いた私は思わず「お父さんの戸籍を調べてください」と叫び、
ほどなくして「先生!入籍してます」と息子さんから動揺した声で報告が入りました。

ご本人取り戻し作戦開始。
お孫さんに居所へ尋ねてもらい、なんとか自宅に帰ってもらいました。
離婚調停&訴訟と進めましたが、
結局は一定額の解決金を支払うことで離婚の早期解決に至りました。

この方法を選んだのは、息子さんが社長をつとめる会社の事業用地を、
ご高齢のお父さんが個人で所有していたからです。
持病をお持ちのお父さんに万一のことがあり、相続が発生すれば、
妻にも相続権が認められます。
そうなれば会社存続に大きな問題が発生することは確実だったため、
一日でも早い解決が必須との判断をくだしました。

少し前に「青酸カリおばさん」(?)の刑事事件がありましたが、
「事実は小説より奇なり」と驚愕しました。
幸い、私が担当した案件はすべてこちらの望む結果を獲得できましたが、
そのうちお一人は、解決後短期間でお亡くなりになったので、
ご家族と間に合ったと安堵したものです。
男性高齢者の方は子供たちに寂しさを訴えることを潔くされない方も多いので、
まわりの家族は異性との出会い等に関しても心配りをしていただきたいと強く感じています。

駆込み女と駆出し男

映画「駆け込み女と駆け出し男」を観てきました。

時代は1841年(天保12年)、老中 水野忠邦による天保の改革の最中、
質素倹約例の発令から、庶民の暮らしは暗いころの話です。

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幕府公認の縁切り寺として知られる鎌倉の尼寺『東慶寺』に、
二人の女が駆け込んできます。
名は お吟(日本橋唐物問屋・堀切屋三郎衛門の妾) と じょご(鉄練り職人)。

お吟を演じる満島ひかりは魅力的で、お歯黒で眉もほとんどなく、
べらんめぇ口調や動作から、色っぽさが際立っています。
じょごは、女性ながら鉄の練りをする仕事で
顔に火ぶくれを作るほど必死に働いてきた女で、
戸田恵梨香が職人の強さを表現していました。

2人は生き地獄から離縁を求め、
最後の避難所である『東慶寺』に辿りつきましたが、
駆け込めばすぐに離縁が認められるわけではありません。
駆け込みには作法があり、女たちは門前で意思表示をした後、
御用宿で入山までのいきさつに対する聞き取り調査を受けることになります。

この聞き取りは御用宿柏屋の主人 源兵衛(樹木希林)の役目ですが、
じょごは、源兵衛の甥で見習い医者かつ駆け出し戯作者
中村信次郎(大泉洋)が担当することに。
その後、3人目の駆け込み女性(内山理名)も加わり、
3人の女性がなぜ寺への駆け込みを選んだのか、人間模様が映し出されました。

当時の離縁(離婚)は現在と異なり、
夫が離婚協議を受け入れたら離縁が成立しますが、
離縁状を書かない場合は、
『東慶寺』で24カ月間勤めを終えたのち正式に離縁が認められます。
なお、男は奉行所から「絶縁状」差出を求められるので、
2年を待たずに再婚が可能とのこと。

四季の移り変わりの美しさとともに、
『東慶寺』は、兵庫県姫路市の書寫山圓教寺で撮影されたとのことですが
(トムクルーズ主演の映画『ラストサムライ』にも使われた)、
限りなく荘厳、かつ圧倒的に美しかった。

江戸時代の女性の過酷な人生に立ち向かいながら、
その力強さやユーモアのある出来事も含め、生き生きと描かれていました。

鉄練り職人でもあったじょごの成長が見事であり、
大泉洋演じる信次郎との関係は、
結局彼女が信次郎の人生を決めて行くのが愉快でもありました。

時代劇女性群像が現代劇より奥深く、また愛おしく感じられたのは、
現代女性の方が身近な存在なので、
印象が軽く感じてしまうからかもしれません。
もちろん、女性が離婚をする制度的問題も感じましたが、
それ以上に男女の機微に注目しました。

若いカップルで観るのをお勧めする映画ですよ!

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