鎌倉文学館の特別展「愛とブンガク」と芥川賞作家・楊逸さんの文学講座を聴講してきました。
写真をクリックすると大きな画像を見ることができます。
2014年6月28日(土)

鎌倉文学館で〜7月6日(日)まで開催中の特別展「愛とブンガク」。


江戸から明治へ時代が移り、西洋から近代的な❝愛❞の概念が輸入され、
日本に❝恋愛❞という言葉が誕生したといわれています。
それから100有余年、❝ブンガク❞の大きなテーマ❝愛❞について多くの小説が書かれてきました。
本展覧会で、夏目漱石、芥川龍之介らの作品を、現代の女性作家が見つめなおします。
そして、この日6月28日(土)14時〜15時は…
三島由紀夫◆楊逸(やん・いー)さんの文学講座が開催され、
事前申し込みにて当選したので、ありがたく聴講してきました。
鎌倉文学館は『春の雪』主人公・松枝清顕の父が所有する「鎌倉の別荘」のモデル。
文学館の建物に続くこの「招鶴洞(しょうかくどう)」は、
王摩詰(おうまきつ)の詩の題をとって号した「終南別業」という字が門柱に刻まれている、
という件(くだり)に使われました。
「終南別業」は三島由紀夫の創作です。



到着。靴を下駄箱に入れて入館します。館内は撮影禁止です。

文学講座は、定刻通り14時〜、鎌倉文学館1階の講座室でスタート。
鎌倉文学館が舞台の一つとして登場する三島由紀夫の豊穣の海 第一巻 『春の雪』。
本展「愛とブンガク」の図録にエッセイを寄せた現代女性作家8人のうちのお一人で、
三島由紀夫の『春の雪』を担当された楊逸(ヤン・イー)さんが三島の詩や和泉式部の歌、
さらに、中国宋の詩人陸游(りくゆう)と♂と唐琬(とうえん)♀の物語について語りました。
楊逸(ヤン・イー)さん(1964年〜)は、中国出身の作家。
1986年23歳で来日。お茶の水女子大学卒後、新聞記者や中国語講師を務めながら小説を書き始め、
2007年『ワンちゃん』で文學界新人賞を受賞とともにデビュー。
中国と日本を舞台に、中国の民主化運動に身を投じた若者たちの姿を細やかに描いた『時が滲む朝』で、
日本語を母国語としない作家として初めて芥川賞を受賞しました。
作品に『金魚生活』『すき・やき』『獅子頭』『流転の魔女』など。
今年2月長編恋愛小説『あなたへの歌』を刊行。
いま、楊さんのように日本語が母国語でない作家さんによる「日本語文学」という、
新しいジャンルが注目されているのだそうです…たいへん興味深く思いました。
講義の冒頭、初の日本語を母国語としない芥川賞作家さんながら、
「無学なので日本語の使い方が間違っていたら遠慮なくご指摘くださったら嬉しいです」とか、
「「愛とブンガク」というテーマですが、実は愛も文学も不器用で不得意な分野。
ずうずうしくここでお話させてもらうことになりました」と述べられるなど、たいへん謙虚な方でした。
1時間ほどの講義時間の中で、楊さんが最も伝えたかったのは、
「恋愛は詩と切っても切り離せないもの」…ということでしょうか。
『春の雪』を読んで、三島由紀夫の完璧主義者ぶりを感じ、
とにかく言葉が美しい、描写力も細かくて美しいと思ったが、
『春の雪』以外にも三島の恋愛小説には詩がなく、自伝小説の『詩をかく少年』の中で見られるくらいである。
『春の雪』の主人公・松枝清顕と綾倉聡子がいじわるな手紙のやり取りをしているが、
中国ではいじわるな感情は手紙の中で「詩」にしてよりおもしろく表現する、というお話が印象に残りました。
中国人と日本人の感性の違い、といいますか、
帰ったらまずまず楊さんの小説を読んでみたいと思います。
講義中、窓の外で繰り返す鶯の囀(さえず)り。
講義後に本展「愛とブンガク」を見学後、休憩かたがた庭園の散策に出ました。
次のページにアップします。
写真をクリックすると大きな画像を見ることができます。2014年6月28日(土)


鎌倉文学館で〜7月6日(日)まで開催中の特別展「愛とブンガク」。


江戸から明治へ時代が移り、西洋から近代的な❝愛❞の概念が輸入され、
日本に❝恋愛❞という言葉が誕生したといわれています。
それから100有余年、❝ブンガク❞の大きなテーマ❝愛❞について多くの小説が書かれてきました。
本展覧会で、夏目漱石、芥川龍之介らの作品を、現代の女性作家が見つめなおします。
そして、この日6月28日(土)14時〜15時は…
三島由紀夫◆楊逸(やん・いー)さんの文学講座が開催され、
事前申し込みにて当選したので、ありがたく聴講してきました。
鎌倉文学館は『春の雪』主人公・松枝清顕の父が所有する「鎌倉の別荘」のモデル。
文学館の建物に続くこの「招鶴洞(しょうかくどう)」は、
王摩詰(おうまきつ)の詩の題をとって号した「終南別業」という字が門柱に刻まれている、
という件(くだり)に使われました。
「終南別業」は三島由紀夫の創作です。



到着。靴を下駄箱に入れて入館します。館内は撮影禁止です。

文学講座は、定刻通り14時〜、鎌倉文学館1階の講座室でスタート。
鎌倉文学館が舞台の一つとして登場する三島由紀夫の豊穣の海 第一巻 『春の雪』。
本展「愛とブンガク」の図録にエッセイを寄せた現代女性作家8人のうちのお一人で、
三島由紀夫の『春の雪』を担当された楊逸(ヤン・イー)さんが三島の詩や和泉式部の歌、
さらに、中国宋の詩人陸游(りくゆう)と♂と唐琬(とうえん)♀の物語について語りました。
楊逸(ヤン・イー)さん(1964年〜)は、中国出身の作家。
1986年23歳で来日。お茶の水女子大学卒後、新聞記者や中国語講師を務めながら小説を書き始め、
2007年『ワンちゃん』で文學界新人賞を受賞とともにデビュー。
中国と日本を舞台に、中国の民主化運動に身を投じた若者たちの姿を細やかに描いた『時が滲む朝』で、
日本語を母国語としない作家として初めて芥川賞を受賞しました。
作品に『金魚生活』『すき・やき』『獅子頭』『流転の魔女』など。
今年2月長編恋愛小説『あなたへの歌』を刊行。
いま、楊さんのように日本語が母国語でない作家さんによる「日本語文学」という、
新しいジャンルが注目されているのだそうです…たいへん興味深く思いました。
講義の冒頭、初の日本語を母国語としない芥川賞作家さんながら、
「無学なので日本語の使い方が間違っていたら遠慮なくご指摘くださったら嬉しいです」とか、
「「愛とブンガク」というテーマですが、実は愛も文学も不器用で不得意な分野。
ずうずうしくここでお話させてもらうことになりました」と述べられるなど、たいへん謙虚な方でした。
1時間ほどの講義時間の中で、楊さんが最も伝えたかったのは、
「恋愛は詩と切っても切り離せないもの」…ということでしょうか。
『春の雪』を読んで、三島由紀夫の完璧主義者ぶりを感じ、
とにかく言葉が美しい、描写力も細かくて美しいと思ったが、
『春の雪』以外にも三島の恋愛小説には詩がなく、自伝小説の『詩をかく少年』の中で見られるくらいである。
『春の雪』の主人公・松枝清顕と綾倉聡子がいじわるな手紙のやり取りをしているが、
中国ではいじわるな感情は手紙の中で「詩」にしてよりおもしろく表現する、というお話が印象に残りました。
中国人と日本人の感性の違い、といいますか、
帰ったらまずまず楊さんの小説を読んでみたいと思います。
講義中、窓の外で繰り返す鶯の囀(さえず)り。
講義後に本展「愛とブンガク」を見学後、休憩かたがた庭園の散策に出ました。
次のページにアップします。









