【個人馬主を中心としたラインナップ、厩舎運営の特色】untitled

















これまで、二ノ宮厩舎が記録したJRA重賞勝利は、
上記の表の30勝。

その内、社台系列のクラブ法人馬主で記録したのは3勝に留まる。
大半の馬を、個人馬主の所有馬が占めている点が、大きな特色である。

個人馬主に対する、師のきめ細やかな配慮。
二ノ宮厩舎で重賞を勝った嶋田賢オーナーや、
和泉信一オーナーは、
「海外遠征を含め、馬のことは、全て先生に任せている」
口を揃え、二ノ宮師に全幅の信頼を置いた。

個人馬主を資金的スポンサーとしながら、依頼を受け
調教師自身が馬を競り落とし、育成する
いわば「厩舎主導」の馬づくりが、
二ノ宮厩舎の活躍の原動力である。


二ノ宮師と、個人馬主の強い結びつきを示す事例を、
ここでひとつ紹介したい。


ある年、米国キーンランドの競り市を訪れていた二ノ宮師は、
滞在先のホテルで、体調を崩し、寝込んでしまった。
これを知った、同じホテルに滞在中の和泉信一オーナーは、
二ノ宮師とそれまで面識がなかったにもかかわらず、
ホテルの係に頼み、二ノ宮師の部屋へ、
お粥を届けさせた。

翌日、和泉オーナーが帰国のため、ホテルを離れる際、
二ノ宮師はホテルのロビーで和泉オーナーを迎え、
旅先での心遣いに対し、謝意を伝えた。

この時、同行していた和泉信一オーナーの令嬢である
和泉信子オーナーは、
二ノ宮師の人柄、誠実さに感激し、
所有馬を二ノ宮厩舎に預託することを決めたという。


良縁が成功を生む
和泉オーナーと二ノ宮師の、互いに対する細やかな配慮。

二ノ宮厩舎の個人馬主所有馬での成功の要因が、
感じてとれる逸話である。


【厩舎主導、私財を投じた馬づくり】

前述のとおり、個人馬主に対する細やかな配慮で、
厩舎主導の馬づくりを特色とした二ノ宮師。

ここでは、厩舎主導の上に、二ノ宮師が開拓した、
一貫した育成システムの一端について書いてみたい。


1977年皐月賞馬ファンタストの功績を讃え、
同馬の伊達秀和オーナー、高松三太師の尽力により、
北海道日高町に設立された、競走馬育成施設ファンタストクラブ。

二ノ宮師は、自身が管理する個人馬主所有馬の
育成、休養に、この施設を積極的に活用した。

エルコンドルパサーナカヤマフェスタナカヤマナイト
ファンタストクラブで作られた」と、
二ノ宮師はファンタストクラブに対する感謝を述べ、
厩舎後期の活躍馬ディーマジェスティも、
育成、休養期間をファンタストクラブで過ごしている。


また、美浦TC近郊、茨城県土浦市にあるドリームファームは、
二ノ宮師自らが私財を投じて建設した外厩施設である。
在厩以外の管理馬も、
厩舎主導の形で、一貫した管理を行うことで、
大規模な外厩施設を持つ、大規模牧場生産馬に対抗。

二ノ宮厩舎が、個人馬主所有馬で成績を伸ばす、一因となった。

海外遠征だけではない、
二ノ宮師が開拓し、後進に与えた影響は、
外厩施設の活用にも、見てとることが出来る。