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大河ドラマちゃんと観てます。
案の定政次の死にドカーンとやられております。
この33回だけ感想書くのもゲンキンなもんですが、それくらい凄かった。
直虎と政次、ここんところはずーっとお互い考えてることがシンクロしてて、それを2人ともわかっててひたすら、井伊再興のため、周りを欺きながら生き残りをかけた戦いを続けてきたところですね。
それでも、以前直虎(今はもう次郎なんだけど)にコケにされていた、井伊谷三人衆のうちのひとりである近藤康用に嵌められて、政次を逃がした直虎が牢に入れられ、どうすべきか政次が考えた結果が、自ら近藤のもとへ殴り込みをかけて直虎の代わりに牢に入れられること。今度は直虎が、どうしたら政次を助けられるか、一度は龍雲丸を使って政次を奪還しようとするも(ここらへん、まだ昔の面影が残る)政次は戻らない。
結局徳川に弓を引いたということで政次は磔の刑を受けることになるのですが、「それなら自分が送ってやらねば」と呟いた直虎が、まさに自ら槍で政次の心臓を突き刺すという最高の最期。観たそのときの衝撃度と言ったらなかったけれどもあとになって、このドラマの政次の死に方としてはあれ以上ものものがないなと思わせるんですよね。凄くなかったですかアレ、言葉だけだったら最後の最後まで、憎しみ合った城主と家臣のままなんです、このようにずっと周りを欺いていたそのままで。でもその実、お互いを信頼し合った最高のシーンなんだもの。「地獄へ堕ちろ、小野但馬」「地獄で見届けてやる」とか、凄まじいもの見せてもらったわ。どうしても男女なので恋愛的なものも含んでいるのだとは思うけど、それだけじゃないのよ、男女の仲どころじゃない、主従関係だけでもない、すべてを内包した、まさに『絆』としか言いようがない関係性。でも、これまでの通りお互い「使って、使われた」だけともいえるんですよ。それを昇華させたかのようなこの処刑。
言葉とはすべて裏腹の思いを雄弁に語っていたあのシーン、これまでの丁寧な積み重ねで言葉にせずとも伝わるものがあるんだと、それを強く感じるシーンでした。戦国の世でどうやったら井伊にとって一番良い結果となるのかということを政次はずっと、それこそ直虎に自分の真意が伝わる前からやってきたのだと思うのだけど、碁を通じて直虎がそれに追いついてきたことが過去数回に渡って描かれていましたね。最後まで碁石が重要な役割を果たしていて、今回政次が直虎に渡した碁石、あれだけで政次と同じ方法を考える直虎の成長と、直虎と政次のシンクロぶりに感慨深いものを感じるのであった。だからといってたぶん政次は直虎が自分で槍持って引導渡すとまでは想像してなかったと思うんだけど(直虎の手を汚さぬように頑張ってきたのが他でもない政次だと思うので)、最後の最後でいつも政次の想像を越えて相手をねじ伏せてきた直虎のぶっ飛んだ性格が今回の槍でのシーンにも表れていた気がして、これもまた過去にずっと描かれてきた「自分の予想を越えていくおとわが好き」だった政次にとってはこれ以上ない、最高の死に方じゃないのか。自分のために、井伊のために手を汚してくれて。なんだそれ最高かよ!?そりゃ政次最期に笑うわー、うわー。

勿論政次だけじゃなくて直虎がとにかく美しく、あの、槍で一突きのシーンのために柴咲コウ持ってきたんじゃないかなってくらい凄かったです。政次が「地獄へは俺が行く」と1人で地獄行きを背負うつもりで見知らぬ子を手にかけたけど、直虎は見知らぬどころかよく知った、そして通じ合った筆頭家老を、僧という身でありがなら手にかける。お前に守ってもらう義理はない、地獄へ堕ちろ、自分も共に地獄へ行くから待ってろよと言わんばかりのあの瞳と表情、そして頭巾についた一点の返り血。愛だよ愛。愛っていうか、もうなにこれ、愛を越えた何かなんだよ。業ってこういうものなのかなって思うよ…。共に地獄へ堕ちる関係ってどうにもどストライク過ぎてたまらん。お前が行くなら俺も行く、みたいな、やっぱ直虎と政次の、濃い関係だからこそ成し得る凄い回。神回って言葉は好きじゃないけど端的に言うならやはり神回、なんだろうな。でもこの回だけじゃ神回にはなり得ない。何度も言うけどこれまでの積み重ねがあってこそ。政次のキャラクターとしても、丁寧丁寧に8か月作っていった結果、言葉と裏腹の思いを感じることができる。同じ33回ということで、今年もやっぱり新選組!の山南さんを思い出しております。毎年8月末から9月頭は、大河ドラマそのものが最終コーナー回って最後の加速を始める時期という印象なのでどうしてもこの時期に大きな大きな山場があるなと思ってるんだけど、でもそれでも山南さんは強烈だったので。描かれた時代もストーリーも違うので一概には言えないけど、やっぱり重さ度で言えば、今回はあれ以来だったなと思う。「友の死」はやはり反響が大きくて本放送すべて終了後にアンコール放送がされた回でもあるのだけど、あれも、それまでの32話分の積み重ねがあってこその回だった。今回も同じ。細かいセリフや言葉が、あの33回を象っているのがよくわかる。大河ドラマの醍醐味だなぁと感じます。
そして大河ドラマでしか出来ない、凄絶で美しいラブシーン。凄いモンを観た。
実際がそうであったかどうかはわからない、史料だけ見るなら小野はこんな好人物ではない。それを、史料の隙間を膨らませ、史料通りの結果に纏めてきた、それが凄いという回でもあります。歴史は観てきた人にしかわからないんだよなぁ。これもまた、大河ドラマの醍醐味なんだろうなぁ。

ていうかこの回別にこれだけじゃなくて近藤さんにも近藤さんの物語があって、「それが戦国」ってことだよとかなつの膝枕とか政次の辞世の句とかなんかいろいろあったけどちょっとキャパオーバーですね。
あれ辞世の句も表裏があって、その現代語訳が凄く素敵だった。あれを観るとなんか色々実感が沸くというか、悲しみが襲ってくる感じがしますね。
巷では政次ロスなんて言葉も聞かれますがそんなもんじゃない、というかむしろ「この人の死の向こうにどんな物語が続くのか」という気にさせられる。山南さんのときと同じように。ここまできたらもう見届けるしか道はないのです。でも組!と違って34回はドタバタコメディー(笑)にならないのよ…!!!頑張ろう私!!