2016年のF1が開幕しましたね。 もう第2戦バーレーンも終わりました。 内外含め”波乱”の予選でしたが、かつての予選を振り返ってみても
どれかが大正解で、今回の改正が最悪だった、と簡単に断罪は出来ない気がしてます。
昨年からの変更が急だったのに加え、サーキットにいた人にも
本来の目論見と思われるテレビの前の視聴者にも伝わってないのが致命的でしたね。

予選中の出走頻度の向上とか、タイムの削りあいの緊張感等を考えると
まだまだ改善の余地はあるはずなので、日々の改善を期待したいところ。

近年とやかく批判の的になるF1ですが、僕はやっぱり面白いと感じる。
新人のきらめきや、弱小チームの健闘、チームメイト間の精神レベルからの競り合い等
大なり小なり毎年存在しているので、それを見つけて楽しんでます。
自分としては今の所トロロッソとハースが熱い。
トップ同士のチャンピオン争いも面白いけど、そうじゃない部分にも
スポットを当ててくれると思い入れもいっそう深くなると思います。 むしろかつて人気だった頃も”種火”としては同じくらいだったけど それをどう切り取り、報じてたかってとこもあるんじゃないかなぁと。
あと、日テレ地上波の半ダイジェストではあるけどMotoGP開幕戦も先日見ました。相変わらずエキサイティングなレースでおもしろかった。
ドカのウィングはぎょっとするけど、ハンマーヘッドシャークっぽい。
やはり空気という流体を通り抜けるものは海洋生物のようになるのは自然なのかな。

もう一つ感心したのは中継のUIで
車載カメラから見た敵車とのリアルタイム距離が出たり
画面左端の順位一覧で、コントロールラインを超えた順位部分に
白い線が通過したり、順位変動があったところは緑色の
ハイライトがでたりと、注目して欲しい情報を色や動きで伝えていたこと。
抜きつ抜かれつが激しいレースカテゴリーなのでそこは抜かりないですね。

IRLも開幕済みで、こちらも第2戦が先週末行われました。 今期からインダクションボックスにLEDで順位表示がされるという工夫も入りました。
元々中継映像の順位表示でも手厚くサポートされていたアメリカンレーシングですが
観客からも、目の前のクルマを見るだけで順位がわかるというのは賢いですな。
ルマンなどでは、カテゴリートップ3が●3つが点灯することで知らせていましたが
通信技術とLEDの輝度や耐振精度がアップした事なんかも関連してるんでしょう。 15WEC_14_919
↑これだとLMP1クラスの3位を走行中という意味。
おそらく一番最初はIMSAとかのアメリカの耐久レースが発祥でしょうか。

あとは何年も前から導入されてますが360度オンボード。
オーバルだろうが、ロードだろうがどちらでも接戦の瞬間を切り取るのに
非常に優れた装置ですよ。この辺の心遣いはF1にも取り入れて欲しいな。

F1は、見ている観客のためにも、ころころルールをいじる前に
工夫すべき余地がまだいっぱいありそうだと思いました。
ステータスを保つ、言いたい事はわからなくもないけど
まずはちゃんとやらなくちゃいけない部分を見つめてほしいですね。

「伝える事」がおろそかになってしまっている証左として
F1マシンからはスポンサーロゴが極端に減ってしまった現状があるんではないかと。
アメリカンレーシングでは、空白が目立ったりすることはまずなくてどれも華やか。

これは見た目だけの問題じゃなくて、経済が回っているという点で
観ておく必要がありますね。マシンに貼ってあるロゴが
ちゃんと効果があるとスポンサーが思ってくれないとこのサイクルは成立しない。
数十年前から始まったこのサイクルが形骸化、もしくは参入障壁が高くなると
華やかさにも直結していくような気がしています。

アメリカのレースファンに聞いてみたいのは、やっぱりマシンに載っている
商品を買うかどうか。レースオンサンデー、セルオンマンデーが成立しているのか。
今のモータースポーツシーンは、どのエンターテインメントもそうでしたが
多様化していった結果、過去に成功していたものは大多数が右肩下がりになってきたわけですが そのダウントレンドを、”衰退”として切り捨ててしまうのは、ちょっと待った方が良い。 僕が思うのは、魅力の伝え方は替えるべきだが、本質は変えるべきではない、ですかね。 一番まずいのは、「あの頃はよかった」という幻想にとらわれて 意味の無い回帰をすることや、何も疑問を持たず過去からのやり方を維持していくこと。 同時に、お客に伝わらない部分にお金がかかる体質というのは改めないと
それこそ「ステータス」が失墜しちゃいますからね。 これからもF1をはじめとして、モータースポーツがしっかりと盛況を迎えつつ
繁栄していくことを願ってやまないです。 ボクはモータースポーツを見はじめたのが1994年だったので あの時のフジテレビの番組にレース好きの背骨を作ってもらったのという事を ずっとわすれないし、あれがあってこそ今も心の中心で燃え続けてるんだと思ってます。