トップページ » 水神さま祭り「絶やさない」

水神さま祭り「絶やさない」

熊本地震の発生から8カ月となる12月14日の午前7時、

大きな被害を受けた熊本県益城町の潮井神社に、

近くに住む森川恭一さん(75)が祈りを捧げに来た。

大きく崩れた石段を避けて森の斜面をのぼり拝殿にたどり着くと、

鈴を鳴らして手を合わせ、深く、一礼した

12月14日は、地区の人たちが年に一度、

神社にまつられた「水神さま」に感謝を捧げる「座祭り」の日。

境内には「地震の脅威を後世に伝えられる」と

町が文化財に指定したむき出しの断層が残る。

ご神体も地震後に別の神社へ「避難」させたが、

森川さんは

「やはりここに来て手を合わせないと。

この森と土地に神様がおられるという気持ちがあるから」

と言う。

12世紀末に創建された神社は住民で管理してきた。

境内の水源にはこんこんと水がわき、

清水を求める観光客が各地から訪れた。

町が2年前から公園として整備を始め、

昨秋には住民らが積立金で拝殿を建て直した。

そこに地震が襲った。

神社がある杉堂地区には断層の名にもなっている布田川が流れる。

多くの家屋が倒壊して住民が応急仮設住宅などに移り、

地区内にとどまって暮らしているのは75戸中、十数戸だけだ。

座祭りの日は毎年、住民らがそれぞれ潮井神社に参り、

夜にはとりまとめ役が持ち帰る神酒を囲む習わしだ。

地区に八つの「組」があるが、

今年は集まるのが難しいため座祭りを見送る組が多い。

それでも、森川さんの組は「絶やしてはいけない」と

少数でも集まることを決めた。

森川さんたちは、寸断された神社への道の代わりにと、

9月に臨時の農道を町に頼んで通してもらい、

拝殿の柱を入れ直し、草を刈った。

地区では防災のために集団移転の話が持ち上がるが、

若い人たちに「出て行かんでくれ」と伝えている。

「今はまだみんな生活が厳しいが、

来年の座祭りには多く集まれるようになっていてほしい」

と願う



トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星