2017年09月19日

【映画】「三度目の殺人」5

予告編を見たときから期待していた「三度目の殺人を見てきました。
 
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是枝監督の最新作、福山雅治と役所広司のダブル主演。
「そして父になる」でタッグを組んだ福山さんと再びの作品、ということでも話題です。
 
というわけであらすじ。


ポチっとよろしく(*´∀`人)




勝つことを第一目標に掲げる弁護士の重盛(福山雅治)は、殺人の前科がある三隅(役所広司)の弁護を渋々引き受ける。クビになった工場の社長を手にかけ、さらに死体に火を付けた容疑で起訴され犯行も自供しており、ほぼ死刑が確定しているような裁判だった。
しかし、三隅と顔を合わせるうちに重盛の考えは変化していく。
三隅の犯行動機への疑念を一つ一つひもとく重盛だったが……。(以上、シネマトゥデイより)
 
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主演の福山さんのアンチが多いのか、この作品の評価は両極端な気がします。
そういや、福山さんの前作「SCOOPでもアンチが目立ちましたし。
まぁ、わからなくもないけど・・・けど、私はすごく良かったと思いました。
 
弁護士の仕事は依頼人を有利な方へ導く事であって、それがどんな犯罪者であっても依頼人のために一肌脱ごうというのが弁護士。
その大前提があっての今回の依頼。
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被害者を殺した上に火をつけた容疑者三隅は、殺人の前科アリ。
もう絶対的に死刑しかないという裁判の弁護士になった重盛が目指すところは無期懲役。
死刑を無期懲役に格下げ?できたら弁護士としての仕事は成功したことになるから。
そんな背景があって重盛は三隅と面会をします。
 
裁判を進める上で、裁判に勝つためには・・・と色々戦術を練ります。
真実がどうとかじゃなくて、勝つためにはどのように裁判を進めればいいか、どのようなストーリーを作り出すかに焦点を当てます。
裁判官や裁判員の心象を少しでも良くするため、情状酌量に訴えられるところは無いか、そんな感じで。

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たくさんある裁判をこなすためには、ある程度の流れ作業的要素も必要。
裁判の舞台の裏で行われる打ち合わせシーンは、司法における空しさみたいなものを感じました。
 
結局三隅の吐いた「真実に興味は無いですか」と言ったセリフ、全てはココに集約されている気がします。
真実を追究せず、裁判というシステムは流れていく。
その上で出される判決は果たして正しいのか。

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勝つことだけを目的としていた重盛が、コロコロ変わる三隅の自供に惑わされ、真実は何かを探し始め、自分たちの向かっている方向が間違っているかもしれないと気がついても、結局裁判の結末は変わらなかった。
世間が納得する形での一般的な判決。
 
真実が何かなんて関係ない、法廷では誰も本当の事を言わない、その上で裁かれる被告人。
人を殺して焼いたという事実、そこに至る真実、この真実と事実の溝はとてつもなく深いもの。
この虚しさというか、やるせなさというか、映画を見終わった後の疲労感は半端なかった。
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勝つことしか考えてなかった重盛が、三隅と面会を重ねていくにつれて惑わされ迷い、変化していくのだけど、見ている私も同じく惑わされ迷う。恐らく観客のほとんどがそうだったと思う。
是枝さんのニヤリとする顔が思い浮かぶ。
 
三隅との面会シーンでの二人の対比。
こちら側とむこう側の対極であるにもかかわらず、三隅に何もかも見透かされてるような不気味さは、なんなんだろう。

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この作品を見終わったときに、是枝さんの一番弟子である西川美和監督の「ゆれる」を思い出しました。
真実とは何か、激しく揺れ動く心を「ゆれる」というタイトルで描いた私のナンバーワン映画。
この作品も、今回の作品も監督の思うがままに翻弄されてしまったな・・・と、ある意味天晴れです。
 
というわけで、星の数は5つ。
ちょっと甘めだけど。
 
とにかく役所広司がスゴイ。
あの人ほんと怪人です。
それだけで星4つぐらいの価値がある。
 
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役所さんのすごい演技に引っ張られて、福山さんも違和感無く見れた気がする。
って言いながら、もっと違う役者さんだったらどうだろうという気もするけど。
 
あと広瀬すずちゃん、実はあんまり好きな女優さんじゃないんだけど、この作品はすごく良かった。
作品によってすごく振れ幅が大きいのかもしれないな。
 
後味は良くないし、結末モヤモヤして疲れるし、明るい内容でもないけど、疲労感の後に来る満足度はかなりのものです。
見終わった後数日たってから、色々と思い返したくなる作品です。
私にとって、この作品は今年の映画ベスト3に入るんじゃないでしょうか。
 


mamitoma at 23:00│Comments(2)劇場版★映画 

この記事へのコメント

1. Posted by takataka   2017年09月28日 20:38
私も鑑賞しました。
裁判が既定路線、予定調和のように進んでいく様は、とてもショックでした。
だからこそ三隅の「信じてくれますか?」というセリフと咲江の「ココではみんな本当のことを喋らない」というセリフが、とてもとても重く感じました。
「俺たちに真実なんて分かる訳がない」と真実を知る必要性も否定して言い放った重盛が、三隅と対峙することで真実を知りたいと心境が変化していく様と我が娘への向き合い方がシンクロする演出は、娘を持つ自分には堪らなかったです…。
2. Posted by mami   2017年09月30日 21:17
takatakaさん>
死刑になるかもしれないという重い罪の裁判なのに、裁判の裏側ではあのようなやり取りがあるのかというのは、私もショックでした。

ああいうやり取りで死刑という判決が下されるとすれば、3度目は殺人です。

心揺さぶられ、色々と考えさせられた映画でした。

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