April 08, 2017

我田引水の目次

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病院見学・マッチング(研修病院就活) → 医師国家試験 → 研修医 → 産業医(今)と自分が経験したことをもとに記事を書いています。

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mamorita_u39 at 21:21|PermalinkComments(3)TrackBack(0)

論文を書くときに読んだ本

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか
ポール.J・シルヴィア (著), 高橋 さきの (翻訳)


論文は書く時間を決めてとにかく毎日コツコツ書いていくしかない。コンスタントに書き続けることが論文を仕上げる最重要ポイントであることを教えてくれた。



なぜあなたは論文が書けないのか?
佐藤 雅昭


具体的な論文の修正前、修正後が例示され、論文の各パートを書く際の注意点がわかりやすい。



できる研究者の論文作成メソッド 書き上げるための実践ポイント
ポール.J・シルヴィア (著), 高橋 さきの (翻訳)


「なぜあなたは論文が書けないのか?」と同じく、各パートごとの書き方が解説されている。別の切り口の書き方も書いてあり、相補的。



アクセプトされる英語医学論文を書こう! −ワークショップ方式による英語の弱点克服法
ネル・L.ケネディ (著), 菱田 治子 (翻訳)


論文を書こうとする人によく紹介される本。私もはじめはこの本を読みました。論文の基本構成から書き方、各パートで必要な文法など、初学者に必要な情報は全て載っている。



日本人のための医学英語論文執筆ガイド―Thinking in EnglishでネイティブレベルのPaperを書く
アマンダ トンプソン (著), 相川 直樹 (著), Amanda Tompson (原著)


IntroductionでReferenceを使いすぎると、Discussion で枯渇するから、重要な論文2〜3ぐらいにしておこう。Introductionは力強い一文で始めようなど、超具体的な助言はありがたい。



Google 英文ライティング: 英語がどんどん書けるようになる本
遠田和子 (著)


自分で英作文した文章をGoogle先生にチェックしてもらう方法。英作文が苦手な私には画期的。




ライフサイエンス英語 類語使い分け辞典

論文でよく使われる表現が、頻度順に記載されており、こんな時なんて書くんだろう、前置詞は何を使うんだろうという場面で重宝する。




ロングマン現代英英辞典 [5訂版]
言わずと知れた英英辞典。検索で複数単語が出てきた時に自分の書きたいニュアンスにあっているかチェックするために使用。



mamorita_u39 at 21:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)研究 

学会発表する前に読む本

リサーチ・クエスチョンの作り方 第3版
福原俊一 (著)


まずはこの本がおすすめ。日常の実務からいかに研究を進めていくか、スイスイ読める。



基礎から学ぶ楽しい学会発表・論文執筆
中村 好一 (著)


学会発表の進め方がわかりやすく書いてある。まずは学会発表から始めようという方向け。



はじめての学会発表 症例報告―レジデントがはじめて学会で症例報告をするための8scene
國松淳和 (著)


臨床医だと症例報告がデビュー戦ということも多いはず。自分が初めて症例報告する際に読んだが、研修医の抄録の添削などは大変参考になった。



基礎から学ぶ楽しい疫学
中村 好一 (著)


疫学研究をする前には一読をおすすめ。スタンダードな研究デザイン、その方法とメリットデメリットが記載されている。



わかりやすいEBNと栄養疫学
佐々木 敏 (著)


統計を学ぶには最も簡単に解説してある本ではないだろうか。個人的には論文の読み方の項で「Tableにすべての情報が記載してある」という内容に目から鱗が落ちた。



mamorita_u39 at 21:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)研究 

March 21, 2016

内科専門医を取ってから産業医になるという考えのおかしさ

産業医に対してよく言われる批判に「内科が診られないと話にならないでしょう」、最近では「メンタルが多いから精神科専門医取ってからでないと仕事できないよ」などがある。これは対象者別診療科を臓器別診療科の視点で見た偏った意見である。この理屈が通れば、内科の次は循環器、消化器となって誰も産業医になれなくなる。(臓器別診療科と対象者別診療科については前項を参照。)

不思議なことに、産業医と同じように内科疾患も精神科疾患も相手にする産婦人科医に対しては同じことを言う人はいない。では、なぜ産婦人科医は他科の専門医を持っていなくてよいのか。それは臓器別の治療は各専門医に任せて、産婦人科医は妊娠の管理と合併症との関連を考えればよいからだ。当然、産業医も同様である。

似たような例で、将来的に産業医になりたいと語る学生の中に「内科の専門医を取ってから産業医になります」という人がいる。上記の的外れな批判を真に受けて不安になってしまった気の毒な学生さんである。一方、産婦人科医になるが、まずは内科専門医を取ろうと思うという学生にはお目にかかったことがない。産婦人科医の専門性を身に付けるタイミングが遅れて不利になることが自明だからだろう。

「内科の専門医を取ってから産業医になります」と言う学生には、「サッカーで活躍したいと思って、まず足腰を鍛えるのに陸上部に入るという人がいたらどう思うか?」と聞くことにしている。それと同じことである。

mamorita_u39 at 21:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)産業医 

産業医のEBM

産業保健のフィールドは、基本的に医師が自分しかおらず(3000人以上の事業所でも専属産業医2名が法的義務)、判断に迷ったとき、聞く相手がいない。教科書も充実しているとは言いがたい。

例えば、産業医をしているとこんな相談が来る。
「部下が脳静脈洞血栓症で休業していた、交替勤務に就かせても良いものか?」
脳静脈洞血栓症!?
静脈洞に血栓が詰まったということは病名からわかるがどんな配慮が必要なのだろう?
自然経過としての再発率は?

そんな日常の判断に迷ったとき何を頼りにすればよいだろう?頼るべきはEBM。幸い産業医には判断を下すための時間的余裕がある。相談はだいたい事前に内容がわかっているし、正確な判断ができない時は数日待ってもらうことも可能だ(もちろん納得してもらえるように説明はするが)。産業医には、原著論文まであたる余裕があるため、EBMとは割と相性がよいと思っている。

EBMは下記の4ステップで行われる。この流れに沿って、自分のやっている方法を示していきたい。

ステップ1.疑問の定式化
検索の目的を明確にする公式

ステップ2.情報の収集
情報収集概論
医学情報の検索エンジン
目的の情報にすぐたどり着く検索法

ステップ3.情報の吟味
素早く内容を把握する論文の読み方

ステップ4.適用

ステップ5.評価

mamorita_u39 at 11:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)産業医 

素早く内容を把握する論文の読み方

PECOに従って、自分が必要としている論文かどうかを吟味していく。しかし、論文を頭のIntroductionから読んでいては時間がいくらあっても足りない。別の方法を考えよう。

Abstructから読む
要約を読むのは最もスタンダードで一般的な方法だろう。検索した結果出てきた論文を選別するにはこの方法を用いる。PECOに沿って、対象者、暴露、比較対象、アウトカムが自分の目的に合っているか確認しよう。合致していそうであれば、Full textを取りに行く。

Tableから読む
Full textが手に入れば、最も早く内容を把握できる方法がTableから読む方法だ。Tableは論文の結果をまとめたものであり、対象者の属性、比較対象のグループ、何を指標に(アウトカム)評価しているか、差はあったかなどが一目瞭然である。

統計処理の方法について、知らなければ論文の読解は困難である。次回は論文を読むために必要な統計知識についてまとめてみよう。

mamorita_u39 at 11:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)産業医 

March 19, 2016

検索の目的を明確化する公式

論文検索をするには、キーワードを1つ思いつけばよい。しかし、検索された結果のうちどれが必要なものか判断するのにはキーワードでは足りない。何が知りたくて検索をするのかはっきりさせておく必要がある。何が知りたいかをはっきりさせるための公式が、PECOないしPICOである。

Pはpatient 誰を対象に
Eはexposure どんな暴露群で、介入研究の場合はI intervention どんな介入群で
Cはcomparison 何と比べて(比較対象)
Oはoutcome 何が異なるか(比較対象と何の違いを知りたいか)

例えば、相談された脳静脈洞血栓症の例であれば、
P:脳静脈洞血栓症になった人、できれば生産年齢層
I:抗凝固薬を飲む群で (もしくは、自然経過のみ知りたければ、なし)
C:飲まない群と比較して(もしくは、自然経過として)
O:脳静脈洞血栓症の再発が異なるか? または、深部静脈血栓症など他の合併症も含めてイベントが起こる可能性は?

というような具合で、検索の目的を明らかにしておく。これが第一ステップだ。


mamorita_u39 at 10:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

January 23, 2016

目的の情報にすぐたどり着く検索法

ネット検索をする際、目的の情報にたどり着くにはいくつかのコツがある。検索の目的は、たくさんの情報を引っ掛けることではなくて、たくさんの情報の中から不要な情報をカットし、目当ての情報にたどり着くことである。その視点でいくつかのコツを示す。

固有名詞を含める
目的の情報を探す際、強力なのは固有名詞である。人名は固有名詞の最たるものである。論文を探す際に著者名を検索ワードに含めれば、相当量の不要情報をカットできる。

専門用語を含める
脳静脈洞血栓症を検索ワードに含めれば、医療関係者による情報(病院のホームページ、医師個人のブログ、目当てのガイドラインなど)が出てくる可能性が増し、専門外の方のブログなどはヒットしないようにできる。

“ ”を用いた完全一致検索
いくつかの検索ワードを用いる場合、スペースで区切って検索を行うと or 検索になる。私の論文のテーマであったsense of coherenceを検索ワードにすると、senseまたは of またはcoherenceを含む情報が引っかかって来てしまうので、sense of coherenceだけではなく別のsenseを含む論文も出てきてしまう。検索ワードを“sense of coherence”とすると、“ ”内のsense of coherenceとというひと続きのワードを含む情報を引っ張ることができる。

日本語の情報を得たい場合は日本語のワードを加えておく
英語のワードが検索対象の場合、それだけを検索ワードにすると英語のページばかり引っかかってくることがある。いきなり英語でなく日本語でざっと内容を確認したい、日本語のページからヒントを得て目的の情報にたどり着きたいという場合は、何か目的に関連する日本語を検索ワードに加えるか、単純に「日本語」を検索ワードに加える。

Google Scholarを使う
他の項でも書いたが、検索対象を学術記事に限ることができるので、論文検索にはよい。

ネット検索の方法論については、下記も参照




mamorita_u39 at 05:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)産業医 

January 02, 2016

ステップ2.医学情報収集のための検索エンジン

情報収集する際に私が主に用いている検索エンジンは下記の3種類だ。それぞれに特徴があり、使い分けている。先日、相談されて困った疾患「脳静脈洞血栓症」を例に、検索結果の画面を比べてみよう。

Google
幅広く情報収集できる。一方で、信頼性の低い情報や関係ない情報など、雑音が多く引っかかってくる。取っ掛かり情報を得るには良いこともあるが、これのみで目当ての論文にたどり着くのは至難。

スライド1

PubMed
学術論文でPubMedに登録されている論文が検索対象。そのため雑音が少ない。キーワードから論文を探す時に使用。論文の種類でフィルターがかけられるので、レビュー論文を探すのには最適。関連論文をrecommendしてくれるのが利点。英語での検索のみ。英語がわからない時は、Googleで「脳静脈洞血栓症 英語」などと入れて出てきた「Cerebral venous sinus thrombosis」を入れる。

スライド3

Google scholar
学術的な情報に範囲を狭めてあるので、個人ブログなど雑音はカットされる。一方で、PubMedよりは検索範囲が広い。日本語も検索可能。私はこれを使うことが最も多い。PDFが利用可能なものとそうでないものを検索結果画面で判別できる利点がある。取っ掛かり資料から入手した情報を元に論文を見つける際に使用する。アカウント登録することで自分の論文が引用されたかどうか、関連した論文を教えてくれる機能も利用可能。

スライド2

mamorita_u39 at 15:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)産業医 

ステップ2.情報収集概論

EBMで情報収集というと、論文検索を思い浮かべてしまうが、個別の論文をいきなり検索する場面はあまり多くない。そして、時間効率も悪い。では、どうするか。教科書、ガイドラインなど1次資料(個別の論文)を加工、統合した2次資料を活用するのだ。これで疑問が解決されれば終了だし、解決されなければ引用されている文献に当たっていけばよい。これは名郷直樹先生の本で紹介されている方法で、医学生の頃に読んで以来活用している。

すでに絶版ですが、


2次資料として私が利用しているのは以下のものがある。
・診療ガイドライン
・各種教科書

診療ガイドラインがない疾患、教科書では定式化した疑問に答えられないなどの際には、下記のようなネット情報を取っ掛かりにして最終的な情報まで辿っていく。

取っ掛かり資料:検索の取っ掛かりに使用(主に日本語)
・厚生労働省など公的なホームページ
・私的なブログやホームページ




mamorita_u39 at 15:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)産業医 

August 23, 2015

男性の育児休業の本

男性の育児休業
男性の育休について、会社としてすべきこと、会社組織への影響について書かれた本。
男性が育休を取りづらい背景を分析した上で、働き方が多様化しており、就業意欲を保つためにも育休が取りやすい環境を作る必要性を説く。育休で空いた穴を埋めるために他の従業員のスキルが広がる、育休取得を業務内容や仕事方法を再検討する機会として活用するなど男性が育休を取る事で職場に起こるポジティブな影響を示す。「育休取得者は暇だから取れたのではなく、取れるように仕事の段取りをした」というのは非常に興味深い。



経産省の山田課長補佐、ただいま育休中
初めての子どもは双子。妻の方が育休を取り、復帰後も仕事をしながら育てた。その子らが2歳半になるころ第3子妊娠。また妻に育休を取らせるのが不公平な気がしたこと、妻の仕事が山場に来ておりすぐにでも復帰したい希望があったことから育休取得を決めた方の体験談。男性ひとりで送る育児生活、会社の同僚や友人の反応、ママ友との付き合いなど赤裸々に語られている。こんなに頑張った人がいるんだ、やっぱり自分と同じ気持ちになるんだと勇気がもらえる本。



理系クン イクメンできるかな?
理系男子の私生活でも抜けない独特な思考回路を描いた理系クンシリーズ。恋、結婚、夫婦生活と来てついに二児のパパになった理系クン。育児において妻との「互換性を高める」をミッションに育児に体当たりしていく。半年の育休を取った理系クンのひと言。「タスクを俯瞰してクリティカルパスメソッドでの効率化するスキルを会得できたと思う」。つまり、育児をする中で、何をやらなければいけないかをリストアップし、優先順位をつけて最適な時間配分を考え出すスキルを学んだという。そして、「このスキルは仕事でも大事なんだ」と締めくくっている。




mamorita_u39 at 22:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)育児 | 

育児の本 河合隼雄著

Q&Aこころの子育て
男性育休を取った先輩が推薦図書にあげていた本。
ついつい母親が子どもに口うるさくなるのは、お父さんが「お父さん」をサボっている証拠。子どもが育っていくには父性も母性も両方いるんです。いまは親がお金を稼ぐのに一生懸命になってしまって、親としてのカンを磨くのをサボりすぎている。など痛いところを突きつつ、育児にはどんな心構えが必要なのか、どんな風に考えたら親も気持ちが楽になるのかを諭してくれる本。



子どもの宇宙
児童文学の描写と自身の臨床心理士としての経験から子どもの心理を解説していく本。1歳にもならない子を育てている時点ではあまりピンとこなかったが、そろそろ5歳になるのでまた読み直そうと思っている本。




mamorita_u39 at 22:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0) | 育児

男性育児の本 ファザーリングジャパン関係

パパの極意
育児を経験することで仕事のスキルがあがるということを教えてくれた本。まだ経験したことのないコミュニティーとの関わりや著者の趣味である絵本についてのことは頭に入ってこない部分もあるが、積極的に育児を楽しむとはどういうことか、仕事にどう活きてくるかについて開眼させてくれた本。NPO法人ファザーリングジャパンの会長の著書です。



新しいパパの働き方
「仕事にも育児にも精一杯全力で取り組むことを目指すキャリア」=「育キャリ」という新しいキャリアを提案する興味深い本。どうやったら育キャリを実現できるのか。仕事と家庭の二元論ではなく、仕事、パートナー、子どもの三つの点が互いに相互作用しながらレベルアップしていくイメージが育キャリだ。育休取るなら早めに周りに知らせることから始めるとか、日ごろから自分しかできない仕事を作らないようマニュアル作成も並行して行っていくなど様々な実践的な工夫から学ぶことは多い。前述のNPO法人ファザーリングジャパン会員による分筆本。



新しいパパの教科書
こちらはどちらかというと、家庭で求められる父親の役割について書かれている本。奥様との関係、子どもとの関係などこれからパパになる人は必読の本。




mamorita_u39 at 22:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)育児 | 

August 16, 2015

研修医になったら

研修医全般についてはこの本。病棟での心得、手術に入る心得など研修医なりたてでどうしたらいいんだろうと疑問に思う事について結構いろいろ書いてます。付録にはラインとりのコツまで載っている(シェーマ付で詳細)。


型が身につくカルテの書き方
学生時代、カルテの正しい書き方を習った、実際書いたという人はほとんどいないでしょう。でも、研修医になったらカルテは書かなければなりません。SOAPってならったけど、紹介元の診断名や検査結果はOに書く?SとOの分類でも混乱してしまう。A/Pは何となく一緒に書いている等。初心者にはなかなか大変。上級医のカルテを読み込んで真似するのもいいけど(私はこれでした)、真似する人は選ぶ必要がある。入院時記録、経過記録、退院時サマリー、初診外来、救急外来など状況に合わせたカルテの書き方まで解説してある良書。



mamorita_u39 at 23:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)レジデントの本 

August 12, 2015

産業医実務の実践と研究の両立のためのヒント

産業医の実務をしながら研究、論文執筆を行う方法について話をする機会があったので内容を記載しておく。

私は卒後4〜6年の間、母校で産業保健に関する研究をしながら十数社の嘱託産業医を行ってきた。専属産業医となって最も変わったのは、研究のために使える時間が激減したことである。大学にいたころは稼働日の半分ぐらいは研究に費やすことができた。一方、専属産業医になってからは研究日ぐらいしか研究に費やすことができない(当たり前といえば当たり前)。

では、そんな中で私はどんな風に研究を続けてきたか。産業医は研究をするために雇われているわけではないので、まずは本来業務をきっちりと行い、職場の信頼を得ること。その上で、実務の中で出てきた疑問や仮説を研究テーマとして追及し、結果を実務の改善につなげている。

例えば、職場の喫煙対策が遅れている状況を打破するため、「ご安全に!」と挨拶でも用いられるぐらい社員の関心の高い「安全」と喫煙の関係を示したい。喫煙者は業務中の怪我が多いのではという仮説が生じた。業務中に怪我をした人のリストに喫煙状況を突合させ、喫煙者の方が業務中の怪我が多いことがわかった。その結果を元に職場の喫煙対策が進むこととなった。

もう一つの例、インフルエンザの予防接種の費用を一部会社が負担することになった。果たしてどれくらい接種率が上がるのだろうか、と実務上の疑問が生じた。そこで、社員全員にアンケート調査を行った。結果、全体で接種率はアップしていたが、費用補助の情報を知らなかった人が結構な割合でいることがわかった。翌年は周知の強化を行う事とした。

このように、日々の実務から研究テーマを見出し、研究結果を実務にフィードバックしていければ、実務もレベルアップするし、実務家目線でオリジナリティのある研究ができるのだ。

mamorita_u39 at 22:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)産業医 | 研究

マンガでわかる統計学

萌えキャラが表紙で買うのをためらってしまうが、中身はすごい。こういう本にありがちな、マンガだけど吹き出しに文章がビッチリというものとは一線を画す。難しい数式は読み飛ばし、マンガの流れを追っていくだけで、ほとんどの読者の目的である概要をつかむという点は達成されるだろう。

途中で出てくる数式は本格的で圧倒されるが、実は計算の途中も示してくれていてわかりやすい。さながら細野数学を思い出させる。統計解析は一応できるという人が理論的な基礎を学び直すのにも耐えうる内容であり、私も非常に勉強になった。統計を始める人にまずお勧めしたい一冊。

この本では、下記の内容が学べる

・カテゴリーデータと数量データ
・度数分布表とヒストグラム
・平均、中央値
・標準偏差、基準値と偏差値
・相関係数、相関比、クラメールの連関係数
・t検定、χ2検定




mamorita_u39 at 22:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0) | 研究

March 16, 2015

「個」から「地域」へ広げる保健師活動

「地域が動く瞬間を見たんです!鳥肌が立ちました…。」公衆衛生実習を終えた学生の声だ。

地域の保健師の活動は家庭訪問など対個人の活動がベースであり、その対個人の関わりからやりがいが得られることもある。しかし、地域を動かすダイナミズムが味わえることこそ病院では経験できない醍醐味である。先の学生が感動したのも、このダイナミズムを感じたからだろう。

対個人の日常業務から地域を動かす対集団の活動へ広げるためのプロセスを可視化したものが本書のテーマ「展開図」である。「展開図」は、実態把握、地域診断、活動計画を行うPlan、実践Do、評価Check、改善Actから構成され、一見ただのPDCAサイクルである。しかし、普通のPDCAとは異なるユニークな点がある。

Planからではなく、対個人の日常業務Doから地域に共通の課題を抽出するステップをスタートに置いているところだ。これにより、「個」から「地域」へ保健活動を広げるプロセスをより現実に即した形で示している。Planの中身も、日常業務から抽出した課題を明確化する「地域診断」、実際の活動計画を立てる「活動計画」と二段がまえになっているのも実際的である。

本書では、実際の保健師活動事例を「展開図」に落とし込んで解説し、保健師活動のプロセスを追体験できる構成になっている。保健師活動と謳っているものの、産業医の活動も本書の各論で描かれている活動と類似しており、かなり参考になった。展開図のプロセスを意識して日常業務を行うことで、組織を動かす感動的な体験がができるかもしれない。

保健師活動の展開図















mamorita_u39 at 06:35|PermalinkComments(2)TrackBack(0)産業医 |