米国ナースプラクティショナー(NP)になるために

アメリカの看護大学院に通っていました。Board certified ナースプラクティショナー になれるように勉強中。日々のこと、勉強のこと、アメリカの看護大学院に入るまでの過程、アメリカの医療職や日常について、研究や、将来の仕事のことなど、順序は関係なく、気ままに書いていきます。

April 2020

今日の宿題のバーチャル患者さんは
17歳のヒスパニック系の高校4年生の女の子。

主訴は最近学校での活動に参加しなくなったり
疲れが酷く、体重が去年から非常に増え、
お酒は親に隠れて飲んでいる。
また、去年まで付き合っていた彼氏に勧められて
大麻も吸ったことがあるとのこと。でも今は吸っていない。

とにかくイライラして、妹を引っ叩くこともある。
と言うのも同じ部屋にいて、妹のやることなすことに
イライラしてしまうのだとか。

今まではGPA 成績も平均でA だった。
でも今はどんどん成績が落ちている。
親からは来年、奨学金がもらえない、
大学に入学できないなんてことはないようにとプレッシャーをかけられる。
元彼氏が自分の女友達とデートをし始めて、
自分は捨てられた感があり、もう終わったことなのに辛い、と。

先月から急に悲しくなり毎日のように泣いてしまう。
今日は親に連れられて医院クリニックにきたとのこと。


さて、ここで診断名に何か?


結果的には


いろんな血液検査やFull フィジカルアセスメント、
PHQ 9 と言うDepression Screening 鬱のスクリーニングをしたり
他の可能性がありそうな疾患が8つくらい選ぶようになっていた。

その中からオーダーした結果をそれぞれ解読し
絞っていった結果


ウツ病 が正解となった。



現在、アメリカのティーンの子達の鬱病は6% で、
年間、10歳から24歳の間に4400人の子達が命を断っているそう。
自殺未遂をする子も多く、女子の割合が高いけれど
男子の方が自殺の成功率断然高いと疫学で示されていた。


ティーンに対する治療の場合、

SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬) の内服開始か
Psychotherapy (心理療法)が同レベルで効果があるとのこと。
両方をすぐに提供するのではなく、まずはどちらからかにする。


成人のアプローチ、高齢者のアプローチとは少し違う。



ティーンの頃って本当にいろんなことが起こると思う。
おそらく今は特に 携帯や ソーシャルメディアで
余計に気持ちがブルーになることもあるのかもしれない。


でも今だけ 見えていることだけが 人生の全て ではない。


その先にはまだまだいろんな楽しいことも、
辛いけど乗り越えられることも多々ある。

年齢を重ね、経験が増えていくうちに
人生が違って見えてくると思う。


どうか少しでも、未来に対して明るい何かを見つけられる
ティーンが増えることを祈る。
日本においても、アメリカ国内であっても。


高校生活は本当に人生の一部にすぎないから。


もちろんハッピーでモチベーションの高い人もいるとは思うけれど



今が辛くても、その先のことは必ず変わってくる。



色々考えさせられる患者さんのケースだった。


明日も更に、将来 役に立てるNPになるために、
しっかり勉強していこう



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アメリカに来てから初めて知った
Physician Assistant (フィジシャン アシスタント) の存在。

アメリカではPA (ピーエー)と言われている。

確実に 最短でクリニシャン(診断、治療ができる臨床家)になれるため非常に人気。

 PA = 大学4年学部卒 → 2年 PA大学院 → PA  
     Total 6 年

 NP= RN免許保持&看護大学卒 → 2 年 NP大学院 → NP
    Total 6年 + α (通常NP schoolに入る前に RNの経験が要される) 

   このRN(正看護師)+看護学士は 人によりけりですが、
   日本のように4年間で取れることも多々あります。

   RN になるにはいろんな道があるので、
   別にBSNからスタートしなくても、
   RNの免許を取りたい場合には なれる方法はいくらでもあります。

 DO/MD= 大学4年間卒→ 4年 Medical School
      → 1年インターン→ 2年+ α レジデンシー →(人によってフェローシップ)
            Total 11年 + α

知り合いのMDの方が言っていたのですが、

Medical Schoolに入るのには、別に学士がなくてもいいそうです。

Medical Schoolが求めている授業を全て履修していること、

そしてMCATのスコアを提出していることが大事になるそうです。


実習先の プリセプターは医者(MD)であり、

彼や彼の同僚のMD達と話をしていたら、

彼らの娘、息子たちには、

医者(MD) になるには時間がかかりすぎるから、

子どもにはPAになることを勧めていると話されていました。


そのほうがライフバランスもいいからだとのこと。

仕事だけに生きるのではなく、

やはり家族の時間やプライベートの時間もしっかり構築して欲しいと言っておりました。

だから最短ですぐになれるクリニシャンであるPA は最適だとのこと。



私の通うNP Schoolのクラスメイトの中にも

PAになろうと思ったけれど、NPの学校の方が入りやすいし、

結果的にPAもNPもやることは基本的には変わらないため

うちの大学院に入ることにしたと言う子もいます。

RN からPAになる人もいるそうです。

ただ競争率がPAはもっとあるから

安全圏でNP School を選ぶのだとききました。


逆を返すと、RNで看護学士がない人

NP School には入学できないのですが。


意外にも看護師になりたいと思った子はそこまで多くなく、

ナースプラクティショナー になりたいともともと決めていたそうです。

看護大の学位を取り、ナースで働きながらお金を稼ぎ、

医療者としての経験も積み、

今のナースプラクティショナー に入ったと言う子がかなりいます。




このサイトにはいろんなPA の学校が求めている成績GPAの情報が載っています。

https://admissionshelpers.com/minimum-gpa-requirements-for-pa-schools/

求められるGPAは見ている限りでは 少なくとも 3.0

選ばれて入学した人のGPAは 3.4~3.8 が多いようですね。


ちなみに、クラスメイト曰く、第二カ国を話せてそれなりの読み書きができると、

入学には有利(特にスペイン語だそうです)だと言っていました。


PA Schools はNP Schools よりもローテーションがバラエティーにあり、

私のプリセプターさん達はそれがいいと話しておりました。


外国人でもPAになっている人は結構います。

ヒスパニックの方、アジアの方などなど。


是非、興味があって、やりたいと思ったら、

やってみるのもありかと思います


PA にしてもNPにしてもそれぞれの良し悪しがあり、

自分が何をやりたいかで決めていったらいいのかと思います。





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ナースプラクティショナー って結局ナースなんでしょ?と問われます。

バックグラウンドはそうです、ナースです。


でも、「同じです」とは言えません。

しかし、誰もが必ず 正看護師の資格を持っていることが必須となります。

それプラスα で要求されることもありますが。成績やその他の活動など。


王道なナースプラクティショナー のなり方としては、

看護師( RN: Registered Nurse) の免許を取得していること、

そして看護学士(4年制看護大卒)を持っていること。



これがナースプラクティショナー の大学院に入るには必須。

経験年数は学校によって様々です。


正看護師の経験なしでも入学できる大学院もあれば、
専門を何にするかで経験数を要求されることもあります。

例を挙げると

New York University の場合には 

(Link: https://nursing.nyu.edu/academics/masters?tgid=nyunursing-tabs-6381&tid=eligibility )


Adult Gerontology Acute Care Nurse Practitioners
急性期成人高齢者ナースプラクティショナー 


になりたい場合には 

最低一年、正看護師として成人高齢者患者さんに関わっていること。
かつ、クリティカルケア(集中治療室など)での経験が好まれます。


他にもNYUの場合、小児のナースプラクティショナー であれば、常勤で小児科勤務かつ
PALS(小児二次救命処置)を入学前に取得することなど求められます。

でも、もしそれ以外の場合には
どの分野での看護師の経験が必要だと、定められていることはありません。


そんなわけで、

ナースプラクティショナー はナースと同じかと言われたら、
ナースだけれど、経験を積んだ上に、
更に大学院で色々と勉強をした医療者と言えます。

ベッドサイドでのケアから、
更なる学問と、実習を経て、訓練された臨床家寄りの仲間に入る
ヘルスプロフェッショナルと言えるかと思います。


この言い回しでいいのかは謎ですが、私の個人的な表現の仕方です。


ちなみに よく

Nurse pracititioners ナースプラクティショナー や
Physician Assistants フィジシャンアジスタント は

Mid level providers と呼ばれます。
法的に定められた言葉ではないのですが、
アメリカの医療機関にいると耳にします。


前学期の授業で、

正看護師の経験者がバリバリにあるクラスメイトが


「なぜナースプラクティショナー の入学規定に
 最低経験数を5年以上求めないのか?
 入学制度に意義あり!」

と言っており、教授に質問したところ
意外な回答が返ってきました。




「正看護師とナースプラクティショナー は役割が違うから
   どんなに看護師の経験があろうとも、
 それがどのような質のある経験なのかわからないでしょ。
 年数の問題ではない。
 中には経験が少なくてもすぐに学べるだけの能力がある学生もいるからよ」

とおっしゃっていました。


これにはびっくりしました。
正看護師1年の経験で入学したクラスメイトの秀才君は
とてもニンマリしていましたが。



確かにナースプラクティショナー の勉強はまた一味違っている。


看護学士とナースプラクティショナー の両方の学習をしてきて、
身をもって違いは 感じております。



ただ言えることは、


どちらの役割も患者さんにいい医療を提供する上では
とても大切な役割だと言うこと。



ではでは。




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今日のノルマは

実習に行けない分、架空の患者さん達とのやり取り

面白いなと思ったのは、大学3年生の男の子の症例。



彼はPre-med(プリメッド)と言って医学部を目指している学部生。
アメリカは大方の医学部は、4年間の学部を卒業してから
医学部の4年制の大学院に行く。
多くの学部生は学部時代に沢山ボランティアをする。

どうやらこの患者さんもやる気満々なPre-med君。

彼曰く、3月からヨーロッパ圏に行きボランティアをしてアメリカに帰ってきたところ、
微熱と息苦しさと、体の節々が痛いとのこと。

咳がで始めたのは2日前。Dry cough でProductive cough ではないとのこと。

元々 既往歴に呼吸器疾患も訴えていたが、それはmildであるためコントロールできていた。
頓服の吸入器を持っていたため使用してみたものの症状は一向に変わらない。

とにかく今は咳が常に出て身体中が痛くて 疲労感大。
喉はあまり痛くないと言う。

こちらは、他の情報を訊くにしても制限があり100まで。
それを過ぎたら訊いてもいいけれど、点数には加算されない。


この100の質問の中で、誰か体調の悪い人と接したか訊いたところ

ヨーロッパにいた時にホストファミリーのところに滞在していおり
そのうちの家族のうちの1人が医者として病院に勤務しているそう。


フィジカルアセスメント 診察 の過程で

確かに両肺の呼吸音が異常であること、
バイタルサインの呼吸数が上がっていることもあり、
胸部レントゲン画像も肺炎になっている。


さて、いよいよ診断名を煮詰めていくことに。

そのことを英語で Differential Diagnosisと言う。


予測される診断名はいくつか浮かび、それに則って検査オーダーをしていった。


その後、疾患に関わる症状や薬のクイズも抜き打ちで出てくる。

この経過で大体どの疾患かはわかってくる。


最初の過程では別の肺炎、喘息、インフルエンザかなとも思ったのだけれど。

でも、やはり最近の旅行歴が気になった。特にヨーロッパの某国からの帰国。

検査データーの結果、画像の結果、なども出てくる。


そして今回の答えは。。。。新型コロナ感染症の肺炎 Covid-19 だった。


やはり。。。


正直、学校の授業でCovid-19 Test, Treatments などは学ばなかった。
(そして 現在では まだこれといったものが確立されていない)

自分でしっかり最新の情報を学んでいかなければならない。
きっと臨床で働いていたら違うのだろうなぁ。


今ならではの症例だっただけに
この習った情報が すぐに頭に焼きついた。
検査方法も治療方法も、外来で対応する場合に何をすればわかるのはありがたい。


思い返せば、まだここまで拡散する前の実習でも、
必ず患者さんには過去2週間の間にコロナの感染が高い国に旅行しましたか?
熱、咳、喉の痛みがありますか?と必ず聞き、検温をするというプロトコールはあった。




絶対にCovid 19 の症例は ナースプラクティショナー の試験に出てくると思う。 
私が出題者だったら問題に入れる。(ってどんな立場なんだか。笑)




この課題は自分がクリニックやUrgent Care(緊急診療所:ERとは違う)で患者さんが

訴えてきた時にどう問診して、診察して、診断して、治療方法を決めるかの訓練。

今週のノルマを全部終えた。

また来週も頑張ろう。

明日はまたやることいっぱい。ありがたい。










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3月最後の授業からずっとZoom。
自粛 Self Quarantine が始まりかれこれ1ヶ月以上経った。
さすがに慣れてくる。

期待していた実習は全てキャンセル。
Covid-19の可能性がある人たちが来る実習先だったからなおのこと。
実習先も学校側ももし学生に何かあったら責任を追いかねないと思っているのだろう。
それでも、クラスメイトの中にはナースプラクティショナー の試験を受けるのに
必要最低限必要な時間が達成できていない子もいるらしい。

そうした場合には、特別 最小限の日数、
実習先が同意して受け入れてくれる際には行っても良いことになった。
行ける人たちは本当に良いなぁと思う反面、
この戦場のようにどんどん亡くなっていく患者さん達を担当するのは確かに大変。
それでも行けるのであれば、やっぱり行きたい気持ちの方が強いのが本音。

何がよくて 何がよくないのか よく分からない状況。

行けないのも辛い。行けるのも危険大。

学校側もこんなパンデミックの状況は初めてゆえに
先生たちが色々と考えた末に苦肉の策で、
オンラインで問診、診察、診断、治療をできるバーチャルの患者さん達のケースを
某会社と提携してケーススタディーをするようにとのこと。

今日早速1ケース開始。
結構な数のケースなためどんどんやっていかないと大変なことになりそう。
授業が全てオンラインになったとしても、
それは録画されていていつでも自分で見れるものではなく
その時間帯にパソコンの前に座って、
しっかり自分の画像を出し参加しないと出席にならない。

クラス全員とその教員達が一緒のZoomアカウントにアクセスすることもあれば、
実習グループだけの場合には、インストラクターを中心に6人でのZoomとなる。



今日は朝からずーっとこの実習グループだけでの授業とディスカッション。
先生も工夫してしっかり準備してくれていて、みんなでこれもまた面白い経験だねと話していた。

それぞれの部屋が見えて、時々 家族が横から何か言ってきているクラスメイトもいれば
鳥を飼っている子もいて、その鳥が参加していたりして。笑



どんなことがあっても、やはり人生、予期しないことはいつでも起きる。

今は、いざ卒業してナースプラクティショナー となるならば
やはりしっかり勉強しておこう。

Adult gerontology の患者さんを中心とした
Primary Care (Adult Gerontology Primary Care NP & Family Nurse Practitioner)を専攻している場合
主な Nurse PractitionersのBoard Exams は2つあり


ANCC(American Nurses Credentialing Center)  

AANP(American Association of Nurse Practitioners)


のどちらかを受けたらいいらしい。

詳細はまた再来週に教えてもらえるようです。

お勧めとしてはANCC の方が難しいけれど、取っておく価値があるとのこと。
どちらにも対応できるようにしておきたい。


また、研究のアシスタントの仕事もやっとこれで集中してやっていける
教授にはかなり迷惑をかけて、時間を待ってもらっていた。
これからは挽回していかないとっ。

しっかり義務を果たせるように残りの時間を悔いなくやっていこう。

宿題もどんどんやっていくぞ〜




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初めまして。

いい節目なので ブログを書いてみようと思い、これから気分に任せて始めます。

もともとはナースプラクティショナー になりたいと思って渡米したわけではなく、
日本が嫌いだから脱出しようと思って来たわけでもなく、

アメリカの方が確実に進んでいる分野に触れたくて、
病院での看護師の仕事を辞めて単独渡米を決意しました。

日本の看護大学を卒業し、看護師の資格と保健師の資格を持っています。

保健師になろうかな、と学生時代に 途中で悩んだこともあったのですが、
やはり中学生の時に看護師になりたいなーと思っていたので、
結局は病棟での経験がしたくて看護師の道を選びました。

なかなか忙しくて学ぶことも苦労もプレッシャーも沢山ありましたが、
皆勤、病欠は一度もなし、やる気満々
いろんな苦労や辛い思いもしましたが、それでもoverall は楽しかったです。
尊敬できる先輩たちと仲の良い同僚や後輩たちのお陰です

この急性期ケアから慢性期、ターミナルまでの経験があったからこそ、今があると思ってます。
臨床をしていると色々疑問に思うことは出てくるわけで。

なかなか人生、計画通りにはいかないけれど、
でも何か  熱意 があると道が開いてくるのだなと痛感してます。

今はアメリカの看護大学院ナースプラクティショナー の勉強をしてます。
日本や他国のことがあまり分からないのですが、

アメリカはNPの場合、2種類って、博士か修士のどちらかになります。

 DNP(Doctor of Nurse practitioner) 臨床看護学博士
or
 MSN-APRN(Master of Science in Nursing-Advanced Practice Registered Nurse) 看護学修士号

になります。 

このDNP は PhDとは違います。

ナースプラクティショナー のことを別名でAPRNと言います。

ちなみに私の所属しているプログラムは看護学修士のナースプラクティショナー です。

今の大学院にすぐに入学したわけではなく、長い道のりを経て、今に至ります。

看護学修士を取得するために書かなければならない論文も書き終え、あとは結果待ち 

さてまた明日は学校。といってもこのCovid 19 の影響でオンラインです。

それでも授業は時間通り始まるので気は抜けない

朝から昼まで実習グループで Zoomミーティング。

実習指導をしてくれる先生は本当に熱心に配慮してくれる素敵な方です。
とてつもなくキツい成績をつけてくるけれど、もうすっかり慣れました。笑
他のインストラクターは甘すぎるって思うくらい鍛えられたと思います。





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