(3~5分程度のReading)

日本で急性期病院に勤めていた時、

ナースコールがなってお手洗いに行きたい患者さんがいたら

その患者さんの担当が自分であれば、

責任をもってお手伝いをすることが任務の一つでした。

万一、その時に何らかの処置など他のこと(ルート確保など)で

どうしてもすぐに行けない時には

チームの同僚や先輩、後輩にお願いをして

何とか乗り切っていました。

そして、いろんなことを同時進行で 業務を行っていました。

どの経験も看護師として、基礎&土台となる、

いい学びになったと思います。

当然生と死を直面する現場だからこそ、

緊張感はあれど、

遣り甲斐のある仕事だと感じていました。

それもこれも、一緒に働いていた人たちのお陰だと思います。

日本で看護師として働いた後、興味本位で

アメリカに一人で来てみたところ、

積極的に病院でのボランティアにも応募し、

そのボランティアの経験などを通じて、

異文化のみならず、

病院で看護職やその他の職種、また自分自身がボランティアとして

実際、病院ではどのように看護師が働いているのかを

間近で知ることができ、日本との違いを垣間見ることができました。

アメリカでは各々の医療者の分業化が

はっきりしている点が特徴だと感じました。

例を挙げると、体位交換の場合にはリフトマンがいます。

彼らのリフトチーム(Lift Team 持ち上げチーム?)は

本当にありがたい存在。

このリフトチームは様々な病棟を回り、

通常 男性の2人のペアで1チームであることが多いのですが、

上腕筋肉(上腕二頭筋&三頭筋)がスクラブからもちらつき

悠々と重い患者さんを持ち上げたり、

看護師たちも彼らの手助けを計算しながら

やれる処置&清潔ケアをしていました。

日本では正看護師が全て担うことを、

このリフトマンという方たちが来ることで

看護師の身体的な負担が軽減されること目の当たりにしました。

よく看護師の中でも腰痛を抱えている方たちも多いかと思うのですが

こうした看護師だけでどうにかしようとしないで

多職種の力も借りて行うことは大事だなと感じました。

しかしながら、一つ感じたこととしては

アメリカの患者さんと日本人の患者さんは

総体的な人口数を観察した際、

体形がかなり異なるため、

アメリカの場合一人で動かせられる小柄な患者さんが

少ないのも理由の一つなのではと思います。

以前、病院でボランティアをしていた時、

病棟のフロントデスクで働くこともあり、

誰もがフロントを通るため、

いろんな方たちの対応をすることがあったのですが

その中でこのリフトチームの方たちは

いつも気さくに

"Hey, what's up?" などと挨拶をしてくれて

フロントデスクに体位交換が必要な人たちの部屋番号が書かれてある

バインダーがあり、それを見て、一つ一つの部屋を回り、

もし看護師の許可などが必要な際には

その日の担当の看護師の院内携帯電話 (PHS)に連絡して

一緒に介入していました。

脳梗塞などの脳神経系の治療を受けていらっしゃった病棟などでは

麻痺を抱えている方も多くいたたため

彼らリフトチームは特に活躍していました。


これ以外にも分業されていることは様々な業務で見受けられ、

そういった手助けがあるからこそ

アメリカの正看護師が、

より綿密にアセスメントや医師へのレポート、

率先して投薬など込み入った重症度の高い患者さんを

同時に看ることができているのだといえそうです。

また、別の例として

採血も日本では看護師が行っていましたが

アメリカの場合採血専門の職種 (Phlebotomist) があります。


採血のオーダーが出たら、

そのオーダーに則ってひたすら採血だけをしてくれます。

よく、日本にいた時に、夜勤明けの術前などでは

眠い目をこすりながら採血オーダーが10人など要されることもあり、

呼吸器を装着している患者さんから採血を開始して

患者さんには「ごめんなさいね、起こしてしまって」と言いながら

ひたすら早朝から注射をしていました。

しかし

アメリカでは、ひょっこり採血専門の方たちが来てくれて

私たち看護師が投薬や記録を打ち込んでいる間に

終わらせてくれているため、それもまた看護師としては

別のことに時間を注げていいな、と感じました。

急性期病院のみならず

回復期にあたるリハビリテーション系の病院や

ナーシングホームでも

この採血専門の方たちは必ず来てくれます。

あいにく、リフトマンは

急性期病院の大きな大学病院のみでお見掛けしましたが

こういった回復期などの施設や病院では見たことはありません

それ故に、アメリカの医療や看護が凄いと思われたとしても

それは、どの医療機関で働くかで、多職種から得られる手助けも

雲泥の差に違うのは事実だと言えます。

(私の経験から)

この回復期ケアであるリハビリなどを焦点とした医療機関の場合、

看護助手さんであるCNAさんが主となって

身体を移動させる機械を用いて患者さんの体位交換や、

ベッドから車いすなどへの移動をしていました。

しかし、看護師も最初に採用された際には、

どんな急性期病院であろうが、

リハビリ施設だろうが、

ナーシングホームだろうが、

必ずといっていいほど安全提供のための訓練がされるため、

このリフトマシーンである機械の使い方は看護師として実際に

病棟で働く前に教わりました。

最近の日本の事情がわからないのですが、

日本の看護師として働くと、

いろんなことが要求されることで満遍なく様々な経験ができる一方で

おそらく看護師として

身体的負担が大きいことが事実であることは否めません。

一方で、アメリカの看護師として働くと、

それぞれの行為が分業化されているため

身体的な負担が日本よりも軽いと感じることもありました。

その分、別のこと、とくに綿密な記録などには

日本よりも結構時間がかかったりました。

しかし、逆を返すと、分業であっても

グレーゾーンの部分も現場ではあることを感じました。

例として、以前働いていた病棟で

感染を防ぐために隔離を余儀なくなれた患者さんを

受け持っていたことがあり

様々な疾患を抱えている中で

特にC-diff (クロストリジウム・ディフィシル)に関連した

下痢も問題の一つでした。

同時に、人工呼吸器も繋がっており、

多臓器の不全などもあるため頻繁な投薬や

アセスメント介入が要求され、

全く自力では動けない全介助に相当する患者さんは、

頻回に下痢をもよおすため、

家族から頻繁にナースコールで呼ばれたのですが、

CNAという看護助手さんが率先して清潔ケアをするはずが

やりたくないために沢山の言い訳を作って

ケアをしないようにと避け続け、

"I'm very busy" と言いながら、

携帯のアプリやFacebookなどで遊んでいて

どんなに言っても協力してもらえず

私が一人でやることになることも多々ありました。

まだ働き始めたばかりだったため

CNAの方から足元を見られているのは事実といえます。

看護師である以上、

このような清潔ケアも

もちろん患者ケアに繋がるため

ケースバイケースで柔軟的に行うことは業務分担以上に

大切なことであり、日本で看護師をやってきたため

そのあたりの忍耐力は結構ある方かなと感じてます。

やはり自分がもし患者さんの立場だったら

下痢をいつまでもキレイにしないで放置されたら不快ですし、

何よりも皮膚状態が悪化することを懸念し、

Rectal Tube (直腸チューブ) を考慮してもいいほどであったものの

その時はチューブは入っていませんでした。

他のナースたちにCNAの方が自分の仕事をしていない、と告げたら

「あぁ、あの子(CNA)は言ってもやらないんだよね」と言われました。

え?私だけではなく誰にでもそんな態度を取るとは?!

と逆にビックリしました。

しかし、数週間立ってから

ありがたいことに段々と馴れてきたからか

そのCNAの方が手伝ってくれることも増えてきて

きっと新人の私を観察して

まるで自分が試されていたのかな、とも感じました。

やってくれたら必ずお礼は言いに行ってました。

やってくれて当り前というよりは、

きっと感謝の言葉を伝えるって

特にアメリカでは大事かなと個人的に思ってます。

察するなんてまずできませんしね、アメリカ人は。

私もたぶん、

自分が経験豊富なCNAの立場だったとして、

急に経験のない新人のRN正看護師が現れて、

威張ってあれこれやれなんて指図されたら

やはり万国共通な人間の心理的ってものがあるため

どのような気持ちになるかは わかる気がします。

私の数少ないアメリカでの看護師経験の中でも

いろんなことが起こりましたが

結論として、

どちらの国で働くのがいいのかは

個人差によるとは思いますが

少なくともアメリカの場合、

病院で働く際には

看護師の仕事は、日本で求められているものとは

少し違うなと感じました。

今はコロナの関係上、

おそらく状況は変わっているかもしれませんが

こうした分業があるからこそ

きっとアメリカの看護師は働きやすい部分もあるのかもしれませんね。

看護師の年齢層も断然高いのがアメリカですし

それは日本での働き方とは違うからだとも感じてます。

働く場、どんな人たちと働くのか、

患者層なども影響があるかとは思います。

どこの国にいても、

自分がどのような医療介入、看護提供をしていきたいか

最も重要なのかと思います。

経済的なニーズからお金のためにやる人もいれば、

趣味を続けるための第二の収入源が看護職だったり、

自分のキャリア成長のためにする人もいて、

他人のために尽くしたいと思う人もいれば、

大学院に入学するのに看護師経験が必要だから働いている人もいる。


どんな動機であれ、

どの国にいても、

どんな病棟や医療機関で働こうとも

自分が満足できることなら、

それが一番幸せを感じられるのかと思います。

アメリカにいるとなかなか自分のしたいことが

アメリカ人の方たちのようにできないけれど

しかし、

そんな苦労や不便さ、ハンディや障壁だらけの人生も

自分が決意したことだと、逆に受け入れられるものです。

アメリカに来て良かったか?

私は結果的には良かった、と思ってます。

訴訟大国で、自己勝手な国だと言われても

それでも日本にはない魅力がアメリカにはあります。

自分の希望している病院や職場で

何ら問題なく働けて

言葉の壁もないアメリカ人の方たちを見ていると

スムーズに就職活動、事がすぐに進んでいて

羨ましい部分もありますが、

でも、そんな彼らにも何等かの悩みはありますし

私は私で、自分の許容範囲や背景が違うことも周知しているため

やれることをやって、面白いことをみつけて

一日一日を楽しみをみつけながら歩んでいけたらいいなと思ってます。

Bk
アメリカの看護学部時代に使っていた
フィジカルアセスメントの本です。




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