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アメリカでは年々、

プライマリーケアを専門をする医師(MDメディカル・ドクター)の数が

劇的に減少しています。

同時に、アメリカの高齢者層は上昇傾向にあります。

多くの場合、アメリカではPCP (Primary Care Physician)という

プライマリーケア・フィジシャンというポジションの医療者が

窓口でもありゲートキーパーとなって患者さんの診察をします。

主として血圧やコレステロール、血糖値のコントロール、

皮膚問題、耳鼻咽喉科、心機能、呼吸器、腎機能、婦人科、

内分泌系、脳神経系、整形、リウマチなどの自己免疫疾患といった

多種多様な幅広い分野に関与して、

早期発見・早期治療、

病院からの退院後のフォローアップ、メインテナンスなどに従事します。

PCPプライマリーケア・フィジシャンである

医師(MDメディカルドクター)らは

専門分野が

家庭医Family Practiceもいれば、

内科Internal Medicineという専門もいらっしゃります。

中には、もともとの専門は外科で若かりし頃は病院や日帰り手術センターで

執刀してきた外科医Suegeonが

自身の高齢化によって手術を辞め、

外来に移行してクリニックで

働き始める医師(外科医)もいるそうです。

最近はあまり見かけませんが。
外科と内科はメディカルスクールを卒業したらトレーニングも違いからかと予測します。


もしPCPプライマリーケア・フィジシャンが

患者さんを診察し、更なる精密検査が要される状態で

Primary Careプライマリーケアの範疇外である際には

その道のスペシャリスト専門医(Specialists) の診察が必要な際には

PCPが専門医に紹介をしていくシステムがあります。

上記のようなPCPの紹介を待ってから専門医に行くという流れでなくとも、

直接、ご自分で専門医に診察をしてもらうこともできる

医療保険(PPO)もあります。

アメリカの医療保険の主な契約をしてPPOそしてHMOがあり、

その大きな違いは月々の支払う金額がPPOの方が高く、

HMOの方が安めだという点です。


話がそれてしまうのですが

留学生として4年制大学や大学院に通っていると

必ず医療保険が必要で、学費の支払いの一部として要求されますが、

一般のアメリカ人やアメリカで海外出身の就労されている方よりも

ずっと安い支払額でPPOという専門医にも直接行ける保険に

(基本的には)強制的に加入することになります。


通常、多くの方たちは負担額が安めの

HMOという保険に加入していることが多いです。

この場合、上記の通り、

最初にプライマリーケア医(PCP)にかかって診察をしてもらい、

そこから専門医に紹介してもらう形となります。

アメリカでは、

医療保険会社が医療の選択に対する決定権を持っていることが多く、

各々の患者さんが本当に専門医にかかる必要があるか否かを判断したり

PCPが患者さんには CTやMRI,この新薬が必要だと、

認可を取得しようとしても

必ずしも医療保険会社は OK承諾をしてくれるとは限りません。

様々な理由でPCPプライマリケア医が

「患者さんに必要だ」と思って申請をしたとしても

却下されることも頻繁にあります。

もし却下されたとしても、

時と場合によっては

保険会社とやり取りをして抗議することもあります。

それゆえに、

病棟ではなく、プライマリーケアの現場での臨床経験と

しっかりとした薬理学、疾患の知識と

患者さんを思う気持ちと、

説得できるだけの英語力が要求されると感じます。

これがプライマリーケア医療従事者にとっての、

大きな挑戦ともいえます。

患者さんのためにやりたくても、

保険会社が拒否するってことがあるとは

どれだけアメリカがビジネスを考えているかが

露わだなと痛感します。


では、この高齢化が進む一方で

プライマリーケアに携わる医師の数が減少している問題を

解決するにはどうしたらいいか?

そこでミッドレベル・プロバイダーといわれる

フィジシャンアシスタント(PA) や

ナースプラクティショナー(NP)の活躍が注目されています。

フィジシャンアシスタントのプログラムでは

プライマリーケアだけにとどまらず

手術室やER救命病棟などでも実習があります。

一方、ナースプラクティショナーの場合には、

どの専攻をプログラムでするかにもよりますが、

通常、手術室での実習はありません。

しかし私の経験からは

職歴の中で救命病棟の看護師RNの経験があると、

ナースプラクティショナー学生として

実習先としてERに配属してもらえているクラスメイトもいました。


さて、今回、なぜプライマリーケアに書きたかったかといえば

こちらの下記の記事、ニューヨーク在住でご活躍の女性内科医の方が

現在プライマリーケアの現場で

起こっている事実を語っているからです。



私も実習などで経験してきましたが、

とにかくカルテに記載することは多々あります。

そしてタイムリーに書かないと、なぜそんな遅くに記載をしたのかと、

万一訴えられた場合に、裁判所で指摘されると授業で学びました。

通常、患者さんを診察したら1時間以内に全て記録を終えなければならない、と。

患者さんを診察する、お話を聴く以上に、

とにかくパソコンに向かってひたすら

クリック、クリック、クリック。

そしてタイピングをして、系統だった記録を残さなければなりません。

特に高齢の患者さんはお話好きな方たちも多い上に、

複数の疾患、あらゆる処方薬を飲まれており、

循環器はDr●●、内分泌はDr ■■■、婦人科はDr▲▲▲▲といった具合に

様々な専門医にもかかっていることがよくあります。

どうやってわずか8分の会話を有効的なものにもっていくか、

さもなければ記録をする時間がなくなってしまう、

しかし、患者さんからは話を聴かない冷たい人とも言われてしまう、

というプロバイダーとしてのジレンマがあると感じました。


最後の締めくくりとして

上記の記事の筆者であるゴパール医師の文章から

アメリカの医療は更なるビジネス化が進んでおり、

日本もそうかと思うのですが、

アメリカでも医師たちの中には燃え尽き症候群にもなる方たちも多いのだと

察することができます。

本当ならもっと患者さんのことや家族のことを知って

しっかり話をして病気と向き合うことなどを理想としていたものが

時間と記録のプレッシャーと、

数をこなさないと給料にも反映してくるストレス。

患者さんと目を見て話す以上に、パソコンのスクリーンを見て

ひたすら打たざるを得ない状況になったのは、

果たして患者さんにとっての心身の健康を上昇させる

効果的な医療といえるのでしょうか。

もちろんEMR電子カルテの方がいいという医療者もいるとは思いますが。

タイムリーな記録も大事、

患者さんとの面と向かって目を見て会話をするのも大事。

この両方をうまくやりくりしていけたら最高ですね。


病院通いの親が、

「私のお世話になっているお医者さんはしっかりと目を見て話をしてくれるのよ~」と

嬉しそうに私に報告をしてくると、

やっぱり 人ってしっかり見て(診て)欲しいという想いは強いですよね。

それはホストファミリーの方たちも似たようなことを言ってました。

物でもなくコンピューターでもなく、

患者さんも 人生経験豊富な一人の人間ですからね。





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