January 2018

January 21, 2018

 
 近畿大学医学部の工藤正俊教授らは、切除不能の肝臓がんの
   肝動脈化学塞栓療法(TACE)
   抗がん剤
の併用療法について、国内33施設での医師主導型臨床試験で初めて効果を実証したという。

 いわゆる、がん細胞へ栄養を供給する動脈をふさぐとともに抗がん剤を投与して再発を防ぐことだが、投与開始時期を早め治療中止の判定基準も変更することで、投与期間を従来の2倍近い38・7週間とし、従来の試験ではできなかった有効性確認に成功した。

 研究グループでは、独バイエルが開発した抗がん剤「ソラフェニブ」をTACE施行患者に投与した。
 従来、抗がん剤の投与開始はTACE実施後だったが今回は事前に開始している。
 
 さらに効果がないと判断して治療を中止する基準を、化学療法基準ではなくTACE基準とした。
 投与期間を長期化できた結果、TACE治療部位の血管新生を阻害でき、再発を防げることを実証した。
 
 
   

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January 18, 2018

 
 住幸(新潟市)は、箸の先端5センチメートル部分の表面を凹凸状とし、亜鉛や鉄分を付着させた箸を開発した。

 調味料に箸を浸すとこれらの成分が徐々に溶出し、食事しながら手軽に摂取できるという。
 今後、ドラッグストアでの販売に向けて開発と製造の提携先を探索し、健康補助につながる商品として早期実用化を目指す。

 木製と樹脂製の場合は塗装工程の最終段階で箔(はく)状にして巻き付けるか、微粒子状にして亜鉛や鉄を付着させる。
 
 付着量は1膳につき約2グラム。 
 
   

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January 17, 2018

 
 東北大学大学院医学系研究科眼科学分野の
   中澤徹教授、西口康二准教授、志賀由己浩医師
らのグループは、緑内障患者における遺伝要因と臨床的特徴の関係を明らかにした。

 日本での失明原因第一位となっている緑内障は、視神経が障害を受けることで視野が狭くなる眼疾患。
 ただ、どのように緑内障が発症するかは明らかでない点が多い。
 そのリスク要因の一つとしては遺伝的な要因が挙げられている。

 これまで日本人緑内障患者の遺伝要因の大部分は解明されていなかった。

 研究グループは、緑内障患者の遺伝要因を探るため
   東北メディカル・メガバンク機構
の成果に基づいて作られた日本人の遺伝解析ツールである「ジャポニカアレイ」を用いて、565人の緑内障患者と1,104人の健常者の遺伝情報を解析した。

 結果、欧米において緑内障との関連が報告されている
   3つの遺伝子領域
について、日本人緑内障患者でも強い相関が見られた。
 
 そこで、新たに607人の緑内障患者と455人の健常者を解析した。
 結果、これら3つの遺伝子領域が緑内障に関与していることを再確認できたという。

 加えて、これら3つの遺伝子領域が、それぞれ異なる臨床的特徴に関連していることも明らかになった。
 
 1つ目の遺伝子領域では眼圧と血流、2つ目の遺伝子領域では網膜神経線維層の厚さと血流、3つ目の遺伝子領域では視神経乳頭の形状と視野について相関が見られたという。

 今後、緑内障の病態解明と個別化医療の一助となる可能性が期待される。
 
    

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January 16, 2018

 
 フランスのパスツール研究所などのグループは食品に含まれる
   乳酸菌
が作り出す物質が腸内で
   免疫細胞を活性化させる仕組み
を、マウスを使った実験で初めて解明したと発表した。

 研究は、フランスのパスツール研究所が大手食品会社の「明治」と共同で行ったもの。

 グループでは、乳製品に含まれる「OLL1073R−1」と呼ばれる乳酸菌が作り出す物質「多糖類」に注目した。
 
 そして、この多糖類をマウスに1週間投与したところ、腸内で免疫反応を担うT細胞の量が、水だけを飲ませたマウスと比べておよそ2倍から4倍に増えていた。

 これまで乳酸菌が腸内で免疫活動に影響を及ぼすことは知られていた。
 ただ、乳酸菌が分泌するどの多糖類が免疫細胞の受容体と反応し、活性化させているのが明らかになったのはこれが初めて。
 
   

manekinecco at 01:04サイエンス  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

January 15, 2018

 
 東京医科歯科大の赤沢智宏教授のチームは11日
   特殊なたんぱく質
を含む培養液で、骨格筋の幹細胞を培養することに成功したと米科学誌「ステムセル・リポーツ」で発表した。
 
 全身の筋力が低下する難病「筋ジストロフィー」など筋肉に関する病気の創薬や、治療法開発につながる成果。

 骨格筋の幹細胞は、骨格筋を構成する筋線維の表面にあり、体内で筋損傷が起こると、幹細胞が増殖して新しい筋肉へ成長し始める。
 
 これまでは幹細胞を体外へ取り出すとすぐに筋肉に成長してしまううえ、筋肉に成長してから体内に戻しても元の筋肉に根付かなかった。

 体外での幹細胞培養を目指していたチームは、筋線維の表面で幹細胞周辺に多く存在する三つのたんぱく質を特定した。
 
 それらと分子構造が似ているたんぱく質などを使って幹細胞を培養すると、筋肉にならずに幹細胞のまま増殖できた。
 
 この方法で健康な成人から提供された幹細胞を培養し、筋ジストロフィーの症状を持つ免疫不全マウスに移植すると、マウス体内で筋肉の細胞へと成長することを確認できたという。
 
 
   

manekinecco at 21:01サイエンス  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

January 09, 2018

 
 慶応義塾大学医学部の
   佐藤俊朗准教授
らは、ヒトの正常な腸粘膜から培養した
   分化細胞を生み出す能力のある細胞「組織幹細胞」
をマウス腸管内へ移植し、ヒトの正常大腸上皮をマウスの腸内で再現した。
 
 全遺伝情報(ゲノム)を書き換えるゲノム編集技術によるもの。
 10カ月以上観察でき潰瘍性大腸炎などの腸疾患や大腸がんの治療法開発へ応用が期待される。

 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性の炎症が起こる疾患で、日本には16万人以上の患者がいる。
 さらに大腸がんによる死亡者も増加傾向にある。

 研究グループwは、ゲノム編集技術により、幹細胞「オルガノイド」に緑色蛍光たんぱく質(GFP)を組み込み、遺伝子改変した腸管上皮オルガノイドを作製した。

 緑色に発光するオルガノイドをマウスの腸管内に移植した。
 マウス内視鏡システムで生着するのを確認した結果、マウス腸内で10カ月以上オルガノイドを観察できた。

 移植したヒトのオルガノイドは、マウスの腸管内でもマウスより大きな上皮構造を構築した。
 なお、産生する粘液のタイプも異なっているなど、ヒトの生体内の現象を再現していた。

 さらに、幹細胞だけが発現する遺伝子「LGR5」に注目した。
 同様に蛍光たんぱくでLGR5を標識化して観察したところ、たった1個のLGR5発現正常幹細胞が子孫細胞を増やしながら、大腸上皮構造を半年以上かけて再構築する様子を観察することができたという。
 
 
   

manekinecco at 19:24サイエンス  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

January 08, 2018

 
 慶応大の奥野博庸(ひろのぶ)助教らの研究チームは生まれつき目や耳などに障害がある難病が起こるしくみの一部を解明し、専門誌で報告した。
 
 「チャージ症候群」の患者らから皮膚の細胞を提供してもらった
   iPS細胞
を使って胎児の時にどのように病気になるかを調べた。
  
 目や耳といった感覚器などのもとになる「神経堤(てい)細胞」という細胞に、これをニワトリの胚(はい)に移植して様子を観察して病気のなり立ちを調べた。
 
 患者の症状を改善するための手がかりになる可能性があり、治療薬の開発につなげたいという。

 チャージ症候群の患者は視力や聴力の障害のほか、心臓や神経など様々な臓器や組織で特定の遺伝子がうまく働かないことが原因とされる問題が起きる。

 なお、生まれた時にはすでに障害が生じており、どのようにして病気になるのかよくわかっていなかった。

   

manekinecco at 21:47新発見  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

January 07, 2018

 
 中部大などのグループは国の特別天然記念物で絶滅の危機にある野生の
   ニホンライチョウ
の腸内に、餌の高山植物の毒素を分解する特有の細菌が存在することを見つけ、8日の環境省の検討会で報告した。
 
 環境省などは2015年からライチョウの人工飼育に取り組んでいる。 
 ただ、人工飼育のライチョウは腸内細菌の種類が異なり、野生に戻す際の支障になる可能性があることが明らかになった。

 人工飼育のライチョウは、野生種が食べるタデなどの高山植物を与えると下痢を起こす。
 
 グループは生息地の南アルプス・北岳などで採取した野生ライチョウのフンと人工飼育のライチョウのフンに含まれる細菌を比較した。
 
 人工飼育の場合はヒトなど哺乳類の腸内に近い細菌が多かったが、野生種からは新種を含む固有の細菌群が見つかった。

 中には高山植物に含まれる毒素のタンニンやシュウ酸などを分解できる細菌もあった。
 高山植物を食べて生き延びるために必要な細菌の可能性があると見られる。
 
 野生のライチョウは母鳥のフンをひなが食べる。
 こうしたことから、ふ化直後に母鳥の腸内細菌を受け継ぐと考えられる。

 毒素を含むユーカリの葉を食べられるよう、母親のフンから腸内細菌を受け継ぐコアラの生態に似ている。
 

   

manekinecco at 04:41サイエンス  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

January 06, 2018

 
 中東のヨルダン川西岸、現代のエルサレムから北東へ約20キロ離れた場所にある
   テル・エッ・スルタン遺跡
は、古代エリコの町があった場所として知られる。
 
 旧約聖書に登場するエリコは、外敵の攻撃を受けて城壁が崩れ去るはるか以前から、豊かな地域で交易の盛んな都市だった。

 この遺跡でイタリアとパレスチナの共同チームは1997年から発掘調査を行っている。
 今回、チームは5000年前の住居跡から驚くべき発見をした。
 
 ナイル川でなければとれない真珠貝の殻が、5枚重なった状態で出土し、そのうち2枚の貝殻に残されていた黒い粉末を分析した結果、酸化マンガンであることがわかった。
 
 これはコールと呼ばれる化粧品の主成分で、古代の人々はアイライナーとして使っていた。

 この粉末がシナイ半島から運ばれと推測される。
 そこでは、かつて古代エジプト人が採掘していたマンガン鉱山の遺跡が見つかっている。
 
   

manekinecco at 06:40よもやまばなし  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

January 05, 2018

 
 電気通信大学の孫光鎬助教らは、首都大学東京と共同開発した
   感染症のスクリーニング(選別)システム
を使って、デング熱など感染症の患者を90%以上の精度で判別することに成功した。
 
 デング熱は蚊が媒介する感染症で熱帯・亜熱帯地方に多くみられる。
 医療水準が必ずしも高くないこうした地域の
   医療環境の向上
につながると期待される成果。

 開発システムは、マイクロ波レーダーで心拍や呼吸、体温といった生体情報を非接触で計測し、得られたデータを統合的に解析して、判別するもの。
 
 1人当たり約15秒で計測が可能という。
 
 孫助教らは、ベトナムでデング熱が大流行した2017年8月、ベトナム国立熱帯病病院において、1週間で約400例のデング熱患者をスクリーニングした。

 これらの患者のデータと、日本国内で収集した健康者のデータを使って、デング熱などの感染症の罹(り)かん患者を検出する数式を導いた。
 
 この式を使うと、レーダーで生体情報を計測後、数秒で感染症に罹患しているかどうかをその場で高精度に判別できる。

  
    

manekinecco at 19:27サイエンス  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
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