June 29, 2015

大腸菌を注射したらがんが消滅

 
 大腸菌ががん細胞を消滅させる現象は以前から知られていた。
 
 ただ、そのメカニズムは不明だったがドイツのヘルムホルツ感染研究所(HZI)の研究グループの解析で、大腸菌が体内に入ると体の免疫の仕組みが活性化され、それによりがんが消滅していると分かった。
 

 ネズミでの実験の段階だが、画期的ながんの免疫療法となる可能性がある。
 

 腸の中に住む大腸菌は、酸素があってもなくても生きられる「通性嫌気性菌(つうせいけんきせいきん)」に属する。

 がんの組織では、がん細胞が激しく増殖しているため
   酸素不足の状態
になっている。

 そんながんの組織に大腸菌を植え付けてやると、大腸菌はコロニーという塊となって増える。
 その結果的に、がんの成長を遅らせたり、がんを消滅させたりもする。
 
 
 研究グループでは、ネズミの実験で実験用の大腸がん細胞(CT26細胞)を注射して、背中にがんの塊を作らせ、直径が5mmになったところで、実験用の大腸菌(TOP10)を静脈注射した。

 すると、ネズミの背中のがんは消滅した。

 がんが消滅したネズミにもう一度同じがん細胞を注射したところ、がんができてこなかった。


 これにより、がんの消滅には、体の免疫反応が関係していると予想された。


 ワクチンと同じ原理で、体内の免疫の仕組みによって、ひとたび「異物」と判断され、記憶されたがん細胞は、2回目に体内にやってきたところ、速やかに排除されたという。

 
 免疫細胞を薬で殺したネズミにがん細胞を注射し、がんができたところで大腸菌を注射したところ、がんは消滅しなかった。


 解析を進めたところ、がんの消滅にはT細胞と呼ばれるリンパ球が重要であると分かった。


 T細胞にはいろいろ種類があるが、主なものはキラーT細胞(CD8+T細胞)とヘルパーT細胞(CD4+T細胞)の2種類という。


 免疫細胞の表面に出ているタンパク質には番号が振ってあり、「CD」と番号で表現される。


 最初のがんを大腸菌で消滅させるときに主に働くのはキラーT細胞だった。


 そしてキラーT細胞、ヘルパーT細胞ともにがん細胞を記憶し、2回目以降にその両者が協力して、速やかにがん細胞を殺していたという。


 このメカニズムの確認のために、「養子移入」という実験を行った。


 がん細胞を消滅させた経験のあるネズミから、キラーT細胞とヘルパーT細胞を回収し、がんを知らないネズミの血液に移植した。
 
 このネズミにがん細胞を注射すると、がんはできなかった。
 

 さらに、がんを覚えこんだキラーT細胞は、既にがんが大きくなったネズミでも、移植したところがんを消滅させた。 
 

 がんを覚えこんだヘルパーT細胞を詳しく解析したところ、抗がん作用に関連深い「グランザイムB」「ファスリガンド(FasL)」「腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)」「インターフェロンガンマ(IFN-γ)」を作っていると分かったという。
 
 

   

manekinecco at 08:25トラックバック(0)サイエンス   このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

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