戦争を語るブログ

平和を愛し、いさかい好む

2017年07月

映画『ダンケルク』の戦果


やれアイマックスだ、ノーラン旋風だ、と前評判で賑わったけど、蓋を開けてみれば結局、北米で公開されるイギリス映画の一本として落ち着きそうな『ダンケルク』。

カナダ・アメリカでの週末興行成績5000万ドル。
(『ワンダーウーマン』のまさに半分)
米国興行サイトの見積もり「週末三日で6000万ドル」には若干およばない結果となった。そのサイトでは北アメリカでの最終収益を「2億4000万ドル」としていたが、現状、二億ドルの線も危ぶまれる。

とはいえ大ヒットには間違いない。
専門家の予想より二、三割低い集客になったとしても、なかなかのものだ。






しかし気になるのは、このサイトのページ。
http://www.boxofficemojo.com/movies/?page=main&id=chrisnolan2017.htm
製作費を1億5000万ドルと記してあったのがいつの間にか、1億ドルに変更されている。
理由はわからない。興行成績が思ったほどいかなくて「赤字だ」と噂が立ち、『ヴァレリアン』の製作会社のように株価を落とすのを案じての措置だろうか?

いや、むろん『ダンケルク』が赤字だなどとは誰も思わない。なんといっても『猿の惑星: 聖戦記』に等しい世界的ヒットを実現させている(映画が公表された額よりずっと安く出来るのは業界人はみんな知ってるし)。
おそらく映画作りに疎い証券市場の過敏な反応を警戒してのことに違いあるめぇ。

かたや『猿の惑星: 聖戦記』。
http://www.boxofficemojo.com/movies/?page=main&id=planetoftheapes16.htm
『ダンケルク』と同じペースの稼ぎ高なのに、「製作費1億5000万ドル」のままにしてあるフォックス映画は太っ腹だ。
商品としての『ダンケルク』は、この『猿の惑星: 聖戦記』ともに、1億4000万〜1億7000万ドルくらいの最終益(北米のみ)で収束するだろう。

さて。
『ダンケルク』が、マーペルヒーロー映画のような飛びぬけたヒットにならなかった理由。

英国で初日に観た人のツイートだが、この映画に女性客が集まらないヤバさがすでに暗示されている。
これは由々しい。
女性に敬遠される内容だと(そう思われるだけでも)、家族映画やデート映画の客層が成立しなくなるからだ。『ワンダーウーマン』に大きく水をあけられる結果となるのは早々と見通せることだった。

戦争映画には「男だけのイヴェント」というイメージが根強い。実際、男の集団同士で殺しあうわけで、女性はどうしても作中世界から疎外された気持ちを味わう。
そこがたぶん、いけない。
女性が出てきても、兵士たちに守られるか銃後で男たちを励ます脇役として。まるで男の力で歴史が作られてるかのようだ。

『ダンケルク』に「なんだか時代遅れ」なところがあるとしたら、けっして第二次大戦を扱ったからではない、そういう男の世界の物語として成立させてしまったことだろう。
(『ワンダーウーマン』なんか第一次大戦が背景だぞ)

いまや戦争映画とは、古風な女性からは自分は女だからと引かれ、進歩的な女性からは男ばかり活躍すると忌まれ、彼女らと関わる男や子供も集客できないという非常にリスクの高い売り物なのである。
それにクリストファー・ノーランは挑み、一定の戦果を挙げてみせた。
批判など誰にも出来はしない。




関連リンク

『ダンケルク』は果たして、北米で大受けするか?
(当ブログ)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/52064883.html






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日本はアベノミクスから立ち直れるか?


第二次安倍政権が終わろうとしている。
破壊された五年間。
いちばん悪かったのは誰か?
すべては自民党の復権を国民が受け入れた結果だと認めなければなるまい。
一度は追っ払った盗賊の群れに再び村をまかせればどうなるかわかりきったことなのに。

復興には何十年かかるだろう?
そもそも再建に手が付けられるのか。
安倍一賊が退陣しても、小池新党や維新、なにより日本会議が残ったままなのだ。
この国の荒廃はまだまだ続く。






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リュック・ベッソンの『ヴァレリアン』は北米でやはりコケるか?


来週、クリス・ノーランの『ダンケルク』と同日公開を予定するリュック・ベッソン監督の宇宙冒険活劇『ヴァレリアン』。
言っちゃなんだけど、アレだ。
北米市場じゃ受けねえだろうな。





ベッソン映画の味付けって、あまりアメリカ人好みじゃないっつうか、やり過ぎてしまうこと多くて。
日本で人気沸騰だった『レオン』もアメリカではさほど評判をとらなかった。
(あれだけアメリカの警察がフランスの流れ者からコテンパンにされたんじゃ無理もない)

ベッソン作品のうちアメリカで億ドル台のヒットとなったのは、ブルース・ウィリス主演の『フィフス・エレメント』と近年の『ルーシー』だけ。
アメリカ人受けするものがまったく作れないわけじゃないのだが、今回の『ヴァレリアン』について言えば、ベッソン趣味をまったく抑えてない感じでとにかく危なっかしい。

原作は60年代から大人気のフランスのコミック。
最大の変更点であり逆にネックとなるのは、ハンソロのモデルにされたほど無頼漢な印象の主人公を繊細なまでの美青年キャラに変えたところだろう(腕っ節の強さと性格まで変えてないと思うが)。
たとえれば、ガラっぽいフットポール選手から貴公子然としたテニスの選手へと、まるで180度の大転換。
なにをしてベッソンにそこまで確たる潤色をさせたか、気になるところだ。





しかし、この主人公からしてアメリカの観客のタイプなのか疑わしい。
「いや、そんなことはない」と『タイタニック』のジャック・ドーソンを引き合いに出す人もいるだろうが、あのキャラクターは明快率直、他者にも思いやりを発揮する、感情移入しやすい存在として描かれた。
こっちは……万人受けするか、不確定要素多数。

さて。興行収入だが。
カナダ・アメリカ数千万ドル台の成績で落ち着くと思われ。
最悪、『キング・アーサー』と同じ程度か、良くてその倍、トムクルーズの『ザ・マミー』と同水準の稼動力ってことだ。
まあ世界総収益にテレビ放映権やネット配信、円盤の売り上げも加えるなら、赤字にはなるまい。






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無題


日本の歴史修正派の主張はいつも、堤防が決壊しておきた洪水に流される小舟に乗った者が「流れに負けるな!」とわめき続けるのとおなじだ。
堤防を決壊させた張本人が大日本帝国なのに。






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