右も左も待望してた、石原慎太郎製作の特攻隊映画が一丁あがりです!

つくったひと

製作総指揮・脚本
石原慎太郎
監督
新城卓
ほか

でてるひと

岸恵子
徳重聡
窪塚洋介
筒井道隆
ほか

公式サイト

http://www.chiran1945.jp/

東映映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』



特攻隊を描いた映画やTVドラマ、漫画等はこれまでにも数知れずありました。
『雲ながるる果てに(1953)』『あヽ同期の桜(1967)』『あゝ決戦航空隊(1974)』『英霊達の応援歌(1979)』『連合艦隊(1981)』『ウインズ・オブ・ゴッド(1995)』『君を忘れない(1995)』『人間の翼(1996)』……。

「自虐史観」とやらを目の仇にする連中の言い分と異なり、独立後の日本で「カミカゼ」がタブー視されたことなどないので、石原慎太郎が何かスゴイこと成し遂げたとか誤解なさらぬように。


な い よ う
 太平洋戦争の末期、特別攻撃隊の編成により、本来なら未来を担うべき若者達の尊い命が多数失われていった。
 そんな中、特攻基地を持つ鹿児島県川辺郡知覧の町に、彼らが母のように慕う女性の姿があった。
 本作は”特攻の母”として知られる鳥濱トメさんの視点から、若き特攻隊員たちの青春や真実のエピソードを連ねて描いた戦争群像劇である。


ちなみにトメさんを演じる岸恵子は、若い頃、来日したデビッド・リーン監督から熱を上げられ、話題まいた人。
恋の行方がどうなったかは知りません。でもしばらくのち、リーンがロケ地セイロンから彼女に送った手紙の文面が、「きみが恋人を伴ってぼくの所を訪ねてくれたら、とても嬉しい」という内容(!)
さすが色恋の達人、口説くのばかりか別れの切り出し方までみごとだと感服したものです。
あ。脇道に逸れちゃった。 


お は な し
 本土侵攻の足がかりとして、米軍はついに沖縄に上陸。
沖縄を死守するべく、鹿児島の知覧飛行場は陸軍の特攻基地となり、そこから439名もの若者たちが飛び立っていくことになった。
 軍指定の富屋食堂を構え、若き飛行兵たちから実母のように慕われていた鳥濱トメ(岸恵子)は、二度と帰らない彼らを引き止めることもできず、複雑な想いを胸に秘め、母親代わりとして慈愛の心で見守り続けていく。


な〜んだ、つまんない!
盛大にらっぱを吹き鳴らした軍国主義大讃美の大馬鹿問題作で、お笑いかましてくれるかと期待してたのに。
毒にも薬にもならない、ただ「特攻隊、かわいそう。でも、エラいね」って泣かせるのが目的だったのか?
どうやら、たんなる凡作を一本つくりあげただけのようなのです。

脚本も手がけた石原慎太郎は、イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』について、「予想より占領に手間取ることになった米軍側の焦燥感が描かれず、島のどこで戦っているのか説明不足」とか毒づいたといいます。

では、石原の『死ににいく』のほうはどうなのか?
こちらのほうこそ、真の戦史を知るうえで必要なことが何も描かれていないのではないでしょうか。

トメさんが見た特攻兵の悲哀ばかりが「実話ダネ」として拡大され、「あの時局で大日本帝国の軍と政府が、戦争の現状を自覚し、ただちに(いや、もっと前に)継戦を放棄したならば知覧にいた若者達は死なずに済んだ」という、より大きな事実のほうは、まるで描かれない、というより意図的に省かれているに違いありません。

もしも観客に、祖国がすみやかに降伏したなら登場人物らは祖国のため命を捨てずに済んだのだとわかれば、脚本家が狙ったような感動は成立しなくなってしまうからです。



関連リンク

「俺は、君のためにこそ死ににいく」?(デザイン夜話)
http://sivaprod.exblog.jp/6693551/

あえて言う。特攻は自爆テロとどこが違う?(中村謙太郎の「フィィィル!」)
http://blog.livedoor.jp/m-11_34234/archives/50295063.html

自爆テロと特攻・真珠湾攻撃(アジア太平洋戦争インデックス)
http://www.geocities.jp/torikai007/war/terror.html

愛のカタチ(キリスト者として今を生きる)
http://blogs.yahoo.co.jp/starstory60/31256614.html

石原の戦争映画〜あの戦争は、やっぱり感動的だった(半哲学的談笑)
http://blogs.yahoo.co.jp/jinne_lou/47919270.html

カミカゼ=タナトロジー(当ブログ)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/50049623.html

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