安倍首相の訪朝、アメリカが自制を要求
「日米韓の連携が乱れかねない」
http://www.huffingtonpost.jp/2014/07/15/abe-north-korea_n_5589776.html


勝手に喧嘩してもいけない。
勝手に仲良くしてもいけない。  
相手が北朝鮮であることは問題じゃない、アメリカと相談なく日本政府が独自に動くことが戒められている。

結局、日米安保でのアメリカの立ち位置は保険会社とおなじなのだろう。
今の保険会社は昔とは違う。
顧客がこうむった被害への補償よりも、顧客が被害をこうむるのを未然に防ぐことでずっとアクティブだ。顧客に被害がなければ補償を払わずに済むからである。
加入する企業に対してもリスクを犯すなとやかましく、経営方針にまで口出しする。それで忠告に従わなかった企業が損失を招いた場合、補償金は支払われない。ハリウッドでは、保険会社の了承が得られなければ映画も作れなくなっているほどだ。

保険。そう、保険。
イザヤ・ベンダサンに啓蒙された日本人にとって、軍備とは有事に備えた保険である。日米安保で強いられる出費もいざという時に米軍という保険会社から援助を得るための掛け金という認識だ。
アメリカにとっては違う。
日米同盟とはずっと積極的な動機、日本と周辺国との不手際な折衝のせいで起こされた紛争に米軍が巻き込まれてはたまらない、そんな羽目にならぬよう平素から日本政府をコントロールしておく仕組みにほかならない。

米国は実際、軍事介入という事態を招かぬよう日本に対してさまざまな忠告をする。
抑止力として、かつ危急の際には米軍を効果的に補佐できるよう軍備を充実させ、法も整備しろ。ただし近隣国を怒らせるな、自分から地域の安定は揺るがすな、と。
(けっこうやかましい注文ではないか。安倍政権の身になったら大変だ)
こういう次第なので、アメリカには正面から中国と事をかまえる気はないだろう。
仮に日中で紛争が起きても、米国がまずやるのは自衛隊への来援ではなく、軍事力を後ろ盾にした両国間の調停である。

日本が米軍の加勢を得て中国軍を撃破する場面を妄想しているバカウヨ諸氏にはがっかりしてほしい。
アメリカはよほどのことがないかぎり、アジアでは戦わず済ませたい。日米同盟はそのために、日本を守るというより日本と組んでアジアを安定させるためにあると言ってよい。

ようするに、「保険」の概念がまったく違ってきている。
日米安全保障条約は、戦争が起きた時の備えではなく、戦争を起こさないようにするサーヴィスへと内容が進化しているのだ。

身も蓋もない解き方だろうか?
しかしアメリカ合衆国という保険会社と組んで動くのが、日本株式会社にはもっとも無難だ。よくアメリカから自立して独自路線を歩むべきと言う人がいるし道理の上でもそうだろうけど、今の世界、日本が置かれた状況で独自路線を歩むなどとは亡国的なくらい困難至極である。

とりわけ安倍政権でそれをやられたら困る。
だがやりたいと思っているのが安倍政権だ。
むろん、やりたいと思うこととできることとは同一ではない。しかも強い後ろ盾がないと中国を相手に大きな態度に出られないので、安倍政権としては靖国参拝にどう難癖つけられようとアメリカと組まざるを得ない。
ある意味、分際をわきまえているのが取り柄だ。

もちろんアメリカは許容できる範囲でしか日本に勝手な真似をさせないわけで、結果として日米同盟は日本の暴走を阻止、アジアに安定をもたらす最大の抑止力になっている。
日本がインドと組んだりフィリピンと組んだりイスラエルと組んだりするのも、アメリカの認可があってはじめて可能となることだ。そうやって安倍政権が独自の意思で「対中大同盟」を構築したような振りだけみせるのは大目に見られる。

ところが北朝鮮とまで国交しようとすれば、途端に横槍を入れてくる。「日米韓の連携」が乱れるのは具合が悪いという理由で。
何事も「保険会社の一存」なのである。







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