七月に公開が予定される(日本は九月)クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』は果たして、北米でヒットするか?
考えはじめるとキリがなくなる。
いろいろ検討したかぎり、アメリカ人に受けそうもない内容に思えて仕方ないのだ。

この映画の宣伝、一にノーラン、二にノーランという感じで、やたらクリストファー・ノーラン作品なのを強調したものばかり。逆から言えば、あのヒットメーカーで鬼才の監督作という以外では映画好きにアピールする要素がないのかもしれない。

実際のところ、ドイツ軍に包囲された英軍将兵がフランスから脱出する戦争ものに、どこまでアメリカの男女が惹かれるか?
アイマックスで見世物に仕立てたとはいえ、『バットマン』なみに興行力を発揮できるだろうか。

キャストにしても、知名度ある俳優さんはトム・ハーディー、キリアン・マーフィー、ケネス・ブラナー程度だから、興行的に完璧の布陣とは言いかねるのだ。戦争映画といえば嫌がる人が多くて、やむなくオールスターの魅力で集客するのが相場なのに。

ヘタすりゃ、最近封切られたガイ・リッチーの『キング・アーサー』みたいに大赤字を背負いこむ結果になりかねん。
あぶない、あぶない。
ノーランも大変な大博打に打って出たものだ。





アメリカの映画観客はある意味、世界でもっとも好き嫌いの激しい人々である。
とにかく、アメリカ人好みの味わいでなければ受け付けないのだ。『ダンケルク』のように、アメリカ人がまるっきり関わらない筋立てのものに感情移入するだろうか?
いや、そうは言っても。『英国王のスピーチ』は一億ドル超えの収益を挙げた。ボンド映画も英国諜報員が主役なのに、『ハリポタ』や『トランスフォーマー』と並ぶ稼ぎ頭だし。
微妙ではある。

あ。ぼくが言ってるのは、「『ダンケルク』は北アメリカで大受けするか?」ということで、それ以外の地域についてはあまり気にかけてないから。話題になってる規模では集客するだろう。
そりゃ『ワイルドスピード』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のような10億ドル超の爆裂ぶりは期待できまいが(後記。『ギャラクシー2』の10億ドル達成は無理であった。8億5000万ドルくらい)。世界全体で数億ドルはいく。
目算がなくて配給会社が予算をつけるものか。


追記
こちらのサイトによれば、公開最初の週末で6000万ドル、最終的には2億4000万ドルの収益を挙げる(むろん北米だけで)と見積もられている。『スペクター』と『スカイフォール』の中間ぐらいの額である。

近年の北米での戦争映画の興行成績。『フューリー』8500万ドル、『ハクソーリッジ』6700万ドルといった数字と突き合わせると、『ダンケルク』が2億4000万ドルって厳しいんじゃないかと思ってしまうのだが、大ヒットを連発するクリストファー・ノーラン監督作、しかもアイマックスでの上映だから心配は無用らしい。
どうかな。
自分はもっとシビア、2億4000万ドルの三分の二くらいで落着すると見積もるが。






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