ロングセラーを誇る人気劇画の実写映画化。
「期待しかない」などとはけっして言えない。
それどころか。『敦煌』と『進撃の巨人』を合わせたような凡庸きわまりないものにされた可能性、無きにしも在らず。




無理もないというか当然というか。
出演者がどれも日本俳優にありがちなつくり過ぎの演技。舞台劇のような、生理的に自然に見える感情表現じゃないわけで、そういう国際水準に達しないところがまずダメに思わせる。
(本気で世界に売りたいなら、こんな芝居はさせるな!)

なぜ日本人キャストだけにした? 中国でロケをやりながら、中国のスター俳優を出さなかったのはどうして? 韓国や台湾からも興行力のある俳優を連れてくるべきだったのでは?
これだけの大企画。欧米の映画人なら迷わず、そうした配役にするだろう。

どうせ作るのなら、『レッドクリフ』のように中国でヒットしてさらに日本でも受けるものにしたほうがお得ではと思う。だいたい中国のほうが市場規模がデカイのだ。
自分なら、まず中国市場を主戦場に決めるだろう。ボンド映画がまずアメリカ市場を念頭に置くのとおなじことだ。

まあ言っても始まらない。東宝にとっての主戦場は日本市場だ。
製作にソニーが関与、海外配給を傘下のコロムビアが引き受けた以上、世界への販路はこれで確保されたと思ったのだろう。
しかしこの『キングダム』、作品の魅力からいえば、欧米市場ではたいして相手にされまい。

日本でもコケるとは言わない。
邦画特有の演技表現が気にならない日本の観客の前には問題なかろうし。
実際、東宝は宣伝に力を入れており、『進撃の巨人』前編でさえ五十億の収益をもくろんでその三分の二を達成したのだから、『キングダム』なら狙った数字通りにいくだろう。




関連リンク

「ファンタジー? 『海難1890』」
(当ブログ)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/52064929.html





にほんブログ村 歴史ブログ 近代・現代史(日本史)へ この記事を気に入ってくれた人、よろしくね