戦争を語るブログ

平和を愛し、いさかい好む

安倍政権

ついに戻らなかった北方領土


いや、領土が自分から戻ってくるわけない。
犬じゃあるまいし、帰巣本能もなし。
プーチンがとうとう返さなかったということで。
かくして「犬の年」は暮れ、来年からは猪突の様相を見せるのか。



ロシア軍、北方領土に防衛線

ロシア軍が2020年までに千島列島や北方領土に地対艦ミサイルを増強し、全域を覆って防衛線をつくる構想があることが30日分かった。共同通信がロシア当局の内部文書を入手した。米国に対抗する核戦力の拠点となっているオホーツク海を守る上で、北方領土を戦略上、重視していることを裏付ける内容。実行に移されれば、日本との平和条約交渉への影響は必至だ。
(共同通信)

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6308539







関連リンク

北の島を返さないプーチン
(当ブログ)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/52066143.html


スウェーデン徴兵制復活
(当ブログ)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/52059099.html






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日本はアベノミクスから立ち直れるか?


第二次安倍政権が終わろうとしている。
破壊された五年間。
いちばん悪かったのは誰か?
すべては自民党の復権を国民が受け入れた結果だと認めなければなるまい。
一度は追っ払った盗賊の群れに再び村をまかせればどうなるかわかりきったことなのに。

復興には何十年かかるだろう?
そもそも再建に手が付けられるのか。
安倍一賊が退陣しても、小池新党や維新、なにより日本会議が残ったままなのだ。
この国の荒廃はまだまだ続く。






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幼稚園


幼稚園が安倍内閣を揺さぶっている。
これまでも事あるごとに、大学教授や法学者が総理の主張に異を唱えてはきた。
しかしながら専門家の立場からどう言っても馬の耳に念仏でしかなかった安倍晋三を動転させたのは皮肉にも、幼稚園の理事長の言葉だった。

(続く。現在進行形なので、これ以上のことは書けないね)

それにしても。
前年流行った呪いの言葉「保育園おちた、日本死ね」が、こんなかたちとなって日本しか愛さない自民党を追い込むとはねえ。






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「首相夫人は私人」


森友学園騒動。
みんな、「首相夫人は私人」とする政府答弁の閣議決定をさも大げさなことのように騒ぐけど。
ここで ヒトより頭がいいトリ先生にご登場ねがいましょう。






そう、仕来たりだから。閣議決定を経なければ政府による答弁として提出できないわけです。
ほんと、どんなくだらない回答の場合でもそうなんです、それが政府答弁書。
(今回の件でお分かりいただけましたよね)







関連リンク

本当の「侵略の定義」の話をしよう/フォーゲル教授の戦争講座
(NAVERまとめ)
https://matome.naver.jp/odai/2142703700057639201





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少女像と日本軍の虚像


「少女像」でまたもめている。
釜山市が日本領事館の前からいったん撤去させた像の再設置を認めたからだ。
仏ルモンド紙はこれについて、稲田防衛相の靖国参拝が韓国側の反発を招いたせいと因果関係を指摘(欧米では、だいたい同じ見方らしい)。
しかし安倍普三(あべ・ふみ)は、相手方に問題があるかのよう言い立て、駐韓大使の召還という挙に出た。
成立して一年そこそこで、「合意」はどうやら破棄されそうな成りゆきである。

さて。
真性のネット右翼はもう手が付けられないので、ほっとくが。
それでも、ネトウヨ思潮に影響された人々の思うことはわかっている。
「御国のため命を捧げた日本の兵隊さんは金めあての売春婦なんかよりずっと気高い存在なのに、海外の声ときたら「いわゆる従軍慰安婦」の身ばかり気遣い、皇軍のほうは性犯罪者のように見て、まったくリスペクトがないのはどうしてだ?」

なるほど。なぜ海外の論調は、いつまでも安倍政権やネトウヨ諸氏の思う通りにならず、慰安婦たちに味方し日本側を悪く言うのか?

そりゃ、あなた。娼婦は身を売って金を得るだけの無害な存在だけど、日本軍のほうは力付くでアジアを奪おうとした有害きわまる武装集団だったからですよ。
まして、「いわゆる従軍慰安婦」は無理やり娼婦にされた日本軍国主義の犠牲者なんだから同情されないわけないでしょ。


いや、身も蓋もない答え方になった。
でも、本当のことだ。
ぶっちゃけ、日本兵を売春婦よりも上位に格付けするのは世界中で日本の国家主義者しかいない。「日本軍像」というものに、海外の人と国内の右翼さんとで根本的なずれがある。

結局のところ外国人はこの問題を、「日本軍が慰安婦に何をしたか」よりも「日本軍が世界に何をした」という歴史上の予備知識をもってまず受け止める。当然、右側の連中が躍起となって国内でのみ存在の余地をあらしめた「美しい日本軍」の虚像など通りはしない。
世界の目に日本の軍隊は、暴虐な侵略者であり、時の政府の命令にしたがい支配と略奪を遂行した集団、精いっぱい好意的に見ても無理やり動員された軍国主義体制の犠牲者であるにすぎないのだから。

実際、今の日本人もイスラム国やナチの軍隊をそういった目で見る。なぜ日本軍に対してだけは海外と評価を同じにできない、つまり客観的に見られないかといえば理由はただ一点、大日本帝国の軍隊が僕らの父や祖父、さらに曽祖父によって成り立っていたからである。血縁者をかばうのは人として当然かもしれないが国外の人々にとってはどうでもいいことで、彼らはあくまで日本軍を実際の事績で評価する。

「慰安婦が性奴隷だったなんて嘘だ。自由意志で、高給取りで、一財産きずけたんだ」
こうしたネトウヨの常套句を外国人に向けたとしてどれだけ説得力をもつか?

「だから、どうなんだ。慰安婦の客だった日本軍のほうはそのとき、何やってた? 中国や南洋を占領してたんだろ」と言い返されるのがオチ。旧軍を正当化したいだけの意図がまったく見透かされてる。

しかも同じ時その外人さんのご先祖はネトウヨの思う「美しい日本軍」を占領地帯から追っ払うため、すなわちアジアを日本軍から解放する目的に命を賭けており、まかり間違えば日本兵に殺されるかもしれなかった(当然、その外人さんは生まれてない)。相手にとって日本軍とはそういう存在である。
何より肝心なのは、どの外人さんもそうやって戦った自分の父、祖父、曽祖父に対しては特別の思い入れをもっていることだ。我々が日本の軍隊に特別な思い入れがあるように。
しかし「日本スゴイ教」に洗脳されきった真性ネトウヨどもにはここがわからない。おそらく永久に。
(なにしろ相手の身になって考えるのが先天的に苦手な連中)

そのうえで日本軍の無罪ばかり言い張り、相手の頭に血を上らせる。

こういう状況なのに、例のくだらない呪文「強制連行ではないから問題ない」がいかに歯が立たない空言として跳ね返されることか。なんとなれば、幾万もの女性を慰安のため用立てた日本軍自体が他国の領分に強引に押し入り、人手や資源を奪いとる存在ではなかったか?
かかる歴史上の巨悪の中で、慰安婦が「強制なく連行された」からといってどうなのだろう? マイケル・グリーンが喝破したように、多くの慰安婦が悲惨な目にあった事実に変わりあるまい。

「慰安婦は高給優遇」とか、テキサス親父みたいに真赤な嘘いう奴は引っ込んでろ。
https://matome.naver.jp/odai/2138238867118488501?page=2

ところが。日本側の自己弁護によればまるで日本軍というものが、平和な時代、友好国の求めに応じその領土に合法的に駐屯した普通の状態の組織集団であるかのようだ。
あいにく、第二次大戦での日本軍はそう見られていない。このとき連合諸国はまさに、その軍隊を占領地域から排除すべく多大の犠牲を出しながら戦っていたのだ!
日本軍とはすなわち世界の敵だった。そして従軍慰安婦制度とは、占拠した土地に居すわる連中の愉楽に女性をあてがうための仕組みにほかならない。
繰り返すが、「強制連行でないから――」は状況に合わないまったくの戯言だ。
なんとなれば日本の軍政下におかれたすべての人が、物資であれ行為であれ、皇軍のあらゆる求めに応じるのをまさしく強制された状態だったのではないか?
(占領とはそういうものである)

ネット右翼にかかるとこれが、「日本は欧米の支配から東亜を解放するため戦った。アジアの人は今でも日本軍に感謝している」という例の暗唱聖句で詠みあげる状況になってしまう。慰安婦なるものは軍につきまとい荒稼ぎした娼婦の集団にすぎないというわけだ。
むろんかくも実情と異なる認識とあっては、インターネットの中でさえ彼らの集団エゴがまかり通る勢力圏(ぼくはこれを、ニコ動でのネトウヨどもの喝采のやり方をもじり、「88圏内」と呼んでる)から外では相手にされるはずもなかろう。

日本の開戦動機や開戦作法、占領の実態がいかに弁護できないものだったかについては、ここでさんざん語ったので割愛する。
https://matome.naver.jp/odai/2138632036451261401?&page=3

慰安婦問題ほど、日本の過去に対するネトウヨ流の思い込みや勘違い、すなわち世界に突きつけたい日本軍の虚像が現実と食いちがう痛ましさとなってあらわれたものはない。
そのシンボルが少女像だ。
だからこそ安倍政権とネトウヨどもは撤去しろとゴリ押しするし、まただからこそ我々は断じて撤去などさせてはならない。反対に、彼らが崇めるよう強制してくる「日本軍の虚像」こそを徹底的に破壊すべきなのである。
それは我々の父や祖父、曽祖父のほんとうの姿ではないのだ。







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カストロ死んだ


2016年11月25日。キューバの首都ハバナにおいて、齢90の老体だったフィデル・カストロが大往生を遂げた……わけだが。
たとえばダライ・ラマが死んだのとおなじに、「ああ、来たか」という程度に受け止められ、もはや世界への影響はあまり及ぼさない。
そういう類のニュースだろう。

しかし死ぬまでは何かと人騒がせだった人で、核ミサイルをめぐるキューバ危機では実際に世界を破滅の瀬戸際まで引きずり込んだし、そういう意味では口先ばかりのトランプ大統領の比ではなかった。
一説では、カストロへの暗殺計画は六百回以上試みられたという。
六百回以上である。
だとすれば六百何十何回目かの試みで、やっと成功したのかもしれない。そんな可能性も否定できない程度まで少なからぬ相手から危険視され、怨みを買う存在ではあった。
(実際、キューバ革命で多くが亡命した米国フロリダでは、キューバ系の人々がその死を祝ってお祭り騒ぎとのことで)

ともあれ、カストロはキューバを変えた。
多くを奪いはしたが、もたらしたものも多く、最後まで政権は安泰だった。
しかし、この人物の毀誉褒貶について語るのが本記事の目的ではない。

取り上げたいのは、カストロの訃報に対する安倍政権の反応である。






日本政府を代表して、キューバ共和国政府及び同国国民、並びに御遺族の皆様に対し、ご冥福をお祈りします。
とやってしまった。
まるで、キューバ政府とキューバ国民、親族一同までカストロとともにお陀仏してしまったみたいな言い方だ。
たちまちネットでの批判にさらされ、官邸のSNSから「ご冥福」のくだりは削除されたという。

いやはや。
あまりにも多くの場で多くの人からネタにされる、わが総理の語彙力の欠乏であるが。
しかし今回の件で安倍晋三の日本語能力を云々するのはたぶん間違いだ。カストロへの弔辞のつもりでうっかりと、世界中の左派勢力に対する反共主義者としての本音が出たものと思ったほうがいい。






関連リンク

【これは酷い】首相官邸の追悼文
「キューバ政府及び国民の皆様に対し、ご冥福をお祈りします」
(情報速報ドットコム)
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-14385.html


フィデル・カストロ
(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/フィデル・カストロ


あなたは本当のフィデル・カストロを知らない。カメラの前で見せた圧倒的な存在感(画像集)
(ハフィントンポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2016/11/28/fidel-castr_n_13285014.html





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金の同盟・鉄の同盟(アベノトランプ)


安倍総理。
あなたがアメリカへ行って結んできたのは、「金の同盟」ですか? 「鉄の同盟」ですか?
「はい。わたしが結んだのは……」



金の同盟





鉄の同盟





ちなみに。
「金の同盟」のほうは「かねのどうめい」と読みます。






関連リンク

「」
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慰安婦問題について百万回でも書かねばならないこと


在米韓国系のロビー活動により米公立高校で慰安婦授業開始へ
(SAPIO/ライブドアニュース)
http://news.livedoor.com/article/detail/11599030/


雑誌「SAPIO」の配信記事だが、書き手の歴史認識はネット右翼とまるで変わりがない。とにかく従軍慰安婦のことを広められては困る、具合が悪い、恥ずかしいとの思いがこうしたものを書かせた唯一の動機を成しているようだ。
アメリカの公立高で来年度から、授業で従軍慰安婦のことを教えられる可能性に触れ、これが在米韓国人団体のロビー活動によるもので(正確な根拠は示されない)、慰安婦問題をもう蒸し返さないと誓い合った日韓両国の「合意」に反するとか、よくわからない理屈で文句をたれている。

そもそも書いた者はロビー活動の意味を取り違えていないか? 普通は、政府から離れた市民団体の自発的な運動を、「ロビー活動」とは呼ばない。たとえ日系人も含めたアジア系米国市民らが慰安婦を思いやっての働きかけにせよ、受け容れたのはアメリカ合衆国の教育機関だ。実際にあったこと(アジアを占領する日本軍が慰安婦を利用し、多くの女性が不幸な目にあった)を教えるのに問題はないし、その件で韓国が文句をつけられるいわれもなく、だいたいネオナチと変わらぬ日本の国家主義者に地上の誰を責める資格があるだろうか。

悔しければ日本の右翼さんも、米国の授業で日本軍がアジア解放に果たした功績を教えるよう圧力をかければいいのだ。どういう結果が出ることか。
アメリカでは何を教えるか選ぶ権利は学校側にあるわけで、どんな与太話でも数を頼みに押しまくれば思い通りになるものではないこと、すなわち米国の学校で慰安婦のことが教えられるのは「韓国系団体」の働きだけによったのではないとわかるだろう。

「SAPIO」の記事がおかしいのは、書き手が「日韓合意」の内容をまるで手前勝手に解釈していること。
「合意」の主旨は、慰安婦被害の件で韓国政府がこれ以上日本政府を責め立て問題化しないのを約するもので、当たり前だが「慰安婦の徴募に強制性はなかった」とか「性行為を強要された女性がいなかった」と認めたわけではない。
むしろ逆であり、河野談話でも示されたような認識を日韓で共有しようとの前提に立っている。

また当然、「合意」の内容はこちら側をも拘束するわけで、以後「強制ではなかった」と日本軍の罪を大っぴらに否認したり元慰安婦らに対し嘘吐きと非難(いや、侮辱)するのが許されなくなったことを意味する。
有体に言えば、敵意むき出しなSAPIOの記事のほうが「合意」の精神に背くのだ。
安倍政権の大本営発表を丸呑みするネトウヨ魂の記者くんではわかろうはずもないか。





「合意」以来ひさびさに、慰安婦問題について書かねばならないとの思いを強くする。
もう何度も言ってきたし、この期に及んでこんなわかりきったこと繰り返したくないのだが。

あれだけ派手なロビー活動(市民運動ではない、政府が金を使った正真正銘のロビー活動)を繰り広げながら、慰安婦問題で安倍政権が完敗した理由とは? それは結局、旧日本軍がさまざまな状況でみせた振る舞いへの強い印象によるところが大きい。世界のだれもが日本兵を、「そういうことをしそうな顔をしている」との色眼鏡で見たからに他ならない。

偏見だろうか? なるほど、日本軍はフィリピンだけで百万人を殺した。しかしマクドゥーガル報告にあるような、「14万5千人の朝鮮人慰安婦が死んだ」となると、このブログ主でさえ受け容れがたい感があるとはいえ、明快に否定してしまえる根拠もない。あまりにも多くの記録を終戦時に日本自ら焼却しているからだ。
これがアダとなり逆に潔白も証明できなくなった。今日、日本軍が「濡れ衣」を着せられ、後代の日本人が疑惑を晴らそうと辻褄あわせに汲々とするのは、日本軍自身が子孫らに負わせた債務といえよう。

ともあれ従軍慰安婦制度について調査した国連報告者から、「あの日本軍ならやりかねない」ことだと疑念もなく思われた。かように、日本軍は非道行為の遂行能力において万能との認識が行き渡っている。これを解消できないかぎり日本軍を好意的に見てもらうのは不可能だ。

けれどもそうした認識を払拭すること自体が絶望的に困難なのだ。それはもう、ナチの軍隊を好意的に見てもらうのとおなじほど。評価に値するだけのことを、われわれの父祖はしたと思うしかない。

第二次大戦での日本軍への好ましからざる印象が世界的に浸透していること。安倍政権の支持層がその時の歴史をすこしも悔いるようには見えないこと。この二つが組み合わさり、従軍慰安婦問題で「日本側」をあそこまで面目ない状況に追い詰める土壌を形成した。
勝ち目のない足場を自らしつらえたのだ。

仮に、だ。「総統ムッソリーニは正義の闘士だった」と吹聴するイタリア人がいたら、米国人や西欧人はどう反応する? ネオファシストの間でしか通らない道理を得々と説かれても共感を示せるか? そういう問題だ。「皇軍はアジアを解放した」と言い張る日本人がいても同じに扱われよう。

日本軍は小林よしのりが漫画で描いた通りだと信じたい連中にはここがわからない、戦争犯罪などは頭から認めない。「日本人が外道な真似などするもんか」との思い込みは強烈である。
だが見回せば、そう言い張るのは地上で日本の右翼のみ、大東亜聖戦論の「世界歴史ひとり歩き」状態だ。
そこがまた、わからないときている。
彼らにとって、テキサス親父やケント・ギルバート、マイケル・ヨンといった数人の「お雇い外国人」だけが海外の声すべてなのだから。

慰安婦問題がああまで泥沼に踏み入ったのは、日本の右派勢力があるものを執拗に守ろうとして逆効果を招いたところが大きい。
つまり安倍政権も支持勢力もあきらかに、今の日本ではなく、滅び去った大日本帝国の名誉のため慰安婦徴募での軍の関与を否定することに精出ししたのだ。

帝国日本が1940年代前期、アジア太平洋水域の覇権を牛耳ろうと国の命運を賭して大々的な軍事遠征をおこなったことは、どの国でも公認の、世界中で安倍内閣の支持層だけが認めようとしない(彼らの頭では、「自衛」と「解放」が開戦動機)歴史的大事実である。
だから今更、その企てに動員された何百万もの将兵に国があてがった「女性配給制度」の不備について、「軍は関与していない」と言い張っても仕方ないし何の免罪にもならないはずだが(すべての日本兵が押し込み強盗なのに)、「性奴隷ではない、強制連行ではない」と唱えるのがよほど意味をもつことだったらしい。

しかしこれは、西側と協調する民主主義国家としては正気の沙汰とも思えぬ振る舞いだ。まるで彼らは、旧軍と心中したがるようにさえ見えた。たとえれば今のドイツ政府がナチ軍隊の非道行為の否定に躍起となるようなもの、国際的評価という意味で大変なリスクなのである。
そういう、本来はあり得ない状況、あってはならない状況にあったのが安倍政権下の美しい国だった。
果たして、相応の結果がもたらされた。

実際、強制連行の否定からリーマンショックにいたる安倍晋三の発言で、海外から受け容れられたものはほとんどない有様だ。2007年にブッシュ大統領の前でおこなった慰安婦への「謝罪」を唯一の例外とすれば。





ブッシュ大統領「安倍首相の謝罪を私は受け容れます」


2007年。第一次安倍内閣で「慰安婦の強制連行はなかった」と閣議決定したとたん、
米国議会では反発の声が高まり、抑えが利かなくなった。鎮火のため渡米した安倍晋三が、
ブッシュ大統領の前で謝罪の真似事をおこない、とりなしてもらったときの実況。




けれども帰国した安倍は、「あれは謝罪ではなかった」と言い訳し(では、何だったんだ?)、その唯一の例外さえもみずから台無しにしてしまう。
かくも国際社会での信用を潰すのに奔走した政権もめずらしい。

ようするに。安倍内閣の慰安婦問題への対処ほど、負けることが確実な相手めがけて突っ込んでいった事例もないわけだ。この件では、日本の歴史修正主義者の守ろうとしたものこそ何にもまして彼らに傷をあたえた。
それはすなわち、後代の者が誇りに思うことを許さない日本軍国主義の負の遺産であり、大東亜戦争の大義など通じるはずのない世界の中でなお旧軍の名誉にしがみつく勢力にとって、致命的な足枷となり続けたものだった。

「慰安婦戦争」で安倍政権や国家主義者が敵に回したものの正体は韓国などではない、彼らには絶対に倒せない相手、日本軍の亡霊なのである。
この亡霊は国を愛する者の味方のような振りをするが、過去の栄華にあやかろうと集まる手合いを、最後には地獄の底にまで引きずり込んでしまうのだ。







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安倍のおもてなし


重大な出来事が短時日のうち重なったため、なかなかまとめられずにいる。

伊勢志摩サミットとオバマの広島訪問。
どちらが大事と問われれば、七か国首脳が集い世界情勢に相応の影響をおよぼす伊勢志摩サミットのほうだが。
しかし今回のサミットで何があったといえば。正直のところ、安倍晋三が「リーマンショックの前兆」を吹聴して残余の首脳に呆れられ、あらためて国外にまで馬鹿と嘘つきを知らしめたこと以外では覚えがない。
(アベノミクスの破綻が地球的な視野で確認されたという意味で、安倍政権には重大な岐路かもしれないが)

民進党の調査チームによれば、安倍が各国首脳に配った「リーマンショック級の不況」を裏付ける資料、これを誰がどこで作ったか外務省や内閣府にもわからぬのだという。
引用したソースの上に胡坐をかき、どや顔するのは弁舌力に欠ける人物に共通する傾向だが、もっともらしい数字を並べれば、世界がああそうですかと鵜呑みにしてくれる……欧米主要国の元首をネトウヨ並みの知性と侮らなければこういう真似はできまい。
出所のまるで怪しい資料を突きつけ、おのれの名を冠した経済政策の失敗を世界経済のせいにしようとは。これが一国の指導者のやることだろうか。
当然、各国首脳から相手にされずじまい。ロイター、ル・モンド、BBC、ファイナンシャルタイムズ、ブルームバーグ…………海外メディアはどれも日本国総理の魂胆を見抜いた報道。

まこと、日本の恥と言う以外にない。
まともな国の国民なら、このような人物が元首を務める国にいたいとは夢にも思わない。「こんな国じゃイヤだ!」とばかり国中が大騒ぎ、ただちに首相の座から引きずり下ろすに違いない。まともな国の国民ならば。

安倍はサミット開幕に先立ち、各国首脳を伊勢神宮に招き、参拝の真似事をさせた。
伊勢神宮に靖国のような昭和軍国主義の面影はないが、ガーディアン紙が指摘したように、国家主義神道の総本山という意味では靖国神社より由々しい。そういう場所へ、六か国の首脳を連れていったのだ。
しかし自分としては。どうせなら、オバマやメルケルを伊勢神宮なんかじゃなく、靖国神社の遊就館にこそ招待してくれたらと切実に思う。
現政権を支える勢力の歴史観、現政権が国民に押し付けたい歴史観を、世界の目に突きつける結果となっただろうに、あいにく非難を浴びるとわかりきった本音は表明せずやり過ごすのがこの国の流儀である。

こうした誤魔かしを、今の日本では「おもてなし」と呼ぶ。







関連リンク

<伊勢志摩サミット>「リーマン級」に批判相次ぐ
(毎日新聞 - Yahoo!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160528-00000044-mai-bus_all


焦点:サミットで経済認識一致せず、危機強調の裏に増税延期模索の声
(ロイター日本語ニュース)
http://jp.reuters.com/article/ise-shima-summit-focus-idJPKCN0YI16Z


安倍晋三のウソ一覧 まとめ
(貴方の知らない日本)
http://s.webry.info/sp/50064686.at.webry.info/201411/article_15.html





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13%


国連報告者が日本の人権状況を批判するにあたり、「日本では中高生の13%が援助交際を経験――」と述べた件で、日本政府が噛みついた。


いや。
みなの言いたいことはわかっておる。
だが、待て。


自分が最初に感じたのは、「13%じゃ少ないだろ」という不満に近いものだ。
あとで、「中三女子に訊いた結果」だとわかって、納得したが。
女子高生にかぎるなら当然、数値はずっと高くなるだろう。女の子の中学時代と高校時代とでは男性遍歴で、自転車と大型バイクほどにも差が生じるのだから。

しかし、大多数の日本の男はこれをなぜか、日本への侮辱に等しいものと受け取ったようだ。
(国連勧告の主意ではなく、その中の13%の数字だけとらえ)
海外から自分の国が「ビッチ」だらけだと思われるのはよほど嫌なことらしい。十代女子の肉体的魅力を商品として扱う風潮を蔓延させることに平気なばかりか、むしろクールジャパンの国策を通じて世界に拡まるのを得意がるような神経だとしても。

ともかく。
日本政府の常識はずれな抗議に驚いた国連報告者は、「13%」発言を撤回する旨伝えてきたという。
菅官房長官は国内での会見でそう語り、ネット右翼らは政府が日本の敵をやり込めた勝利宣言のようなものと受け取った。

ぬか喜びしてもらいたくないので釘を刺すが。
国連報告者は「13%」の数字が誤解を招いたと通知しただけなのだ。
(菅義偉の口から出たことだから、実際の内容がどうだったかも疑わしい。ネット右翼を悦ばせることしか言わない男だ)
国連報告者は、少女をあらゆる性被害から守るよう求めた勧告自体を引っ込めたのではないし、まして日本が未成年者を立派に保護する国だと認めてもいない。しかもわが政府は、先進世界に属する国としてあるまじきことながら、その勧告には従う気がないと態度で示したのだ。

今ココである。
核心的な問題はまったく解決していないうえに、政府はそれをこじらせる真似をした。国連から高い評価、好意的な評価を得るような対応は何もせぬままに。

どうやら日本政府は、わが国は特例的に行儀良くて純情一途な男女ばかり暮らす国で、国連報告者が改善を求める状況などあり得ないと言いたいらしい。
「解決済み」とは慰安婦問題でよく聞かされる言葉だが、未成年者の性的虐待については解決すべき問題自体が「存在しない」というわけだ。

いやはや。
もしかして安倍政権は、慰安婦問題との絡みから、「援助交際は和姦だし金を払うから強制わいせつと違う」と言いたいのだろうか?
なるほど、たしかに。
「美しい国」を誇りたかったのが日本軍の性犯罪の件でさんざん悩まされ、このうえ平成日本まで少女を性虐待する国という評価を賜ってはやっていられるもんじゃなかろう。

あいにく西欧の価値観では、未成年との性交は合意の上でもレイプになってしまう(これは、日本の法律でもそうなのだ)。
しかし国連の立場からは、今の少女たちの身だけを気遣っての申し入れなのである。日本政府がすみやかに勧告に従えば、それで終わる問題だ。

国連報告者はわが政府に対し、日本社会で日常的に性被害にさらされる未成年者の人権状況を改善するよう求めたのであり、「13%」はその文脈において、日本での十代少女の性被害がいかに深刻かを語るため出された数字だった。
結果的に、勧告の主意には答えず「13%」の数字にだけ執着するという異常な反応を示したわが政府によって根拠の曖昧さを突かれ、揚げ足を取られることになりはしたが、立場上の正当性は変わらない。

この問題の肝は、「日本では中三女子でさえ13%が売春体験」という前提が、日本に人権状況の改善を促す国連報告者らに疑念もなく共有される、すなわち海外での最高のインテリ層からさえ日本はそういう国だとみなされた現状にある。
まさしくそうなのだ。
国連側はよもや、そんな「わかりきったこと」でむきになって突っかかってこられるとは思いもしなかっただろう。彼らから見た日本とは、未成年者を性的餌食にするあらゆる悪を放置し、なすがままにさせていた国なのだから。

現状、日本への芳しくない評価を覆すのは難しいと考えている。
実際、「クールジャパン」の柱をなす商品化された十代女子エロチシズムの氾濫を見るにつけ、思われて当然だとの感を強めてしまう。

もしも1960年代に、低級なマカロニ西部劇やヤコベッティの猟奇的な記録映画だけ見せられイタリアを評価することになれば、ほとんどの人はイタリア人とはあんなものを好む奴ばかりと答えるかもしれない。
今のクールジャパンのコンテンツは、日本という国、日本国民という集団をしかるべく評価させる危うさをもっている。

とはいえ実情に即した対応とは、海外に出す日本のアニメやゲームやピンナップをもっとお行儀のよいものに規制することではない。
国連が求めたのは、国内で誘惑的な性被害にさらされている実在する少女たちの人権を守ることだ。
しかるに現政権の対処の仕方を見るかぎり、13%なる数字を否定すれぱ日本の名誉(というより評判)は傷つかず、それで手当ては十分と勘違いしているようにしか思えない。






関連リンク

「日本の女子学生の13%が援助交際」発言は撤回でも…
JKビジネスとアイドル界の“児童売春”的現実
(litera)
http://lite-ra.com/2015/11/post-1672.html






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新しいお友だちですよ〜



ソウル北公園に、あの朝鮮人少女の慰安婦像と並んで展示。
中国人美術家の手になるものだそうです。

2007年に軍の関与を否定することでみずから口火を切った従軍慰安婦をめぐる「歴史戦」に連敗を続け、もはや完敗状態の安倍政権。
南京大虐殺の件でも同様ですが歴史認識に関するかぎり、今の政府と昔の日本軍に味方する人など海外では誰もいないのです。
(マイケル・ヨン、ヘンリー・ストークス、ケント・ギルバート、テキサス親父といった、ごくごく稀な「お雇い外国人」を別にして)

ようやく実現した日韓首脳会談の後でも、安倍総理が「慰安婦問題のすみやかな合意をめざす」と言ったかと思えば、すかさず菅官房長官が「日韓条約で解決済み」の決まり文句。
いやはや。
かかる曖昧きわまりない態度の裏にある硬直しきった心胆こそ、問題をここまでこじらせた元凶です。
そのままにしておけばやがて、フィリピンやインドネシアなど旧占領地の少女たち、オランダ人少女、そして日本人少女の慰安婦像まで造られるようになるでしょう。世界中いずこの地でも。
お友だちがどんどん増えていくのは良いことだけど、安倍首相と支持者たちは金輪際、その仲間に加われませんからね。





関連リンク

Statues honoring Korean, Chinese "comfort women" erected in Seoul
(mmc-News)
http://mmc-news.com/news-statues-honoring-korean-chinese--and-quot;comfort-women-and-quot;-erected-in-seoul-292136.dbv



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続・東京を占領した南京事件否定派、ユネスコを脅迫


あのあと、面白い動きが二つあった。
ロシアがシベリア抑留の登録で文句をつけてきた。
それとアメリカがユネスコに復帰する。





そら来たという感じのロシアからの抗議だが、米国のユネスコ復帰は寝耳に違いない。
パレスチナの加入に反発、ユネスコへの拠出金を停止していたアメリカが戻ってくるという。日本の拠出金の停止をめぐり、こーゆーこと言ってた人たちはみごとに梯子をはずされた。
(ていうか、はじめっから梯子なんて届いてなかった)

     ↓



いや、メデタイ♪♪♪


(ロシアの絵本の挿絵です)



まあ、ユネスコ復帰といっても。
ケリーさんは「議会にはたらきかける」と言ってるわけだから、すぐにというわけじゃないし、議会で承認されないかもしれないが。
とりあえず、安倍政権のユネスコ恫喝にみごとな当て付けとなる立ち上がりを示してくれた。

さすがアメリカ合衆国。
かの国と日本とはたがいにデモクラシー国家同士としての価値を認め合った場合においてのみ、「義兄弟」でいられるのだ。
もう何度も言ってることだけど。






関連リンク

東京を占領した南京事件否定派、ユネスコを脅迫
(当ブログ)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/52014697.html



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東京を占領した南京事件否定派、ユネスコを脅迫

記事題の通りに形容するしかない状況だ。
(他にどう表現できる?)

安倍政権が、中国の南京事件資料がユネスコの世界記憶遺産に登録されたのに憤り、いまや日本が最大の拠出国である組織運営の分担金を凍結するぞと揺さぶりをかけている。

いや、「凍結する」うんぬんは、国内支持層にアピールするための発言にすぎず、実際にユネスコに通達したわけではないようだ。
しかし世界はそう受け取った。



「日本がユネスコを脅迫」拠出金停止の検討、海外メディアはどう報じたか
(ハフィントンポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/13/japan-threatens-unesco_n_8289618.html

米国CNN「「東京は南京大虐殺文書に怒り、ユネスコとのドアをピシャっと閉じた」
英国ガーディアン紙「日本の新聞は、団結してユネスコを非難した」
中国新華網「世界は日本がお金で国際社会を脅す醜い行為の目撃者となる」



安倍政権と支持層の頭の中ではユネスコが、国連が、中国に操られたように見えるのかもしれない。それでユネスコを揺さぶり「中国人狩り」をしているつもりかもしれない。ちょうど占領下の南京で日本軍がやった、「便衣兵狩り」のように。

あいにく世界の目には、日本政府がユネスコを脅してるとしか映らない。新華網が「金で国際社会を脅す醜い行為」と伝えるとおりの光景だ。
現状、日本のやり方に賛同する国はない。
まして。ほんとうに分担金の払いを停止したらどうなるかはあきらかだ。
日本にとって、対米開戦以来最大の愚挙となるだろう。よりによって「ユネスコを脅迫」して不都合な登録を抹消させようとは、ディズニーランドを軍事占領する暴挙にも等しい。

だいたい日本政府は一体、どんな抗議をしようというのか?

日本軍の南京入城後の状況が、外務省による認識「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています」の通りだったのは、日本側の資料だけでも十二分に証明できてしまう。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/

だから菅官房長官といえども、ネット右翼やリアル右翼のように「虐殺などなかった。みんな中国の捏造だ」で押し通すわけにいかないのだ。
そこで、過去を蒸し返すことが今の日中関係に及ぼす影響を懸念するような口ぶりをする。
「流血の過去を俎上に乗せるのは日中友好上よろしくない」というわけだ。
自国側があたえた被害を相手国が銘記する行為を、「友好上よろしくない」と諌めるという神経はそうとうなものだと思うが、国際的な常識は今の我が政府には通用しない。
本音は、「美しい日本」の歴史を汚されたくないだけだから。

さらに中国側の提示する「犠牲者数30万」の誇大さについて固執。南京事件を論争化させる他の歴史修正主義者と同様に、安倍政権の幕僚も「30万人も殺された証拠はない」と、数の問題に持ち込もうとする。
「日本は思われてるほど大罪を犯したわけじゃない。30万人も死んでないから、中国の言うことは嘘だ」という印象を抱かせたいのだ。

ここで、意図的に話をずらそう。
1812年。ナポレオンのロシア遠征に動員された欧州諸国の兵数は70万近く。うち60万がロシア国境を越えたとされるが、軍がモスクワに迫る頃には総力20万程度にまで減っていた。あとの40万はどうなったか? のたれ死んだか脱走したと考えるしかないが、資料的な裏付けがまるでできない状況らしい。
(キング・ヴィダー監督の映画『戦争と平和』では初めからこの問題をかっ飛ばし、「二十万の大軍が攻め込んだ」ことになっているほどだ。)

とはいえ。ここに拘って、数字が不確かだからとロシア遠征をなかったことにする史家など見たことがない。攻め込んだ兵数が20万だろうが60万だろうが、ロシア戦役がナポレオンの大失策、侵略的遠征により相手方の国土と軍民に甚大な被害をもたらし、自軍の大半を損耗させたという大事実に変わりあるはずがない。

ロシア遠征の例を持ちだしたのが、何を言うためかわかると思う。
数字がカッキリしてないのはそれほど重要ではない。
大切なのは全体像だ。
一国の軍隊が守るべき範囲を超えて他国の領土になだれ込み、国連の非難も、中央の停止命令さえ無視し相手方の首都に進撃するという、それ自体が大規模な逸脱を松井石根大将麾下の部隊はやった。
(引きずられるかたちで軍令部も南京攻略時点には現地軍の要請に応じるのだが、そもそもハーグ条約違反である。そのうえ中央が現地軍の行動を追認したことにより、日本国家そのものが中国侵略の責を免れなくなった。)



『1937年9月中国政府は日本の中国侵略を連盟に提訴した。連盟総会は9月28日にまず、「都市爆撃に対する国際連盟の対日非難決議」を全会一致で可決し、日本軍による上海、南京、広東爆撃を非難した。さらに10月6日には日本の軍事行動が九カ国条約と不戦条約に違反していると判定し、連盟は中国を道義的に支援することを採択した。そして同年11月3日から24日までブリュッセルで開催された九カ国条約会議では、日本の中国侵略を国際法違反であるとして非難、警告する宣言を採択した。』
(中国は国際連盟に働きかけていた/南京事件FAQ)
http://seesaawiki.jp/w/nankingfaq/d/%c3%e6%b9%f1%a4%cf%b9%f1%ba%dd%cf%a2%cc%c1%a4%cb%c6%af%a4%ad%a4%ab%a4%b1%a4%c6%a4%a4%a4%bf


「日華事変」はすでにその当時から、侵略戦争と認定済みなのだ。
虐殺があったなかった以前に、日本軍が南京にいたことが根本的な罪だった。
それで後代の者が「30万も殺した証拠を出せ」と言い張っても、厚顔無恥な大馬鹿者と思われるのが関の山、どこの国からも相手にされるわけがない。

今回の件では日本でも多くの人が、ブログやTwitter等で、安倍政権のユネスコへの不適切な対応を批判している。
自分はといえば、機会あるごとに語ってきた通りのことを再掲するばかりだ。

南京大虐殺がなかったとして、
日本が中国を侵略した事実は帳消しになるんですか?





付録
ネット右翼が「南京大虐殺が嘘だった証拠だ」と躍起になって拡散している写真の一枚



タネを明かせば、当時の軍部が従軍記者に撮影させた、中国人との「友好」を伝えるプロパガンダ写真にすぎない。
そもそも皇軍の印象を悪くするものが検閲で許可されるはずないのだと理解する必要がある。
しかし不思議でならないのは、今のネット右翼の中国人に対する親しみの気持ちが、写真中の日本兵ほどにも欠けていることだろう。






関連リンク

産経新聞とうとう、「南京大虐殺」を完全否定!
(NAVERまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2142398517467678601


「国際連盟は2万人虐殺すら認めなかった」というトリック
(南京事件−日中戦争 小さな資料集)
http://t.co/IJsWc16WYo


南京は燃え尽きた
(大戦壮語)
http://www.geocities.jp/ondorion/war/war-opinion/nanking_manual.html


民主党の長島昭久さんが南京事件に関して自信満々にツイートするも、
初歩の初歩でつまづきツッコミ殺到
(NAVERまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2144497314961446701






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大王さま、それは違憲です


今回の憲法学者三人による「解釈改憲は違憲」だとする意見表明。
すでに多くの人によっていろいろ言われてるけど、自分としては、「どうしても、こんな場面を思い描いてしまう」という感想を表明するだけにしておきたい。









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いまのところ無題

昼下りの街路。
パラソル差して前を行く女子大生に、向かい側から来た若い白人女性の三人組、唐突に立ちふさがるや、「オー、カワイイ、カワイイ」などと口々に、その服装をチヤホヤするように話しかける。
なんなんだ? まさかクールジャパンめあての観光客?
こっちのほうが観光気分で見物したくなる場面がちょうど眼前に現出したのだった。
いや、話しかけられた女の子のほうはずっと驚いたに違いない。日本娘なら誰もが憧れることが自分の身に起きた。

種明かしすれば何のことはない。
キリスト教会が信者集めでやってる英語教室の勧誘だ。
彼女らはボランティアの英語講師として来日した面々で、「カワイイ、カワイイ」の賛辞攻めは道を通るすべての学生を対象に、話を持ちかけるきっかけのためだった。
しかし……。
教会の英語教室の勧誘のやり方、とうとうここまで来たという感慨というか諦観というか。
日本の若者は西洋人から見かけを誉められれば有頂天になって落としやすいという特性、しっかり見抜かれてますぞ。

あ。
なにが言いたかったかというと、英語教室のことじゃないのだ。
安倍政権が一昨日なした、「派兵法改正案」の閣議決定についてだ。
この内閣にとって念願だったことをついに成し遂げた。しかし派兵できることになっても、派兵するものがなければどうしようもない。
実際、こういうツイートも流れてきている。





いまや自衛隊は応募者超過で、昔と比べて簡単に入隊できない、狭き門と化してるとも聞くけど、たしかに今後は海外に出され戦死もあり得るとなれば志願を躊躇する者が増えるのは合理的に予想できる。
政府は、軍服姿で外地に派遣する人材をいかにして確保するか。

アメリカのように、入隊者には大学の学費を国が立て替えるようになるだろうか。
満期除隊者はすべて、国や地方の公務員として迎え、高給で遇すようになるだろうか。

勧誘のやり方もなりふりかまわず、あの手この手を尽くすこと請け合いだ。
盛装した軍人が若手の勧誘に精出すという古風なものでない、もっと日本の今流に。

秋葉原など繁華街を歩く若者を、コスプレ姿の可愛い子ちゃんたちがいきなり取り囲むや、「カッコいい、カッコいい」と寄ってたかっておだてあげ、いい気にさせて入隊書にサインさせてしまう。そういう感じのスカウトのやり方が当たり前の光景になるのでは。

英語教室の勧誘から連想して思う、初夏の昼下がり。
(と、強引に話を結び付けた)






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