戦争を語るブログ

平和を愛し、いさかい好む

愛国ポルノ

オスカー様


アカデミー賞で日本人がメーキャップ賞を得たのを、誇りに思うかって?
もちろんさ、天下の米国アカデミー賞じゃないか。同じ日本人として鼻が高い。
こう言うべきなのだろうが、しかしだ。

考えてみれば。
英国の俳優が主演男優賞を受け、イギリス人も鼻が高いことだろう。
メキシコ人だって、メキシコの監督の映画が作品賞に輝き、鼻が高いことだろう。
何よりもアメリカ人。彼らこそ歴代の最多受賞者だから、どの国の人よりも鼻が高いはず。
そして。
アカデミー賞の選考委員たち。世界中の人々が渇望する賞を授ける立場にいられるとは、鼻の高さMAXに違いない。

まったく。
いつになったら外国人から、「日本の映画賞を授けてもらえて、鼻が高い」と言われるようになるのかね。



ちなみに。
『ウインストン・チャーチル』と『シェイプ・オブ・ウォーター』、どちらも興行収入となるとイマイチの水準であった。
http://www.boxofficemojo.com/movies/?page=intl&id=darkesthour2017.htm
http://www.boxofficemojo.com/movies/?page=intl&id=theshapeofwater.htm






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日本人でどこがよかった

「日本人でよかった」と自己を称揚する愛国ポルノ画像がTwitter上に広く出まわり、「キモい、キモい」と評判を呼んでいる。
観光都市京都の町中いたるところに張られたポスターの図案だという。



「私、日本人でよかった」のポスターが京都の街に貼られまくっている
https://togetter.com/li/1105673




こうした否定的な反応について、異常さを感じとれない人からは「なぜこれが変なのかわからない」と、他国バージョンの画像まで作って並べてみせたものまで出ているのだが。





いや、ありがとう。
おかげで、多くの人があのポスターになぜあれほどの違和感や不快感を覚えたか、根源的な理由を浮き彫りにする結果になったとお礼を言わせてもらいたい。

つまり。
こんなポスター作って喜んでるのは日本人だけなのだ。
なぜなら、アメリカでもフランスでも、おそらく日本以上に民主化している韓国や台湾でも、国民であるという状態は自分であらしめるものだから。
それは、一人一人が国家の管理に関わることで、国家に暴走させないよう、国家から国民が奴隷のように遇されないよう歯止めをかける努力と同義であり、まさしく洋の東西を問わぬ近代国家の構成員としての態度にほかならない。

かたや例の京都ポスター。
まるで「天が自分に日本人の身分を与えてくれた」のに感謝するみたいな、なにやら国という御主人様に対する臣民のような従順ぶり。
裕福な屋敷で仕えていられるのに満悦する、昔の奴隷の表情そのままだ。
王権や中央政府など支配者側に対して権利を訴え続け、和を乱すのもいとわぬ闘争のあげく国民主権をかちとった諸外国の人々にはおよそ受け容れがたいだろう。
そして国内の進歩的な人々に嫌悪された理由もまさにそこに見出される。

進歩的であるとは世の中に不備を見つけて改善していく行き方のことなので、現状に充足なんかしてしまったら先に進めなくなるからだ。
それでなくともポスター女性の表情、恵まれた自己の境遇に酔い痴れるようにほくそ笑む無神経さが、多くの人の気にさわり「キモい」と反発さそったのは当然至極であろう。



愛国宣伝にナルシズムを打ち出して、どうする?
化粧品のCMじゃねえんだ、神社本庁のボケが。


それにしても。
「日本人でよかった」とは。
これほど今と昔で使われる用途が違ってしまった言葉もないだろう。

ひさしい前までこの言葉は、もっと無害で微笑ましい状態をさすものだった。
たとえばほら、アレだ。往時の桃屋のテレビCM。
三木のり平のアニメキャラが「桃屋のイカの塩辛でお茶漬けか〜、日本人に生まれてよかった♪」とごちるやつ。
つまり日本人にしかわからない良さがわかることで得をした気になり、ささやかに充足する感じ。神社本庁のくだらないポスターで厚かましく、国家主義や民族主義を押しだしたのとはぜんぜん違う。

ようするにあのポスター、ネトウヨにしか良さがわからない代物である。

だけんども奴らときた日にゃ、てめえでてめえのことわかってねえ。
「ネトウヨでよかった」なんて絶対いわね〜んだ。






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大東亜会議


1943年11月。
大日本帝国の主唱する大東亜共栄圏の理念にもとづく協議およびアジア諸国の結束を誇示するため、日本の軍政下におかれたアジア地域の首脳が東京に集いました。




大東亜会議に列席するアジア各国代表
左から、ビルマ、満州国、中華民国(南京政府)、日本、タイ、フィリピン、そしてインド




この宣伝用の記念写真には、韓国とそれから台湾の代表が見えないんですが。
ああ、そうか。韓国も台湾も当時、旧ニッポンの植民地というか領土だから、日本の兵隊さんが欧米植民地主義から解放した地域のように独立をあたえるわけにいかなかったんですね。
大日本帝国の植民地主義のほうが瓦解しますもんね(笑)。

補足すると、マレーシアやインドネシアの代表もいません。この年5月、御前会議により決した「大東亜政略指導大綱」では、マレー、スマトラ、ジャワ、ボルネオ、セレベス等を帝国領土とする定めがなされていたからです。
これじゃ招くわけにいかないじゃないですか。

自分にはバカウヨ派がこの穴だらけの宣伝写真をなぜ大東亜戦争の大義を証するものとして自慢するのか、どうしてもわかりません。






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国民病「日本スゴイ症候群」と他人の反応








写真は、いまもガラパゴス島に孤立して棲息する原住民。







日本人には、日本のネイティブと日系米国人とを混同して見てしまう傾向が強い。
何十年も前だがNHKで大河ドラマ『二つの祖国』が製作されたとき、米国の日系社会から強い反発を受けた。
番組の意図は太平洋戦争中に日本とアメリカ、二つの祖国にはさまれた日系移民の苦渋を描くことにあったが、日系米国人の祖国といえばアメリカ合衆国にほかならず、彼らにとって「二つの祖国」なるものは存在しない、誤解を招くことはよせというわけだ。
「戦時中に敵国で」という言い方も忌み嫌われる。当時、日系市民の祖国アメリカにとっての敵国とはまさに日本だった。では日系人も日本を敵国とみなしたかといえば、そこに複雑な思いがあったのはたしかにせよ、すくなくともアメリカのほうを敵国だと思う人は米軍に志願などせず日本に送還されている。





日本スゴイ症候群

現在、日本国内において猛威をふるう集団性の精神疾患。まるで国民病のような勢いで拡がっているが、他国民に感染の心配はない。
とり憑かれたような貪欲さで祖国と自国民への独占的な賞賛を求め、自己満悦に浸る。
一見無害に思えようが、ナチのアーリア優越思想がユダヤ人やロマ人への迫害を招いたように、この日本スゴイ症候群の場合も近隣国民への憎悪感情と一体になったものが多く、注意を要する。
治療薬はないが、哀れんで調子を合わせても増長するばかりなので、無視するか冷や水を浴びせること。
あらたな感染の予防にはなる。





関連リンク

「世界が絶賛する日本!」みたいな自国礼賛サイトはこうやって作られていた
(エストニア共和国より愛をこめて)
http://www.from-estonia-with-love.net/entry/post_truth02


「日本人はダメになった」のウソ。戦前の日本人も大したことなかった…
(NAVERまとめ)
https://matome.naver.jp/odai/2142379365278471801






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ニッポンこわい


前回の記事。
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/52031811.html
はじめは「原爆トランプ」の記事題にあわせ、「原爆よりトランプのほうがよっぽど怖いや〜」みたいなオチで締めようかと思っていた。ところが書くうちに、日本の国民性のほうが原爆よりもトランプよりも、どんなものより恐ろしいのではと思い当たり、なんとも言えない気分に陥った。
たしかに日本は原子爆弾を投下された唯一の国だが、そうなったのには相応の理由があるのかもしれない。

見てほしい。
最近、Twitterで話題をさらったこのツイート。
ある人が台湾の空港で撮った旅客者の国籍調査の写真だ。
赤丸の小さなシールを出身国の欄に貼って回答するのだが、問題はそのシールの貼り方。





日本人の、他国民とくらべた一目瞭然の特異性


なぜ、こんな場合でも整列させなければならない。軍隊国家か、ニッポンは?
日本人だけだ、世界中でこんなのは……。
自分的には、なんとも暗澹たる気分にさせられた。日本人に個々の立場での主張は百年先まで不可能ではとのあきらめに似た思いというか。
一枚の写真で断じるのもなんだけど、他の局面でも覚えがある我々の集団的性向を重ね合わせると、一事が万事という気になってくるのである。

ちなみに、コメント欄も驚きだ。これに呆れるどころか、なにやら肯定的で誇らしげな感想のほうがずっと多く、やはり国民的な特異性が全開という。
これではどうしたって、「日本人に生まれてよかった」とは真逆の感慨を抱かざるを得ないではないか。

すでに集団主義の実体すら失い、形骸化されたごとくの規律への隷属。
監視され命じられたわけでなくても日本人の見せるこうした、一人ひとりの骨身に染み付いたかのような天然の組織的群居性とも呼ぶべき性向のほうが、原爆より怖くてたまらない。もはや笑い茶化す気もしないほどに。

この、周囲から異分子と見られないよう自我を抑えて整列することで、逆に周囲の世界とはっきり際立ってしまった異分子の大集団。
それが日本人。
「いいではないか、きちんと並んで何が悪い」と言うかもしれないが。
「おまえたちも俺たちと同じアジア人だろ、みんなで同じ向きに並べ」と力づくで整列を強要したのがあの「大東亜戦争」ではなかったか。こうした結束ぶりを誇示しながらファシズム陣営以外のすべての国に対峙、周辺地域に広島・長崎を上まわる規模の惨害をもたらしたのだ。

「ニッポンこわい」と感じるのは、けっして天が降るのを案じる危惧ではあるまい。







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いらっしゃ〜い!

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